保育実習で手遊びを計画するときに、始め方をどのようにすればよいか気になっている保育学生さんもいるのではないでしょうか。スムーズに導入することができると、保育園の子どもたちに手遊びを楽しんでもらえそうですよね。今回は、手遊びの始め方や終わり方、保育学生さんにおすすめの手遊びを紹介します。
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手遊びとは
手遊びとは、歌いながら手や指、身体を動かす遊びです。いつでもどこでも楽しめる手遊びは、保育園の子どもたちに人気の遊びのひとつと言えるでしょう。保育活動や行事の前後などに行うと子どもたちの関心を集めやすいので、保育園でも日常的に行われているようです。
しかし、手遊びを保育実習に取り入れようと考えている保育学生さんのなかには、どのように始めるとよいのか悩んでいる方もいるかもしれません。子どもたちと早くなかよくなるために、手遊びの始め方や終わり方などを考えてみましょう。
保育実習での手遊びの始め方
手遊びをスムーズに導入するためには、どのような始め方をするとよいのでしょう。保育実習で取り入れやすい手遊びの始め方を紹介します。
子どもとのやりとりから始める
子どもたちとの会話から手遊びに導入するという始め方は、自然な流れで行えるので、子どもたちにも違和感なく楽しんでもらうことができるでしょう。
保育学生さんが計画を立てるときは、その日の天気や食べたものから考えるとスムーズにつながるかもしれません。
例えば、「今日の朝は何を食べてきましたか?……先生もお魚を食べましたよ。お魚の名前はね……」とやり取りをしてから「いわし」の手遊びを始めるのもよいですね。
手遊びにあうアイテムを使う
おべんとう箱やパペットなど、子どもたちの興味を引くアイテムを使った始め方も楽しいかもしれません。おべんとう箱を見たとたんに「おべんとうばこの手遊びをやりたい」という声も聞かれそうですね。保育実習に取り入れる場合は、計画した手遊びに対して子どもが連想しやすいアイテムを選びましょう。
クイズから始める
4歳児クラスや5歳児クラスになると、クイズが好きな子どもたちも少なくないようです。手遊びを始めるときにクイズを出して、子どもたちに関心をもってもらうのもよいかもしれません。
「クイズを出しますよ~バナナが好きな大きな動物はなあに?」のように投げかけ、「さる」「チンパンジー」「ゴリラ」などの答えから、「大きな動物だからゴリラだよ」とゴリラの手遊びにつなげてみてはどうでしょうか。
突然始める
手遊びを突然始めるという始め方も楽しいかもしれません。子どもたちが驚いて、保育学生さんの様子に集中するのではないでしょうか。なかには大喜びでいっしょに始める子どももいそうですね。突然始める場合のポイントは、大きな声と大きな動作です。恥ずかしがらずに思い切って始めてみましょう。
保育実習での手遊びの終わり方
子どもたちがはしゃいで手遊びを楽しんでいるときに、どのように終わらせるとよいかも気になりますよね。保育実習での手遊びの終わり方を2つ紹介します。
最後に手をひざに置く
手遊びが楽しくてにぎやかになったときには、最後に手をひざに置くという終わり方がよいかもしれません。手が動いていると、子どもたちに保育学生さんの言葉が伝わりにくいので、手遊び歌の最後を少しアレンジして「手はおひざ」と歌ってみましょう。子どもたちにも、これで手遊びが終わるということが理解しやすいでしょう。
次の活動につなげる
保育実習で手遊びを取り入れるときには、次の活動につながるように終わらせると、子どもたちの楽しい気持ちを継続させることができそうです。
例えば、手遊びに続けて折り紙工作を行う場合は、ねずみの登場する手遊びを計画し、歌の最後に保育学生さんがポケットから折り紙で作ったねずみを取り出して見せるという流れにしてみましょう。子どもたちに、折り紙で遊びたいという意欲が生まれるかもしれませんね。
保育学生さんにおすすめの手遊び
