学童保育指導員とはどのような仕事なのか、気になっている保育学生さんもいるかもしれません。学童保育指導員になるには資格や研修が必要なのかや、給料や年収などについても気になりますよね。今回は、学童保育指導員の仕事や放課後児童支援員との違い、学童保育指導員として働くときのメリットなどを紹介します。
MIA Studio/shutterstock.com
■目次
学童保育指導員とは
学童保育指導員とは学童保育所で子どもたちのサポートをする職員のことです。保護者が就労などで日中家庭にいない小学生を対象に、遊びや生活の場を提供し、適切な援助を行うことが主な仕事と言えるでしょう。
学童保育指導員は学童保育士や学童の先生などとも呼ばれ、厚生労働省の資料には、学童保育指導員のなかの任用資格を満たしている放課後児童支援員とそのサポートを担う補助員、それぞれの仕事や役割について紹介されています。
出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員の関係/厚生労働省
学童保育指導員の仕事
学童保育指導員の仕事とはどのようなものなのでしょうか。仕事の内容について具体的に紹介します。
子どもへの対応
学童保育指導員の仕事の1つとして、子どもへの対応が挙げられます。対応の主な内容は次のようになります。
出欠確認や状況確認
厚生労働省「学童保育指導員」の職業情報提供サイトによると、子どもの健康管理や出席確認をはじめとした安全の確保や情緒の安定を図ることが、学童保育指導員の大切な役割となっています。
そのために指導員同士で子どもについての情報の共有をしたり、保育内容について打ちあわせをしたりすることも必要になるようです。
学校や家庭でのできごとを丁寧に聞き、一人ひとりの子どもに寄り添った対応をすることも大切な仕事と言えるでしょう。
環境整備と学習支援
学童保育指導員になると、子どもたちが学習しやすい環境を整え、必要な援助をするといった仕事もあります。子どもが来る前に清掃をし、学習道具や遊び道具の整理整頓をしておくと、来所した子どもたちが気持ちよくすごせそうですよね。
低学年の子どもの場合は、どのような宿題が出されているかを確認し、適切な支援をすることも大切な仕事になるようです。
活動への協力や支援
学童保育所では、遊びや体験を通じ、自主性や社会性、創造性を培う活動が行われています。
学童保育指導員の仕事は、子ども自身が発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができ、自分の気持ちや意見を表現できるように適切な援助を行うこととなっているので、子どもたちの活動への協力や支援は大切な仕事と言えるでしょう。
活動するうえで子どもたちが基本的な生活習慣を身につけられるように指導することも、学童保育指導員の役割のようです。
保護者への対応
学童保育を利用する子どもの保護者への対応も、学童保育指導員の役割になっています。ただし、保護者対応は放課後児童支援員の任用資格を持つ方が行うことになります。
保護者への連絡
学童保育指導員は保護者への連絡を密に行うことで、子どもの育つ家庭での生活を支えるといった役割があります。特に緊急時には保護者と連絡をとりあって対応を検討したり、報告を行なったりするということが大切になるようです。
子どもの様子の共有
学童保育所での様子を保護者と共有して家庭との連携を図るということも、学童保育指導員の仕事になります。連絡帳を使って子どもの様子を日常的に共有することで、保護者との信頼関係を築けるかもしれませんね。
活動方針の発信
保護者への対応の1つとして、おたよりなどを使って活動方針や活動内容を発信することも学童保育指導員の仕事と言えそうです。学童保育所の行事などを保護者へのおたよりに掲載することでスムーズな運営ができ、職員全員の意志統一にも役立ちそうです。
その他
学童保育指導員の仕事は、子どもや保護者への対応のほかにもさまざまあるようです。以下に主な仕事をまとめました。
学校や地域との連携
学童保育所や児童クラブを利用するのは小学生なので、小学校との連携も放課後児童支援員の資格を持つ学童保育指導員の大切な役割になります。
放課後の子どもたちの様子を担任の先生に伝えることで、子どもの健やかな成長への支援を協力してできそうですね。ほかにも、地域の関係機関との連携や調整も放課後児童支援員の仕事となっています。
施設の管理
学童保育所の清掃、衛生管理、安全点検なども学童保育指導員の仕事として位置づけられています。入職した場合は、施設のガス栓や電気器具の安全点検を日々の業務としてしっかり行うようにしましょう。子どもたちが帰宅した後の片付けも大切な仕事の1つです。
出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員の関係/厚生労働省
学童保育指導員になるには
保育学生さんが学童保育指導員になるには資格などが必要なのでしょうか。就活をする際のポイントとあわせて紹介します。
資格や研修
