新卒保育士になる前にやっておくこと。準備するものや身につけたいスキル【保育士の就活ガイド】

新卒保育士になる前にやっておくことについて、くわしく知りたい保育学生さんもいるかもしれません。入職後の新年度に向けて、どのような持ち物やスキルなどが必要になるのか知っておきたいですよね。
今回は、就職前に準備しておくべき服装や必需品、心構え、準備金、自治体が行う支援などについて紹介します。

スーツをきた女性

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新卒保育士として就職する前にやっておくこととは

新卒保育士になる前にやっておくべきことはあるのか、何から準備すればよいのか気になる保育学生さんもいるのではないでしょうか。

保育士になる前にやっておくこととして、以下のような事前準備が必要になるでしょう。

【保育士になる前に準備しておくことの例】

  • 通勤や保育業務にふさわしい服装を準備する
  • 保育士業務に適した身だしなみ(髪型・メイク)を整える
  • 保育士の業務面で必要な文房具や道具を揃える
  • 新社会人としての心構えを意識する
  • 新生活のために必要な費用を準備する
  • 学生のうちに身につけられるスキルを磨く

このように、新卒保育士になる前にやっておくことはさまざまあります。

保育士さんは子どもの命を預かる仕事ですので、準備不足から子どもたちの危険につながったり、急な場面で対応できない事態になったりすることも考えられます。

新卒保育士になる前にやっておくことを把握したうえでしっかりと準備し、気持ちよく働けるようにしておきましょう。

ここからは、上記の例に応じたやっておくといいことについてカテゴリーごとに紹介します。

新卒保育士になる前にやっておくこと~服装や身だしなみ編~

保育士さんは仕事上、子どもだけでなく保護者の方や職場の同僚から信用が得られるような服装や身だしなみを意識するとよさそうです。

新卒保育士としての服装や身だしなみを準備する際のポイントをくわしく説明します。

新卒保育士の服装

保育士さんは屋外で動き回ったり、室内では製作を行ったりします。

衣類が汚れる機会も多いため、すぐに着替えられるように何枚か着替えを用意しておくと便利です。
汚れたままの服ではなく清潔な洋服で子どもと接することを心がけましょう。

新卒保育士の服装として準備しておくべきアイテムについて、ポイントも交えながらくわしく紹介します。

【エプロン】

保育園によっては園指定の場合もありますが、特に指定がなければキャラクターのついたエプロン選ぶと、子どもたちも気づいて喜んでくれるかもしれません。

エプロンは汚れやすいので、毎日洗濯することを考えて、洗い替え用と保育園ストック用で最低でも4枚程度は常備しておくと安心です。

また、保育活動の中で、メモとペンやティッシュなどいろいろと持ちあわせておく場合もあるため、エプロンのポケットは必須です。
左右に1つずつあるタイプだと、アイテムをわけられるのであまりかさばらないかもしれません。

常に必要となるものを携帯しておけるように、ポケットが大きめのものや着脱がしやすいものなど使いやすさを考慮したエプロンを選びましょう。

関連記事:保育士がエプロンを着る理由と、春夏秋冬別での適したエプロンの選び方

【パンツ】

保育士さんは子どもたちといっしょに走り回ったり、しゃがんだりすることが多い仕事です。

パンツは、動きやすさと安全性を優先に考え、ジャージやチノパン、季節に応じてハーフパンツなどの動きやすいパンツを用意するとよいでしょう。

【トップス】

トップスは、生地がやわらかくストレッチ性のある、動きやすい素材が適しています。
Tシャツやボタンがついていないポロシャツ、トレーナーなどにするとよいかもしれません。

ボタンやビジューなどの装飾がついている服は、何かに引っかかって取れてしまったとき、子どもが誤飲する可能性が考えられます。
そのため、ボタンや装飾がついていない服を着用するのが望ましいでしょう。

また、Vネックやキャミソールなど、胸元や肩が大きく露出しているものを保育士さんが着ていると、園の職員や保護者に派手な印象を与えてしまうかもしれません。
過度な露出がなく、清潔感と落ち着いた印象を与える服装を意識するのが大切です。

関連記事:日常保育に適した服装とは?春夏秋冬別や、運動会など行事の際の保育士の服装

【靴下】

足元は、室内において子どもの視線がいきやすい場所といえるでしょう。

かわいらしいデザインや、キャラクターデザインの靴下を履いていると子どもたちから

「先生の靴下かわいい」と興味を持ってもらえたり、会話のきっかけになったりすることもあるかもしれません。

靴下においても、食事の際に子どもの食べこぼしを踏むなど汚れやすいアイテムになるので、替えを何足が準備しておくとよいでしょう。

ただし、園によっては保育士さんも裸足保育を推奨していたり、キャラクターの靴下を禁止したりしていることもあるため、就職先の保育施設に事前確認しておくとよさそうです。