保育実習に取り入れる手遊びを知りたいという保育学生さんもいるのではないでしょうか。おすすめの手遊びをジャンル別に紹介します。
食べ物が登場する手遊び
食事の前や遠足の話をする前などには、食べ物が登場する手遊びがおすすめです。手遊びをしながら、食事やお弁当を楽しみにする気持ちが高まりそうですね。
おべんとうバス
さまざまな食物が登場する「おべんとうバス」は、普段のお昼の前に行なってもよいかもしれません。1から順に数が増える手遊びなので、4歳児クラスや5歳児クラスでは指で数を表現する練習にもなりますね。子どもたちの年齢や給食のメニューにあわせて、登場する食べ物をアレンジするのも楽しそうです。
おべんとうばこ
定番の手遊び歌「おべんとうばこ」も保育実習での活動に取り入れやすそうです。おべんとう箱の大きさをさまざまに変えて遊ぶと、どの年齢の子どもたちにも喜んでもらえるのではないでしょうか。
広いスペースが使える場合は、大きなおべんとう箱を表現するのにジャンプをしてみてもよいかもしれません。最後はとても小さなおべんとう箱にすると、静かに終われそうですね。
生き物が出てくる手遊び
お散歩に行く前や園庭に出て遊ぶ前などには、生き物が出てくる手遊びがおすすめです。屋外に出たときに、関心をもって周囲を見てくれるかもしれません。
くいしんぼうゴリラ
「くいしんぼうゴリラ」は、ゴリラになりきってバナナの皮を剥いたり食べたりする手遊びです。この手遊びを行うときのポイントは、皮を剥く動作やおいしいときの表情などを想像して楽しむことでしょう。想像力を働かせて手遊びをしてから外に出ると、子どもたちが犬や猫たちの動く様子にも関心をもってくれるかもしれませんね。
こぶたさんのおうち
藁や枝で家を立てるこぶたさんの手遊びでは、風が吹く様子や雨が降る様子を表現します。子どもたちがよく知っているお話がモチーフになっていて、動作も簡単なので、3歳児クラスでも楽しめそうです。「こぶたさんのおうち」で楽しんでからお散歩に出かけると、風が吹くたびに「こぶたさんのおうちはだいじょうぶかな?」と想像しながら歩く子どももいるかもしれません。
のねずみ
数を数える定番の手遊び「のねずみ」は、歌も動きもかわいいので、どの年齢の子どもたちにも喜ばれるようです。手遊びの終わりに、「小さな穴のなかには、のねずみさんの他にどんな生き物がいるかな?」などと問いかけてみましょう。園庭に出たときに見つけたアリの巣などにも興味をもってくれるかもしれませんね。
指先を使う手遊び
手遊びの多くは、指先を使うことを通して知的発達を促すといった効果があります。保育実習におすすめの指先を使う手遊びのなかから2つ紹介します。
むすんでひらいて
「むすんでひらいて」は赤ちゃんの頃から楽しめる手遊びです。0歳児や1歳児クラスで保育実習をする際は、赤ちゃんの手をやさしく包むように持って、ゆっくり動かしてみましょう。
3歳児クラス以上で実習をする場合は、「机に」や「椅子に」など、最後に手を置く位置を年齢にあわせてアレンジするとより楽しめるかもしれません。5歳児クラスなどではスピードを極端に変えてみるのも楽しそうですね。
キャベツのなかから
親指から小指まで1本ずつ立てる「キャベツのなかから」は、4歳児クラスや5歳児クラスでの保育実習におすすめです。子どもたちが指を順に1本ずつ出せるようになるまでは、速さをゆっくりにしてみましょう。
次々に指を出す場面では、なかなか上手にできないということを楽しんでもよいかもしれません。最後はちょうちょになって次の活動の場所に移動するという計画を立ててもよさそうですね。
保育実習では手遊びの始め方から工夫しよう
今回は、保育実習で手遊びを取り入れる際の、始め方や終わり方とおすすめの手遊びを紹介しました。
保育園では日常的に手遊びを楽しんでいるので、保育学生さんも何度か計画するのではないでしょうか。子どもたちの意欲が高まるように導入することができるとよいですね。保育実習では、子どもたちの活動の流れなどを考えて、手遊びの始め方から工夫してみましょう。