英語教育を取り入れている保育園や幼稚園が近年増えてきているようです。保育学生さんのなかには、英語を活かせる保育士の仕事について気になる方もいるかもしれません。保育をするなかで、英語はどんなことに役立てられるのでしょうか。今回は、保育士の英語力の必要性や役立てられる資格、スキルについてくわしく紹介します。
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■目次
保育士も英語力が必要?
そもそも保育士に英語力は必要なのか、気になっている保育学生さんや就活生さんもいるのではないでしょうか。
英語教育を取り入れている保育施設などでは、英語を話せることで就活の際に評価されることもあるようです。
さらに文部科学省は、日本の国際化に伴い、2020年に小学校での英語教育の必須化を発表しました。それにより、今後英語が話せる保育士の需要は高まっていくかもしれません。
保育士の英語力の必要性についてくわしく見ていきましょう。
小学校で英語教育が必須化される
文部科学省「今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」の資料によると、国は国際共通語である英語力の向上が日本の将来にとって重要であると考えています。
それに伴い、2020年から小中高等学校と一貫した英語教育の充実と強化を進めていくため、小学校中学年から導入していくと発表しています。
子どもたちが英語を話せるようになることで、さまざまな場面で外国の方とコミュニケーションがとりやすくなり、小中高等学校と一貫した英語教育によって、文法や発音を気にせず積極的に話せるようになることが期待されているのでしょう。
また、小学校での英語教育が必須化すれば、英語教育を取り入れる保育施設が増えていく可能性があります。そのため、今後は保育士さんにも英語力が求められていきそうです。
保護者の対応がしやすくなる
近年、日本でも国際化が進んでいるため、国内には外国人が多く住んでいるエリアもあるでしょう。また、国際化が進むことで外国人の園児や保護者が増えていくことも考えられます。
保育園や幼稚園などでは、保育士さんが保護者の方に子どもの様子を伝えたり、園からのお願いごとを伝えたりすることがあるようです。
保育士が英語を話せることにより、外国人の保護者にも内容を正確に伝えられるので対応がしやすく、認識のずれによるトラブルも未然に防げるかもしれません。
保育士の仕事に活かせる英語の資格やスキル
冒頭で説明した通り、保育士さんは英語力があることで働くやすくなるようですが、どのような資格やスキルがあれば仕事に役立てられるのでしょうか。
保育士として働く際に役立てられる、英語の資格やスキルについて説明します。
英語力を証明する資格を取得する
英語力に関する資格はさまざまありますが、テストの点数をきちんと出してくれる民間資格であれば自分の実力を明確に判断することができるでしょう。
また、テストで高得点を獲得できれば、就職するときにアピールポイントとして活用できるかもしれません。
ほかにも、文部科学省が後援している資格では学校や企業でも評価されており、実力に合わせて級が分かれているようです。
1級や2級を取得できれば、自分の英語力の高さを証明でき、履歴書にも記載できそうですね。
保育士専門の英語資格を取得する
乳幼児との会話や園内の教育、保育に適した、実用的な英語を学ぶことができる民間資格もあります。
この資格は受験者の実力に合わせて5段階のレベルで構成されているため、少しずつスキルアップしていくこともできるでしょう。
取得することで英語力を高められるだけでなく、教育や保育の現場でより実践的な英語を使用することができそうです。
海外留学に行く
資格の取得以外にも、海外留学やホームステイした経験があれば就活のときのアピールポイントになるでしょう。
数か月、留学やホームステイをすることで、英語力を身につけるだけでなく、その国の文化に触れることもできます。
英語を話す国は多数ありますが、それぞれの文化の違いを知ることによって、子どもたちと接する際も行動や考え方を受け止めやすくなりそうです。
英語力が活かせる保育士の仕事や職場
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もともと英語を話せる方や英語力に関する資格を取得すると、さまざまな保育施設で働くことができるでしょう。
保育士が英語を活かして働ける職場を紹介します。
プリスクール
