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学童保育における放課後児童支援員とは?必要な資格や取得のためのポイント

学童保育における放課後児童支援員をご存じでしょうか。保育学生さんの中には、就職先の1つに考えている方もいるかもしれません。 放課後児童支援員とは何かを知っていると、就活も進めやすそうですね。 今回は、放課後児童支援員と学童指導員の違いや役割、仕事内容、給与、資格の取り方、ポイントなどを紹介します。

女性と子ども二人

KPG_Payless/shutterstock.com



学童保育における放課後児童支援員について

学童保育は、正式名称を「放課後児童健全育成事業」といい、年間278日、1,650時間にも及ぶ「家庭に代わる毎日の生活の場」として、小学生の子どもたちに安全で安心な生活を保障する役割があります。


学童保育で働く職員のことを総称して「学童指導員」と呼びます。
特別な資格はなく、無資格でも働ける場合もあるようです。


しかし、需要が増加する学童施設の保育の質を担保するために、政府が2015年に設立した「放課後児童支援員」という資格があることをご存知でしょうか。


まずは、放課後児童支援員に視点を置いて、学童指導員との違いや役割などについて説明します。



学童指導員と放課後児童支援員の違い


これまで学童保育施設では、学童保育に携わる人すべてを資格の有無、雇用形態に関わらず「学童指導員(もしくは学童保育指導員)」と呼んでいました。


現代では、共働き家庭が増加し学童施設のニーズが高まってきているのに応じて、学童保育の質の向上が求められることから、政府は2015年に新たに「放課後児童支援員」という資格を設立しました(ただし国家資格ではなく、専門資格となります)。


そのため、現在は、学童に勤務する人の中で資格を持っている人を「放課後児童支援員」と呼び、資格を持っていない人を「学童指導員」と呼んでいます。


呼び名が違うだけで、学童保育の現場での仕事内容にあまり違いはありません。


しかし、「放課後児童支援員」の資格新設とともに、学童保育士施設への一定数以上の「放課後児童支援員」の配置が義務付けられたため、資格取得者の方が学童保育施設への就職が有利という違いが生まれたともいわれているようです。



放課後児童支援員が活躍する場所


放課後児童支援員が活躍する場所として、以下のような施設が挙げられます。


  • 放課後児童クラブ
  • 放課後子ども教室
  • 民間学童保育

政府は、学童保育施設における支援の単位(おおむね40人以下)ごとに2人以上配置される職員のうち、最低1人は放課後児童支援員でなければならないと義務付けています。


勤務場所としては、児童館など独立した学童保育施設のほか、小学校内の余裕教室などを活用して設けられているところもあるでしょう。


出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係/厚生労働省

出典:新・放課後子ども総合プラン/厚生労働省

出典:放課後児童クラブの見直しについて/厚生労働省



放課後児童支援員の役割や仕事内容

次に、放課後児童支援員の役割や仕事内容、給与などについて紹介します。



放課後児童支援員の役割


厚生労働省の資料では、放課後児童支援員には以下のような役割があると説明しています。


➀子どもの出席確認、状況の把握
➁遊びや諸活動を通じての自主性、社会性及び創造性 を培う援助
➂基本的な生活習慣の確立に向けた援助
➃子どもの健康管理、安全の確保及び情緒の安定を図るための援助
➄保護者・家庭との日常的な連絡、情報交換及び家庭 生活の支援
➅地域の関係機関・団体との連絡、調整
➆放課後児童クラブ以外の子どもや地域住民との交流
➇子どもの状況に関する学校との情報交換、連絡、調整
➈会議・打ち合わせ等による支援内容の検討、情報共有
➉子どもの様子及び育成支援の記録
⑪行事や活動の企画と記録
⑫清掃、衛生管理、安全点検、片付け等
⑬補助員への指導・助言

出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係/厚生労働省から抜粋


放課後児童支援員には、子どもの自主性や社会性などを培う援助や、基本的な生活習慣の確率に向けた援助、家庭生活の支援、地域の関係機関や団体との連絡・調整などの仕事があるようです。


