面接で苦手な人を聞かれたときの答え方や対処法が分からず、悩む保育学生さんもいるかもしれません。回答しづらい質問のため、どのように答えればよいのか迷ってしまいますね。今回は、保育士の面接で苦手な人を聞かれる理由や、回答のコツなどを紹介します。また、「悪口を言う人」など答えるときの例文をまとめました。
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■目次
面接で「苦手な人」を聞かれる理由
内定を得るために必要となる面接。
保育学生さんの人間性などを知るためにさまざまな質問をされますが、中には苦手な人を聞かれることもあるようです。
まずは、面接で苦手な人を問われるくわしい理由について紹介します。
人間性を知るため
採用担当者が苦手な人を聞く理由として、保育学生さんの人となりを知ることが挙げられるでしょう。
「あなたの性格を教えてください。」などと直接聞くと、よい印象を与えられるような回答をする学生さんもいるかもしれません。
そのため、採用担当者は保育学生さん本来の性格を見極めるのが難しくなってしまうことが考えられます。
しかし、苦手な人は自分と正反対の人であることが多いようなので、「あなたの苦手な人は?」という質問の答えから、人間性をある程度読み取ることができるようです。
例えば保育学生さんが「時間にルーズな人が苦手」と答えたときは、採用担当者から「計画性があるのかな」と感じてもらえるかもしれませんね。
協調性を見るため
保育学生さんの協調性を見るために苦手な人を聞く可能性もありそうです。
仕事では相性のよい人とだけではなく、苦手な人とも付き合わなくてはいけません。
そのため、保育学生さんが苦手な人とどのように向き合うのかを知ることで、採用担当者は入職後の仕事ぶりを判断できるでしょう。
園との相性を見極めるため
面接で苦手な人を聞かれる理由として、園との相性を見極めることも挙げられそうです。
例えば、慎重な保育士さんが多い園の面接で「優柔不断な人が苦手」と答えた場合、採用担当者はなじめるのか不安になってしまうのかもしれません。
トラブルや早期退職の心配があるので、園にいる保育士さんと相性がよさそうか見極めているのでしょう。
「苦手な人」の答え方を考えるときのポイント
保育学生さんによっては苦手な人が思いつかず、どのように答えればよいか分からない場合もあるかもしれません。
ここでは、苦手な人の答え方を考えるコツについてまとめました。
自分の性格の裏返しを考える
基本的に苦手なタイプは、自分と正反対であることが多いようです。
苦手な人の答え方に迷ったときは、自分の性格の裏返しを考えてみるとよいでしょう。
しかし、苦手な人を「笑顔が少ない人」と答えているのにもかかわらず、保育学生さん自身に笑顔がなければちぐはぐな印象になってしまうかもしれません。
そのため、答えた内容とつじつまが合うよう、保育学生さんは面接中の振る舞いに気をつけることも大切です。
一貫性のある内容を心がける
苦手な人の答え方を決めるときは、一貫性のある内容を心がけましょう。
例えば、自分の欠点を聞かれたときに「優柔不断」と答えているにもかかわらず、「決断力のない人が苦手」と言ったら「自分のことは棚に置くのかな」と疑われる可能性もありそうです。
面接全体を通じて回答に一貫性が持たせられるように、内容をよく検討しましょう。
モラルに関する内容を選ぶ
苦手な人が思いつかない保育学生さんは、一般的なモラルに関する内容を選ぶとよいかもしれません。
例えば「時間にルーズな人」や「挨拶をしない人」、「悪口を言う人」などの回答が挙げられるでしょう。
また、苦手な性格よりも苦手な行動に焦点を当てることで、回答を作りやすくなりそうです。
面接で「苦手な人」を答えるときのコツ
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続いて、面接で苦手な人を答えるときのポイントを解説します。
PREP法を活用する
面接で苦手な人を答えるときは、PREP法を活用するとよいでしょう。
PREP法とは「結論→理由→具体例→結論」の順で話すテクニックのことです。
説得力が増して採用担当者に伝わりやすくなるので、面接で好印象を与えられるかもしれません。
自分の問題点についても考える
苦手な人を伝えるときは、苦手と感じてしまう自分の問題点も添えることが大切です。
「協調性のない人」と回答した場合、「何事も皆で協力するもの」という固定観念を押しつけていることにもつながりそうです。
「振り返ると、私も人の個性を受け入れる力が足りませんでした。」のように自分の問題点を伝えれば、「自分を客観視できる」というアピールにつながるかもしれませんね。
