子どもを導くコツとは
まだまだまっさらな心の乳児期・幼児期の子どもたち。
保育士や保護者がどう子どもを導くかによって、子どもたちの姿は大きく異なってくるかもしれませんよね。
今回は、子どもを導く立場の保育士になるために知っておきたい、子どもを導くコツをご紹介したいと思います。
上手な子どもの褒め方
子どもが言うことを聞いてくれない・・・。保育士の悩みは尽きませんよね。
多数のテレビ出演をされている教育評論家の尾木ママによると、『叱らない子育て』が良いと紹介されています。
また、褒め方の違いで子どもの性格も変わってくる、とも言われています。
叱らない子育てとは?そのポイントや注意点など、詳しくご紹介したいと思います。
○叱らない子育てのメリット
子どもを褒めて育てるのがオススメされる理由は、「自信をつけさせる」ことにあります。
マイナスの発言はせずに、何でも出来たことをちゃんと褒めてあげることで、子どもは自分のやっていることに自信を持って取り組めるようになります。
すると、失敗を恐れずに何にでもチャレンジするようになります。
例えば、シドニー五輪で金メダリストに輝いた高橋尚子選手。
彼女を勝利へ導いた小出監督は、常に彼女を褒めていました。
まさに「褒めて育てる」のが小出監督流の育て方だったのです。
「お前はロードに向いている。
マラソンなら世界一になれる」と毎日のように言い続けた結果、勝利をつかむことが出来たのです。
このように褒めることが効果を生み出すことは医学的にも示されています。
子育ても同じように、良いところを認められ、褒められると子どもはさらに努力し、その子の良いところがどんどん伸びて行きます。
そして、何か一つが伸びてくると、それが自信となり、他のことにも良い影響を及ぼします。
ただ、何でもかんでも褒めればいいというわけではありません。
現象を褒めるのではなく、子どもが変容・成長した姿を褒めることが大事です。
例えば、何か悪いことをしてしまった時、反省したり、改善して正しい方向に進もうとしたりした時に褒める、ということです。
褒めるというのは同情や同感ではなく、「共感する」ということ。
子どもの様子をしっかり見て、子どもの気持ちに寄り添ってあげられるかどうかが重要です。
○褒め方のポイント
子どもを褒める時は、以下の5つのポイントを意識してみましょう。
・子どもをよく見て、心をこめてタイミングよく褒める
・何かをしながらでなく、子どもの目線まで下りて、しっかりと目を見て褒める
・抱っこしたり、あたまをなでたりして、スキンシップをとりながら褒める
・結果のみを褒めるのではなく、プロセスや努力を褒める
・「○○チャンより上手だね」など他の子どもと比較しない
また、時には言葉掛けではなく、日々の連絡帳や、手紙で褒めることも効果的です。
「朝、元気にご挨拶できたね」「ご飯残さないで全部食べられたね」など、時には子どもが普段している当たり前のことも褒めてみてください。
良いところを伸ばせば、悪いところも良い方向にもっていくことが出来ます。
1日1回子どもを褒めるなど、心掛けをしてみてはいかがでしょうか。
幼児期から相手への「共感力」を高めるポイント
「相手を思いやる、優しい子に育って欲しい」という想いはどんな保育士さんも持っていますよね。
その為には幼児期から子どもの心の動きに敏感になり、他人の気持ちを想像することや、関心を広げて行く手助けをすることが大切です。
○「ダメ!」で終わらせず、考える時間を作ろう
お友達と喧嘩して、叩いてしまった時などに「そんなことしちゃダメ!ごめんなさいしようね」と頭ごなしに叱ることは子どもにとってあまり効果がありません。
・なぜ自分がそんな行動をしたのか
・相手はどんな思いだったのか
・叩かれてどんな気持ちになったか
これらを考えさせ、思ったことを自分の言葉で表せるように促して行きましょう。
勿論一度言っただけで伝わるものではないので、根気の要ることだと感じるかもしれません。
ですが、これらを繰り返し教えて行くことこそ最も効果的であり、子ども自身が的確な表現力を身につけたり、共感力を高めて行きます。
幼児期に覚えることは、成長してからの対人関係スキルにも強く結び付いています。
○子どもへ「問いかけ」をする
悪いことやお友達に迷惑をかけてしまった時にしっかり「ごめんなさい」と言う習慣をつけることは大事ですが、なぜ自分は心をこめて謝らなければならないのか、ということを自覚させる為に、次のような問いかけをしてみましょう。
・自分がやったことで、お友達はどんな思いをしたかな?
・そういうことをして、どんな気持ちになった?
・自分がやったことのせいで誰かが悲しくなったり、怒る、と知っていたらどう思う?
○具体的に教えながら共感力を養おう
子どもたちの個性によって違いますが、一般的に女の子よりも男の子の方が言葉で説明することがあまり得意ではない傾向にあります。
また、4・5歳児ではなかなか思い通りに言葉に出来ず、イライラして癇癪を起こしてしまうかもしれません。
「優しくしようね」というような抽象的な言葉ではなく、なるべく保育士さんから積極的に分かりやすい言葉を掛けてあげましょう。
例えば、「○○くんはどう思うかな?怒っているかな、悲しいかな?」といったように、
保育士さんから働きかけて気持ちを聞いたり、足りない部分は補ったりしながら一緒になって考えて、子どもの気持ちをしっかり受け止めることがとても大切です。
自分や相手の気持ちを言葉で考えて、表現しようとする気持ちが相手への「共感力」に繋がります。
子どもの伸びは、褒め方・接し方次第
今回は、知っておきたい「子どもを導くコツ」をご紹介させていただきました。
いかがでしたか?
やみくもに褒めることや叱ることは、子どもにとってプラスの方向に繋がらないことも多いものです。
自分たちの褒め方・接し方次第で子どもはどんどん伸びるということを忘れないようにしましょう!子どもの褒め方や接し方に悩んだ時、ぜひ見直してみてくださいね。