初日や最終日など挨拶をする場面が多い保育実習。担当するクラスの子どもたちはもちろん、お世話になる先生方と良好な関係を築けるよう、自己紹介や感謝を伝える際のコツを押さえておきたいですよね。今回は、保育実習を控える保育学生さんに向けて、挨拶のポイントと初日・最終日など場面ごとの例文を紹介します。
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■目次
保育実習では気持ちのよい挨拶をしよう
挨拶は、人と人がよいコミュニケーションを取るうえでの第一歩となります。
お互いに気持ちのよい挨拶を交わすことで、相手との信頼関係を築きやすくなるかもしれません。
また、保育士の仕事は職員同士の連携が必要なため、円滑なコミュニケーションはとても重要でしょう。だからこそ、保育実習では職員さんや子どもたちにきちんと挨拶をすることが大切になります。
約2週間から1カ月程度という限られた期間ではあるものの、保育実習でお世話になる人々と仲を深められるよう、しっかりとした挨拶を心がけましょう。
保育実習で挨拶をするときのポイント
保育実習において挨拶をする際、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか。
笑顔でハキハキと話す
挨拶は「明るく・笑顔で・元気よく」が基本です。
緊張すると表情がこわばり、声も小さくなりがちでしょう。
声がこもっていたり無表情だったりすると暗い印象を与えてしまい、先生方や子どもが心配してしまうかもしれません。
保育実習前に鏡の前で練習するなどして、緊張しても元気よく挨拶できるよう準備しておきましょう。
自分から挨拶する
保育実習中は、担当の保育士さん以外の職員さんと園内で顔をあわせる機会があるかもしれません。「この先生とは直接かかわることはなさそうだから」と素通りするのではなく、どのようなときでも自ら挨拶をしましょう。
保育実習の受け入れには、園長先生や担当の保育士さん以外にもたくさんの職員さんの協力があります。実習に参加させてもらったことへのお礼として、簡単に学校名と名前を添えて挨拶するとよいですね。
相手と状況に応じて内容を変える
保育実習では、子どもを相手にする場合と職員さんに挨拶をする場合では内容を変えましょう。
- 子ども相手:ゆっくりと、子どもの年齢にあわせたわかりやすい言葉で挨拶する
- 職員相手:一言にまとめるなど手短に済ませるようにする
子どもへの挨拶は、聞き取りやすくかつ親しみをもってもらいやすいように工夫して挨拶することがポイントです。一方職員さんに向けた挨拶は、忙しいなかで時間を取ってもらっているため簡潔に伝えるとよいかもしれません。
また、初日と最終日など、シーンにあわせて挨拶文の長さや内容を考えることも大切です。
【子ども向け】保育実習の挨拶例文
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ここでは、保育実習で子どもに向けて挨拶するときの例文を、初日と最終日の場面にわけて紹介します。
初日
例文①
〇〇組のみなさんこんにちは!
今日から保育園の先生になるためのお勉強をしにきた「保育花子」です。
サッカーをしたりドッチボールをしたり、ボールで遊ぶのが大好きなので、みんなといっしょに遊べることを楽しみにしています。これからよろしくお願いします!
例文②
〇〇組のみなさん、はじめまして!私の名前は「保育花子」です。
保育園の先生になるためのお勉強をしに、この△△保育園にきました。
花子は、はみがきの「は」、ながぐつの「な」、コアラの「こ」です。みんなの名前と同じ字はあるかな?
〇〇組のみんなと早く仲よくなりたいので、これからたくさん遊びましょう。よろしくお願いします!
ポイント
初日には、自己紹介を兼ねた挨拶をすることが一般的でしょう。
「どんな人なのかな」と子どもたちは興味津々になっているので、明るい声や表情を意識すると親しみを感じてもらえるかもしれません。また、クラス全員に声が行き届くようやや大きめな声で話すこともポイントです。
名前にまつわるペープサートやエプロンシアターなど視覚的にわかりやすいアイテムを使って自己紹介すれば、より注目を集められるかもしれませんね。
最終日
例文
今日で、みんなとさようならすることになります。
みんながいつもお外で遊ぼうと誘ってくれたので、先生はとってもうれしかったです。
先生は、〇〇組でとっても楽しい〇日間を過ごすことができました。
すてきな先生になれるように、またたくさんお勉強をがんばります。
みんなもたくさん遊んで、立派なお姉さん・お兄さんになってね。ありがとうございました!