つまり放課後児童支援員は、児童の健全育成のサポートや保護者の仕事と子育ての両立支援といった重要な役割を担っているのかもしれません。



放課後児童支援員の仕事内容


厚生労働省「放課後児童クラブ運営指針」の資料によると、学童保育施設は平日3時間以上、学校が休みとなる土日・祝日、長期休暇は8時間以上児童を受け入れること、1年に250日以上開所することなどが定められています。


正社員であれば所定労働時間は平日も土日も変わりませんが、子どもの休みに合わせて始業時間が土日だけ早くなるところが多いようです。


土曜日に開所して、日曜日と祝日、年末年始は休みというところがあったり、土日休みで年間休日120日というところもあったりと、休みは施設によってさまざまなようです。


ここでは一般的な放課後児童支援員の一日のスケジュールの例をご紹介します。


学童保育における放課後児童支援員とは?必要な資格や取得のためのポイント

長期休暇中は、これに加えて午前中のシフトが加わることがあるかもしれません。


放課後児童支援員の具体的な仕事内容は、子どもが安心して過ごせる場を提供する仕事です。子どもたち遊びの幅を確保しながらも、安全をサポートし、健やかな成長を促していくことが必要でしょう。


また、家庭と連携をして、子どもの成長を促していくのも放課後児童支援員の大切な仕事となります。



放課後児童支援員の給与や待遇


放課後児童支援員の給与は、正社員の場合の月額の平均金額は約20万円前後とされているようです。地域や経験年数などによっても異なりますが、おおよそ保育士と同程度もしくは多少低い金額となるかもしれません。


しかし放課後児童支援員の資格設定に伴い、資格取得推奨と待遇改善を目指す取り組みとして2019年から厚生労働省による「放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業」が始まっています。


これは、放課後児童支援員の資格手当としての給与上乗せだけでなく、勤務年数や研修実績に応じて給与を段階的に引き上げようという取り組みです。


資格取得で月額約1万円程度の給与上乗せ、5年以上勤務の上で指定の研修を修了すると月額約2万円、10年以上の勤務で研修を修了した施設長の場合は月額約3万円程度の上乗せがあるとされています。


導入に関しては地域ごと、施設ごとの対応になるのですべて資格取得者が対象ではありませんが、学童保育の需要が高まっていることを受けて、今後も人材確保のためにさらなる処遇改善が進んでいくかもしれません。


出典:放課後児童クラブ運営指針/厚生労働省

出典:平成28年度放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)に係る実態調査の集計結果概要について/厚生労働省

出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員との関係/厚生労働省

出典:放課後児童クラブ関係・令和2年度予算案の概要/厚生労働省 子ども家庭局 子育て支援課



放課後児童支援員になるには

では、放課後児童指導員の資格はどのようにして取得することができるのでしょうか。

ここからは放課後児童指導員になるための具体的な受験資格や試験について説明します。



要件にあう資格を取得する


放課後児童指導員の受験資格は、以下の10個の要件の中から、いずれか1つに該当する必要があるとされています。


  • 保育士の資格を有する方
  • 社会福祉士の資格を有する方
  • 高卒以上の学歴をお持ちの方(もしくは高卒相当と認められる学歴をお持ちの方)で、かつ2年以上児童福祉事業に従事した方
  • 幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教員免許をお持ちの方
  • 大学で、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学、体育学を専修する学科・研究科、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方
  • 大学にて上記の学科で単位を修得したことにより、大学院への入学が認められた方
  • 大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した方
  • 外国の大学において,社会福祉学,心理学,教育学,社会学,芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した方
  • 高等学校卒業者等であり、かつ、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めたもの
  • 5年以上放課後児童健全育成事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めたもの


2020年4月に施行された「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」によると、「⑩5年以上放課後児童健全育成事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めたもの」の項目が増えました。人員確保のため、要件が緩和されつつあるといえるでしょう。



