保育実習で質問できないと感じ、悩んでいる保育学生さんも多いでしょう。担当の保育士さんが忙しそうにしていると、疑問点を聞くタイミングも掴みづらいですよね。今回は、保育実習でいつ質問すればよいのか、タイミングを具体的に紹介します。あわせて、保育士さんに好印象を与える上手な聞き方を質問例としてまとめました。
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■目次
保育実習で質問できないと感じる原因
保育学生さんが、学んだ知識を実践してみたり、現場の雰囲気を味わったりする保育実習。
保育実習は、実際の現場で子どもたちと接するため、分からないことがたくさん出てきてしまいますよね。
しかし、なかには分からないことがあっても質問しづらいと感じ、せっかくの機会を無駄にしてしまう場合もあるかもしれません。
まずは、保育実習で質問できないと感じる原因を紹介します。
拒否されてしまいそうだから
質問をして、担当の保育士さんに「これも分からないの?」と言われることを怖いと感じているケースがあるかもしれません。
実際、担当の保育士さんは質問に答えることで自分の成長につながるなどのメリットを得られるので、嬉しいと思う場合が多いようです。
どうしても質問しづらいときは「○○で合っていますか?」のように具体的な内容を添えた質問や、「○○でよいのか迷ったのですが、問題なかったですか?」のように迷ったことを伝えると、相手も答えやすくなるかもしれませんね。
何を質問すればよいか分からないから
特に初めての実習では分からないことが多く、質問したいことが分からない状態になってしまう場合もあるでしょう。
なんとなく過ごすと時間が無駄になってしまうため、しっかりと保育士さんを観察し、「どうしてこの絵本を選んだのだろう」「なぜこのような声かけをしたのだろう」など、一つひとつの理由を考えてみると質問すべき内容がクリアになるかもしれません。
担当保育士が忙しそうだから
担当の保育士さんが忙しそうにしているため、質問をして時間を取ってしまうことが申し訳ないと思う場合もあるでしょう。
しかし、いつ質問すればよいかを理解すれば、質問できないと悩むことも少なくなるかもしれません。保育実習で質問すべきタイミングについて、次でくわしく解説していきます。
保育実習で質問をするタイミングや聞くべき内容
保育実習でいつ質問すればよいか、また尋ねるとよい内容をまとめました。
基本的に、保育中は緊急性がありそうなこと、保育の前や後では自分のスキルアップのために聞きたいことを質問するとよいですね。
保育中
子どもにケガや体調不良が起こったとき
子どもが目の前で転んでケガをしたり、体調不良を訴えたりしたときは、手当など迅速な対応が必要になるため、すぐに近くの保育士さんに声をかけましょう。
元気そうに見えても後から体調が悪化することも考えられるため、早急に対処することが大切です。
子ども同士でトラブルがあったとき
子ども同士がケンカをする場面に出くわしてしまい、どうすればよいか分からないときはすぐに質問するようにしましょう。
担任の保育士さんは、一日の出来事を連絡帳に書いたり保護者に共有したりする必要があります。そのため、仮に保育学生さんが仲裁して解決できた場合でも、保育士さんが子どもに起こったことを把握できるようにきちんと報告しましょう。
また、子どもの年齢によってはすぐに仲裁に入らないほうがよいケースもあるため、適切な対応を行うために、まずは周りの保育士さんにアドバイスをもらうほうがよいかもしれませんね。
落とし物を拾ったとき
保育実習を行っていると、自分が担当していないクラスの子どもや、職員の落とし物を拾うこともあるかもしれません。
自分が知らない子どもや保育士さんのものの場合、本人まで届けることは難しいでしょう。
早く持ち主の元に戻るように、すぐに担任の保育士さんに伝えたほうがよいですね。
子どもから質問されたとき
子どもから何かを質問されたときは、自信を持って答えられる内容のみ回答するようにしましょう。
回答に迷った場合は、間違ったことを教えてないように、「ごめんね。分からないから○○先生に聞いてみよっか」と答えたり、確認してから教えたりすることが大切です。
保育の前や後
先輩保育士さんは、保育学生さんに多くのことを学んでほしいと思いながら指導するものの、保育中など慌ただしい状況では質問に丁寧に答えられない場合もあるかもしれません。
そのため、保育士さんはどうしてこのような声かけをしたのかなど、保育に関する質問をしたい場合は、保育の前や後など落ち着いたタイミングで聞くようにしましょう。
保育中に疑問点を見つけたときは、あとから質問できるようにメモを取っておくとよいですね。
【質問例】保育実習で疑問点があったときの聞き方
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保育実習は現場で知識を得られる機会なので、しっかりとスキルアップできるように積極的に質問することが大切です。
最後は、好印象を与えられるような質問例について具体的にまとめました。
何をすればよいか分からない
○○してもよいですか?
保育実習が始まったばかりのときは、「何かすることはありますか?」という聞き方でも問題ないでしょう。
しかし、「何かすることはありますか?」という質問を続けていると、受け身なイメージを与えてしまい、「やる気がないのかな」と思われてしまうかもしれません。
そのため、慣れてきたら「おやつの準備をしてよいですか?」など、意欲が伝わるような質問をしましょう。相手も「はい」や「いいえ」で回答できるため、答えやすくなりますね。
自分の取った行動が不安だった場合
子どもに「どこに住んでるの?」と聞かれ、個人情報を教えるのはよくないと思い迷った末に濁したのですが、問題なかったでしょうか?
「自分はこのように考えて行動を起こした」と伝えることで、担当の保育士さんに気持ちを理解してもらえるかもしれません。
迷ったことも添えれば、誠意を持って対応しようとした旨がより伝わりやすくなるでしょう。
アドバイスが欲しい場合
子どもに「手を洗おうか」と言ったときに機嫌を悪くした子がいたのですが、なぜでしょうか。また、そのような場合、どのような行動を取ればよいのでしょうか。
保育実習に参加するうえで、子どもが行動を起こした背景について知りたい場面も出てくるかもしれません。
子どもの気持ちが分からずに悩んだ場合は、担当の保育士さんにアドバイスをお願いすると対処しやすくなるでしょう。
また、保育学生としてどのような行動を取ればよいか助言をもらえれば、同じことが起きたときにうまく対処できるようになるかもしれませんね。
正しい対応方法が知りたいとき
子どもが目の前で転んでしまい他の保育士さんに対応をお願いしたのですが、そのようなとき、保育士さんはどのような対処をするのか教えていただきたいです。
保育学生さんが実際にケガの手当をすることは少ないかもしれませんが、自分にできることを聞いたり、入職後に役立つように教えてもらったりしましょう。
他にもケンカの仲裁方法など、日常で起こりがちなトラブルの対処法について聞いておけば、いざというときに役立つかもしれません。
質問例やタイミングを押さえて、保育実習で質問できないをなくそう
今回は、保育実習でいつ質問すればよいかのタイミングや、質問例について紹介しました。
指導担当の保育士さんは、保育学生さんにいろいろなことを学んでほしいと思っていることが多いため、保育実習では積極的に質問するとよいでしょう。
しかし、緊急性のありそうな質問は保育中、スキルアップのために聞く質問は保育の前後に聞くなど、タイミングをはかることが大切です。
紹介した質問例を参考に、保育学生さんは実習で上手に質問できるとよいですね。