実習先の保育園が縦割り保育を実施している場合、異年齢の子どもがいっしょに楽しめる製作のアイデアを知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。
子ども同士が意見を出し合いながら作り上げられると、達成感にもつながるかもしれません。
今回は、縦割り保育における製作のねらいや援助のポイント、ゲームにつながるアイデアを紹介します。
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縦割り保育における製作のねらい
異年齢保育とも呼ばれる縦割り保育では、年齢の異なる子どもたちとさまざまな活動を行うことでしょう。
実習などでは、製作を担当することもあるかもしれません。縦割り保育における製作活動には、以下のようなねらいがあるようです。
- 製作活動のなかで年齢が異なる子どもとの関わり方を学ぶ
- 製作活動を通して社会性や協調性を身につける
- 子ども同士で意見を出し合ったり、協力したりしながらいっしょに製作する楽しさを味わう
異年齢同士での製作には、子ども同士がコミュニケーションをとり、社会性などを育むことをねらいとしているのですね。
年齢に関係なく意見を言ったり、アイデアを出し合ったりしながら一つのものを作り上げることができれば、子どもたちの達成感にもつながるかもしれません。
では、実際に製作をする場合、保育学生さんはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
縦割り保育に製作を取り入れるときのポイント
縦割り保育に製作遊びを取り入れるときのポイントを紹介します。
異年齢のグループでできるアイデアを取り入れる
製作をするときに、子どもたちをいくつかのグループにわけることもあるでしょう。
グループ内で子ども同士が分担して作れるものや、全員が意見を出し合って作れるものなどを取り入れれば、友だちと協力して作り上げることができそうです。
たとえば、「あったらいいなと思う車」や「住んでみたいおうち」などのテーマを決めてグループごとで作り、あとで発表するのもおもしろいかもしれません。
グループわけをするときは、3歳児が多く5歳児が少ないなど年齢に偏りがなくなるように配慮するとよさそうです。
異年齢の子どもたちがふれあいながら遊べるものを製作する
製作を楽しんだあと、縦割り保育のなかでふれあいながら遊べるアイデアを取り入れるのもよいでしょう。
たとえば、ままごと遊びに活用できる材料を分担して作り、製作のあとの時間や別の日に、製作物を使いながらいっしょに遊びを楽しめる機会を設ければ、より子ども同士のコミュニケーションも深まるかもしれません。
縦割り保育で楽しめる製作アイデア
ここからは、異年齢の子どもたちがふれあい遊びやゲームを楽しめる製作を紹介します。
魚釣り
乳酸菌飲料の空き容器で魚を作り、魚釣りゲームを楽しみましょう。
用意するもの
- 乳酸菌飲料などの空き容器
- PEテープ
- モール
- ビニールテープ
- タコ糸などの紐
- 割り箸
- シールなど
作り方
1.空き容器にビニールテープを巻きつけます。
2.カットしたPEテープをひれの部分に貼りつけて、シールなどで目をつけたら魚のできあがりです。
3.モールの先端を少し曲げタコ糸を結び、割り箸に固定すれば釣竿のできあがりです。
子どもの年齢によって釣り糸の長さを変えて、難易度を調整してみてもおもしろいかもしれません。
また、口がせまい容器だと釣竿が外れにくい一方で、口が広い容器を使うと引っかかりづらくなるため難易度が上がるでしょう。ゲームのなかで、年齢によって釣れる魚を指定しても盛り上がりそうです。
さまざまなタイプの魚を作って、魚釣りゲームを楽しめるとよいですね。
トントン相撲
子どもたちがオリジナルの紙人形を作り、トントン相撲大会をしてみましょう。
用意するもの
- 空き箱 1個(お菓子や段ボールの箱など)
- コンパス
- タコ糸
- 画用紙
- 接着剤
- ハサミ
作り方
<土俵>
1.箱に半径10cmのかき、線に沿って接着剤を塗ります。
2.タコ糸を円周にあわせてカットして貼り、接着剤を乾燥させればできあがりです。
<紙人形>
1.画用紙を1/4サイズに切ります。
