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環境構成とは。保育実習や新卒時に役立つシーン別の設定や注意点

保育園での活動には、それぞれねらいにもとづいた環境構成が考えられています。 環境構成の捉え方や書き方を知っておくことで、実習日誌や入職後の指導案作成時にも役立つかもしれません。今回は、保育における環境構成の意味や配慮するポイント、戸外遊びや砂遊びなどシーン別の書き方の例を紹介します。

先生と子どもたち

maroke/shutterstock.com



保育における環境構成とは

環境構成とは、子どもたちが自発的に周囲の環境と関わり、成長や発達を育めるような環境を保育士さんが考えることです。


保育所保育指針では、保育の環境について以下のように解説しています。


保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。

出典:保育所保育指針解説/厚生労働省p26から抜粋


つまり、環境構成とは園内の人や物、場所が与える影響を考えて、子どもたちの園生活がより充実したものになるような環境にしていく、という意味といえるでしょう。


また、文部科学省「幼稚園教育要領解説」の資料にも、「環境を通して行う教育」として、子どもが興味や関心をもって環境に取り組めるようにすることで、ふさわしい関わり方を身につけるようにする教育と説明しています。


このように、保育園や幼稚園における環境構成では、子どもたちが興味や関心を持って取り組めるような環境づくりを行うことが大切です。


環境構成の概要や意味がわかったところで、意識するポイントやシーン別の考え方について見ていきましょう。



環境構成を考えるときに配慮するポイント

子どもたちが自主的性に園の環境に関わっていけるように、環境構成を考えるときに配慮するで意識すべきポイントを具体的に紹介します。



遊びのねらいを意識する


保育園や幼稚園では、製作や園庭遊びなど屋内外問わずにさまざまな活動を行っています。


環境構成は必要な道具や場所、前もって行う準備などを考える必要があります。
ただ道具を用意すればいいのではなく、子どもたちが見てすぐにわかるところに配置したり、大人数が関われるように道具の数を増やしたりと、ねらいを達成できるような配慮を心がけるとよいでしょう。


指導案や実習日誌の書き方として、環境構成に迷ったときはその活動のねらいを確認し、どうすれば達成できるか考えるとよいかもしれません。



子どもの発達状況に応じて想定する


環境構成では、子どもたちが興味や関心を持って取り組めるような環境にすることが大切になります。


子どもの興味や関心を得るためには、子どもたちの発達状況にヒントがあるようです。
子どもたちが今何に興味を持っていて、どんなことに自発的に取り組んでいるかなどを観察することで、子どもたちのやりたいことが見えてくるかもしれません。


また、子どもの興味によって好きな遊びができるようにいくつかのコーナーを作るなど、魅力的な環境にすることで、子どもたちは自主的に活動に関わるようになり、園生活が充実したものになっていくでしょう。


環境構成によってはクラスの友だちや異年齢の子と関わりを持ち、子どもはさまざまな感情を抱いたり、関心を持ったりしていく姿も見られるようです。


保育では人と関わる力を育むことも重要視しているため、友だちとの関わりが広がるような環境にすることも重要になります。



子どもが自主的に行動できるような環境をつくる


保育園や幼稚園の活動ではさまざまなねらいがありますが、達成に向けて保育士さんが強制的に何かをさせるのではなく、子どもたちが自主的に行動できるような環境構成が望ましいといえるでしょう。


そのため、環境構成は子どもたちが遊びやすいように道具や素材の種類を考えるだけでなく、事前の準備や配置も重要になります。遊びや活動にもよりますが、必要な道具や子どもと保育士さんの配置を環境構成に書くことで、スムーズに活動に取りかかれるかもしれません。


環境構成を考える中で声掛けや注意点を思いついたときは、指導案や日誌の書き方として援助の工夫や配慮、留意点の欄に書くとよいでしょう。



【シーン別】環境構成の書き方の具体例

外で走る女の子

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ここからは、シーン別にねらいに応じた環境構成の書き方の例を紹介します。



園庭遊び


保育園や幼稚園の園庭遊びでは、園庭で自由に遊んだり、園内の植物を観察したりすることもあるようです。


園によって配置されている遊具や環境に違いがあるため、それに応じた環境構成が必要となるでしょう。


ねらい

  • さまざまな運動を通して運動機能を高め、一人ひとりの自信につなげる
  • 保育者や友だちと一緒に遊具や用具を使い意欲的に体を動かすことを楽しむ
  • 簡単なルールを理解し、集団遊びを楽しむ
  • 身近な動植物、自然、また自然事象に興味や関心を持ち、それらとかかわりながら遊ぶことを楽しむ

環境構成

  • 滑り台で遊ぶ際は、階段部分は安全か、スロープ部分はしっかり滑るかを確認後、子どもたち自身で楽しめるようにする
  • ブランコで遊ぶ際は、周辺地面に石などはないか、くぼみができていないか、イスと鎖はしっかり固定しているかを確認する
  • 鉄棒で遊ぶ際は、支柱にぐらつきはないか、ボルトは緩んでいないか、周辺地面に石などはないか、くぼみができていないかを確認する
  • 身近な動植物や自然事象に対する子どもたちの興味や発見を大切にし、それらの興味や発見が発展するように必要な環境を整える

園庭遊びでは、子どもたちの興味や関心にもとづいて、自発的に取り組めるような環境構成を考えることが大切です。遊びに使用する遊具や道具の種類を多く用意することで、遊びの幅が広がるでしょう。使用前には、安全面の確認をすることも徹底します。


