秋が深まり、寒さが増してくる11月。5歳児を担任する新卒保育士さんのなかには、月案作成に悩む方もいるかもしれません。今回は、5歳児クラスで使える11月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方などもまとめたので、保育の参考にしてみてくださいね。
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■目次
11月の5歳児クラスの特徴とは?
日に日に気温が下がり、だんだんと冬が近づいてくる11月。運動会を終えて、子どもたちの顔つきにもどこか成長が感じられる頃かもしれません。
そんな11月の5歳児クラスには、どのような特徴が見られるのでしょうか。
- 友だちと考えを出し合い、ルールやイメージを話し合いながら遊ぶ
- 作品展に向けて、完成のイメージを持って工作や描画に取り組み、自分なりに表現することを楽しむ
- 気温の低下とともに空気が乾燥してきて、風邪を引いてしまう子もいる
大きな行事を経て友だちとのかかわりが充実するとともに、遊びの内容も深まってくるかもしれません。
今回は、上記のような特徴を踏まえて、11月の5歳児クラスの月案の文例やポイントを紹介します。
【11月】5歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
まずは、11月の月案に活かせる5歳児クラスの前月の子どもの様子の文例を見ていきましょう。
- 運動会を経て自信が深まり、積極的に活動に参加したり、友だちと誘い合って集団遊びを楽しんだりする姿が見られた。
- 友だちと考えを出し合いながら工夫して活動する姿が増えてきた。
- 衣類を自ら調整しようとするものの、寒い日に半袖で登園したり、汗をかいているのに上着を脱がなかったりと、まだ声かけが必要な子もいた。
11月には、運動会などの行事を経験して、少し成長した5歳児さんの姿が見られるかもしれませんね。
クラスの子どもの様子をもとに、11月の月案作成に活かしていきましょう。
【11月】5歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
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ここでは、11月の月案のねらいや活動内容の文例を紹介します。
今月のねらい
養護・教育の2つの視点から、月案のねらいの文例をまとめました。
養護のねらい
- 手洗い・うがいや保育室の掃除を丁寧に行い、衛生的に過ごす。
- 身支度や係の仕事を意欲的に行い、自信を持って生活する。
教育のねらい
- 友だちと思いを伝え合い、共通の目的やイメージを持って遊ぶ。
- さまざまな技法に親しみながら、自分なりの表現を楽しむ。
活動内容
養護
<生命>
- 気温や活動内容に合わせて衣類を選び、体温を調節しようとする。
- 戸外から戻ったら自発的に手洗い・うがいを行う。
<情緒>
- 友だちとのかかわりを通して、安心して自己を発揮する。
- 保育者や友だちに褒められたり認められたりするなかで、自信を深める。
教育
<健康>
- 戸外に出て身体を動かしながら集団遊びを楽しむ。
- 一輪車や竹馬遊びなどに挑戦し、平衡感覚を育む。
<人間関係>
- 友だちと考えや思いを伝え合いながらかかわり、遊びを広げていく楽しさを味わう。
- 年下の子どもとかかわり、遊び方を教えたり仲間に入れたりするなど思いやりの気持ちを持つ。
<環境>
- 文字や数字に興味を持ち、真似して書いたり、時計や張り紙を読もうとしたりする。
- 秋の自然を発見することを楽しみ、くわしく調べたり、遊びに取り入れたりしながら活動する。
<言葉>
- 相手の言葉に耳を傾け、思いを理解しようとする。
- 絵本の読み聞かせを通して、慣用表現や比喩を楽しむ。
<表現>
- 絵の具やクレパスなど、さまざまな道具や素材を使いながら表現することを楽しむ。
- 友だちの作品を鑑賞し、互いによさを認め合う。
11月になると、作品展に向けて造形活動に力を入れる保育園も多いかもしれません。
5歳児の子どもたちが自由な発想で取り組み、友だちと作品を見せ合ってよさを認め合えるような活動を考えられるとよいですね。
【11月】5歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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11月の5歳児クラスの月案に活かせる、環境構成や保育士さんの配慮・援助事項を紹介します。
養護
生命
- 気温や天候、子どもの様子に合わせて活動内容を調整し、健やかに過ごせるようにする。
- パネルシアターを使って手洗い・うがいの大切さを伝え、衛生意識を育む。
情緒
- 引っ込み思案な子どもの思いや要望を引き出すよう心がけ、安心して過ごせるよう配慮する。
- それぞれの個性や得意なことを発揮できるよう、平等に機会を設ける。
教育
健康
- 鬼ごっこやあぶくたったなど、身体を動かして楽しめる集団遊びを伝えていく。
