9月に保育実習などがある場合、お月見にちなんだ製作を取り入れたいと考える保育学生さんもいるのではないでしょうか。担当するクラスによって使える材料や参考にする作り方が異なるかもしれません。今回は、お月見製作のねらいや1歳児・3歳児など年齢別に簡単にできるうさぎやお団子などお月見製作アイデアを紹介します。
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■目次
そもそもお月見とは?
秋に入り月がきれいに見える季節には、保育園でのイベントとして子どもといっしょにお月見会や製作を取り入れているところもあるかもしれません。
そもそもお月見とは、旧暦である8月15日に月を鑑賞しながら、秋の収穫に感謝することをいいます。「中秋の名月」「十五夜」などと呼ばれ、旧暦で7月から9月を秋としており、ちょうど8月15日がその真ん中にあたることから中秋という名がついたようです。
9月の行事にお月見製作を取り入れて飾りつけることで、視覚的にも秋らしさを味わえるとよいですね。
保育園のお月見製作に取り入れたいモチーフ
では、実際にお月見製作にはどのようなモチーフが取り入れられるのでしょうか。
お月見製作をするときのモチーフの例として、以下のようなものが挙げられるようです。
- うさぎ
- 団子
- すすき
それぞれどのような意味があるのかそれぞれ紹介します。
うさぎ
お月見といえば、うさぎをモチーフとして取り入れたいと考える方も多いかもしれません。
なぜお月見といえばうさぎなのかということについては、諸説があるようですが、「お月さまの影の模様がうさぎに見える」「月でうさぎがお餅をついているように見える」という、昔から受け継がれてきた伝説を由来としているようです。
団子
お月見の供え物の一つである団子は、満月を表現しているといわれています。
五夜に団子を飾るようになったのは江戸時代だそうです。お米の収穫時期と十五夜の時期が重なっていたことから、収穫への感謝と次の年の豊作を祈願するために団子が供えられていたようです。
また、お供えしたあとにお団子をいただくことで、健康や幸せを得ることができるとも言い伝えられています。
すすき
本来はお月見の飾りとして稲穂を使うとされていたようですが、十五夜の時期にはお米の実った稲穂がないことから、形が似ているすすきが使われるようになったそうです。
また、すすきの鋭い切り口が「魔除け」を意味しており、すすきを飾ることで無病息災につながるとも伝えられています。
このように、お月見のモチーフにはさまざまな意味や由来があるようです。
製作の導入として子どもたちへお月見についての話をすると、より興味をもって取り組めるかもしれませんね。
保育園でお月見製作をするねらい
次に、お月見製作をするねらいについて、乳児クラスと幼児クラスにわけて紹介します。
乳児クラス
乳児クラスにおいてのお月見製作には、以下のようなねらいが挙げられます。
- お月見にちなんだうさぎや団子などに興味をもつ
- お月見行事の製作を楽しむことで、季節の概念を学ぶ
乳児クラスでは、まずお月見という行事を知ることがねらいとなるでしょう。
製作を通して、「秋にはきれいな月を眺めて楽しむ」といった季節の概念を学ぶことができるとよいですね。
幼児クラス
幼児クラスでのお月見製作は、ねらいとして以下のようなことが挙げられます。
- お月見製作を通して、お月見という伝統行事を身近に感じる
- お月見について考え、自分で工夫しながら製作する
幼児クラスでは、お月見という行事についての由来や意味などをより深く知り、身近に感じることがねらいとなりそうです。製作を行うときは、自分のイメージを表現できるようなアイデアを取り入れるとよいかもしれません。
乳児クラス向けのお月見製作アイデア
ここでは、乳児クラス(0歳児・1歳児・2歳児)で取り入れられる簡単なお月見製作のアイデアを紹介します。
月とうさぎの壁掛けの作り方
0歳児から取り組める、紙皿に月やうさぎ、団子を表現した壁掛けの作り方です。
用意するもの
- 紙皿
- 画用紙(白、茶)
- 絵の具(白、黄)
- リボン
- キリ
キリは紙皿に穴を空けるときに保育士さんが使うものなので、子どもの手の届かないところに置いておきましょう。
作り方
1.紙皿を黄色い絵の具で塗り、満月を作ります。
2.紙皿の上部に2カ所キリで穴をあけ、リボンを通して結びます。
3.画用紙をうさぎの形と三方の形に切り、紙皿に貼りつけます。
