新卒保育士さんの中には「子どもの集中力を育めないかな」と悩んでいる方がいるかもしれません。保育園の子どもにとって長時間集中することは難しいケースが多いようですが、今後の発達を見据えて集中力を高めるような遊びやおもちゃを取り入れていくのもよいでしょう。今回紹介する活動を参考に、普段の保育に活かしてみてくださいね。
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子どもの集中力はどのくらい続く?
保育園では、読み聞かせや製作など一斉に活動する場面が多いですよね。
そんな時、集中して話を聞いてくれなかったり、すぐに飽きて別のものに興味が移っていったりすることから、『子どもに集中力を身につけてほしい』と悩んでいる新卒保育士さんもいるかもしれません。
通説では、子どもの集中力は「年齢+1分」もしくは「年齢×1分」とも言われています。
つまり3歳であれば3分から4分、5歳であれば5分から6分ほどが集中力のピークと考えられるようです。
そもそも子どもの集中力は長く持たないということを念頭に置いておくと活動計画を立てやすくなるでしょう。
子どもの集中力が続かない要因
子どもが集中できる時間は限られるとはいえ、なるべく集中しやすいよう働きかけることが大切です。
では、子どもが集中できないのにはどんな要因があるでしょうか?
活動内容に興味がない
まず考えたいのが、「子どもたちが興味・関心を持って取り組める活動内容になっているか?」という点です。
遊びの内容に興味を持てないと、集中して取り組むことはできません。
逆に、好きなことや得意なことであれば長時間でも集中して遊び続ける子もいるでしょう。
普段子どもたちが関心を持っていることを中心に、楽しんでもらえる活動を考えることが大切です。
気が散りやすい環境である
環境設定も子どもたちの集中力に影響していると言えます。
活動に関係のないものが視界に入ったり、戸外の物音や話し声が聞こえてきたりしていないか改めてチェックしてみるとよいですね。
疲れが溜まっている
疲れを感じていてなかなか集中することができていない可能性も考えられます。
特に行事の練習が続く時期や激しい活動をした後だと、なかなか集中できない子どもが多いかもしれません。
集中力を必要とする活動は、子どもたちが元気な午睡明けに行うなど時間を調整することも必要になるでしょう。
他に気になること・やりたいことがある
目の前のことに集中できないときは、子どもにとって気になることが別にあるという状況も想定されるでしょう。
今は別のことをしたい気持ちである、自分の話を聞いてほしいなど、個々の思いに寄り添ってみると集中力が持たない原因がわかるかもしれませんね。
子どもの集中力を高める方法
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子どもの集中力を高めるには、この3つのポイントを意識してみましょう。
子どもが興味を持てる導入をする
まず活動を始めるうえで、「やってみたい」「面白そう」と子どもに関心を持ってもらうことが大切になります。
保育士さんがお手本を見せたり、ペープサートや手遊びで楽しい雰囲気を作ったりと、活動内容に合わせて取り入れてみましょう。
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一つひとつの活動を短くする
子どもたちが活動に集中できていないと感じる際は、一つひとつの活動時間を短く調整してみるとよいかもしれません。
普段の保育から、今の子どもたちが集中できる時間を把握しておき、集中力が途切れる前に活動を終えられるようにしましょう。
集中しやすい環境を作る
子どもたちが集中できる環境作りも大切です。
例えば、壁にたくさん掲示物が貼ってあったり、今の活動に関係ないものが目につくところにあったりすると、つい気が散ってしまうでしょう。
活動に入る前に環境を整えることはもちろん、子どもが集中しやすい環境になっているか、今一度保育室の設定を見直してみるとよいですね。
子どもの集中力を育む遊び
最後に、乳児・幼児の年齢別に子どもの集中力を育む遊びやおもちゃの例をまとめました。
乳児(0歳児~2歳児向け)
乳児クラス向けに、指先を使った遊びを中心に紹介します。
①ぽっとん落とし
0歳児や1歳児の子どもたちが楽しめるぽっとん落としは、集中力を養うのにぴったりです。
取り入れるときは、おもちゃが一人一つずつ行き渡るように準備しておくとよいでしょう。
②せんたくばさみ遊び
せんたくばさみを使った指先遊びも、集中して楽しめるゲームの一つ。
ある程度握力が強くなる2歳児頃から取り入れてみるとよいですね。
③シール貼り
集中して遊びながら達成感を味わえるシール貼り遊びは、子どもたちに人気の遊びと言えます。
指先が器用になる1歳児後半から2歳児頃にぴったりです。
口に入れないよう注意して見守りましょう。
幼児(3歳児~5歳児向け)
指先を使って考えながら取り組める遊びを中心にまとめました。
①ひも通し
小さな穴にひもを通していくひも通しは、集中力を必要とする遊びです。
おもちゃの大きさやひもの長さによって難易度が変わるため、子どもの様子に合わせて選ぶことがポイントですね。
②パズル
定番のパズル遊びは、じっくりと集中して楽しむ経験ができる活動の一つです。
絵柄を選ぶときは、子どもに人気のキャラクターや動物などを使えば、意欲を持って取り組んでくれるかもしれません。
③折り紙
折り紙は指先の動きに集中して取り組むことができる昔ながらの遊びです。
3歳児クラスでは簡単なものから始める、5歳児では個々の得意・不得意に合わせて選べるようにするなど、レベルに沿って難易度を調整してみるとよいですね。
上記のようなじっくり取り組む遊びは集中力が高まりやすいものの、子ども一人ひとり好きな遊びは異なるので様子を見ながら取り入れるようにしましょう。
個々の関心や得意なことに合わせて、好きな遊びに夢中で取り組める時間を十分に確保するようにしてくださいね。
子どもの集中力は長い目で育もう
今回は、子どもの集中力を高める遊びやおもちゃについて紹介しました。
保育園の子どもの集中力は長く持たないことが多いので、話し方や環境設定を工夫することが大切です。
子どもの興味に沿って、集中力を高める遊びを取り入れてみてくださいね。
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