【記入例付き】保育園の週案の書き方。ねらいや内容など作成のコツ

保育園で毎週作成する週案。書き方が分からず、記入例を探している保育学生さんや新卒保育士さんも多いのではないでしょうか。
今回は、週案の作成方法をねらい、子どもの姿、保育者の援助など項目別に紹介します。
また、年齢別の書き方例もまとめました。

記入する保育士

karins/shutterstock.com

保育園で書く週案とは?

週案は保育指導案の一つで、月案を参考にしながら一週間の活動を具体的化するものです。

保育内容を明確にする役割があるため、作成することで子どもたちがどのような活動をするのか、保育士さんが何をするべきなのかを把握できるでしょう。

また、週案は月案よりこまかいため、より子どもたちに寄り添った案を具体的に固めることができます。

【項目別】保育園の週案の記入例

ここからは、週案の書き方を項目別に紹介します。

ねらい

まずは、ねらいについて具体的にまとめました。

記入する時のポイント

ねらいとは、子どもの興味や発達を踏まえ、保育の中で育みたい資質や能力のことです。

目標やめあてとは異なり、子どもたちが達成できるよう実現可能なねらいを立てることが大切です。

ねらいを作るうえで、厚生労働省の資料にも書かれている下記の養護・教育という理念を覚えておくとよいかもしれません。

  • 養護:子どもの生命保持、情緒安定
  • 教育:子どもの心身の発達に必要な保育内容

教育はさらに健康・人間関係・環境・言葉・表現の5領域に分かれます。ねらいだけでなく、内容を考えるときにも役立つので、悩んだときはこれらの要素を意識して作成してみましょう。

出典:保育所保育指針/厚生労働省

例文

  • 保育園の生活になれる
  • ルールの大切さを遊びの中で理解する
  • 安全な環境の中で健やかに生活する

どのような力を身につけてほしいのかを考え、その中でも1週間で達成できそうなことをねらいにしましょう。

内容

次は内容について解説します。

記入するときのポイント

内容とは、ねらいを実現させるための具体的な保育内容のことです。

子どもたちがねらいに書いた姿へ成長するために、必要だと思われる遊びや経験を考えてみましょう。

例文

  • 保育者に抱っこされることで安心して生活する
  • 生活の中でお気に入りの遊びを見つける

「内容を実施するとねらいの達成につながる」というイメージを持ち、作成してみましょう。

予想される子どもの姿

続いて、子どもの姿について見ていきましょう。

記入するときのポイント

活動の中で、子どもがどのような姿を見せるのかを想定して記入します。

すべての子どもが同じ行動を取るとは限らないため、考えられる姿を漏れなく書くようにしましょう。

例文

  • 手先を使った遊びを集中して楽しむ
  • 着脱や手洗いなど、自分のことは自分でやりたいと主張する姿が見られる

一人ひとり成長スピードは異なるので、保育の中で子どもの様子をよく観察し、予想することが大切です。

保育者の援助

最後は、保育者の援助の書き方をチェックします。

記入するときのポイント

どのようなトラブルが起こる可能性があるかを考え、保育士さんが行う援助や注意点を予想していきます。

上記で考えた子どもの姿や内容を参考に、適切な援助方法を考えましょう。

例文

  • 子どものお気に入りのおもちゃを用意して興味を惹く
  • 身の回りのことを自分でできるよう、しっかりと時間を確保する
  • 好きな歌を歌って気持ちを落ち着かせる
  • 遊びに興味を持てるような声かけをする