都道府県が実施する研修を受ける


放課後児童支援員になるには、都道府県の資格研修を受けることも必要です。資格研修の内容について紹介します。


研修項目・科目

都道府県で行う放課後児童支援員の認定研修には、以下の6つの項目があります。


  • 放課後児童健全育成事業の理解
  • 子どもを理解するための基礎知識
  • 放課後児童クラブにおける子どもの育成支援
  • 放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携・協力
  • 放課後児童クラブにおける安全・安心への対応
  • 放課後児童支援員として求められる役割・機能

それぞれに2科目から4科目設けられていて、全て取る場合は16科目、合計24時間の研修を受けることになります。


ただし、所有する資格によって受ける研修が異なり、保育士の資格を持っている場合は、「子どもの発達理解」や「児童期の生活と発達」など4科目の研修が免除されるそうです。


研修期間

1回の研修期間は、原則として2カ月から3カ月以内で実施することとなっています。 都道府県によっては2期に分けて行うこともあるようなので、研修を受ける場合は事前に確認してみるとよいかもしれません。


受講の手続き

資格研修を受講するには、受講申込書を提出することとなっています。 申込書は市町村を経由して提出することもできるようなので、受講する都道府県の窓口に確認してみましょう。受講は原則として現住所のある都道府県で行うこととなっているようです。


受講の手続きには、各種資格証や修了証明書の他に、本人確認のための住民票の写しや運転免許証などの公的機関発行の証明書を提出・提示する必要があるようなので、早めに確認して準備をするとよいかもしれません。


修了の認定

認定研修の全科目を履修し、放課後児童支援員としての必要な知識や技能を習得したと認められると、都道府県による終了の認定が行われます。その後、都道府県知事名で修了証が交付されるようです。


この終了証は全国共通で通用するものと位置づけられているので、大切に保管しましょう。なお、終了の認定を受けると、都道府県の認定者名簿に登録されることとなっているそうです。



自治体や児童クラブの求人を確認して申し込む


研修の修了証をもらえたら、いよいよ放課後児童支援員になるための就活をすることになります。


まずは職員募集をしている自治体や児童クラブを探してみましょう。勤務条件などを確かめ、気になる児童クラブなどが見つかったら履歴書を作成して申し込みます。


出典:放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準/厚生労働省 2020年4月施行

出典:放課後児童支援員に係る都道府県認定研修ガイドライン(案)の概要/厚生労働省 2020年4月施行



放課後児童指導員として就職するときのポイント

放課後児童支援員として働くには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか。 就活生さんに役立つポイントをまとめてみました。



子どもとの関わり方を勉強しておく


放課後児童支援員として働く前に勉強しておくとよいこととして、以下のようなことが挙げられるでしょう。


  • 子どもへの声のかけ方
  • 学習指導のやり方
  • 施設内で行うスポーツのルール説明や補助の仕方
  • 工作やものづくりのスキル

子どもたちの放課後の生活を支援するためにも、学習やスポーツ指導などのスキルを身につけておくと実際に子どもたちと関わるときに役立つかもしれませんね。



コミュニケーション力をつける


放課後児童支援員になると、他の同僚や補助員の方と協力することが必要になるようです。また、保護者の方などに対応することもあるでしょう。


地域の方や小学校の職員との情報交換を行う役割もあることから、周りのさまざまな方と円滑に関わることができるよう、コミュニケーション力をつけておくとよさそうです。



放課後児童支援員になることも就活の視野に入れてみよう

今回は、放課後児童支援員の役割や仕事内容、給与、資格取得の仕方などについて紹介しました。


放課後児童支援員は、学童保育へ通う子どもたちをサポートする重要な役割を担う、やりがいのある仕事といえるでしょう。高まりつつある学童保育のニーズに応えるためにも、今後さらに職員の質の向上や待遇改善、資格取得のための条件緩和などがなされていくかもしれません。


資格の取り方を確認したり、自主的に勉強をしたりして、放課後児童支援員として働くことも就活の視野に入れてみてはいかがでしょうか。