会など、日常保育での仕事着以外の服装やシチュエーションに合わせた服装が求められる場面があります。どのような服装が必要になってくるのかは、園の方針や研修内容によって変わってくるため、求められる服装がどのようなものかを判断する場合には、園側や主催側に確認したり、先輩に聞いて判断しましょう。保育士の服装についての考え方をまとめました。
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■目次
保育士の服装で確認や配慮が必要な研修、行事、イベント
保育士の日常業務で、保育の仕事を行う場合は、子どもの安全と健康を守るために、動きやすく清潔な服装であることを重視して選びます。また、身だしなみや見た目は保護者が安心して子どもを預けられるよう、信頼してもらえるファッションであることが大切です。
一方、保育園や幼稚園では日常業務以外の研修や行事、イベントでの服装は、業務の一環として、いつもとは違った基準の服装選びや、場に適した配慮が求められる場合があります。
こういった場合には、どのような服装が適しているのでしょうか。
関連記事:日常保育に適した服装とは?春夏秋冬別や、運動会など行事の際の保育士の服装
新卒、新任保育士の新任研修や顔合わせの服装
事前説明会(オリエンテーション)、顔合わせでの服装
その年の新卒・新任として新たに働き始める人たちが、仕事前に初めて顔を合わせる場が事前説明会や顔合わせです。それぞれの自己紹介や、簡単な打ち合わせ、新設園であれば軽い作業などを行う場合もあるため、リクルートスーツ以外の普段着を指定されることも多いようです。事前説明会のときに顔合わせで行う内容を確認した上で、それに沿った服装を考えましょう。特に作業等がなく普段着を指定されても、オフィスカジュアルを意識した、少しきれい目な服装を選びましょう。
新任研修での服装
新卒または初めて赴任する園では新任研修が行われる場合があり、研修は保育士として仕事にたずさわる心構えから実技的なものまで幅広い内容で行われます。
用意する服装は、その日の研修内容によってさまざまなので、まずは園側に研修の服装について、指定があるかを聞いてみましょう。初日はあいさつや座学での講義が多いため、リクルートスーツで参加する場合が多いようです。遊びの研修など動きを伴う内容が含まれている場合には、念のため動きやすい着替えを持参しましょう。
新任出勤初日での服装
初出勤はどんな服装が望ましいかは、入職前の事前説明会で園長に確認しておきましょう。
現在ではリクルートスーツでなくてもいい場合も多いようです。ですが、仕事を始める前に職員に挨拶をすることを想定し、スーツでなくてもカジュアルになり過ぎないようなきれいめのパンツやスカート、トップスにはジャケットやカーディガンなどで出勤するようにしましょう。
歓迎会での服装
新任や新卒の新人の方たちを歓迎するのに、終業後に園または外部の店で、歓迎会を行うことが多くなります。園内でケータリング等を利用した歓送迎会であれば服装は特に気にせず大丈夫ですが、外部の店を予約して行う場合は、通販着を少しきれい目の服装を意識して当日は出勤しましょう。
保育士の研修時の服装と選び方
運営法人の系列園内などで行う内部研修であれば、通常の保育を行う服装で問題ありませんが、外部で行うキャリアアップ研修などの服装の場合は、研修内容や学ぶ目的やカリキュラムによって、服装を考える必要があります。研修の主催者側から服装を指定される場合もありますが、服装に関する情報の事前告知がない場合は、研修前に園長や先輩保育士、または主催者に事前に問い合わせましょう。
動き回るなど動作を伴う研修
リトミック研修やワークショップ研修、遊びの研修など、実際に自ら体を動かすような内容が含まれている研修では、通常保育までカジュアルではないものの、できるだけ動きやすい服装や靴を選びましょう。
座って講義を聞く内容が中心の研修の服装
研修先から特に指定がない場合や、研修のカリキュラムや内容が座学中心で場合には、少しきれい目のオフィスカジュアルを意識した服装がいいでしょう。特にスーツである必要はありません。
特にキャリアアップ研修などの外部研修では、園を代表して参加しているということを意識して、落ち着いた服装を選ぶ配慮をしましょう。
保育士の卒園式、入園式、謝恩会の服装
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子どもたちの成長や門出をお祝いする行事です。一般的にはお祝いにふさわしい、改まった服装をすることが多いようです。
卒園式での服装
卒園式では、卒園する担任と他の保育士では求められる服装が違うことがあります。あくまで主役は子どもですが、それを見送る担任側も晴れやかな服装を意識して選ぶ決まりの園が多いようです。
卒園するクラスの担任
園によって方針が違う場合があるため、事前にどのような服装が適しているか確認が必要です。
あまり派手な印象にならない、黒やチャコールグレーなどのスーツで出席することが一般的です。また、上下お揃いでワンピースなどとセットになっているセレモニースーツを選ぶことも多いようです。園の方針で全員が一律でダークカラーに統一する場合もあります。そのようなときは、お祝いの気持ちを表現するために、胸元にコサージュをつけたり、インナーのシャツをフリルにするなど、一部使いに華やかさを取り入れることをおすすめします。
