保育実習で2歳児クラスを担当する場合に、製作遊びを取り入れたいと考える保育学生さんもいるかもしれません。
ねらいや援助のポイント、アイデアを知っておけば実際の場面で役立ちそうですね。
今回は、保育園で2歳児が楽しめる製作遊びのアイデアを12個紹介します。また、指導案の書き方やポイントもまとめました。
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■目次
2歳児クラスで楽しめる製作遊びとは
2歳児になると0歳児や1歳児よりもできることが増えるだけでなく、自我が芽生え「自分でやる」という気持ちをもつ子どももいるでしょう。
また、色の識別ができるようになり、自分の好きな色を選ぶようになるのも特徴の一つかもしれません。
そのような特徴をふまえて、保育園の2歳児クラスでの製作遊びには、自分の力で取り組めたり、指先を使えたりするような材料を取り入れるといいでしょう。
具体的には、以下のようなものになります。
- クレヨン
- 絵の具
- 折り紙
- 粘土
- のり
以上のような材料を使った指スタンプや簡単な折り紙、粘土遊びなど、子どもたちが指先を使って自由に表現できるような製作遊びをしてみるといいかもしれません。
また、ごっこ遊びをする子どももいるかもしれないので、作ったものをそのまま遊びの中で活用できるような製作をするのもよさそうです。
2歳児クラスで製作遊びをするときの指導案の書き方
保育園の2歳児クラスで製作遊びをするときの指導案の書き方を紹介します。
ねらいの立て方
指導案における製作遊びのねらいとして、以下のようなことが挙げられます。
- 製作遊びを通して、自由に描いたり作ったりして表現する喜びを味わう
- イメージを製作で表現することを学び、保育者や友達といっしょに楽しむ
- 製作に使う材料に興味を持ち、自分の好きな色を選んで製作する
このように、2歳児の製作遊びではお絵かきをしたり、紙を切り貼りしたりするなど指先を使ったアイデアを積極的に取り入れるとよいでしょう。
また、色を意識し、子どもたちが赤・青・黄などの色を知ったうえで好きな色を選んで製作に活かせるようにするとよさそうです。
保育士の援助の仕方
指導案における保育士の援助は、以下のようなことが挙げられます。
- のりの使い方や、紙の貼り方などはまず保育者がお手本を見せる
- 製作では子どもが好きな材料を選べるように、さまざまな色や形のパーツを用意しておく
- 「これは三角の形だね」「大きいね」「黄色だね」など形や色などを表す言葉を意識して声かけをする
- 季節感のある製作を取り入れ、子どもが興味をふくらませてやってみたいと思えるように工夫する
- 完成したときには子どもといっしょに喜び、充実感や満足感を味わえるようにする
2歳児クラスでは、子どもによってできることとできないことも異なり、個別の対応が必要になることもあるかもしれません。
製作に興味を示さない子どもには「楽しいよ、やってみようか」など声かけをしたり、子どものできることを見極めながら手伝ったりするなど、子ども一人ひとりにあわせた援助をするよう心がけましょう。
表現の幅を広げていくには、製作に入る前の導入として、子どもたちといっしょに絵本や図鑑、見本などを見てイメージを膨らませることも大切な時間になりそうです。
2歳児クラスの製作遊びアイデア~春~
ここからは、2歳児クラスにおいて春・夏・秋・冬それぞれの季節で楽しめる製作遊びのアイデアを紹介します。
まずは、春(3月、4月、5月頃)のアイデアを3つまとめました。
輪っかのあおむし
丸く作った画用紙をつなげて作る、あおむしの製作遊びアイデアです。
用意するもの
- 画用紙(5色)
- はさみ
- のり
- ペン
援助のポイント
保育学生さんはあらかじめ胴体の部分となる長方形に切った画用紙を用意しておきます。輪っかを5つ作ってから、輪っか同士を貼りつけると作りやすいでしょう。
画用紙を丸めたりのりをつけたりする工程は、2歳児といっしょに楽しめるかもしれません。
綿棒スタンプの花畑
