2歳児ができることには、どんな姿や特徴があるのか知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。保育園で生活を送っていくなかで、イヤイヤ期とよばれる頃の子どもたちは、さまざまな刺激を受けてできることが増えていくようです。今回は、遊び、言葉、運動、社会性などの項目ごとに2歳児に見られる姿を紹介します。あわせて、接するときのポイントをまとめました。
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■目次
2歳児はどんな時期?見られる姿
2歳になると、0歳児や1歳児のときよりも体の動かし方がじょうずになったり、言葉もたくさん覚えたりして、赤ちゃんからお兄ちゃん、お姉さんになってくる時期でしょう。
日々成長がうれしく感じられる頃ですが、第一次反抗期と言われる時期にも当たるようです。と「イヤイヤ期」いう別の呼び方もあり、何でもイヤイヤとなってしまったり、なんでも「自分でやる」と自己主張をしたりする場面も見られるかもしれません。
一方で、簡単な会話も成り立つようになってくる頃なので、自分で物事を考える力も身についてくる頃でしょう。
そんな2歳児の子どもたちは、友だちや保育士さんからさまざまなことを学ぶようです。そしていっしょに生活をしたり遊んだりすることを通して、周りから多くの刺激を受けていくでしょう。
今回は2歳児ができるようになっていくことに着目して紹介します。
2歳児ができるようになること:遊び編
まずは、2歳児の子どもたちが遊びのなかでできるようになっていくことを見てみましょう。
お絵かきをする
なぐり書きだったお絵かきが、クレヨンなどで一本線や丸がかけるようになる頃のようです。クレヨンの持つのが難しい子どもがいたら、保育学生さんがいっしょに持ってお絵かきをするとよいでしょう。
指先を使って遊ぶ
指先を使って遊べるようになるのも、この時期の特徴のようです。貼ったり剝がしたりできるシール遊びや、大きめのビーズやストローのひも通しをしたり、ネックレスやブレスレットを作ってみたりするのもよいでしょう。
製作遊びのちぎり絵は、指先を使うのでちぎったり、のりを付けたり貼ったりするので五感を刺激しながら楽しめそうです。
絵本を見る
2歳児になると、絵本を集中して見られるようになるでしょう。絵本を通して、話の世界を想像しながら楽しめるようになるかもしれません。集中する時間が長くなると、少し長い絵本にも挑戦しやすくなりそうです。
しかし、まだまだ短い絵本を繰り返し読むことも好きな時期なので、子どもに読みたい絵本や興味のあるものを選ぶようにしましょう。
2歳児ができるようになること:言葉編
2歳児の言葉の成長は「言葉の爆発期」と言われるほど、覚えたいろいろな言葉を話せるようになる時期と言われています。そして、たどたどしかった話し方が、なめらかに話せるようになるようです。
語彙が増える
語彙が増えたことで、「どうして?」「なんで?」と子どもが気になることを質問してくる場面があるかもしれません。周りの友だちや保育士さんなどの影響を受けて、意味を知らなくてもさまざまな言葉を使えるようになるのも、この時期の特徴と言えそうです。
二語文や三語文で話す
「保育園行く」「朝ごはんなに」など二語文や三語文で話せるようになってくる子どももいるようです。
「今日」「明日」「昨日」などの言葉を覚えてきますが、時間の感覚がまだしっかり身についていないと間違えてしまうこともあるかもしれません。そんなときは、訂正するのではなく「昨日〇〇したね」など言葉をかけるようにするとよいでしょう。
自分の気持ちを表現する
名前を呼ばれると返事をしたり「〇〇しようか」と聞くと「〇〇したい」と自分の思っていることを話せるようになったりする頃でもあるでしょう。ちょっとした会話が成立するようになってくるので、大人が一方的に話しかけるより、子どもの話を聞く機会が増えるかもしれませんね。
2歳児ができるようになること:運動編