2.画用紙を半分に折り、動物や力士など好きな絵をかきます。
3.人形が自立するようバランスを見ながら、絵の周りを切り取ってできあがりです。
保育学生さんはあらかじめ土俵を作っておき、人形は子どもが作るようにするとよいでしょう。
トントン相撲は人形の作り方や土俵の叩き方によって勝敗が決まるので、取組相手を変えることで年齢に関係なく楽しめるでしょう。
どのような人形を作れば倒れにくいのかなど、子ども自身が工夫しながら製作できるとよいですね。
トイレットペーパーロード
トイレットペーパーの芯でできたさまざまな形のパーツを使って道を作り、ビー玉を転がしてゴールを目指す製作のアイデアです。
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 数個
- 画用紙 2枚
- ビー玉
- 紙コップ
- ハサミ
- ペン
- セロハンテープまたはマスキングテープ
作り方
1.画用紙を縦に2枚つなげて壁に貼りつけ、スタートとゴール地点をかきます。
2.トイレットペーパーの芯を、半分にしたり輪切りにして短くしたりと、さまざまな形にカットします。
3.スタート地点から、トイレットペーパーの芯をセロハンテープもしくはマスキングテープで貼りつけていきます。
4.ビー玉の転がり方を見ながらゴール地点に向けて道を作っていき、ゴール地点に紙コップをつければできあがりです。
縦割り保育のなかで行うときは、異年齢のグループごとに試行錯誤しながらオリジナルの道を作れるよう十分な時間を取りましょう。
子どもだけではトイレットペーパーの芯をカットするのが難しい場合は、保育学生さんが切るなどの援助をするとよいかもしれません。
子ども同士でアイデアを出し合いながらさまざまな形の芯を組み合わせ、ビー玉をゴールさせる達成感を味わえるとよいですね。
絵合わせ輪投げ
絵合わせの要素をもつ輪投げゲームのアイデアです。
用意するもの
- 紙皿 1枚
- 紙コップ 1個
- 段ボール 1枚
- 画用紙
- 鈴
- コンパス
- ハサミ
- テープ
作り方
1.紙皿の中心に、紙コップの底部分より一回り大きな円をコンパスでかいて切り抜きます。
2.ダンボールに画用紙を貼り、真ん中に紙コップと紙皿を置きます。
3.ライオンであれば、ダンボールにたてがみと耳、紙皿に目、紙コップの底部分に鼻の絵をかきます。
4.紙コップの縁部分を切り取ってから、8等分になるよう2cmほどの切り込みを入れます。
5.切り込みを広げてダンボールの中央にテープで貼りつけます。
6.紙皿の裏側にテープで鈴をつければできあがりです。
紙皿を丸く切り抜く工程と、紙コップに切り込みを入れる工程は、保育学生さんかハサミを扱える年長児などが行うようにしましょう。動物の顔をかく工程は3歳児などと分担すれば、異年齢の子どもがいっしょに楽しめそうです。
ゲームをするときは、グループごとに絵合わせの早さを競ったり、年齢ごとに的までの距離を変えたりと遊び方を工夫すると、クラス全体で盛り上がれるかもしれません。
お店屋さんごっこ
くだもの屋さん、お菓子屋さん、魚屋さん、お総菜屋さんなどそれぞれグループごとになんのお店にするかを話し合って決め、食材となるアイテムを製作してお店屋さんごっこを楽しみます。
保育学生さんは、グループごとにどのような材料が必要なのかを聞いて、用意するようにしましょう。食材を製作する日とお店屋さんごっこを作る日をわけて行うことで、子どもたちがそれぞれの工程を十分に楽しめるかもしれません。
食材の製作アイデアを知りたいという方は、以下の動画も参考にしてみてくださいね。
参考動画:エビフライの作り方/保育士バンク!
参考動画:クレープの作り方/保育士バンク!
参考動画:さんまの作り方/保育士バンク!
参考動画:ピザの作り方/保育士バンク!
縦割り保育での製作を通して、ふれあい遊びを楽しもう
今回は、縦割り保育における製作のねらいや援助のポイント、ゲームや遊びに活かせるアイデアを紹介しました。
製作を通して異年齢の子ども同士で意見を出し合ったり、工夫して作り上げたりすることで社会性や協調性が育めるかもしれません。
製作したものでふれあい遊びをするなどして、縦割り保育のなかでコミュニケーションを深めていきましょう。