対処法をしっかり伝える
苦手な人やその理由を伝えた後は、対処法もしっかり伝えるようにしましょう。
対処法も添えることで、「苦手な人といっしょに仕事をしても問題なさそうだな」という安心感を与えられそうです。
また、苦手なことから逃げずに打ち込む姿勢も見せられるため、ポジティブなイメージを持ってもらえるでしょう。
面接で「苦手な人」を伝えるときの例文
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ここからは、面接で苦手な人を答えるときの例文をまとめました。
例文1:ネガティブ思考の人
私はネガティブ思考の人が苦手です。
1人がネガティブな発言をすることにより、周りの仲間も不安になったりやる気が下がったりしてしまうからです。
私は学生時代に吹奏楽部へ所属していたのですが、発表会の直前に「どうせ失敗してしまう」とネガティブな発言をする仲間がいました。
最初は周りの部員が一生懸命励ましていたものの、次第に雰囲気が暗くなっていくことが見て取れました。
私は自信がないままでは発表会が失敗してしまうと思い、皆で練習しているときに撮った写真や動画を見せて士気を高めました。
また、私は明るい性格なので「たくさん練習したから絶対成功するよ!」と声をかけ、結果として無事に成功させることができました。
今後もネガティブ思考の人がいたときは、ポジティブな言葉をかけていっしょに業務に取り組んでいきます。
苦手な人として、ネガティブ思考の人を挙げた例文です。
「ネガティブな発言をしたことで雰囲気が暗くなってしまった」のように具体例を紹介した後に、「声かけをしたり動画を見せたりした」と対応策を述べています。
入職後の苦手な人との付き合い方も添えることで、採用担当者に安心感を与えられるでしょう。
例文2:協調性がない人
私は協調性がない人が苦手だと思います。
うまく連携を取れないことにより、業務に支障が出てしまうからです。
私は大学1年生のときからウェイトレスのアルバイトを行っておりますが、そこに協調性のない仲間がいます。
その方は自分の好きな業務のみを行っており、本来であれば自分で対応すべきものを人任せにすることが度々ありました。
あるとき、その方がデザートのオーダーを受けた際、自分で対応せず、周りにもお願いしなかったために提供が遅れてしまいました。結果として、お客様からのクレームにつながってしまいました。
私はその仲間に今までしっかり注意をしなかったことを反省し、周りと協力しなければどのような影響があるのかなどを具体的に説明しました。
入職後にもこのようなことがあった場合は、協力し合わないことによるデメリットや改善策などを説明して、お互い気持ちよく業務を行えるようにします。
協調性がない人を苦手な人に選んだ例文です。
具体例として「アルバイトの仲間が自分の好きな業務だけを行い、クレームにつながってしまった」と紹介しています。
「今までしっかり注意しなかった」と自分の反省点も述べることで、採用担当者に好印象を与えられるかもしれませんね。
例文3:悪口を言う人
私は悪口を言う人が苦手です。
悪口を言うことで相手の心を傷つけてしまうからです。
大学2年生のとき、同じ授業を受けたことがきっかけで仲よくなった方がいました。
しかし、その方は次第に私の親友や先生などの悪口を言うようになり、私は肯定をしなかったもののどのように対応すればよいか悩んでいました。
あるとき、偶然その場に居合わせた親友が会話の内容を聞き、傷ついて泣いてしまったことがありました。
私は深く反省し、それから悪口を言っているときは「○○のようなよいところもあるよ。」と人の長所に気づいてもらえるようにしました。
今後も悪口を言う人がいた場合は、ポジティブな面を見てもらえるように声かけしていきます。
苦手な人として、悪口を言う人を挙げた例文です。
「親友が悪口を聞いて傷ついてしまった」ことをエピソードとして選び、それをきっかけに「人の長所に気づいてもらえるような声かけをしている」と対処法を伝えています。
入職後の対応についても添えることで、説得力のある文章に仕上がるでしょう。
例文4:時間にルーズ
私は時間にルーズな人が苦手だと思います。
1人の作業が遅れることで、全体に迷惑がかかってしまうことがあるからです。
学生時代、私は学園祭のステージイベントを管理する係に就いており、学園祭当日のプログラムを決めたりステージ進行を担ったりしていました。
あるとき、ステージイベントに参加するバンドが、締め切り間際になっても書類を出さないことがありました。
披露時間や演出などが分からないのでプログラムを作ることができず、仲間や他の参加者に迷惑をかけてしまいました。
