保育実習などにおいて、子どもたちとジェスチャーゲームを楽しみたいと考える方もいるかもしれません。実践前にわかりやすい説明の仕方を押さえておけば、スムーズにゲームを始められそうですね。
今回は、ジェスチャーゲームのルール説明の仕方や基本編とアレンジ編のやり方と流れ、年齢別のお題の例などを紹介します。
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■目次
ジェスチャーゲームとは
ジェスチャーゲームとは、お題を見た人が声を出さずに答えを体で表現して、見ている人に何のジェスチャーをしているのか当ててもらうゲームです。
保育園では、子ども自身が身振り手振りしながら思ったままに表現するため、想像力や表現力、コミュニケーション能力を育むことができるでしょう。
伝える側は、どんなお題なのかハラハラドキドキしながら考えたり、見ている側はおもしろい動作に思わず笑ってしまったりと、みんなで盛り上がれる遊びの一つかもしれませんね。
では、保育実習などで子どもたちとジェスチャーゲームを楽しみたい場合、どのように説明をするとよいのでしょうか。
ジェスチャーゲームの説明の仕方
まずは子どもにもわかりやすい説明の仕方の例を紹介します。
まずはルールを説明する
まずはジェスチャーゲームにおける基本ルールを説明します。
そのとき、以下の3つを強調して伝えるとわかりやすいかもしれません。
1.ジェスチャーする子どもは声を出さないこと
2.回答する子どもはお題を見ない(聞かない)こと
3.制限時間があること
声を出してしまうと答えがすぐにわかってしまうため、ジェスチャーのみで相手に伝えることが重要となるでしょう。
子どもの様子を見て難しそうな場合は、途中で学生さんが「体の大きな動物だよ」「赤い果物だよ」などヒントを出すというルールにしてもよいかもしれません。
制限時間は1人につき1分など、学生さんが合図を出したらジェスチャー役を交代するなどのルールも説明しておきましょう。
やり方の手本を見せる
ルールの説明をしたら、実際に手本を見せると伝わりやすいかもしれません。
何人かの子どもと学生さんが前に出て、一度やってみるとよいでしょう。
このとき、学生さんがジェスチャー役になると、どのような動作をすれば相手に伝わるのかという手本となりそうですね。
ジェスチャーゲームの説明:基本編
ここからは、基本のジェスチャーゲームのお題例や、やり方と流れを説明します。
基本編で使えるお題の例
- 動物
- 食べ物
- 乗り物 など
基本の遊び方のときはできるだけすぐにジェスチャー役と回答者を交代できるように、簡単なお題を選ぶとよいかもしれません。
やり方と流れ
1.5人程度のチームを作り、回答者を1人決めます。
2.回答者以外がジェスチャー役となります。そのなかで順番を決め、学生さんが出題するお題を制限時間内で1人ずつ表現していきます。
3.回答者が正解したら次のジェスチャー役にお題を伝え、表現します。回答者が制限時間以内に答えられなかった場合、もしくはわからないと判断した時点で申し出た場合は「パス」とし、別のお題に変更します。
4.ジェスチャー役全員分のお題を、回答者が早く正解したチームが勝ちです。次は回答者を変えて、ゲームを繰り返します。
この遊び方は、回答者を1人にすることで、全員が平等に回答者とジェスチャー役をすることができるでしょう。
お題の出し方は、保育士さんがジェスチャーをする子にのみ耳打ちで伝えたり、回答する子どもたちの後ろでお題となるイラストをかいたスケッチブックなどを見せたりしてもよいですね。
1人担任の場合などチーム戦を同時進行するのが難しいときは、1チームごと行ない、ほかの子どもたちは観覧者とするとよいかもしれません。
ジェスチャーゲームの説明:アレンジ編
次に、リレー式にアレンジしたジェスチャーゲームの遊び方を説明します。
アレンジ編で使えるお題
- スポーツの動き
- 身近な人の動き
- 生活のなかでする動き など
リレー式のジェスチャーゲームでは、「動き」のお題にすると子どもの表現力によって違いが出ておもしろいかもしれません。
やり方と流れ
1.5人程度のチームにわけ、1~5番までの順番を決めて同じ方向を向いて座ります。