4.子どもの指に白い絵の具をつけ、指スタンプをして団子に見立ててできあがりです。
(1)については子どもの様子によって保育士さんといっしょにやってみてもよいでしょう。(2)~(3)の工程は保育士さんのみで行います。
(4)の工程では、必ずしもお団子のようにならなくても、子どもたちが自由に指スタンプを楽しめるように援助するとよいかもしれませんね。
足型うさぎの作り方
0歳児から取り入れられる、足型の記念にもなるうさぎの作り方です。
用意するもの
- 画用紙(黒)
- 折り紙(橙色、黄色)
- 絵の具(白)
- 丸シール(黒)
- クレヨン
保育士さんは、あらかじめ黒の画用紙に、折り紙で作った三宝や月を貼っておくなどしておくとよいでしょう。また、足型を作れる濃度に絵の具を調整しておくとよさそうです。
作り方
1.画用紙に子どもの足形をつけます。
2.(1)が乾いたら、足形のかかとの部分にうさぎの目に見立てた丸シールを貼ります。
3.うさぎの耳をクレヨンで描きます。
4.三宝の上に白いクレヨンで団子を描いてできあがりです。
子どもの足形を上下反対につけることで、足形の親指の部分がしっぽになるうさぎになります。かかとの部分がうさぎの顔になるように、シールとクレヨンを使ってかわいく仕上げましょう。
ふわふわ団子の作り方
1歳児、2歳児で取り入れられる、身近な材料を使った簡単なふわふわの団子の作り方です。
用意するもの
- ティッシュ
- 折り紙(白)
- 空き箱
- クレヨン
- セロハンテープ
- シール
あらかじめ保育士さんは、適当な大きさの空き箱を使って、団子を置く三方を作っておきましょう。
作り方
1.ティッシュを丸めます。
2.白い折り紙で(1)を包み、セロハンテープで固定します。
3.三方に団子をのせてできあがりです。
三方に白の模造紙を貼っておき、子どもがクレヨンで自由に色を塗ってもよいかもしれません。
たくさんのふわふわ団子を作り、三方にのせましょう。製作を楽しんだあとは、団子屋さんごっこやままごと遊びに展開させても楽しめそうです。
幼児クラス向けのお月見製作アイデア
次に、幼児クラス(3歳児・4歳児・5歳児)向けのお月見製作アイデアを紹介します。
簡単なうさぎの折り紙の作り方
3歳児から取り組める、折り紙で作る簡単なうさぎの作り方です。
用意するもの
- 折り紙
- ペン
作り方
1.白い方を表にして三角形に折ります。
2.三角形を半分にするようにもう一度折ります。
3.折り目を起き上がらせて押しつぶし、袋状にします。反対側も同様に折ります。
4.先がわかれている方を下側に折り返し、反対側も同様にします。
5.片面の左右の角を中央の折り目まで、下側の角を上側に1.5cmほど、先がわかれている角を下側へ開くようにして折り返します。
6.表側に、うさぎの目や耳をペンで描いてできあがりです。
違う大きさや色の折り紙で作れば、うさぎの家族や友だちを作って楽しめるでしょう。
お月見製作のワンポイントとして作品に貼りつけてみてはいかがでしょうか。
折り紙のすすきの作り方
3歳児から取り入れられる、折り紙でできるすすきの作り方です。
用意するもの
- 折り紙
- はさみ
製作のポイント
折り紙を細く切る工程が少し難しいかもしれないので、子どもの様子によっては保育士さんが手伝いましょう。
そのあとの折り紙を巻く工程は、子どもたちだけで楽しめそうですね。
紙皿の餅つきうさぎの作り方
子どもが自由に動かして遊ぶことのできる、餅つきうさぎの作り方です。
用意するもの
- 紙皿
- 画用紙
- タコ糸
- 色鉛筆
- セロハンテープ
- キリ
- はさみ
キリは紙皿に穴を空けるときに保育士さんが使うものなので、子どもの手の届かないところに置いておきましょう。
アレンジの仕方
動画では「もも太郎」がモチーフとなっていますが、この作り方を基本として、イラストを餅つきうさぎにアレンジすれば子どもたちが動かして遊べるおもちゃになります。
子どもたちがイメージするうさぎと月を描くことで、オリジナルの作品として楽しめそうです。
お月見製作を通して、9月の行事を楽しもう
今回は、お月見製作のモチーフや意味、クラスごとのねらい、年齢ごとの製作のアイデアを紹介しました。
年齢によって使う道具や材料なども異なり、アイデアもさまざまあるようです。子どもの様子にあわせて保育士さんが援助するなどしながら、オリジナルの作品を作って保育室に飾るなどしてみましょう。
お月見製作を通して、行事に親しむきっかけになるとよいですね。