【上履き、外履き】

室内用の上履きや外履きも保育士さんには欠かせないアイテムです。

保育の現場では自分の靴の着脱に時間をかけていられない場面もあるので、できるだけ紐を結ぶ必要のない、履きやすく動きやすいタイプの靴を選びましょう。

事前に園で指定の靴がないか確認し、必ず初日までに準備しておきます。
上履きも毎日の保育で汚れることがあるため、あらかじめ交換する靴を準備しておくといざというときも安心かもしれません。

関連記事:保育士に適した上履きとは?上履きを選ぶ上でのポイントを紹介

新卒保育士の身だしなみ

保育士さんは子どもたちだけでなく、園の職員や保護者とも関わりをもつことになります。

そのため、髪色が明るすぎたり、派手なメイクをしたりすると、悪い印象につながることもあるため注意が必要です。

新卒保育士として望ましい髪型やメイクについてくわしく紹介します。

【髪色や髪型】

明るすぎる髪色は、保育士さんに限らず一般的な企業でも良しとしないところが多いようです。そのため、新卒保育士さんは黒や落ち着いた暗めの茶色など、清潔感のある色にしておきましょう。

髪型については、前髪が顔にかからないように整え、表情がよく見えるようにするとよさそうです。肩よりも長い髪の毛は、後ろで結わえるなどしてまとめるようにしましょう。

関連記事:保育士の仕事に適した髪型とは。
ロングやショートのアレンジも紹介

【メイク】

メイクは園によって方針が違うこともありますが、ナチュラルメイクが基本となります。

濃いメイクをしてしまうと、子どもの衣類にファンデーションや口紅がつく可能性があり、園の職員や保護者の印象にも影響が出るかもしれません。
つけまつげも、子どもが保育士さんの顔に触れたときに取れたり、口の中に入れてしまったりすることも考えられるのでつけないようにしましょう。

また、子どもの健康や周囲への印象に配慮して、濃いメイクや匂いの強い香水・コロンの使用も避けるとよさそうです。

関連記事:保育士はどこまでメイクしても大丈夫?メイクの基準と紫外線対策、時短方法

保育士の日焼け対策に便利なアイテム

子どもたちといっしょに園庭で遊んだり、保育園のまわりを散歩したりと、保育士さんは屋外にいることも多いでしょう。

一年を通じて紫外線にさらされていると、気づいたら真っ黒に日焼けしていたなんてこともあるかもしれません。

日焼けが気になる方は帽子やアームカバー、UVカット効果のあるカーディガンやパーカーなどを身だしなみのアイテムとして加えて、日焼け対策をするとよいでしょう。

関連記事:保育士の帽子の選び方や種類。日よけ、日焼け対策に適した帽子とは

新卒保育士になる前にやっておくこと~業務の必需品編~

バッグに入っている持ち物

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次に、新卒保育士になる前に準備しておくこととして、業務の必需品について紹介します。

印鑑

印鑑は日誌などの書類を作成する際に必要となる場面があるため、保育士さんにとって必須の持ち物の一つといえそうです。

すぐに押印できる「スタンプ型印鑑」が便利ですが、保育園によっては禁止しているところもありますので、事前に確認しておきましょう。

文具

お遊戯会などの行事や教室の壁面工作、製作などの工作を行う際、ハサミやカッター、定規などさまざまな文具が必要になるでしょう。

基本的には園に常備されているものを使うことになりますが、あらかじめ自分が使いやすい道具や便利な道具をそろえておくと、作業がスムーズになりそうです。
柄がある折り紙やマスキングテープなども準備しておくと、製作の幅も広がるかもしれません。

メモとペン

保育士さんの業務の中で、保護者の方からの連絡事項や子どもの様子などをすぐにメモしておきたいという場面もあるでしょう。

そのため、メモとペンをエプロンのポケットなどに常に携帯しておくと便利です。
ただし、ペンが子どもにとって危ないという理由から、携帯して保育することを禁止している園もあるようなので事前に確認しておきましょう。

