2025年公表の保育士の初任給は額面22万6,800円ですが、実際の手取りは約18万円です。この差額は社会保険料と税金によるもの。特に注意したいのが、2年目の6月から始まる住民税の控除です。今回は、給与明細の具体例をもとに、手取りの内訳と、いつからどの税金・保険料が引かれるのかを詳しく解説します。
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保育士の初任給の平均の手取りは約18万円
2025年度公表の賃金構造基本統計調査によれば、新卒保育士の初任給は22万6,800円です。
しかし、実際に口座に振り込まれる「手取り」は、総支給の約8割にあたる約18万円前後になります。
なぜ額面と手取りに4〜5万円もの差が生まれるのでしょうか。それは、給与から社会保険料と税金が天引きされるためです。
【手取りの計算式】
手取り = 「総支給 」− 社会保険料 − 税金
具体的な給与明細の例で見てみましょう。
給与明細の例
- 総支給額(額面): 22万6,800円
- 控除額合計: 4万1,668円
- 手取り: 18万5,132円
この例では、手取りは額面の約81%です。
控除される主な項目は、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税です。
新卒1年目は住民税が引かれないため、2年目以降と比べると手取りは多くなります。
総支給から引かれる社会保険料の仕組み
毎月、総支給の額から健康保険、厚生年金、雇用保険の3つが毎月天引きされます。入社1カ月目から引かれるため、事前に把握しておくことが大切です。
健康保険・厚生年金・雇用保険が入社1カ月目から控除
社会保険料は、入社した月から控除が始まります。
4月入社であれば、最初の給与から社会保険料が引かれることになります。
【社会保険料の内訳の目安(額面22万円程度の場合)】
- 健康保険料: 約1万2,000円
- 厚生年金保険料: 約2万2,000円
- 雇用保険料: 約1,400円
- ・合計: 約3万5,000円
用語解説pickup
・健康保険料
病気やケガの医療費を補助するための保険です。
・厚生年金保険料
将来受け取る年金のための積み立てで、最も控除額が大きくなります。
・雇用保険料
失業時や育児休業時の給付に使われます。
額面22万円程度の場合、社会保険料だけで給与の約15%を目安に引かれる計算です。
社会保険料は給与額に応じて変動する
社会保険料の金額は、給与額に応じて変動します。
そのため、昇給すれば保険料も増加し、減給すれば保険料も減少します。
ボーナス(賞与)からも社会保険料は天引きされますが、住民税はボーナスからは引かれません。
総支給から引かれる所得税の仕組み
社会保険料ほどではありませんが、所得税も毎月の給与から天引きされます。金額は少額ですが、年末調整の仕組みも含めて理解しておきましょう。
所得税は毎月の給与から源泉徴収される
所得税は毎月の給与から天引きされます。例えば、初任給が22万円の場合、所得税は約4,000円〜5,000円程度でしょう。
所得税の金額は、その月の給与額や扶養家族の人数によって変動します。扶養家族がいる場合は、所得税が軽減される仕組みです。
年末調整で払いすぎた分は還付される
毎月天引きされる所得税は概算の金額です。
年末調整により、1年間の所得に対する正確な税額が計算され、払いすぎた分は12月の給与で還付されます。
逆に不足している場合は追加で徴収されることもあります。
給料の悩みを解決無料相談基本的に住民税は1年目0円、2年目6月から月約1万円控除
「2年目になったら給料が減った」という声をよく聞きますが、その原因は住民税です。
1年目は引かれないため油断しがちですが、2年目6月から突然約1万円が天引きされます。この仕組みを知らないと、家計が苦しくなる恐れがあるため、要注意です。
住民税は「前年の所得」に対して課税される
新卒1年目の保育士は、住民税が給与から引かれません。なぜなら、住民税は「前年の所得」に対して課税されるためです。
学生時代にアルバイト収入が少なかった場合、前年の所得が住民税の課税対象にならないため、1年目の給与からは住民税が控除されません。