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運動能力が発達して、身体を動かすことが楽しくなってくる2歳児の特徴を見ていきましょう。
走ったりジャンプしたりする姿が見られる
1歳児の歩いていた時期から、走れるようになる子どもも出始めるようです。また、身体の動かし方も上手になり、両足でジャンプができる子も出てくるかもしれません。
ケンケンパのように床に印をかいたり、段差を付けたりしてジャンプをするのを楽しんでみてもよいでしょう。
道具を使った運動遊びが楽しめる
身体を使ってダイナミックな遊びにも興味が出てくる時期かもしれません。そのため、マットや鉄棒などを使って遊ぶ運動遊びも取り入れてもよいかもしれません。危険のないようにそばで見守ると楽しんで遊べそうです。
また、ボールを投げたり、蹴ったりして遊ぶ姿も見られるでしょう。いくつかボールを用意して遊ぶと、取り合いにならずに遊べそうですね。
2歳児ができるようになること:社会性や日常生活の行動編
手先が器用になり、1人でスプーンやフォークを持って食事をするなど、今までは、難しかったことが少しずつ自分でできるようになる頃のようです。
友だちに興味を持つ
周りの友達に興味が出てくる時期でもあります。友だちの名前を呼んだり同じような場所で、同じような遊びを模倣したりして遊ぶ姿も見られるようになってくる頃でしょう。また、「〇〇ちゃんおはよう」や「〇〇ちゃんばいばい」など友だちの名前とあいさつもできるようになってくるようです。
保育学生さんは、積極的に子どもたちの名前を呼びながら遊び、子ども同士が名前を覚えられるような機会を作るとよいかもしれません。
排泄のタイミングを教える
今までは、排泄をしたくなると自分の好きな場所(カーテンの隅)などでもぞもぞしていた子も、自分から「おしっこ出た」や「うんち」などだんだん保育士さんや保育学生さんに言葉で伝えられるようになる時期かもしれません。
保育学生さんは、教えてくれたことを認めて「オムツ変えようか」「トイレに行こう」など子どもに合わせた対応ができるとよいでしょう。
自分でやろうとすることが増える
何でも興味が出て自分でやりたいという気持ちが増えてくるようです。食事中は、スプーンやフォークを持って、こぼしながらも自分で食べようとする姿が見られるかもしれません。
また、時間がかかったとしても、洋服や靴の着脱も自分でやろうとする頃のようです。保育学生さんは、一人でできるように少しだけ援助をして、基本的に見守るようにし、子どものやりたい気持ちを尊重しましょう。
2歳児と接するときのポイント
保育学生さんが2歳児と接するときのポイントをまとめました。
できたことはきちんと褒める
子どもたちができたことはいっしょに喜んで、きちんと褒めるようにしましょう。褒めてもらうことで、子どもたちのやる気やできたという達成感につながるかもしれません。子どもたちのやりたい気持ちを大切にしていけるとよいですね。
難しいことにも挑戦できる機会を持つ
少し難しいかなと思うことでも、なんにでも挑戦できる機会を作るようにしましょう。やっている姿を見守り、ときには少しフォローするだけで「できた」ということもあるかもしれません。
また、子どもが挑戦できるように靴にひもを付けたり、ズボンなどを履く際に段差をつけてはきやすいように台の設置をするなど工夫するとよいでしょう。
2歳児の特徴やできるようになることを把握して援助しよう
今回は、2歳児の子どもたちに見られる姿やできるようになっていくことをまとめました。
この時期は、何でもイヤイヤしてしまったり、自分でやりたいと自己主張が出てきたりするかもしれません。しかし、子どもたちは保育士や周りの友だちとのやり取りや遊びなどを通して、言葉や運動、生活習慣を身に着けていくようです。子どもの状況に合わせて、援助の仕方を工夫すればできることが増えていくかもしれません。
2歳児の子どもたちができるようになることや特徴を把握して適切な援助を行ない、できたときはいっしょに喜ぶなど、子どもたちが達成感を味わえるようにしていきましょう。