教材

日々の保育で使えそうな遊びやゲームのやり方、製作の指導方法、保育グッズの作り方などが載った教材をいくつか用意して、あらかじめ目を通しておくとよいでしょう。

教材の中の情報を参考に、雨の日の室内遊びや製作、ゲームの例などを自身の保育の引き出しとして持っておくと、急な保育内容の変更にも対応できるかもしれません。

関連記事:保育士の必需品とは。文房具やエプロンなどのアイテムと用意するときのポイント

新卒保育士になる前にやっておくこと~研修・自己紹介の準備編~

入職前後では、自己紹介や新人研修などもあるため、それらの用意をしっかりしておき、スムーズに仕事に取り組めるようにしておくとよいでしょう。

ここでは、研修・自己紹介の準備としてやっておくことを紹介します。

新学期に向けての挨拶を考える

新年度、必ず行うことが職員への挨拶、子どもへの挨拶、保護者への挨拶などです。
できるだけ積極的に挨拶をして、顔と名前を覚えてもらい、コミュニケーションを円滑にとれるよう努力するとよいでしょう。

新卒保育士は新年度から働くことが多く、仕事に対する目標や抱負を聞かれることも考えられます。
いくつかのシーンを想定して、事前に答えることを決めておくとよいかもしれません。

遊びのネタやアイデアを準備する

新年度においては、入職初日から「実習生」ではなく、一人の「保育士」だということを意識することが大切です。

一人で子どもたちを見ることもあれば、日々の活動について計画することもあるでしょう。
「先生、製作の準備をするから子どもたちを10分だけ見ていてくれる?」などと、突然振られることもあるかもしれません。

そのようなときに、「子どもとやる遊びが一つもわからない」という状態では困ってしまいますよね。
道具がなくても楽しめる遊びやゲーム、年齢ごとに適した手遊びや歌など、いざというときのことを考えてネタやアイデア準備しておくとよいでしょう。

新人(新任)研修の準備をする

新人研修とは、新たに保育園で働き始める新人保育士が園の保育方針や仕事内容を理解するために、園長や主任、先輩保育士の話を聞いたり、実際に保育に入ったりしながら、先輩保育士から指導を受ける研修のことです。

課題が出ている場合、疑問に思ったことがあれば事前に園側へ確認をしておきましょう。

また、研修では「何か質問は?」と聞かれることもありますので、園の保育方針や理念、マニュアルなどをしっかり読み込んだうえで、いくつかの質問を用意しておくのもよいかもしれません。

新卒保育士になる前にやっておくこと~保育士としての心構え編~

新卒保育士になる前にやっておくこととして、心構えを意識することは重要な準備の一つといえそうです。

保育士としての心構えとは、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。

仕事に対する責任感をもつ

保育士さんには、保護者が安心して子どもを預けられる存在として、信頼感が求められるでしょう。

保育においては、ときに思わぬ事故や子どものケガなどにも対応しなければならない場面もあります。「保育園で預かっている間は、保護者に代わってしっかりと責任をもって子どもを守るんだ」という意識が大切です。

入職する前に保育士さんの仕事についてもう一度見直し、現場において常に責任のある行動が取れるような心構えをしておくとよいかもしれません。

保育士になる前に体調と生活リズムを整える

保育園ではおおむね、朝7時から夜19時までの約12時間、子どもたちを預かっています。
保育士さんは、シフトにもよりますが開園時間前に出勤・閉園後に退勤することもあるでしょう。

学生さん自身も保育園生活にあったリズムを整えるために、就業時間にあわせた生活を心がけることが大切です。

また、保育士さんは健康第一の仕事でもあります。
日頃から体調管理には気を遣い、疲労回復なども十分に意識して行うこともポイントといえますね。

マナーに配慮した言葉遣いを身につける

保育士さんとして子どもに対する影響を考えて、乱暴な言葉やくだけた言葉遣いを避けるなど、いつでも子どもの手本となる存在になれるような言葉遣いを意識しましょう。

また、保護者とのコミュニケーションや電話対応においても、適切な表現と正しい言葉遣いで子どもの様子を丁寧に伝えることができれば、信頼関係へとつながるかもしれません。

社会人として適切な言葉遣いも、心構えの一つとして身につけておくとよいでしょう。

新卒保育士になる前にやっておくこと~準備金編~

ダンボールの写真

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新卒保育士として就職の準備をするにあたり、どのような費用がかかるのかを事前に把握することも準備をするうえで大切になるでしょう。

引っ越し費用や一人暮らしの初期費用などさまざまな準備金が必要になる場合もあるかもしれません。

ここでは、準備金が必要な場合の内容と、就活生さんに役立つ補助制度などを紹介します。

服装や持ち物などを揃える費用

保育士として毎日働くうえでの服装は、制服などがない場合は自費で揃えることが多いようです。

衣服は保育の中で汚れる可能性があるため、着替えや洗い替えも含めて複数枚必要です。用意する衣服の数に応じた費用が必要になるでしょう。

また、保育業務において使う印鑑や文具など持ち物を揃えるためにも費用がかかります。
必要な道具をリストアップするなどして、しっかりと把握してから準備を進めましょう。