振り返ってみると私も管理が足らなかったため、今後このような場面があったときは進捗を繰り返し確認したり、場合によっては手伝ったりなどのサポートができればと思います。
入職後も反省を活かし、スムーズに業務を進めていきます。
苦手な人として、時間にルーズな人を選んだ例文です。
具体例では「学園祭準備で書類を提出しない参加者がおり、他の人に迷惑をかけた」と挙げています。
「私も管理が足らなかった」と反省点を述べたり、今後は進捗を何度も聞くなどの改善策を添えたりすれば、採用担当者へのアピールにつながるでしょう。
例文5:挨拶をしない人
私は挨拶をしない人が苦手です。
挨拶はマナーの一つですし、よい関係性を築くためには大切なものだと思うからです。
私は大学1年生のときからオフィスの事務のアルバイトを行っていましたが、そこに挨拶をしない社員の方がいました。
出勤時の「おはようございます。」や退勤時の「お疲れ様です。」などを言わなかったため、周りの方も段々と挨拶をしなくなってしまいました。
しかし、私は周りの方が挨拶をしなくなっても出勤時や退勤時、すれ違うときなどに「おはようございます。」「お疲れ様です。」などと声をかけ続けました。
保育士になってからも挨拶を忘れず、子どもや保護者の方とよい関係性を築いていきたいです。
挨拶をしない人を苦手な人として挙げた例文です。
「関係性を築くために大切なものだから」と挨拶が必要な理由を述べたうえで、「アルバイト先の方が挨拶をしなかった」と具体例を紹介しています。
自分が行った努力や入職後に在りたい姿も添えれば、採用担当者へポジティブなイメージを与えられるかもしれませんね。
面接で「苦手な人」を答えるときのNG例
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最後は、面接で苦手な人を回答するときのNG例をまとめました。
NG例:「苦手な人はいない」と答える
「苦手な人はいない」という答えは、マイナスの印象を与える可能性があるため避けたほうがよさそうです。
すべての人と相性がよいというのは考えづらく、採用担当者に「よく見せようとしているのかな」「考えるのが面倒なのでは」と思われてしまうかもしれません。
また、「苦手意識を持たないようにしている」という回答は、質問への受け答えになっていないのでちぐはぐな印象を与えてしまいそうです。
そのため、本当に苦手な人がいなかったり苦手意識を抱かないようにしたりしている方も、しっかりと答えるように心がけましょう。
NG例:対処法を聞かれたときに「苦手な人とは関わらない」と伝える
「苦手な人とは関わらない」と伝えることも、控えたほうがよいかもしれません。
苦手なことに立ち向かう力がないと思われ、「不得意な業務は投げ出してしまうのでは」と思われる可能性がありそうです。
採用担当者は苦手な人とどのように関わるのかを知りたいため、対処法をしっかり伝えることが大切でしょう。
NG例:あいまいに回答する
「生理的に苦手」や「なんとなく苦手」のような、あいまいな回答も避けたほうがよさそうです。
採用担当者に論理的でないと思われ、マイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
自分でなぜ苦手と感じるのかの理由を掘り下げ、明確に伝えられるようにするとよいですね。
NG例:乱暴な言葉を使う
苦手な人を回答しているうちに感情的になり、乱暴な言葉を使ってしまうのも控えましょう。
苦手ではなく嫌いと言ったり、ただの愚痴を話したりすると「感情をコントロールできない人」と思われてしまうかもしれません。
人格を否定するような言葉や、容姿・宗教などを差別する表現も避けたほうがよさそうです。
NG例:特定の人を挙げる
苦手な人を答えるときは、特定の人を挙げないように気をつけましょう。
苦手な人について名前などの個人情報を回答すると、陰口のように聞こえて印象が悪くなる可能性があります。
「アルバイト先の同僚」のように、濁した表現が適切でしょう。
「苦手な人」の答え方を覚え、保育士の面接を成功させよう!
今回は、面接で苦手な人を聞かれたときの答え方や例文を紹介しました。
保育学生さんの人間性を理解したり、協調性を見たりするために苦手な人が聞かれるようです。
対処法もしっかり伝えるなどのポイントを押さえ、採用担当者に好印象を与えられるような回答をしましょう。
ここで紹介した「悪口を言う人」「時間にルーズな人」などの例文を参考に、保育士の面接を成功させられたらよいですね。
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