保育園や幼稚園で行われることがあるフルーツバスケット。言葉でルールを説明するのが難しく、説明のしかたで悩む保育学生さんもいるのではないでしょうか。今回はフルーツバスケットの基本的なルールを紹介するだけでなく、子どもたちに分かりやすく説明する方法やアレンジを加えた遊び方についても説明します。
Joanna Dorota/shutterstock.com
■目次
フルーツバスケットのルールを説明しよう!
子どもたちに人気の室内遊びの一つにフルーツバスケットがあります。
椅子取りゲームに似た遊びで、幼児クラスの保育活動に取り入れることが多いかもしれません。
保育学生さんのなかにも実習で取り入れたいと考える方もいるではないでしょうか。しかし、ルールがわかっていても、子ども向けにわかりやすく説明するにはどうしたらいいか悩むこともあるかもしれません。
今回は、フルーツバスケットの基本的なルールや子どもたちに簡単に説明する方法、アレンジを加えた遊び方について説明します。
フルーツバスケットの基本的なルール
まずは、フルーツバスケットの基本的なルールから見ていきましょう。
<フルーツバスケットの基本ルール>
1.参加者に一人ずつ果物を割り当てます。
(リンゴ、メロン、イチゴなどフルーツに決まりはありません)
2.鬼役を一人決めます。
3.鬼以外が円状に配置された椅子に座り、円の真ん中に鬼を配置します。
4.鬼は決められた果物の名前を1つ言います。そのとき、該当する果物のグループは全員席を立ってその場から移動します。
5.鬼は空いている席に移動し、座れた場合は座れなかった人が新たな鬼になります。
反対に、鬼が座れなかった場合は、もう一度鬼をやります。
6.(4)と(5)を繰り返します。
フルーツバスケットでは、鬼が「フルーツバスケット」と言った場合のみ、全員が立ち上がって別の席へ移動することになります。また、隣の席に移動してはいけない、該当しているのに移動しなかった場合は罰ゲームというルールもあるようです。
人数によって変わってきますが、3つ、もしくは4つのグループに分けると、子どもたちも自分のフルーツを覚えやすくなるかもしれません。
フルーツバスケットの終わり方は特に決まっていないようです。何度も繰り返しできますが、時間や回数を決めて行うとメリハリをつけられそうですね。
フルーツバスケットのルールを子どもにわかりやすく説明する方法
フルーツバスケットを行う前に、子どもたちにルールを説明することになるでしょう。年齢によっては言葉だけでは理解することが難しいかもしれません。
ここでは、年齢別の子どもたちへ簡単に説明する方法を紹介します。
乳児にルールを説明するとき
フルーツバスケットは鬼の言葉を理解し、椅子から立って移動しなくてはなりません。0歳児や1歳児では行うのが難しいかもしれませんが、2歳児の場合は分かりやすくルールを説明すれば、取り入れることができるようです。
2歳児にフルーツバスケットのルールを説明する方法を見ていきましょう。
道具を使用して役割を決める
フルーツバスケットではフルーツごとにグループを分け、そのフルーツを子どもたちに覚えてもらう必要があります。
2歳児の場合は、フルーツの絵が描かれたメダルを作って首から下げてもらったり、フルーツの色と同じブロックを持ってもらったりと、自分の役割を覚えやすくなるよう工夫するといいかもしれません。
先生を鬼として、実際に動いてもらう
2歳児の子どもたちが行うときは、先生が鬼になって参加し、人数よりも1つ椅子を多く設置して始めてみましょう。
子どもたちが全員椅子に座ったら保育士さんが1つフルーツの名前を呼び、該当する子どもたちに立ってもらいます。次に空いている椅子へ自由に移動してもらうという、一つひとつの流れを繰り返し続けてみましょう。
慣れてきたら、通常のフルーツバスケットのルールと同様に人数よりも椅子を一つ少なくして、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。
幼児にルールを説明するとき
3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスに、フルーツバスケットのルールを説明するときの方法を紹介します。
保育士さんがお手本でやってみる
3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスは、言葉で伝えるだけでも理解してもらえるかもしれませんが、保育士さんがお手本としてフルーツバスケットの流れを一通り行うと、より理解が深まるでしょう。
ルールが分かる子どもがいれば、協力してもらって一緒にやってもらうと、より分かりやすく説明できそうですね。
視覚的な道具を活用する
フルーツバスケットのルール説明では、紙芝居のように絵にかいたものを見せたり、ペープサートを活用したりと、視覚的な道具を使用することで子どもたちも理解しやすくなるかもしれません。
説明が終わったらまずは一度フルーツバスケットをやってみて、やりながら再度説明すると子どもたちも分かりやすいでしょう。
フルーツバスケットでは、椅子を取り合うことでケンカになったり、友だちを突き飛ばしてしまったりすることも考えられます。安全に行うためにも、ルールを前もって伝えておくことが大切です。
アレンジを加えたフルーツバスケットの遊び方
ただフルーツバスケットをしているだけでは、何回も繰り返しているうちに子どもたちが飽きてしまうことも考えられます。
ここでは、アレンジ加えた遊び方を紹介します。
フルーツではなく動物、乗り物をお題にする
フルーツバスケットの基本的なルールでは、子どもたちをりんごやぶどうなどのフルーツごとにグループに分けていましたが、動物や乗り物などテーマを変えて行ってみましょう。
フルーツから動物や乗り物に変わるだけなので、基本的なルールはフルーツバスケットと同じです。お題を変えるごとにグループを変更すると、くだものをお題にしたときとは違った子どもたちと椅子を取り合うことになるので、楽しんで遊べるかもしれません。
本来フルーツバスケットでは、鬼が発した言葉に該当する子どもは椅子を立って移動することになりますが、移動するのを忘れてしまった子には、簡単な罰ゲームとしてお題となっている動物や乗り物のモノマネをしてもらうのも面白そうですね。
何でもバスケットをやってみる
フルーツバスケットに慣れてきたら、何でも鬼が言っていいというルールの何でもバスケットで遊んでみるのも楽しそうですね。
何でもバスケットでは、「白い靴下を履いている子」や「家で犬を飼っている子」のように、鬼が自由に発言することができます。どんなことを言われるか分からないため、子どもたちも集中して取り組めるかもしれません。
鬼の発した言葉に該当する子どもがいなくて誰も立ち上がらなかったときは、内容を変えてもう一度言ってもらいましょう。
鬼役に制限をつける
4歳児や5歳児では程度フルーツバスケットに慣れてくると、鬼役をやりたい子が多くなってくるかもしれません。そのため、鬼ができる回数をあらかじめ決めておくといいでしょう。
ほかにも、鬼役をやったことがない子どもだけが移動する特別な言葉を決めておき、好きなタイミングで言ってもらうことで、鬼になる子を増やせるかもしれません。
楽しく遊んでもらうために、フルーツバスケットのルールを分かりやすく説明しよう
今回はフルーツバスケットの基本的なルールと、乳児と幼児クラス別に簡単に説明する方法、アレンジを加えた遊び方について説明しました。
フルーツバスケットは、ルールに慣れるまで難しく感じる子どももいるかもしれません。そのため、行うときは言葉で説明するとともに、保育学生さんが自分でやりながら遊びの流れを説明すると、理解を深めることにつながるでしょう。
フルーツバスケットは3歳児、4歳児、5歳児の幼児クラスだけでなく、ルールを工夫することで乳児クラスの2歳児も行うことができるようです。楽しく遊んでもらうためにはルール説明が重要になりますが、フルーツバスケットは終わり方が決まっていないため、どうなったら終わりなのか最初に伝えておきましょう。