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基本給とは?手取りとの違いや求人票の見方を保育学生さん向けに簡単解説

基本給とは、勤務先から毎月一定額が支払われる報酬のことです。求人票には「月給」「手当」などさまざまな言葉が並んでいます。その意味がよくわからないまま、就職活動を進めている保育学生さんもいるかもしれません。今回は、基本給の意味や新卒一年目の平均額、手取り・賞与との違い、求人票で確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。

基本給とは

基本給とは、勤務先から毎月決まって支給される土台となるお金のことです。残業手当や通勤手当などは含まれません。

月によって変動せず確実に支給される給与となります。保育園側は保育士さんの同意なしに減額できない金額です。

求人票に書かれた基本給を見ても、どれくらいの金額を目安に判断すればよいのかわからず、迷ってしまうこともあるでしょう。

そのため、全国平均や周囲の園の水準と照らし合わせながら、自分が希望する働き方に見合った金額かどうかを考えてみることが大切です。

ちなみに2025年に厚生労働省で公表された新卒保育士(経験0年)の基本給の平均は…
約22万6,800円です。

地域や園の規模によって差はありますが、おおよそ22万円前後を目安に基本給をチェックしてみるとよさそうです。

基本給と手取りの違い

基本給は、毎月決まってもらえる金額である一方、手取りは、基本給に手当などをプラスした額面から、税金や社会保険料などを引いて支給される額です。

【手取りのイメージ例】
基本給22万 + 手当(通勤手当・残業代など)4万 = 26万
総支給額26万 − 控除(税金・社会保険料など)2万 = 24万

この場合の手取りは、24万円となります。

このように、基本給と手取りには差額があります。求人票に書かれている基本給や手当の金額が、そのまま支給されるわけではないことを、覚えておきましょう。

基本給とボーナス(賞与)の違い

ボーナス(賞与)は、年に数回だけ支給される特別な給料です。

多くの園では夏と冬の年2回支給され、「基本給×〇カ月分」で計算されることが多いでしょう。基本給が高いほど、賞与の金額も高額になる傾向があります。

ちなみに2025年に厚生労働省で公表された新卒保育士(経験0年)のボーナス(賞与)の平均は…
約12万9,100円です。(二年目〜四年目の平均額は、58万4,000円

一年目のため、少ないと感じる方もいるかもしれませんが、これは在籍期間が短く満額支給にならないケースがあるためです。

二年目以降は在籍期間も長くなり、「基本給×2〜3カ月分/年」程度に設定している園が多いようです。

求人票に、「ボーナスは一年目から〇カ月分支給」などと記載されている場合もあるようなので、支給の有無や回数もあわせて確認しておきましょう。

基本給の決め方は?園によって違う理由

基本給は園ごとに決められていて、一律ではありません。

園によって金額に差があるのは、次のような理由が関係しています。

  • 運営主体の違い
    公立か私立か、社会福祉法人か株式会社かによって、給与の基準や財源が異なる
  • 園の規模や財政状況
    子どもの定員数や運営年数、経営の安定度によって、支払える基本給の水準が変わる
  • 人事制度や評価制度の違い
    経験や能力をどのように評価するかは園ごとに異なり、初任給にも差が出る

このように、基本給は園の体制や運営方針によって左右されるでしょう。

そのため、求人票を見比べたときに金額の差があっても、「高い・低い」だけで判断するのではなく、どのような基準で決められているのかを知ることが大切です。

たとえば、基本給が低めでも、経験を積むとしっかり昇給していく制度が整っている園もあります。

一方、基本給が高くても交通費が支払われない場合や賞与がほとんどない園もあるようです。

そのため、求人票を見るときは、基本給だけでなく、各種手当や福利厚生(休暇・産休育休・研修制度など)などもあわせて確認しましょう。

求人票に基本給と書いていない!「月給」「給料(給与)」の記載がある場合は?

buritor / stock.adobe.com

求人票に「基本給」という記載がなく、「月給」や「給料(給与)」とだけ書かれている場合、どこまでの金額が含まれているのかわからない方もいるでしょう。

実際には、求人票での「月給」や「給料(給与)」には、基本給に加えて毎月支給される手当(処遇改善手当・職務手当など)が含まれていることが多いようです。

つまり「ひと月あたりにもらえる予定の合計額」として書かれていることが考えられます。

ただし、求人票によって書き方に違いがあるため、内訳をチェックすることがポイントです。


月給:220,000円
内訳:通勤手当・職務手当・処遇改善手当 含む

もし内訳が書かれていない場合は、園へ確認してみましょう。

しかし、なかなか内訳について尋ねるのは、「気まずい…」「聞きづらい」と感じる方もいるでしょう。

そんなときは、保育士バンク!新卒にご相談ください。キャリアアドバイザーがあなたの代わりに園への聞きづらい質問も確認させていただきます。

園見学や面接の日程調整などもサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

保育士バンク!新卒に相談

求人票の見方をマスター!基本給以外の項目の意味をチェック

求人票には、基本給のほかにも働き方や待遇に関わるさまざまな情報が載っています。

ここからは、各項目の意味やチェックポイントを確認してみましょう。

項目: 基本給

意味: 毎月決まって支給されるお給料の土台となる金額

チェックポイント: 新卒は21〜23万円前後が多い。手当と分けて表示されているか確認

項目: 処遇改善手当

意味: 保育士の待遇をよくするために支給される手当(国や自治体の補助をもとに園が設定)