子どもをよりよい方向へ導けるように、言葉かけや環境構成など具体的なサポート方法を記入できるとよいですね。

【年齢別】週案のねらいの書き方

ノートに記入する女性

Ivan Kruk/shutterstock.com

ここでは、ねらいの作成方法を年齢別に解説します。

年齢ごとの発達や特徴についても、合わせて紹介しましょう。

0歳児

0歳児は保育者に見守られることで、安心しながら過ごすことができるでしょう。

そのため0歳児は落ち着ける環境の中で、子どもが満足できる保育を行えるようなねらいを設定するとよさそうです。

  • 保育者に環境を整えてもらい、安心感や心地よさを味わう
  • 保育園を安全な場所と認識し、保育者に見守られながら安心して過ごす

安全性に配慮しながら、保育者など大人とのかかわりを中心に記入するとよいかもしれません。

1歳児 

1歳児は保育者との信頼関係を基盤に、周囲の環境や友だちへと興味や関心が広がっていく時期と言われています。

そのため、1歳児は友だちとのかかわりや子どもの興味の育ちに注目すると、ねらいを作成しやすいかもしれません。

  • 喃語を使い、保育者や友だちと簡単なやり取りを楽しむ
  • 友だちとの遊びに興味を持ち、保育者のサポートのもといっしょにやってみようとする

子どもの関心が育ちやすい時期のため、周囲の環境に積極的にかかわれるようなねらいを取り入れてみましょう。

2〜3歳児

2〜3歳児は走ったり、ジャンプしたりと運動機能が伸びやすい頃なので、運動に関したねらいを設定するのもよいでしょう。

また、社会性が身につく時期と言われているため、ルールのある遊びを活動に取り入れるうえでのねらいを考えるとよさそうです。

  • 保育者のサポートのもと、集団生活のルールを理解する
  • 友だちとかかわりながらいっしょに活動することを楽しむ
  • 着脱や食事を、保育者に見守られて自分でやろうとする

生活面の自立や友だちとのかかわりに焦点を充てたねらいを作成してみてもよいかもしれません。

4~5歳児

好奇心や想像力を伸ばすため、4~5歳児にはさまざまな技法や道具を使った製作や身体を思いきり動かして遊べるサーキット運動などを取り入れるとよいでしょう。

また、友だちと協力して物事に取り組む姿などさまざまな場面が見られるようになるので、子どもの社会性・情緒・運動能力などを観察し、よりクラスに合ったねらいを立てることが大切です。

  • 友だちと一つの作品を作り上げ、よろこびを感じる
  • 自然の中で生き物や植物に興味を持つ

子どもの興味を伸ばすねらいを立てると、好奇心旺盛な子どもの姿が見られるようになるかもしれません。 

保育園で週案を作るときのポイント

最後に、週案を作るときのコツをまとめました。

先週の様子を踏まえる

週案を作る際は先週の子どもの姿を振り返り、考えることがポイントです。

日ごろから子どもの様子をしっかり観察し、状況に応じて変更しながら年齢やクラスに合った週案を考えましょう。

また、行事や天候なども考慮するとより具体的な週案に仕上がり、子どもの成長をサポートしやすくなるかもしれません。

週案作成でよく使われる言葉を理解する

以下のような言葉を使うことで、週案をより子ども主体の内容に表現することができるでしょう。

  • ゆっくり:時間を多く設定する
  • よろこんで:興味を持ち、意欲的に取り組む
  • 誘う:子どもに関心を持たせるために行動する
  • 満足:やりきったと思う
  • 楽しむ:活動の中によろこびを感じている 

それぞれの意味を理解し、記入時に活用してみてはいかがでしょうか。

保育園の方針に沿う

週案は自分の好きなように作ってよいわけではなく、園の保育方針に沿う必要があります。

また保育士さんによって方針が異なっていると、子どもたちが戸惑ってしまうかもしれないため、他クラスとも共有しておくと安心ですね。

年案・月案と一貫性を持たせる

週案は年案・月案をもとに作成し、内容に統一性を持たせることが大切です。

それぞれの計画で方針がバラバラであると、子どもたちの遊びや成長の連続性が途絶えてしまう可能性があるため、一貫した計画を作成するように心がけましょう。

保育園の週案の記入例を参考に、書き方を理解しよう

今回は、週案の書き方を項目別・年齢別に紹介しました。

週案は保育の目標や活動内容が明確になるため、日々の保育を行ううえで大切な役目を持っています。ねらい・子どもの姿・保育者の援助などの書き方を理解し、子どもの年齢に合った内容を作ることが大切です。

困ったときは紹介した記入例を参考にし、子どもに寄り添った週案を作成しましょう。

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