【保育学生さん必見】基本給とは?新卒に役立つ、額面・手取り給与との違いや支給される手当の種類

基本給とは何かが分からず、求人票を見ながら悩む保育学生さんもいるでしょう。手取り給与との違いや平均金額を理解できれば、より自分に合った保育園を選べそうですよね。今回は、基本給についての基礎知識を紹介します。給与の内訳や手当の種類についても詳しくまとめました。

計算機を使う様子

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基本給とは?

まずは、基本給の概要について解説します。

基本となる給料

基本給とはさまざまな手当を省いた給料で、保育園によって金額は異なります。

月によって変動せず確実に支給される給与となり、保育園側は保育士さんの同意なしに減額できない金額となります。また、法律で守られている金額のため、最近では基本給を低めに設定し、手当を増やす保育園も出ているようです。

給与の内訳

月収は基準内賃金と基準外賃金を組み合わせた金額です。
基準内賃金は基本給と毎月変わらない手当のことで、おもに職能給や役職手当が挙げられるでしょう。

一方、基準外賃金は毎月変わる手当を指し、残業手当や家族手当が含まれます。

基準内賃金・基準外賃金は保育園の就業規則で確認できるので、あらかじめチェックしておきましょう。

基本給の平均金額

基本給について説明してきましたが、平均金額はどれくらいなのでしょうか。
年齢・男女・雇用形態・学歴・職業別にそれぞれまとめました。

年齢・男女・雇用形態別

年齢別の表

※2019年度時点

上記の通り、正社員であれば年齢を重ねるごとに基本給が高くなっており、女性より男性のほうが金額が大きいことが読み取れるでしょう。

非正社員の基本給も男性のほうが高いですが、年齢による差はあまりないようです。

学歴別

学歴別の平均

学歴が高くなるほど初任給が上がっており、男女の違いはあまり発生していません。

また、年ごとに少しずつ金額が高くなっていることが分かります。

福祉に関する職業の平均月収

職業別の平均

上記は2014年6月時点の決まって支給する現金支給額になります。
ちなみに「決まって支給する現金支給額」とは、労働協約や就業規則などに事前に明記されている支給条件と算定方法によって支給される金額のことです。

税込み額で、基本給・職務手当・精皆勤手当・家族手当・時間外勤務・休日出動等超過労働給与なども含まれています。保育士の平均月収を他の福祉系職業と比べてみると、男女ともに中間くらいであることが読み取れるでしょう。

幼稚園教諭ほど男女で違いがないため、保育士は性別による給与差が生じにくいと言えるかもしれません。

出典:-R01概況(結果の概要作成用)/厚生労働省

出典:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給/厚生労働省

出典:保育士等に関する関係資料/厚生労働省

基本給の種類

基本給の決め方は3種類あり、園によって採用している方式は異なります。

以下で具体的に見ていきましょう。

仕事給式

成果や業績など、その人の能力で基本給を決める方法です。
学歴や勤続年数などは影響しないので、完全実力主義と言えるでしょう。

欧米でよく実施されている方法ですが、最近は日本でも採用されているようです。

属人給式

学歴や勤続年数で基本給が決定されるため、自動的に収入が上がるシステムになっています。

入園後の努力のみでは基本給は上がらないものの、ライフプランを組み立てやすい方法と言えるでしょう。

総合給式

仕事給式と属人給式を組み合わせた方法です。
多くの日本企業で採用されており、勤続年数や学歴をもとにしながら、本人の能力も加味して最終的な基本給を決定していきます。

基本給と各種給与の違い

考えている保育士

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基本給以外にも額面給与・手取り給与・固定給など、給与にはさまざまな種類があります。それぞれの違いについて、下記に詳しくまとめました。