綿棒スタンプは、綿棒を数本束ね、絵の具をつけてから画用紙に色をつけて楽しむお絵かきの方法です。
このアイデアを参考に、春らしいカラフルな花畑を表現してみてはいかがでしょうか。
用意するもの
- 綿棒 数本
- 輪ゴム
- 画用紙
- 絵の具(3色)
- ペンや色鉛筆
援助のポイント
絵の具をつけるときは、一色ごとに使うところを変えるのがポイントになります。
色を混ぜないようにすると、よりきれいに着色できるでしょう。
綿棒の先端を少しほぐしてふわふわにし、絵の具をつけられる部分を広げて絵をかくと違った色のつき方も楽しめるかもしれません。
折り紙で作るこいのぼり
5月の子どもの日のシーズンにあわせて、保育室に飾れる折り紙のこいのぼりのアイデアです。
参考動画:「折り紙のこいのぼり」の作り方
用意するもの
【こいのぼり】
- 折り紙
- のり
- ペン
- 割り箸
【風車】
- はさみ
- 折り紙
- つまようじ
- ボンド
- ストロー
援助のポイント
こいのぼりを折るときは、白い部分を折り返した後に、片方の端に丸などの印をかくように声をかけておきましょう。
筒状にして重なった部分を中に挟み込む工程では、印を書いたほうを隠すように挟むことを伝えれば、子どもたちも理解しやすくなるかもしれません。
しっぽを作るときは、保育学生さんがお手本を見せながらいっしょにやってみましょう。
2歳児クラスの製作遊びアイデア~夏~
次に、2歳児クラスで夏(6月、7月、8月頃)に楽しめる製作アイデアを3つ紹介します。
カタツムリの時計
6月の梅雨のシーズンにぴったりの、かわいらしいカタツムリの製作遊びアイデアです。
用意するもの
- 紙皿 2枚
- 画用紙(クリーム色、水色)
- 画用紙で作った長針・短針
- ボタン
- 糸
- モール
- のり
- テープ
- ペン
援助のポイント
キリで穴をあけ、時計の針やボタンに糸を通す工程は保育学生さんがやるようにしましょう。
モールを先に貼り付けておくと、2枚の紙皿を貼るときにバランスが取りやすくなるかもしれません。
6月の梅雨のシーズンは室内遊びの時間が増えることもあるでしょう。
できあがった製作物に子どもたちが触って遊ぶ時間も設け、時計の針の動きを知ったり、数字の認識を促したりできるとよいですね。
紙コップの織姫と彦星
7月の七夕シーズンにあわせて取り入れたい、紙コップを使った織姫と彦星の人形の製作遊びです。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 折り紙(黒、ベージュ)
- モール(黒)
- 不織布(ピンク)
- ペン
- テープ
- はさみ
援助のポイント
紙コップに画用紙を貼り、顔をかいたり飾りをつけたりする工程は、2歳児といっしょに楽しめるかもしれません。
着物の柄の部分は、シールやマスキングテープなどを貼りつけると簡単にでき、より華やかな演出になりそうですね。
はじき絵の花火
7月から8月頃には花火の鑑賞を楽しむこともあるかもしれません。はじき絵で夜空に浮かぶ花火を表現してみてはいかがでしょうか。
用意するもの
- 画用紙
- クレヨン
- 絵の具
援助のポイント
クレヨンを使うときは、しっかりとした線で強くかくことがポイントになります。
そうすることで、絵の具をはじきやすくなりくっきりとした絵が浮かび上がってくるでしょう。
小さめの厚紙などに花火の絵をかいて、8月のメッセージカードとして家族にプレゼントしてみるのもよさそうです。
2歳児クラスの製作遊びアイデア~秋~
次に、2歳児クラスで秋(9月、10月、11月)に楽しめる製作アイデアを3つまとめました。
ひらひらトンボ
だんだんと秋らしくなる9月頃にぴったりの、ひらひらとした羽がかわいらしいトンボの製作アイデアです。
用意するもの
- ラップの芯(なくてもよい)
- 画用紙
- PEテープ(30cmx2本)
- セロハンテープ
作り方
1.ラップの芯に画用紙を巻き、テープで留めます。
2.PEテープを2カ所に一つ結びし、テープで留めます。
3.トンボの目玉をつけてできあがりです。