乳児クラスと幼児クラスの子どもたちでは遊び方が異なるかもしれません。異年齢の子どもたちが一度に園庭で遊ぶときは、保育士さんが予めスペースを指定したり、ルールを守るよう伝えたりと子どもの発達に応じた援助の仕方にも配慮するとよさそうです。


園内に葉っぱやどんぐり、花などの自然物があると、植物に興味をもつことにつながり、製作などにも活かせるかもしれませんね。



砂遊び


保育園や幼稚園では園内にある砂場などを活用して、砂遊びを行うことがあるでしょう。1人でも複数でも遊ぶことができ、自分の手で形を変えられる楽しさもあるため、年齢を問わずに遊ぶことができます。


ねらい

  • 砂の感触を楽しむ
  • 友だちと協力しながら砂遊びをする
  • イメージしたものを形づくる楽しさを知る

環境構成

  • 砂を崩れにくい固さに湿らせておく
  • 砂場の縁などを飾る場所として使用できるように、砂を払っておく
  • さらさらの砂エリア、どろんこエリアなどスペースを分けて、感触の違いを楽しんだり遊びが広がったりするような工夫をする
  • さまざまな遊びができるよう、抜き型やバケツ、シャベルなど発達に応じた道具を準備する
  • 道具を使う場合は、破損していないか事前に確認する

シャベルやバケツといった道具を使う場合は、破損していないか事前に確認するほか、口の中に砂を入れないように保育士さんが必ず目の届く範囲にいるなどの配慮も必要になります。


0歳児や1歳児では、砂の感触を楽しむというねらいがあるときは、自由に砂に触れたり、水を用意して感触に変化をつけたりするのもいいでしょう。


幼児になると、クラスの友だちと協力しながら砂遊びをすることができるようになってくるため、数人で遊べるように援助の工夫を行うといいかもしれません。環境構成には、年齢や発達に合った道具を書くといいでしょう。



戸外活動(戸外遊び)


戸外活動とは、屋外や近隣の公園などで遊ぶことを指し、戸外遊びとも呼ばれています。


ねらい

  • 戸外先でいろいろな遊具や用具にかかわって遊ぶことを楽しむ
  • 走り回る、追いかけっこなど全身を使った遊びを楽しむ
  • 自然物や動物を見たり、触れたりして興味や関心を広げる

環境構成

  • 発達に合った戸外先を選ぶことで、一人ひとりの子どもが十分に遊べるようにする
  • 園から離れる場合は、予備のオムツや救急道具など、必要な物が揃っているか確認する
  • 戸外先で空き缶やタバコの吸殻、その他危険な物がないかを確認してから遊ぶ
  • 気温や日差しに注意し、適宜休憩を取ったり短時間にしたりするなど、活動時間に配慮する
  • 戸外遊びの場所に応じて必要な数の玩具や道具を持っていく

運動遊びの場合はけがをしないように広い場所を確保し、子どもたちの様子を確認しながら援助することが大切になります。


0歳児では外で遊ぶというよりも、保育士さんと一緒に外を散歩するといった活動がメインになるかもしれません。


1歳児や2歳児、幼児クラスの戸外活動では子どもが歩き回ったり、走り回ったりするため、環境構成では安全や衛生面を意識しましょう。



室内遊び


室内遊びは、保育室やホールなどで運動遊びやゲーム、製作などを楽しむことを差します。


ねらい

  • 気の合う友だちと一緒に遊ぶことを楽しむ
  • イメージをもって見立てて遊ぶことやごっこ遊びを楽しむ
  • 室内での運動遊びのなかで飛び降りる、ぶら下がる、登る、押す、引っ張るなど全身を使う遊びを楽しむ
  • 製作では、粘土で好きな形を作る、折り紙を折る、糊を付ける、ハサミの使い方を覚えるなど見通しを持って楽しむ

環境構成

  • 全身を使う遊びができるように可動遊具などを準備する
  • ごっこ遊び、創造、操作練習遊び、製作・お絵描き、絵本などのコーナーを区分けし、それぞれの環境を整える
  • 子どもが遊んでみたい、触ってみたいという玩具や道具類を、子どもの手の届く所に置く
  • 玩具は、子どもたちの発達に応じて定期的に入れ替える

室内遊びでは、スペースが限られているため、発達や遊び方に応じた環境構成が必要となります。必要に応じた遊具や玩具を用意しましょう。


自由遊びの際には、コーナーを分けることで、子どもたちがそれぞれ好きな遊びに集中できるかもしれませんね。


乳児クラスでは、子どもたちが玩具などを口に入れることも想定し、特に衛生面に注意した環境構成にするとよさそうです。運動遊びでは、マットなどを利用して転がるなどの動きを楽しめるようにするのもよいかもしれません。


幼児クラスでは、製作において粘土や絵の具、ハサミ、のりなどの自由に加工できる素材や道具を用意すると、さまざまな遊びに展開できそうですね。 運動遊びでは、跳び箱や室内用の鉄棒など可動遊具を利用して、全身を使った運動ができるよう工夫するとよいでしょう。



子どもたちが自主的に性を取り組めるような環境構成を考えよう

今回は、実習時の日誌や指導案で書くことがある環境構成の概要や意味、配慮するポイント、シーン別の書き方について紹介しました。


環境構成では子どもが興味や関心を持てるように、必要な道具や素材の準備、子どもの位置などに配慮することが大切になります。好奇心が刺激されることで子どもたちは自主的に園の活動に関わり、さまざまなことを経験を積むことができるでしょう。


周囲の安全にも配慮しながら、子どもたちが充実した園生活が送れるような環境構成を考えられるとよいですね。