保育園の進級式とはどのようなものなのでしょうか。ねらいや必要な準備をしっかり確認したうえで、素敵な式にしたいですよね。今回は、保育園の進級式について詳しく紹介します。パネルシアターやペープサートなどの進級式を盛り上げる出し物アイデアもまとめたので、新卒の保育士さんも参考にしてみてくださいね。
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保育園で行う進級式とは?ねらいを確認!
保育園の進級式は多くの園で4月初めに行われる式で、1つ学年が進級したことをお祝いし、新しい先生や友だちを紹介します。
入園式と同時に行う場合もあれば、在園児のみで進級式を実施することもあり、園によって開催方法は異なるでしょう。
そもそも、保育園での進級式や入園式には、以下のようなねらいが挙げられます。
- 進級することによろこびを感じる
- 新しい保育士や友だちの存在を知る
- 園生活の楽しい雰囲気を感じ、子どもの期待を高める
これまでの成長を振り返りながら、新しい環境に期待を抱けるよう、事前に出し物や装飾の準備をしましょう。
また、進級する子どもたちと歌の練習をしておくことも大切ですね。
今回は、保育園で行う進級式についてくわしく解説します。
保育園で進級式を行うときの事前準備
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保育園の進級式を楽しく行うために、事前に準備することをまとめました。
当日の流れを決める
まずは、20分から30分で終了できるように当日の流れを決めることが大切です。
長すぎると子どもたちが飽きて遊びだしてしまうことも考えられるので、短い時間で子どもたちが楽しめるプログラムを組めるとよいですね。
役割分担を決める
職員の役割分担を決めておきましょう。
- 司会進行をする人
- 在園児・新入園児のそばで見守る、いっしょに座る人
- 出し物をする人
- ピアノを弾く人 など
上記のように分担をしておくと、当日職員同士の連携がスムーズにできるでしょう。子どもたちが式中も安心して過ごせるように、それぞれの役割を確認しておくとよいですね。
出し物を準備する
パネルシアターやペープサートなどの出し物の準備をしてから進級式に臨みましょう。ぶっつけ本番で行うとスムーズに進まない場合もあるかもしれません。
事前に練習をしておけば、当日子どもたちが楽しんで見ることができるでしょう。
園内の整頓や飾り付けを行う
進級式は、新しい年度が始まる大事な式です。園内の整理整頓や清掃をきちんと行いましょう。
園内が華やかな雰囲気になるように以下のような桜やチューリップなどの飾り付けをすると、春の訪れを感じられそうです。
また、進級式で写真を撮るときには、装飾が写るように撮影場所を考えるとよいですね。
事前に保護者へお知らせを出す
進級式は、保護者の方が参加する場合と、園児と保育士さんだけで行う場合などがあり、園によって形式が異なるようです。
一般的に平日に開催することが多いため、保護者の方の参加の可否を確認するためにも早めにお知らせを出すことが大切でしょう。
保育園で行う進級式の流れ
続いて、一般的な保育園で行う進級式の流れを紹介します。
- 始まりの言葉
- 園長先生のあいさつ
- 在園児の紹介
- 職員の紹介
- 在園児の出し物
- 保育士の出し物
- 終わりの言葉
各プログラムの内容や注意点などを確認してみましょう。
1.始まりの言葉
子どもたちが「これから何が始まるのかな?」とワクワクするような手遊びや歌などを用意しましょう。
定番の「はじまるよ♪」の手遊びを一緒に楽しむと、集中してお話を聞く態勢が整いそうですね。
子どもたちが興味を持ってくれるように、元気よく笑顔で手遊びをしましょう。
2.園長先生のあいさつ
続いて、園長先生の挨拶を行います。司会担当の保育士さんが式を進行しましょう。
乳児クラスの子どもたちの場合、いつもと違う雰囲気のなかで泣き出してしまうことも考えられます。
そのため、保育士さんはできるだけ子どもたちが安心できるようにそばについたり、抱っこをしたりとその場に応じた援助が大切です。
3.在園児の紹介
職員紹介が終わった後、1つお兄さんやお姉さんになった在園児の紹介をしましょう。
担任がその場で名前を呼んで返事をしてもらったり、呼ばれた子に前へ出てきてもらったりするとよいかもしれません。
保育士さんは笑顔で子どもの名前を呼ぶことを意識しましょう。低年齢の子どもたちの見本として、5歳児から紹介していくとよいかもしれませんね。
4.職員の紹介
次は職員の紹介です。
進行役の保育士さんが〇〇組〇〇先生と言ったら、「〇〇組の担任になりました〇〇です。身体を動かして遊ぶことが好きなので、外でいっぱい遊びましょう。よろしくお願いします。」というように簡潔にわかりやすく自己紹介をするとよいでしょう。
5.在園児の出し物
進級式では、5歳児クラスの子たちが出し物を披露することが多いようです。新入園児さんや自分より小さい子どもたちの前で発表することで自信につながるかもしれません。
また、出し物の題材は子どもたちがよく知っている歌を歌ったり、手遊びをしたりするとよいでしょう。「チューリップ」「ちょうちょ」「ぶんぶんぶん」などの慣れ親しんだ曲を選ぶと、進級式に参加している子どもたち全員が楽しめそうですね。
