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保育士さんのお給料明細チェックポイント

就職するともらえるのが給与・賞与です。
給与や賞与が支払われる際には必ず「明細」が添付されます。
初めて所得を得る人にとって、明細には見知らぬ言葉がたくさん登場する代物。

保育士さんのお給料明細チェックポイント
ついつい「園がちゃんと計算したのだから合ってるでしょ」と考えがちです。
しかし、経理担当者だってミスをするかもしれません。
そこで今回は明細を見る時のポイントをご紹介します。


◆給与明細の記載内容とチェックポイント

◯給与明細の記載内容
給与明細には大きく分けて、支給額・勤怠・控除・差引支給額の4つの項目が記載されています。
これらの3つそれぞれについての内容を確認しましょう。

(1)支給額
基本給・残業手当・休日出勤手当・住宅手当・役職手当・資格手当・通勤手当・扶養手当・単身赴任手当などが含まれます。
基本給は全員に該当する項目ですが、それ以外は個々の状況に応じて支給されたりされなかったりします。

(2)勤怠
出勤日・欠勤日・時間外労働時間・休日出勤日などといった、出勤データが記載されています。

(3)控除
控除は、給与からあらかじめ差し引かれる税金や保険料の項目です。
内訳としては、所得税・住民税・雇用保険・健康保険・年金保険となります。

(4)差引支給額
いわゆる手取り額のことです。
(1)〜(3)の合計金額が記載されます。

◯給与明細のチェックポイント
(1)支給額
基本給が正確か、各種手当が正当に支給されているかを確認しましょう。
残業した場合は残業手当がついているか、1時間当たりの賃金の25%以上の割増率で賃金が支払われているかを確認しましょう(契約内容によっては例外あり)。

(2)勤怠
出勤日数や時間外勤務時間が実態に合っているかどうか確認しましょう。
必要に応じてタイムカードと照合して下さい。

(3)控除
・健康保険料...「標準報酬月額(給与)」×「保険料率」で計算した額と合致するか確認して下さい。
標準報酬月額は4~6月の平均額で決定します。
新入社員の場合はその都度の報酬で決定されます。

・厚生年金保険料...「標準報酬月額(給与)」×「保険料率」で計算した額と合致するか確認して下さい。
標準報酬月額については健康保険料と同様の扱いです。

・雇用保険料...「標準報酬月額(給与)」×0.5%で計算した額と合致するか確認して下さい。

・所得税...「所得額(支給額-保険料)」をベースにして計算されます。
月によって所得が変動する場合、多少の過不足が発生しますが、年末に調整しますので安心して下さい。

・住民税...新入社員の場合、初年度(~翌年5月まで)は住民税の天引きはありません。
2年目からは前年度の所得に基づいて決定された住民税の引き落としがあります。
住民税は自治体から各自に通知されますのでよく確認しておきましょう。


◆保育士の福利厚生

勤める園によっては、給与以外の手当が支給される場合があります。
また、結婚などのイベントが発生した場合、所属する共済制度から支給されるお祝い金などがあります。
保育士さんの福利厚生にはどのようなものがあるのか、その一例をご紹介します。

◯手当
園によって異なりますが、通勤手当、調整手当、住宅手当、扶養手当、特殊業務手当(行事などの際支払われる手当)、資格手当などがあります。

◯臨時の給付金
所属する共済によって異なりますが、結婚祝い金、出産祝い金、入院見舞金、三大疾病見舞金、傷病見舞金、災害見舞金、弔慰金・香典、出産手当金、出産育児一時金、障害弔慰金、高度障害見舞金、退職共済などがあります。

その他、研修制度、健康診断、予防接種を園の負担で受けたり、テーマパークを特別価格で利用できる制度などがある場合もあります。


◆賞与から差し引かれるもの

雇用契約に基づいて賞与が支払われる場合があります。
給与のX・Xカ月分という形で支払われるので、保育士にとっては待ち遠しいもの。
しかし、契約通りの金額が手元に残るわけではありません。

◯所得税
賞与からは所得税が差し引かれます。
賞与から引かれる所得税は「賞与に対する源泉徴収税率」に基づいて計算されます(国税庁のHPを参照して下さい)。
記載の税率を「賞与-社会保険料-雇用保険料」に乗じたものが所得税額です。

他に、「社会保険(健康保険・厚生年金保険・40歳以上=介護保険も)」と「雇用保険」が合わせて天引きされます。
毎月の給与からはこの他に「住民税」が引かれていますが、賞与からは天引きされません。

社会保険料
賞与からも社会保険料が差し引かれます。
社会保険料は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、40歳以上の方は介護保険料も差し引かれます。
保険料率は都道府県によって異なります。

◯賞与の額面と手取りの差
賞与についても毎月もらう給与と同様、税金などが天引きされるということが分かりましたね。
賞与の額面と手取りの差は、賞与の額によっても違いますし、前月の給与額や年齢、扶養家族が何人いるのか、都道府県によっても異なってきます。
額面50万円の賞与をもらっても、手取りは30万円台ということもあり得るのです。

賞与の手取り額の計算方法は、やや複雑ではありますが、いったいどのぐらいもらえるのか、予定を立てる必要がある場合は、上記の計算方法にてあらかじめ自分で計算してみましょう。


◆給与明細を正しく読むということ

「給与明細を細かくチェックするなんて、お金にガメついみたいでかっこ悪い」と考える人もいるかもしれません。
その考えは誤りです。
貴重な時間、労力を保育園に譲り渡し、その対価として得られるのが給与・賞与です。
約束通り支払われているかどうかをチェックするのは当然です。
恥ずかしがらず、労働に見合った対価が支払われているかどうか確認して下さいね。


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