チェックポイント: 毎月いくら支給されるか、固定か変動かを確認

項目: 通勤手当

意味: 自宅から園までの交通費を補助する手当

チェックポイント: 上限2〜3万円までが多い。公共交通機関以外でも支給されるかを確認

項目: 住宅手当

意味: 家賃の一部を補助する手当

チェックポイント: 支給条件(ひとり暮らし・世帯主など)と金額を確認

項目: シフト制

意味: 早番・遅番など日によって勤務時間が変わる働き方

チェックポイント: 早番7時台〜、遅番19時頃までが多い。固定かローテーションかを確認

項目: シフト手当

意味: 早番・遅番など特定の時間帯に勤務したときに支給される手当

チェックポイント: 支給されるかどうか、金額(例:300〜500円/回)を確認

項目: 特殊業務手当

意味: 心身に負担のかかる業務に対して支給される手当(公立園や社会福祉法人で見られる)

チェックポイント: 支給の有無と金額、対象業務の具体例を確認

項目: 行事手当

意味: 運動会や発表会など園行事に関わる業務に対して支給される手当

チェックポイント: 年にいくら支給されるか、固定か行事ごとかを確認

項目: 時間外勤務手当(残業代)

意味: 所定の勤務時間を超えて働いた場合に支給される手当

チェックポイント: 計算方法(1分単位/15分単位)、みなし残業の有無と時間数を確認

項目: 休日勤務手当

意味: 土曜や祝日に勤務したときに支給される手当

チェックポイント: 発生頻度(例:月1〜2回)、代休・振休の取り方を確認

項目: 役職手当

意味: 主任・副主任など役職に就いた職員に支給される手当

チェックポイント: 昇進時の金額目安や役割基準、評価項目を確認

項目: 有給休暇

意味: 仕事を休んでも、その日の分の給与が支給される

チェックポイント: 付与タイミング(入職〇カ月後など)、取得実績、半日有給の可否を確認

項目: 産休・育休制度

意味: 出産や子育てのために休める制度

チェックポイント: 取得実績や復帰率、時短勤務や保育時間配慮の有無を確認

項目: 研修制度

意味: 入職後の新人研修や園内外の学びをサポートする制度

チェックポイント: 新人研修の期間・内容、外部研修の費用補助や勤務扱いの有無

項目: キャリアアップ研修

意味: 国の制度に基づき実施される保育士向けの研修で、保育の知識や技術を高められる(処遇改善手当が大幅にプラスされる可能性も

チェックポイント: 受講参加や費用負担、受講後の手当反映の有無

項目: 社会保険

意味: 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つの保険

チェックポイント: 入社日から加入かを確認

項目: 週労働日数

意味: 1週間あたりの勤務日数(例:週5日など)

チェックポイント: 完全週休2日制か、土曜出勤の頻度・振休の取り方を確認

項目: 休日・年間休日

意味: 年間の休日日数や固定の休み(例:日・祝など)

チェックポイント: 年間休日数、長期休暇(夏季・年末年始)の有無と日数

項目: 結婚手当(結婚祝金)

意味: 結婚時に一時金として支給される制度

チェックポイント: 支給の有無・金額・勤続年数などの条件を確認

項目: 退職金制度

意味: 一定年数以上勤務した際に退職時に支給されるお金

チェックポイント: 対象勤続年数、外部制度(中退共等)加入の有無、支給実績

気になる園を見つけたときは、この一覧を参考にしながらチェックポイントを確認してみましょう。

納得できる条件かどうかを自分自身の希望と照らし合わせて、園を選ぶことが大切です。

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基本給や手当、制度などの意味を知り、就活に役立てよう

求人票には「基本給」「手当」「月給」「福利厚生」など、はじめて見る専門的な言葉がたくさん出てきますよね。

言葉の意味を知らないまま園を選んでしまうと、「思っていたより手取りが少なかった」「休みが取れなかった」など、入職後にギャップを感じてしまう場合も…。

だからこそ、求人票に書かれた一つひとつの言葉の意味を理解しておくことが大切です。

基本給の額だけを見るのではなく、処遇改善手当や住宅手当、賞与(ボーナス)、産休・育休制度、年間休日などもあわせて確認しながら、条件を比較していきましょう。

安心して長く働ける園に出会うためにも、今回紹介した求人票のチェックポイントを参考にしてみてくださいね。

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