- 園庭に新しい玩具のコーナーを設置して、やってみたいという意欲を引き出す。
人間関係
- 子どもたちの伝え合いを見守り、話の内容や遊びが行き詰まったタイミングで声をかけるようにする。
- 年下の友だちへの接し方を伝え、年長児としての自覚を持ってかかわれるように声をかける。
環境
- 文字や数字を書いて遊べるように、白い紙と鉛筆を用意しておく。
- 子どもたちが自発的に調べものをできるよう、季節の自然に関する図鑑を絵本棚に置いておく。
言葉
- 友だちの話を聞くときの約束や、言葉遣いなどをこまめに確認する。
- 言葉の表現が面白い絵本を読み聞かせ、友だちと楽しさを共有しながら味わえるようにする。
表現
- 製作活動を通して、はじき絵やこすり出しなど、さまざまな技法の面白さを伝える。
- 楽器遊びを通して音楽に親しめるよう、保育室にタンバリン、鈴などを用意する。
11月は落ち葉や木の実をたくさん集めて楽しむのにぴったりな季節です。
子どもたちが自然にふれ合いながら過ごせるよう、環境を整えていきましょう。
【11月】5歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
ここでは、11月の月案で使える家庭連絡・安全・食育の文例をまとめました。
家庭連絡
- 冬に向けて、戸外活動用の上着を用意してもらう。
- 作品展に向けた取り組みの様子を伝え、保護者の参加を促す。
健康・安全・衛生
- 保育室の湿度・温度を調整したうえでこまめに換気を行い、感染症の予防に努める。
- 戸外から戻ったときは手洗い・うがいを丁寧に行うよう声をかける。
食育
- クッキング活動を通して、食材をつぶしたり混ぜたりする調理の過程を楽しめるように環境を整える。
- 苦手な食材は食べる量を相談しながら決めて、完食できるよう励ます。
冬が近づくとともに、風邪やインフルエンザといった感染症が流行し始める11月。
5歳児クラスでも、子どもたちが衛生意識を身につけて病気を予防できるように、月案で配慮事項を計画しておきましょう。
【11月】5歳児の月案の文例:反省・自己評価
11月の5歳児クラスの月案における反省や自己評価の文例を紹介します。
養護
- 登園時に声かけをすることで、気温に合わせて上着を羽織るなど調整することができた。
- 自ら手洗い・うがいを行い、風邪を予防しようとする姿が増えた。園全体で、鼻水や咳が出る子が出てきたので、いっそう衛生対策に力を入れていきたい。
教育
- 友だち同士で話し合いながら工作やごっこ遊びを楽しむ一方、イメージがすれ違ったり、思いがぶつかって言い合いになったりする場面もあった。やり取りを見守りつつ、解決に向けて関係を取り持つことができた。
- 行事や交流保育などを通して異年齢児とふれ合い、年長児としての自信を深める様子が見られた。
11月は、健康・衛生への対策や、行事を通した子どもたちの成長に焦点を当てるとよいかもしれません。
月案を通して子どもの様子や保育者としてのかかわりを見直し、反省と振り返りを行いましょう。
月案に活用できる11月の5歳児保育のポイント
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最後に、月案作成にも活かせる11月の5歳児クラスの保育のポイントをまとめました。
子どもの発想を大切にした造形活動を
11月になると、作品展に向けて工作やお絵かきといった造形活動に取り組む保育園が多いかもしれません。
5歳児の子どもたちが、自分なりの発想や表現を楽しみながら製作を楽しめるように、言葉かけや環境設定を考えていきましょう。
導入を工夫して、子どもの意欲やイメージを引き出していくのもよさそうですね。
秋の自然を遊びに取り入れてみる
気温が下がる11月は、木々の葉っぱが色づくとともに、落ち葉や木の実が園庭や公園でたくさん集められる時期です。
拾い集めたあとは、見立て遊びや製作遊びに自然物を活用してみましょう。
泥や砂と組み合わせてケーキを作ったり、落ち葉を画用紙などに貼って動物を作ったりと、さまざまなアイデアが楽しめますよ。
楽器遊びで音の響きを楽しむきっかけに
芸術の秋、5歳児クラスで楽器遊びを取り入れるのもよいかもしれません。タンバリン、カスタネットなど簡単な楽器を使用して、リズム打ちをしてみましょう。
5歳児さんは楽器の使い方を一通り覚えている子も多いようなので、保育室に設置しておき、自由に音を鳴らして楽しめるようにしてもよさそうです。
秋・冬に発表会や音楽会を予定している保育園では、そのまま合奏活動の導入として取り組み、練習につなげていってもよいかもしれませんね。
文例を知って11月の5歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、11月の5歳児クラスの月案に使えるねらいや配慮、反省などの文例を紹介しました。
秋が深まる11月、季節の遊びを楽しめるよう環境を整えるとともに、風邪を予防するために衛生対策を実施していきましょう。
また、作品展を予定している保育園では、子どもたちが意欲を持ってのびのびと表現できるような造形活動を計画しておくとよいですね。
11月の文例を活かして、5歳児クラスの月案に役立ててみましょう。