ただ、収入が一定額(年収約100万円など)を超えていた場合は1年目の6月から住民税が控除されるケースがあります。自分の前年の年収も確認しておきましょう。
2年目6月から月約1万円の住民税控除が始まる
2年目の6月から住民税の控除が始まります。
【住民税控除のスケジュール】
- 1年目(4月〜翌年5月): 住民税0円
- 2年目6月〜: 住民税の控除開始(月額約1万円の方が多い)
住民税の金額は自治体によって多少異なりますが、月額1万円前後が一般的です。そのため、2年目の6月から手取りが約1万円減少することになります。
「1年目より給料が減った」と感じる保育士さんが多いのは、この住民税の控除開始が原因です。
昇給があっても、住民税の控除により手取りがあまり増えないこともあるため、あらかじめ覚えておきましょう。
給与明細の具体例で手取りの内訳を確認
ここまで個別に説明してきた控除項目を、実際の給与明細の形で確認してみましょう。
基本給や各種手当から何がどれだけ引かれるのか、一目でわかります。
実際の給与明細の例を見ながら、額面から手取りまでの流れを確認しましょう。
【給与明細例】
支給日:2026年4月25日
氏名:保育 花子 様 / 所属:〇〇保育園
| 区分 | 項目名 | 金額 | 備考(項目の意味) |
|---|---|---|---|
| 支給 | 基本給 | 185,000 | 給与のベースとなる基本の金額 |
| 資格手当 | 10,000 | 保育士免許などの保有に対する手当 | |
| 処遇改善 | 10,000 | 国の施策による保育士への給与加算 | |
| 住宅手当 | 10,000 | 家賃や住宅ローンに対する補助金 | |
| 時間外手当 | 4,800 | 所定時間を超えた残業代(概ね3h分) | |
| 被服費手当 | 2,000 | エプロンや仕事着の購入・維持費 | |
| 通勤手当 | 5,000 | 職場までの交通費(非課税) | |
| 総支給額(額面) | 226,800 | すべての手当の合計額 | |
| 控除 | 健康保険 | 10,978 | 医療費や病気の保障のための保険料 |
| 厚生年金 | 20,130 | 将来もらう年金のための積み立て | |
| 雇用保険 | 1,360 | 失業時や育休時の給付のための保険 | |
| 所得税 | 4,200 | 今月の所得にかかる国の税金 | |
| 住民税 | 0 | 前年の所得にかかる地方税(1年目0円) | |
| 給食費 | 5,000 | 園で食べる給食の自己負担分 | |
| 控除合計額 | 41,668 | 給与から引かれる合計額 | |
この例では、手取りは額面の約81%となり、一般的に言われる「額面の8割」という目安とほぼ一致しています。
福利厚生の充実した園を選ぶと実質手取りが増える!?
社会保険料や税金は減らせませんが、福利厚生が充実した保育園を選ぶことで、実質的な手取りを大幅に増やすことができます。
特に家賃補助は効果が大きく、最大8万2,000円の補助を受けられる場合もあるため、その点も含めて詳しく確認してみましょう。
住宅手当や借り上げ社宅制度の家賃補助
額面から引かれる社会保険料や税金は法律で決まっているため、個人で減らすことはできません。
しかし、福利厚生が充実している保育園を選ぶことで、実質的な手取りを増やすことが可能です。
特に注目したいのが「住宅手当」や「借り上げ社宅制度」です。これらの制度を利用すれば、最大8万2,000円の家賃補助を受けられる場合があります。
【家賃補助による効果】
・手取り約18万円、家賃7万円の場合
→生活費として使える金額: 約11万円
・手取り約18万円、家賃補助7万円の場合
→家賃の自己負担が実質0円 →生活費として使える金額: 約18万円
家賃補助がある分、貯金や奨学金の返済などに回せそうですね。
処遇改善手当や各種手当の有無も確認
保育士の処遇改善のため、国の施策による「処遇改善手当」が支給される園もあります。
月額5,000円〜4万円程度の手当が上乗せされるため、長く働くことを考えるなら処遇改善制度が整っている園を選ぶことが大切です。