事前に歌のイラストなどを用意しておき、年長児の子どもが持ちながら歌ってもらってもよいですね。
保育士さんは子どもたちといっしょに立ち、緊張がほぐれるように「上手だね!」「大きな声で歌っていて素敵!」などといった声かけを意識してみてくださいね。
6.保育士の出し物
最後に保育士さんによる出し物を行います。短い時間でも子どもが理解しやすいものを選びましょう。
以下のようなパネルシアターやペープサートを用意すると、よろこんでくれそうです。
パネルシアター「ぐんぐん大きくなった!」
生き物が成長していく様子を伝える物語なので、進級式にぴったりな題材です。
ちょうちょやかえるなどさまざまな動物が登場するので、集中してお話を聞いてくれそうです。「大きくなれ~!」のかけ声を一緒に楽しんでもらいましょう。
また、最後に「みんなもとっても大きくなったね!新しいクラスでも楽しく過ごそうね!」などと伝え、子どもたちの進級をお祝いできるとよいですね。
楽しい雰囲気を感じてもらえるように、ハキハキと笑顔で演じることがポイントです。
ペープサート「ようこそ〇〇保育園」
入園児を迎えるうれしさをみんなで感じられるお話です。
初めて保育園に登園することになった入園児のりすちゃんと、園に慣れている在園児のニコニコちゃんが登場するお話を楽しんでもらいましょう。
ちょっぴり不安そうなりすちゃんに、ニコニコちゃんが保育園のおもちゃや遊具を写真で紹介しながら、園での生活を伝えていきます。
最後に「〇〇保育園に入った新しいお友だちに、みんなも優しくいろいろなことを教えてくれるとうれしいな」と伝え、お兄さん・お姉さんとしての自信と優しさを育むきっかけにしてみてくださいね。
事前に保育園の人気のおもちゃや遊具を写真で撮影し、プロジェクターで映し出すなどの工夫をするとよさそうです。
7.終わりの言葉
進級式の最後には、「終わりの言葉」で締めくくります。
「これから新しいクラスで楽しいことがたくさん待っているよ!先生たちもみんなと遊べることを楽しみにしているよ♪」など話し、一人ひとりが新しいスタートを気持ちよく迎えられるような言葉を伝えられるとよいですね。
保育園の進級式を行うときのポイント
最後に、保育園の進級式を行うときに気をつけたいポイントをまとめました。
保育士の服装や持ち物に気をつける
服装
進級式にスーツで参加する場合と、保育を行うときと同じ服装で参加をする場合があるようです。
保護者の方が出席する場合は、スーツで参加することが多いかもしれません。以下のようにベージュや薄いグレーのスーツなど、春らしく明るい色にするとよさそうです。
保育園の外で見送りをする場合に備えて、スーツに合うパンプスも用意しておくとよいですね。 新年度の始まりの式なので普段の保育と同じ服装で参加する場合は、清潔感を心掛けましょう。
持ち物
ポケットティッシュがあると子どもの鼻をかんだり、涙を拭いたりできるでしょう。
また、メモ帳、ペンなどを用意しておくと保護者の方から質問があったときすぐにメモを取ることができますよ。
泣いてしまう子どものために別の部屋を用意する
いつもとは違う雰囲気のなかで、不安になったり泣いてしまったりする子もいるかもしれません。そのときのために別の部屋を確保し、おもちゃを用意しておきましょう。
特に乳児クラスの子どもたちが静かに過ごし続けるのは難しいかもしれません。
子どもの様子を見ながら可能な範囲で参加してもらい、他の時間は別の部屋で過ごせるように環境作りをしておくとよいですね。
事前に保護者の対応をする
保護者の方を招く場合、事前におたよりを出し、参加可否の確認をすることが大切です。
参加できない保護者の方のために、保育士さんが子どものフォローをしたり、写真や連絡帳、お便りなどで子どもの様子を伝えたりするなど工夫するとよいでしょう。
保護者の方を招かない場合は、その理由をきちんと説明し、トラブル防止に努めましょう。
なお、4月のクラスだよりの作成に悩む方はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
きちんと事前に準備して楽しい雰囲気で保育園の進級式を行おう
今回は、保育園で行う進級式の流れやねらいなどについて紹介しました。
当日までにスケジュールを把握し、園内の飾りつけなど事前準備をすると進級したよろこびや園のあたたかい雰囲気が感じられそうです。
出し物では、子どもたちと歌を歌ったり、保育士さんがパネルシアターやペープサートなどを見せたりして、楽しい行事にしましょう。
また、子どもたちが安心して過ごせるようにその場に合った援助を心がけることが大切です。
進級式に向けて早めの用意をし、流れや内容を職員間でしっかりと確認したうえで、進行できるとよいですね。
なお、保育士バンク!新卒では、子どもと楽しめる遊びのアイデアや行事ネタなどの記事を配信しています。
就職や転職のサポートも実施しているので「新年度が始まったけれど、違う保育園で経験を積むことを考えている」などといったお悩みもご相談ください。
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