プリスクールは英語を学びたい、0歳児から小学校就学前の日本人の子どもが通う施設です。
保育や授業内容については日本人向けとなっていますが、授業以外でも主に英語で会話しています。
園児や保護者も日本人なので、園によっては保育士に高い英語力を求めないところもあるかもしれません。
しかし、日常的に英語を使用して子どもたちとやり取りをするため、日常会話レベルに話せることが望ましいでしょう。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールとは、日本に住んでいるの外国人の子どもが通う施設を指します。0歳児、もしくは1歳児から小学校就学前の子どもが対象となり、保育や授業内容は外国人向けになっているようです。
帰国子女など日本人を受付けている施設もあるかもしれませんが、主に外国人向けの施設のため一般的な保育園やプリスクールとはカリキュラムが異なるかもしれません。
英語を教えるネイティブな教師が日常保育に関わることもあるため、園児や保護者だけでなく職員同士でも英語で話す場合が多く、高い英語力を求められることがあるでしょう。
英語教育を行う保育園や幼稚園
英語教育を行っている保育園や幼稚園では、日常保育で英語の授業するところもあります。
英語教育を取り入れているものの、特に英語の資格やスキルを求めていない園もあるため、英語が話せない方でも求人に応募できるでしょう。
しかし、資格が特に明記されていない場合でも英語力に関する資格やスキルがあることで、就活を有利に進められたり、入職後もスムーズに対応できたりするかもしれません。
保育士として英語を勉強するメリット
スキルアップにつながる
英語が話せるようになることで語学力が高まるので、保育士としてスキルアップが期待できるでしょう。
英語教育を行っている保育園や幼稚園では、自分自身が英語を話せることによって、英語の楽しさを子どもたちに伝えやすくなりそうです。
今後、保育士さんは英語力を求めるられることが予想されるため、英語を勉強しておくメリットは大きいでしょう。
外国の文化に触れ、親しみをもつことができる
英語を話す国は多いため、子どもたちが話せるようになることで外国人とも積極的にコミュニケーションがとれたり、その多様な文化に触れたりできるかもしれません。
多様な文化に触れることで国際感覚が養われていくだけでなく、英語への苦手意識が薄くなり、親しみを持つことにもつながるでしょう。
また、子どもたちに英語を学ぶ楽しさを知ってもらいながら、保育士さん自身も他国の文化を学ぶきっかけになりそうです。
外国人の園児や保護者とのコミュニケーションが円滑になる
園児の保護者どちらかは日本人ということもあるかもしれませんが、ともに外国人ということもあるでしょう。英語しか話せない子どもや保護者と接する際、日本語だけでは意思疎通が難しいことがあるようです。
保育士さんが英語を話せることにより、園児の気持ちを理解しやすくなるだけでなく、保護者との方とも円滑にコミュニケーションがとれるようになるかもしれません。
それにより園児や保護者の方とスムーズに情報共有ができたり、信頼関係が深まったりしそうですね。
自身の就職の幅が広がる
英語力を高めることにより、一般的な保育園や幼稚園だけでなく、プリスクールやインターナショナルスクールなどの施設の求人にも応募できるでしょう。
さまざま施設の求人に対応できることで就職の幅を広げることができます。
施設によっては高い英語力を求められることがあるかもしれませんが、保育士資格があれば英語力は不問というところもあるため、働きながら英語を学ぶこともできそうです。
英語に関する資格やスキルを取得することで保育士の仕事に活かせる
今回は、英語を活かせる保育士の仕事について、英語力の必要性や役立てられる資格、スキルなどを紹介しました。
近年、日本でもグローバル化が進んでいます。2020年からは、小学校で英語教育が必須化すると文部科学省から発表されていることから、保育園や幼稚園などでも英語教育を取り入れる園が増えていくかもしれません。
そのため今まで以上に、保育士さんに英語力を求められることもあるでしょう。
英語に関する資格はさまざまありますが、保育の業務に特化したものや企業に評価されるような資格を選ぶことにより就活でアピールできそうです。
英語を勉強することでスキルアップにつながったり、外国の保護者の方とのコミュニケーションがスムーズになったりと多くのメリットを得られるほか、就職の幅も広げられるので、身につけておくといいかもしれませんね。