ポイント
保育実習ではさまざまなエピソードから学ぶことが多いでしょう。特に印象に残っていることや感動したことなどがあれば、挨拶文に盛り込んで子どもたちに感謝を伝えるとよいですね。
また、挨拶とともに子どもたちにちょっとしたプレゼントを渡すのもよいかもしれません。ただし、園の方針で子どもにプレゼントを渡してはいけないところもあるようなので、担当保育士さんに前もって確認しておきましょう。
【職員向け】保育実習の挨拶例文
次に、保育園の先生方に向けた保育実習の挨拶例文を、初日と最終日にわけて紹介します。
初日
例文①
おはようございます。〇〇大学〇〇学部〇年、保育花子と申します。
本日から保育実習で2週間お世話になります。
常に笑顔を絶やさずに子どもたちと接していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
例文②
おはようございます。
〇〇大学〇〇学部〇年、保育花子と申します。
私は、小学生から高校生までピアノを習っており、今でも趣味で弾いています。
その経験を活かして、子どもたちとたくさん歌やリズム遊びを楽しみたいです。
これから2週間よろしくお願いいたします。
ポイント
先生方に対する実習初日の挨拶は、朝礼の時間に全体へ向けてする場合と、園長先生や実習指導担当の先生に個別に挨拶する場合があるでしょう。
職員さんへの挨拶は朝の忙しい時間帯に行われるので、「学校名・学年・氏名・一言」とシンプルにするのがベストでしょう。簡単な目標や特技などを手短に添えれば、実習に対する意欲を伝えられるかもしれませんね。
最終日
例文
本日まで、大変お世話になりました。
実習中、特に印象に残っているのはAちゃんが飛行機を製作していたときのことです。
私はすぐにテープ貼りや色塗りを手伝ってしまったのですが、指導してくださったB先生は、同じような場面で数分子どもの様子を見てから最低限の援助をするようにしていて、子どもの力を引き出す工夫をなさっているなと感じました。
大学では得られない貴重な現場経験をさせていただき、ありがとうございました。
ポイント
最終日には、保育実習を受け入れ指導してくださった先生方にしっかりと感謝の気持ちを伝えられるよう、以下のポイントを押さえて挨拶をしましょう。
- 自身の成長につながったエピソードや得た学び
- それを体験できたことに対するお礼
実習中に、自分が成長したと思えるエピソードや心を動かされた保育の実践方法などがあれば記録しておくとよいかもしれません。
挨拶文を考える際は、それらの内容を総括してどんなことを学べたのかまとめるとよいですね。
保育実習最終日の挨拶に菓子折りは必要?
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実習最終日には、挨拶とともにお礼として「菓子折り」などを贈ったほうがよいのではないかと考える保育学生さんもいるようです。
しかし、保育実習は教育の一環として受け入れてもらっているものなので、基本的に菓子折りは必要ないと考えてよいでしょう。もし学校から指導があった場合は、そちらを優先するとよいかもしれません。
園によっては、そういった物品を一切受け取らないという方針をとっているところもあるようなので、事前に確認しておくと安心ですね。
菓子折りは基本的に不要ですが、実習後は園に「お礼状」を送り、保育実習の感謝を伝えるのがマナーです。くわしい書き方や例文は以下の記事を参考にしてみてくださいね。
関連記事:保育実習後のお礼状の書き方。季節毎の時候の言葉や例文/保育士就活バンク!
保育実習では元気で明るい挨拶を心がけよう
今回は、保育実習での挨拶の重要性やポイント、子ども向けと先生向けの例文などを紹介しました。
挨拶は人と人が円滑なコミュニケーションをするための第一歩。明るく元気な声で挨拶することで、子どもや先生たちと信頼関係を築きやすくなるかもしれません。
初日は自己紹介をかねて自分の特技などをアピールして挨拶を行いましょう。また、最終日には、楽しかった思い出や成長できた点とともに、感謝の気持ちをしっかり伝えることが大切です。
相手やシーンにあわせた適切な内容を添えて、気持ちのよい挨拶を心がけましょう。
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