額面給与との違い

額面給与は基本給と各種手当、ボーナスを組み合わせた金額のことで、月収とも呼ばれます。

求人票に書かれている給与は額面給与であることが多いです。

手取り給与との違い

手取り給与は健康保険料・介護保険料・厚生年金・雇用保険料・住民税・所得税などを控除額として天引きしており、実際に支給される金額のことです。

基本的に額面給与の75~85%程度と考えておきましょう。

固定給との違い

固定給は基本給と似ていますが、家族手当や役職手当などの基準内賃金が含まれています。

基準外賃金は計算されていないため、支給される金額は固定給より多くなることもあるでしょう。

基本給に加わる手当の種類

さまざまな給与の種類があることに加え、手当が加わる可能性もあります。

労働基準法で定められた手当

まずは、労働基準法で支払いが義務付けられている手当について見ていきましょう。

時間外手当

時間外手当は法定労働時間である1日8時間、1週間で40時間以上働いたときに支払われる手当のことです。基本給を時給換算した金額の、1.25倍以上が支払われることとなっています。

休日出勤手当

園で定められている法定休日に出勤した場合に、支払われる手当のことです。
基本給を時給換算したときの1.35倍以上が支給されます。

深夜労働手当

午後10時~午前5時までの深夜に働いたときに支払われる手当です。
時間外手当や休日出勤手当に、基本給を時給換算したときの1.25倍が上乗せされます。

仕事給的手当

続いて、業務に関する手当である仕事給的手当について紹介していきます。

職務に関した手当

責任の重い仕事を行う方に支払われる役職手当など、業務の特殊さで支給される手当です。

保育園により違いがあるので、あらかじめ内容を確認しておくとよいでしょう。

能力に関した手当

能力や技能を優遇する手当で、資格手当などが代表的でしょう。
また、退職防止の観点から独自の基準を満たしたベテランに支給されることもあるようです。

成果に関した手当

成果を挙げた方に支払われる手当で、歩合給などが挙げられます。
また、目標を達成した方が対象となる達成手当もあるようです。

勤怠に関した手当

皆勤手当や精勤手当など、勤怠に関係する手当もあります。
労働基準法で定められているので、有給休暇を使っても手当をもらうことが可能です。

生活給的手当

保育士の生活を保障するために支給される、生活給的手当も存在します。

生活における手当

扶養している家族に対して支給される家族手当は、福利厚生の中でも有名でしょう。
その他にも、家賃の一部を補助する住宅手当などがあります。

転勤における手当

勤務先の都合で単身赴任をしなければいけない際は、単身赴任手当が支給されることがあります。
また、転勤先が物価が高い地域の場合、地域手当が支払われる場合もあるでしょう。

実費弁償的手当

さまざまなタイミングで発生する費用を補うために、支払われる手当です。
支払い義務はないものの、取り入れている保育園は一定数あります。

通勤手当

交通費を支給するために、通勤手当を支払う保育園は多いでしょう。
しかし、労働基準法によって定められていないので、支給内容は保育園側が自由に決定できます。

近距離手当

徒歩や自転車など、公共交通機関を使わない方が対象となる近距離手当もあります。
保育士さん側の疲労を抑えたり、通勤手当の負担を軽減したりすることが目的です。

基本給が高い保育園で働くメリット

では、基本給が高い保育園で働く利点として、何が挙げられるのでしょうか。

下記にメリットを3点まとめました。

労働基準法で義務付けられた手当が高くなる

時間外手当・休日出勤手当・深夜労働手当は基本給を基準にして決まるため、基本給が高ければ月収は上がります。

月単位で見るとあまり差はないものの、生涯賃金で考えれば基本給は収入に大きく影響するでしょう。

ボーナス・退職金が上がる場合も

ボーナスや退職金は基本給を基準にすることが多いので、基本給が多いほど有利となります。

ボーナスは、約8割が手取りになるといわれているので、目安として考えるとよいでしょう。

手当がカットされても安心

各種手当は保育園の業績によって減額・廃止される可能性はありますが、基本給は保育士さん側の同意なしに減額できません。

法で守られており、最低限保障されている金額のため、基本給が高いほうが安心できるでしょう。

基本給とは何かを理解し、支給される給与を確認してから保育園を選ぼう

今回は、基本給とは何かついて、くわしく解説しました。

基本給とは毎月変動することなく、労働基準法で守られた最低限支給される給与です。ボーナスや退職金が決まったり、時間外手当などが計算されたりするうえでの基準となるので、基本給が高い保育園を選んだほうが安心かもしれません。あわせて、どのような手当が支給されるかもチェックしておくことが大切です。

保育学生さんや就活生さんは求人をしっかり確認し、月収はどれくらいの金額かを理解してから保育園を選びましょう。

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