一方で、門出の席であまり暗くならないようにとパステル系など明るい色のスーツにする方針の園もあります。クラスが複数ある場合は、保育士同士で色合いがかぶらないよう、バランスを調整するため事前にみんなで相談する工夫をしている園もあるようです。
担任のみ、または保育士全員が袴や着物を着用する園もあります。袴は自分でレンタルなどで用意することが多いようです。早めに着付けの予約を取っておきましょう。
担任以外の保育士
担任以外であれば、黒またはダークカラー(チャコールグレー・ネイビー)のシンプルなスーツに、インナーは白いシャツが一般的です。担任と同様にお祝いの気持ちを表現するために、胸元にコサージュをつけたり、インナーのシャツを女性らしいフリルにするなど、一部使いで華やかさを取り入れましょう。
謝恩会での服装
謝恩会は卒園式当日に、そのまま続けて行う園が多いようです。場所は園の部屋を飾り付けるか、別会場(パーティスペース・レストラン・居酒屋など)で行うなどです。また、子どもが参加する場合と、一部保護者のみで行うなど、参加範囲も変わってきます。
服装はスーツであればそのまま着替えず参加できますが、袴・着物の場合は更衣室で着替える必要があります。服装は謝恩会の会場の雰囲気に合わせることが大切です。また、他の保育士の服装とあまり浮かないように用意してください。
入園式での服装
スーツ、セレモニースーツ
春らしい明るさのある優しい色合いのパステルカラーのスーツやセレモニースーツがおすすめです。新卒・新任で、リクルートスーツで出席したら浮いてしまった…という失敗談も多いようです。新卒採用などの場合は昨年の状況が分からないため、服装に迷ってしまうとこもあるでしょう。事前に、昨年の入園式の様子がわかる写真・画像が見られるようであれば、どの程度の明るさが必要なのか目で見て雰囲気を確認しましょう。
動きやすい形のボトム
入園式では子どもの年齢が幼いため、式の最中も立ったり座ったり、動き回る場面が出てくることが想定されます。スカート丈は落ち着いて見えるひざ下で、立ったり座ったりしやすい、布に動きのあるフレアスカート・着回しがきくワンピースタイプがおすすめです。パンツスーツがOKの園はパンツスーツを選ぶ人も多いようです。
増えている「通常の服装」
保育園では保護者は共働きで、入園式当日も仕事であることがほとんどです。
園側も入園する子どものほかは通常保育をしているため、保育士は全員が通常勤務の服装で式に参加する場合もあるようです。入園式もさほど時間がかからない簡単なプログラムで、入園式が済むと保護者・保育士ともに仕事に入る形式です。このように、園のスタイルはさまざまなので、新任の場合は事前に園側にできるだけ詳しく確認をとりましょう。
卒園式、入園式、謝恩会の服装選びの注意点
園側の決まりを確認する
入園式・卒園式ともに、園側の決まりや慣習があることが多いようです。どのような服装・髪形がいいのか、園長や先輩の保育士に事前に確認を取りましょう。
細かい参考情報は園のアルバムや画像から集める
先輩や同僚から口で聞いただけでは、服装のイメージが湧きづらい場合もあるでしょう。園の中には去年・おととしの入園式・卒園式の様子を写したアルバムや画像がアーカイブから探せると思いますので、直近1~3年間ぐらいのセレモニーの様子や、先輩の保育士たちの服装や髪形のフォーマル度をチェックしましょう。新設園で服装の方針が明確でない場合は、服装に悩んでいるのは他の職員もいっしょですので、園長を交えて方針を確認するとよいでしょう。
その他の服装
家庭訪問での服装
近年では保育園・幼稚園でも家庭訪問を行う園が増えているようです。家庭を訪問し、保護者に心を開いてもらう必要があるため、服装選びは少し慎重に行いましょう。家庭訪問は「家庭の状況を知る」という園側の方針や考え方によって行われるため、服装は園長に必ず確認をとり、どういった意図での訪問なのかを確認した上で、服装を相談して決めるといいでしょう。
歓送迎会、忘年会、懇談会、懇親会での服装
2~4月にかけ、新任・転任・異動・退職の方を歓迎または送別するのに、終業後に園または外部の店で、歓送迎会を行うことが多くなります。園内でケータリング等を利用した歓送迎会であれば、服装はいつも通りで大丈夫ですが、外部の店を予約して行う場合は、通勤着は少しきれい目の服装を意識して当日は出勤しましょう。
日常保育以外の服装に迷ったら先輩保育士や園長に相談しよう
保育士の日常業務のほかで、行事や研修などいつもとは違ったイベントで服装に迷った場合は、園側で信頼のおける人に相談・確認することが一番大切です。キャリアのある園長や主任、先輩保育士など、できるだけ早めに相談しましょう。服装や身だしなみに関することは、その園の経験や実例から、決まりに理由があることも多いため、方針の意図を知っておきましょう。また、どのような場なのかや、そこで行う内容を理解することで、ある程度の自己判断も大切です。服装に迷ったときは、慌てずに場の雰囲気や趣旨をしっかり理解して判断しましょう。