一人暮らしを始める場合の準備と費用

保育士として働くにあたり、自宅以外から通勤する状況も考えられます。
一人暮らしを始める場合は、以下の費用が必要になるかもしれません。

〈一人暮らしを始めるために必要な費用の例〉

  • 部屋を借りる初期費用(敷金、礼金など)
  • 引っ越し費用
  • 家具や家電など生活必需品を準備する費用

どの地域に住むのか、また部屋の広さや設備でも相場が大きく変わってきますが、一人暮らしを始めるには上記のような費用がかかる場合もあるでしょう。

就職に伴い一人暮らしを考えている場合は、計画的に貯蓄を進めていくことが大切です。

新卒保育士のための援助制度

保育士不足を解消するため、各自治体では保育士として就職する方に対して、次のような制度を実施していることがあります。

保育士就職金貸付制度

この制度は、保育士の就職準備のための費用を貸付け、または支援をするものです。
くわしい要件は自治体によって異なりますが、2年間勤続した場合は貸付けの返済が免除になるところもあるようです。

転職者向けの場合もありますが、新卒保育士が活用できる準備金貸付制度も一部の自治体で行われていますので、就職前に保育施設を管轄する自治体に問い合わせてみましょう。

社宅制度や家賃補助の有無

保育士人材の確保・定着・離職防止を図るため、自治体によって「保育従事職員宿舎借り上げ支援事業」を実施していることがあります。

保育事業者(保育園)が借上げた物件に保育従業者(保育士)が住み、そこにかかる家賃の全額または一部を補助する、という制度です。
詳細は各自治体、または就職前に各運営法人へ確認すると確実でしょう。

待機児童問題が深刻な首都圏や大都市では、家賃補助制度が整っている自治体が多いようです。利用できるかどうかは、内定が決まった段階で園に確認を取るとよいかもしれません。

新卒保育士になる前にやっておくこと~スキル編~

新卒保育士として準備しておくこととして、スキルの習得が挙げられます。
新卒保育士の場合、実際の保育経験が少ないため、学生のうちに必要なスキルを身につけておけば、入職してから役立つかもしれません。

ボランティア参加

地域のイベントや学生主催のイベントなどでボランティアに参加することによって、「子どもとの関わり方」や「保育士としての楽しさや難しさ」が体感できるかもしれません。

実際にイベントの進行や参加した子どもの様子にあわせた言葉かけなどを学べば、保育の現場でもスキルとして役立つでしょう。
ボランティア参加ができそうな機会があれば、積極的に参加してみてもよいかもしれませんね。

ピアノや手遊びの練習

保育士になると、日々の保育の中で季節に応じた歌をピアノで弾く場面も多くあります。

実際に入職してからのピアノの練習は、プライベートの時間が少なくなかなかゆっくりとできないかもしれません。
学生のうちに季節に応じた童謡のピアノの練習をしておくと、現場において役立つでしょう。

また手遊びも、いくつか練習しておき、レパートリーとして身につけておくとよさそうです。
簡単なものから少し難しいものまで練習しておけば、どのクラスを担当することとなっても子どもに応じた手遊びが実践できるでしょう。

読み聞かせの練習

絵本や紙芝居の読み聞かせも、保育の現場では多く取り入れられています。

保育士目線で、友だちを子どもに見立てるなどして対面で読む練習をしておくとスキルとして役立つかもしれません。

子どもからの見えやすい持ち方や聞き取りやすい読み方をあらかじめ把握しておくことで、実際の保育の現場でも上手に読み聞かせることができるでしょう。

保育グッズの製作

ペープサートやエプロンシアター、手袋シアターなどの保育グッズの製作も、スキルの一つといえるでしょう。

保育士として自己紹介するときやイベントの導入時など、保育の現場で役立つグッズの作り方を身につけておけば実際に使えますし、入職後にまた別のものを作りたいときにも役立つかもしれません。

教材などの作り方を参考にしながらいくつか用意しておけば、さまざまな場面で活用できそうです。

新卒保育士になる前にやっておくことを把握して、準備を進めよう

今回は、新卒保育士になる前にやっておくこととして、準備するものや保育業務に対する心構え、スキルなどについて紹介しました。

準備を行う際、どのように保育の仕事を行うか、どのような生活スタイルになるかを想像し、シミュレーションすることか大切になるでしょう。
入職前にきちんと準備を行うことで、保育士として働く不安や緊張をやわらげることにもつながるかもしれません。

新卒保育士になる前にやっておくことを把握して一つひとつ準備を進め、万全な状態で新年度を迎えることができるとよいですね。

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