2.学生さんが「1番の人は○○の問題を2番の人に出そう」と伝えます。このとき、他の子どもに聞こえないように耳元でお題を言うか、お題をかいた紙などを渡すとよいでしょう。
3.スタート地点とゴール地点を決め、ある程度の間隔をあけて座ります。
4.準備が整ったら、保育士さんの「よーいドン!」の合図で、1番目の子どもからジェスチャーをしていきます。
5.2番目の子どもが答え、正解だった場合は2番目の子がジェスチャーを行い、3番目の子が答えます。
6.(3)と(4)を繰り返し、ゴール地点にいる最後の子どもがジェスチャーし、当ててもらったらクリアです。
ゴール地点にいる最後の子どもがジェスチャーをする際は、1番目の子どもが答えるというルールにすれば、全員がジェスチャー役と回答者になれるでしょう。
クリアしていくごとに、問題の難易度を上げるのもおもしろいかもしれません。回答するのが難しくなるとなかなかゴールできず、より盛り上がりそうですね。
【年齢別】ジェスチャーゲームで盛り上がるお題
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最後に、ジェスチャーゲームで取り入れられるお題の例を、年齢別に紹介します。
年少(3歳児)向け
3歳児クラスでは、以下のような身近な食べ物や動物などをお題にすると簡単に表現しやすいかもしれません。
果物
- りんご
- バナナ
- みかん
- いちご
- スイカ など
あまり難しいものや聞き慣れないものだと表現がしにくいので、給食などで食べ慣れている果物やスーパーにもよく売っているような果物にするとよいでしょう。
動物
- イヌ
- ネコ
- ゾウ
- ニワトリ
- ウサギ など
動物の動きをジェスチャーで伝えることが難しい子どももいるかもしれません。そのため、このときだけは声を出しても可能とし、鳴き声をマネしながら進めてみてもよさそうです。
年中(4歳児)向け
4歳児クラスになると、徐々に身近な人たちの役割や名前の理解が進むかもしれません。
そのため、保育園や公園で使っている遊具や身近な物や人をお題にしてみてもよいでしょう。
遊具
- すべり台
- ブランコ
- ジャングルジム
- 鉄棒
- 砂場 など
このように、子どもたちが一度は遊んだことがある遊具だと、遊び方などを動きで表現しやすいでしょう。
身近な物や人
- 園長先生や〇〇先生
- 給食の先生
- お父さん、お母さん
- 歯ブラシ
- カバン
- 布団 など
子ども自身が「あの人は普段どういった仕草をしているかな」「あの道具はどんな風に使うかな」と思い出しながらジェスチャーするので、考えながら楽しめるかもしれませんね。
年長(5歳児)向け
5歳児クラスでは少しレベルアップして、特徴的な動きのあるスポーツや乗り物などをお題にしてみると盛り上がるかもしれません。
スポーツ
- サッカー
- 野球
- スケート
- 水泳
- 相撲 など
子どものなかには、保育園でスポーツをするほか、テレビで観たり習い事をしたりしていることで知っているものもあるかもしれません。
「どんな動きをしていたかな」とイメージをジェスチャーに変換する時間も楽しめそうです。
乗り物
- 自転車
- 救急車
- 消防車
- パトカー
- クレーン車 など
このように、身近な乗り物をお題にすると表現しやすいかもしれません。
実際に乗ったことはなくても「街で見かけたことがある!」という乗り物でもよいでしょう。
5歳児クラスではさらにレベルアップした遊び方として、「バナナを食べるゴリラ」や「ピアノを弾く先生」など、2つのテーマをあわせたお題に挑戦するのもおもしろいかもしれませんね。
上手にジェスチャーゲームの説明をして、子どもたちと楽しもう
今回は、ジェスチャーゲームの説明の仕方や基本編とアレンジ編のゲームのやり方などを紹介しました。
子どもの年齢によって伝えやすいお題は異なるので、様子にあわせて工夫するとよさそうです。
もし「みんなの前でジェスチャーを行うのは恥ずかしい」という子どもがいた場合は学生さんが助っ人として援助するなどルールを変えてもよいでしょう。
子どもにもわかりやすい説明をしてジェスチャーゲームに親しみ、慣れたらレベルアップした遊び方にアレンジしてみるなどして、学生さんもいっしょに楽しめるとよいですね。