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保育士は残業が多い?残業理由や残業を減らす工夫

保育士として働くにあたり不安になる要素の中には、残業の多さという点も含まれているのではないでしょうか。この記事では、保育士の残業と残業理由、残業を減らす工夫などを紹介します。できるだけ残業を少なくするためにも、自分に合った保育園を選び、プライベートも充実させながら保育士として働きたいものですね。


保育士は残業が多い残業理由や残業を減らす工夫 Narin Nonthamand/shutterstock.com

保育士の残業の現状

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、保育士の1カ月の超過実労働時間数(残業時間)の全国平均は、男性保育士で5時間、女性保育士で4時間という結果となっています。残業時間としては少ない数値と言えますが、実際の保育士の残業事情はどのようなものなのでしょうか。残業理由など調べてみました。

出典:平成30年賃金構造基本統計調査/厚生労働省


残業時間は保育園によって異なる

実際には、保育士の残業時間は保育園によって異なることもあるでしょう。最近は、保育業界でも、働き方改革の推進により残業時間の削減が徹底されてきましたが、保育士不足や業務の多さなどで、まだまだ残業しなければならない現状もあるようです。

特に多い残業理由は、入園式や運動会などの行事前の準備などです。年間行事の数や規模は保育園によって異なるため、それにともない残業時間の長さも変化するでしょう。


持ち帰り残業もある

保育園によりますが、何時までが定時と決められていても、持ち帰り残業が発生することもあります。行事の準備に関しては、行事の1カ月や2カ月前から準備を計画的にはじめるところや、行事1週間前から準備を行うところなど、保育園の方針によってさまざまです。

指導案の作成などの事務作業と行事の準備が重なってしまう月もあり、持ち帰り残業につながっているようです。

また、持ち帰り残業では残業代が支給されないことがほとんどのようです。保育園は保育料や自治体の補助金などで運営されているため、残業代を漏れなく支給できる保育園は少ないというのが実情です。


自分でできる残業を少なくする工夫

ここでは、保育士個人で残業を減らすことができる工夫を紹介します。保育士として働き始めは業務を覚えることに精一杯かもしれませんが、ある程度慣れたら、業務を減らす工夫を行うようにしましょう。


業務効率化のためのアイテムを使用する

どうしても行事や製作の準備などは時間がかかってしまうものです。そこで、業務の効率化を図るために、利便性の高いアイテムをつかってみましょう。普通のはさみのようにまっすぐ切るだけでギザギザに切れるはさみや、お花やハートをかたどることができるクラフトパンチなど、いろいろな便利グッズがあります。

そのほかにもコミュニケーションが円滑になるかわいいデザインのふせんや、一つあるだけでいろいろな線が書ける定規など、事務作業で使える便利グッズもたくさんあります。



例年の記録を活用する

行事の準備では、一日の流れや装飾品などのアイデアを考えるのには時間を費やしてしまいがちです。そこで、例年、行事に関するあらゆる記録をとるようにしましょう。記録をとることで、翌年以降の参考にすることができ、効率化を図ることができます。

新しいアイデアを出すためにも、過去のものをストックする意識を持ちましょう。


職員間でこまめに連携や協力をする

職員間でのコミュニケーションをこまめにとり、連携や協力をする意識を持ちましょう。だれが何時までにこれをする、など役割の分担も大切です。

また、新人保育士の場合やはじめて行う仕事は分からないのが当たり前です。仕事につまづいているときには、先輩保育士などに聞くなど、頼ってみるという意識をもつことも大切です。


整理整頓の徹底

常に、身の周りのものを整理することで必要な情報がすぐに見つかるため、業務効率化につながります。書類などにはふせんをつけ、項目が一目で分かるように保管しましょう。

また、PCのファイル名なども工夫をしてフォルダを分けたり、つかわないデータはこまめに削除するなど、仕事でつかうものはシンプルにする意識をもつといいでしょう。


確認する意識をもつ

業務効率化のために仕事を早くする意識をもつとどうしても、ミスや漏れが生じてしまいます。終業間際にミスに気づいてしまい、修正する時間が余計にかかって残業することになった、というケースもあるでしょう。急いでいるときにこそ、各作業がひと段落したところで確認をするように意識することが大切です。


残業の少ない保育園とは?

まったく残業なしの保育園は少ないかもしれません。ここでは、残業なし、または残業の少ない保育園はどのような特徴があるのか紹介します。


保育士の人数が多い

子どもの数と比べ、保育士の割合が多い保育園は残業が少ない傾向にあります。また、保育士が多ければ、事務作業などの保育以外の業務を分担することができるので、残業時間も減り、心の余裕も生まれそうです。

また、保育士が多い分、一人ひとりの子どもたちに向き合うことができ、保育の質も向上するといえるかもしれません。


ICT化に取り組んでいる

ICT化とは、「information and communication technology」の略称で、情報通信技術のことです。ICT化を取り入れている保育園では、手作業で行っている、勤怠管理や指導案の作成などの負担が減ります。手作業で書かなければならなかった書類の負担が減ることで、残業の少ない保育園になっていくでしょう。

現在、政府や自治体からの補助金制度もあり、ICTを取り入れる保育園はすこしずつ増えてきています。


行事が少なめ

行事が少ない保育園は、その分の準備も少なくなり、必然的に残業時間も短くなります。行事が多い、少ないについては、それぞれの園の指針によって異なります。保育園を選ぶ際に、保育園の指針や年間予定をしっかり確認するといいでしょう。


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さまざまな工夫で残業の少ない保育士を目指そう

保育士の残業理由や残業を減らす工夫、残業の少ない保育園の選び方について紹介しました。

現状、保育士不足の背景もあり、保育士一人当たりの業務量が多くなり、残業が発生してしまう保育園もまだあります。しかし、保育業務のICT化や働き方改革の推進によって、保育業界全体で労働環境の改善が進んでいるのも事実です。

業界全体での取り組みに含め、「何時までにこれをして、次にあれをする」など個人の小さな意識などが重なることで、保育業界全体の変化を促すきっかけにつながりそうですね。

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