その他にも、福利厚生のなかに、以下のような手当がある園を選ぶと、実質的な収入が増えます。
・通勤手当(交通費全額支給)
・被服費手当(エプロンや制服代の補助)
・資格手当(保育士資格以外の資格保有者への手当)
・給食費補助(園の給食を無料または割引で食べられる)
求人票を見る際は、額面の金額だけでなく、どのような手当が含まれているのか、福利厚生がどれだけ充実しているのかをしっかり確認しましょう。
家賃補助最大8.2万円【無料】福利厚生が手厚い求人を探す初任給の支給時期は「当月払い」か「翌月払い」?残業代もチェック
手取りと同じくらい重要なのが、いつ給料がもらえるかです。
保育園によって支給タイミングが異なり、最初の給料日まで1カ月以上収入がないケースもあります。一人暮らしを始める方は特に注意が必要です。
翌月払いの場合は1.5カ月分の生活費を準備
保育園によって給与の支給タイミングが異なるため、初任給がいつもらえるかは事前に確認が必要です。
【当月払いの場合】
4月から働き始めて、4月中に給与が支給される園もあります。新生活のスタート時期に収入があるのは心強いですね。
【翌月払いの場合】
4月から働いても、給与の支給は5月になる園が一般的です。この場合、4月は収入が0円のため、約1.5カ月分の生活費を事前に準備しておく必要があります。
一人暮らしを始める場合、家賃や光熱費、食費などの支払いがあるため、給与の支給時期を把握しておかないと生活が苦しくなる可能性があります。
締め日によっては初任給が満額でない場合も
給与の締め日が月の途中にある園では、初任給が満額でない場合があります。
例えば「15日締め・25日払い」の場合、4月25日の給料日には4月1日〜15日までの約2週間分しか支給されません。
「1カ月分の給料がもらえる」と思い込んでいると、家賃の支払いができないといったトラブルにつながるため、締め日と支払日を必ず確認しましょう。
残業代は翌月払いが一般的
4月に残業をした場合でも、残業代の計算が間に合わず、5月の給料と一緒に振り込まれるのが一般的です。
初任給の明細を見て「残業したのに残業代が入っていない」と驚くかもしれませんが、これは多くの園で採用されている仕組みです。
給与支払い日も事前に確認【無料】安心して働ける園をプロに聞く保育士の初任給に関するよくある質問Q&A
初任給や手取りについて、多くの新卒保育士さんが抱く疑問をまとめました。給料以外にも、奨学金返済やボーナスのタイミングなど、知っておきましょう。
Q.求人票の金額より実際の給料が少ないのはなぜ?
額面22万円の場合、手取りは約18万円程度が目安です。
Q.奨学金の返済はいつから始まる?
4月〜9月までは返済がないため、この期間に返済用の口座にお金を準備しておきましょう。
Q.初任給が低い場合、給料を上げるにはどうすればいい?
概ね3年以上の経験を積むと「職務分野別リーダー」という役職を目指せるため、長期的なキャリアプランを考えることが大切です。
Q.ボーナス(賞与)はいつからもらえる?
2025年公表のデータでは、新卒1年目の年間ボーナス平均は約12万9,100円となっています。
出典: 賃金構造基本統計調査/厚生労働省保育士の平均初任給と控除の仕組みを知り、就職活動に役立てよう
保育士の初任給は額面22万6,800円が平均ですが、社会保険料と所得税が引かれるため、手取りは約18万円前後になります。
この場合の控除される主な項目は以下の通りです。
【1年目の控除項目】
- 社会保険料: 約3万5,000円(健康保険・厚生年金・雇用保険)
- 所得税: 約4,000〜5,000円
- 住民税: 0円
【2年目以降の控除項目】
- 社会保険料: 約3万5,000円
- 所得税: 約4,000〜5,000円
- 住民税: 約1万円(2年目6月から)
1年目は住民税が0円ですが、2年目の6月から月額1万円程度の住民税控除が始まるため、手取りが減少することを覚えておきましょう。
また、「給料が思ったより少ない…生活が大変」と後悔しないためにも就職先を選ぶ時は、給与体系や福利厚生について詳しく確認してから決めることが大切です。
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