学童保育指導員には、放課後児童支援員と補助員という2種類の職務があります。補助員になるには特別な資格や研修が必要ないため、アルバイトやパートタイマーの方もいるようです。
放課後児童指導員になるには任用資格が必要となり、保育士などの資格を持っているといった要件を満たしたうえで、都道府県が実施する研修を受講することになっています。ただし、保育士などの特定の資格保持者は、一部の研修が免除されるようです。
働きやすい求人を探す
保育学生さんが学童保育指導員として働こうと考えたときには、希望する市区町村や法人、民間企業などで求人を探しましょう。
厚生労働省の資料を見ると、労働条件の特徴として、平日の勤務時間は3時間から6時間が多いようですが、土曜日や学校の休業日などでは8時間以上の勤務になることもあるそうです。通常勤務と交代制勤務といった勤務形態の違いもあるようなので、働きやすい職場を探したいですよね。
さらに、学童保育指導員として働くためには、給料や年収も大切な条件になります。勤務形態や運営団体によって年収は異なるようなので、就活をする際は求人欄などでしっかり確認しましょう。
出典:放課後児童支援員の役割及び職務と補助員の関係/厚生労働省
学童保育指導員として働くメリットややりがい
maroke/shutterstock.com
保育学生さんが学童保育指導員として働くことになった場合、どのようなメリットがあるのでしょう。仕事をするうえでのメリットややりがいを紹介します。
メリット
学童保育指導員として働く場合に考えられるメリットは、次のようなことです。
自分の特技を活かせる
学童保育所では、子どもたちが楽しくすごせるようにさまざまな活動を行なっています。活動内容は製作やスポーツ、音楽、理科など多岐に渡るので、保育学生さんの特技を活かして働くことができそうです。活動内容については学童保育指導員同士で話しあって計画するので、入職したら自分のスキルを活かせる活動を積極的に提案してみましょう。
保育士養成校で学んだことを活かせる
学童保育所は小学校低学年の子どもたちが多く利用しています。子どもたちとの関わり方やトラブルが起きたときの対応の仕方などは、保育士養成校で学んだことを活かせそうですね。特に年度当初の1年生は卒園したばかりで心細い思いをしていることもあるので、5歳児クラスの子どもと同じように対応できるとよいかもしれません。
学童保育指導員としてのやりがい
学童保育指導員として働く場合のやりがいとして考えられるのは、次のようなことです。
子どもの笑顔を毎日見ることができる
学童保育所で働くことになると、平日はもちろん学校の休業日にも子どもたちの笑顔を見ることができます。子どもたちが小学校でがんばった話や楽しかった話を聞くことにも、やりがいを感じられるかもしれません。学童保育所での製作活動で、できた喜びを子どもと共有できることも、学童保育指導員としてのやりがいにつながりそうですね。
子どもの成長に関わることができる
学童保育指導員になると、子どもの成長に関わることができるというやりがいもあるようです。サッカーの好きな子どもが、毎日練習を積み重ねて難しい技ができるようになる姿を見ると、自分のことのように嬉しく感じるかもしれません。1年生の頃に関わった子どもが小学校を卒業する際に、成長した姿を見せにきてくれることもあるようです。
学童保育指導員になるためにやっておくとよいこと
学童保育指導員になるために、保育学生さんがやっておくとよいことはどのようなことなのでしょう。勉強の合間にできそうなことを紹介します。
アルバイトやボランティア
学童保育所を利用する子どもたちは、年齢も性格もさまざまです。子どもたちとの関わり方や対応の仕方を学ぶためにも、アルバイトやボランティアで経験を積んでおきましょう。短期間でも経験しておくことで、子ども同士のトラブルが起きたときなどにも落ち着いて対応できるかもしれませんね。
手芸や工作
学童保育所では自由遊びを楽しむ時間があります。折り紙や紙工作、粘土、ビーズを使う手芸など、さまざまな製作を行うようなので、入職前にできるだけ多くのスキルを身につけておきましょう。子どもたちへの教え方も考えておけると、入職後すぐに役立てられそうです。
スポーツ
小学生のなかにはスポーツに興味を持っている子どももいるので、入職までにスポーツの技術やルールを学んでおくことも大切です。学童保育所での活動にサッカーやバスケットボールなどを取り入れると、子どもたちも充実した時間をすごせるかもしれません。
学童保育指導員の仕事を理解して就活に活かそう
今回は、学童保育指導員とはどのような仕事なのかを紹介しました。
学童保育指導員は平日の放課後や学校の休業日などに、小学生に遊びや生活の場を提供し、適切な援助を行うことが主な仕事です。学童保育指導員になるには特別な資格は必要ありませんが、放課後児童支援員として働く場合は一定の研修を受けることになるようです。
また、運営団体によって勤務条件や給料、年収などに違いがあるので、就活をする際は、学童保育指導員の仕事内容や勤務形態についてしっかり確認しておきましょう。