PEテープを結ぶ工程が難しい場合は、保育学生さんがテープを持って結び方の見本を見せましょう。結び方がわかって、子どもたちが自分でできれば、達成感にもつながるかもしれません。このトンボを持ちながら、秋にまつわる童謡をみんなで歌っても楽しめそうですね。
落ち葉を使ったフクロウ
吹き絵で色をつけた画用紙をフクロウの形にカットして、落ち葉を貼りつけて作る秋らしい製作アイデアです。
用意するもの
- 画用紙 1枚
- 絵の具 数色
- ストロー
- 落ち葉 適量
- ノリ
- ハサミ
- ペン
援助のポイント
2歳児クラスで行なう場合は、吹き絵をしたときに、きれいに混色する色を選びましょう。垂らした絵の具を吹くことで自在に色が広がっていく様子や色同士が混ざる様子を楽しむことができるかもしれません。
フクロウの羽として使う落ち葉は、園内で遊ぶときや散歩を楽しむときに子どもたちといっしょに集めておくとよさそうです。
ぶらぶらミノムシ
9月から11月頃の秋のシーズンの飾りとしてもぴったりの、ぶらぶらと揺れるミノムシの製作遊びアイデアです。
用意するもの
- 紙コップ
- 折り紙
- のり
- 紐
- ストロー
作り方
1.紙コップの底の真ん中にボールペンで穴を開けます。
2.穴に紐を通し、通した先で紐にストローを結びつけます。
3.折り紙を丸めた後、広げて縦方向に裂きます。
4.裂いた折り紙を貼り付けたらできあがりです。
2歳児クラスで行なう場合は、子どもたちが自分の手で折り紙を裂くよう援助しましょう。指先の感覚を養うことにつながるかもしれません。
できあがったら、保育学生さんが目玉をつけるとよりかわいらしくなるでしょう。
2歳児クラスの製作遊びアイデア~冬~
最後に、1歳児クラスで冬(12月、1月、2月頃)に楽しめる製作アイデアを3つ紹介します。
紙皿を使ったクリスマス飾り
紙皿を使った、クリスマスツリーとベルの飾りの製作遊びアイデアです。
用意するもの
【ベル】
- 紙皿
- 穴あけパンチ
- 鈴
- ヒモ
- 黄色の絵の具やペン
【クリスマスツリー】
- 紙皿
- ヒモ
- 穴あけパンチ
- はさみ
- のり
- 緑色の絵の具やペン
援助のポイント
ツリーを作るときは、土台は保育学生さんが作っておき、子どもたちには飾りつけの工程のみをするようにしてもよいかもしれません。
飾りつけには、丸シールや光沢のある折り紙、コットンボールなどを活用してもかわいらしく仕上がるでしょう。
ビニール袋の雪だるま
冬の時期らしい、立体的な雪だるまの人形の製作遊びアイデアです。
用意するもの
- ビニール袋
- 紙コップ
- 毛糸(15cm×4本から5本)
- 綿
- 綿棒
- コットンボール
- 画用紙
- 接着剤
援助のポイント
ビニール袋に綿を入れる工程や顔をつける工程は2歳児といっしょに楽しめるかもしれません。
毛糸や紙コップの色を子どもたち自身が好きな色に変えてみると、それぞれオリジナルの雪だるまができあがりそうですね。
節分の鬼のお面
2月の節分の時期にあわせて、鬼のお面の製作遊びをしてみるのはいかがでしょうか。
用意するもの
- 紙皿
- 絵の具
- 毛糸
- フェルトペン
- ゴム紐
- ハサミやカッター
- のり
- キリなど穴を空ける道具
援助のポイント
2歳児クラスでは、絵の具と筆を扱うことが難しい場合、色塗りの道具として水性マーカーやクレヨンを使うなど子どもの発達にあった道具を選ぶようにしましょう。
毛糸や角の貼りつけを子どもが自由に行なえば、オリジナリティーあふれる作品になるかもしれませんね。
2歳児クラスの製作遊びに季節を感じられるアイデアを取り入れてみよう
今回は、保育園の2歳児クラスで製作遊びを取り入れたいときの指導案の書き方や春夏秋冬それぞれの季節において楽しめる製作遊びのアイデアを紹介しました。
2歳児はだんだんと手先が器用になり、取り入れられる技法や道具のバリエーションも増えるかもしれません。製作遊びを通して、色や数の認識をしたり、さまざまな感覚を養ったりしていけるとよいでしょう。
季節にあったアイデアを参考にしながら、思い出に残る製作遊びを2歳児クラスの子どもたちといっしょに楽しんでみてくださいね。