就活での面接において、「学生時代に力を注いだこと」について質問されることがあるかもしれません。その際、回答が思い浮かばなかったり、履歴書にどう書いていいか分からなかったりする方もいるでしょう。今回は、学生時代に力を注いだことを伝えるときのポイントや書き方、例文を紹介します。
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■目次
保育士の面接で「学生時代に力を注いだこと」を聞かれる理由
就活において、「学生時代に力を注いだことは?」という質問は定番になっているようです。
「ガクチカ」と呼ばれることもありますが、保育学生さんや就活生さんの中には、この質問に対してどう答えていいか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そもそも就活の面接などで「学生時代に力を注いだこと」について聞かれる理由には、
- 応募者の人柄を把握したい
- 物事に取り組むときの姿勢を見たい
などが挙げられるようです。
そのため自分の経験をもとに、履歴書や面接などでしっかりと伝えられるとよいですね。
学生時代に力を注いだことについて伝えるときのポイントについて、くわしく見ていきましょう。
「学生時代に力を注いだこと」を伝えるときのポイント
学生時代に力を注いだことを質問されたときは、学生時代に頑張ったことや経験したことを伝えるといいでしょう。
伝えるときのポイントを具体的に紹介します。
自分がどんなことを頑張ったのかを伝える
学生時代に力を注いだことでは、頑張った過程や頑張ったことで得た学びを伝えることが大切になります。
園や企業は、応募者が学生時代にどんなことを頑張ったのか、またその経験から得たことを聞きたいと考えているようです。
そのため自分がどのような取り組みをしたのかをエピソードを交えて伝え、入職後にどう活かしていくのかという話で終えると、自己アピールにもつながるでしょう。
自主的に行ったことを伝える
自分で選んだ体験や経験を話すことで、採用担当者に伝わりやすくなりそうです。
サークル活動やボランティア活動など、なぜそれをやろうと思ったのか伝えることで、自分の考え方や価値観を伝えたり、実践したことで主体性をアピールしたりできるかもしれません。
園や企業の面接では、分かりやすく説明する能力を見られることもあるため、自主的に行ったことのほうが学生時代に力を注いだこととして話しやすくなるでしょう。
学生時代に力を注いだことが特にない場合
学生時代に力を注いだことは、アルバイトや勉強など自分の頑張ったことであれば伝えても問題ないようです。
たとえば、高校時代から今でも同じアルバイトを続けていることを伝える場合、長く続けるうえで工夫したことや得られた学びをきちんと説明することで、採用担当者の印象に残るかもしれません。
「ピアノのコンクールで優勝したことがあります」「高校時代は学業に打ち込み、学年1位を取りました」といった、珍しい体験や華やかなエピソードであっても、取り組んだ過程や得られた学びなどが曖昧だと、自己アピールにつながらないことがあるようです。
ガクチカが思い浮かばないというときは家族や友人に聞いてみると、自分では気づいていなかっただけで力を注いでいたことが見つかるかもしれませんね。
履歴書に活かせる「学生時代に力を注いだこと」の書き方
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学生時代に力を注いだことについて履歴書に書くときは、
- 結論
- 取り組もうと思った理由
- 具体的な内容
- その経験で得られた学び
という構成で書くとまとまりがある文章になりそうです。
力を注いだことを複数書いてしまうと、それぞれを深堀って伝えるのが難しくなってしまうため、一つのことに絞って理由や課題に感じたことなどをくわしく書くといいでしょう。
履歴書の書き方について説明します。
結論
履歴書だけでなく面接の質問に答えるときも、結論から伝えると何を伝えたいのかがわかりやすくなるといわれています。
私が学生時代の力を注いだことは勉強です」のように結論から始めることで、どんなエピソードについて書かれているのが明確になりそうです。また、取り組んだ理由や根拠などの説明にもつなげやすくなるでしょう。
取り組もうと思った理由
ボランティア活動やアルバイトなど、学生時代はさまざまなことを行う機会があるでしょう。
ただ頑張ったことだけを伝えるのではなく、「ボランティアを選んだ理由は、△△について学ぶことにより将来保育士として働くうえで活かせるかもしれないと思ったからです」のように選んだ理由や頑張ろうと思った理由を伝えることで、園や企業の採用担当者は応募者の人柄をイメージしやすくなりそうです。
具体的な内容と問題の解決策
学生時代に力を注いだことは、体験したことや活動内容を具体的に伝えることが大切といえるでしょう。
面接であれば採用担当者が直接応募者に質問することができますが、書類選考の場合は履歴書だけで判断することになります。限られた枠のなかできちんと伝えるためにも、年数を用いるなどエピソードを詳細に書くといいかもしれません。
アルバイトを例にすると、「私は居酒屋で3年間、接客のアルバイトに従事しておりました」のように、どんなアルバイトを何年間やったのかなどを書きます。
そのあとで、自分が働いていた中で感じたことや課題、それをどのように改善したかなどを付け加えると、採用担当者もエピソードをイメージしやすくなり、わかりやすくアピールできるかもしれません。
また解決策や工夫したことを書くと、当事者意識をきちんと持って課題に取り組み、解決する力があることをアピールできそうですね。
学びや入職後に活かせること
学生時代に力を注いだことに対してどのような経験をし、結果としてどのようなことを学べたのか書きましょう。
人によっては上手くできなかったり、失敗してしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、ガクチカでは結果よりも過程のほうが重要視される傾向にあるため、嘘をつくことなく正直に伝えることが大切です。
仮に結果がよくなかったとしても、自分が成長したことやその経験を保育の現場でどう活かせるのかをきちんと説明できれば悪い印象にはならないでしょう。
履歴書に学生時代に力を注いだことを書くときの例文
履歴書やエントリーシートに、学生時代に力を注いだことについて書くときの例文を紹介します。
学業に励んだことを伝えるときの例文
私が学生時代に力を注いだことは学業です。保育士を志して保育科がある短大に進学しましたが、教育心理学の講義を受ける中で、心理学的な観点から子ども達の援助を行いたいと思い大学へ編入しました。
大学で教育心理学について学ぶことで、保育士として働く上で支えとなるような理論や根拠、援助する際に役立つ知識を得ることができました。子どもは自分の思いをすべて言葉で表現するのは難しい場合があるため、教育心理学で得た知識を活かして子どもたち一人ひとりに寄り添える保育を目指したいと考えております。
貴園に入職した後は、大学で学んだ知識を活かして子ども達の心を豊かにできるようサポートをしていきます。
サークル活動について書くときの例文
私が学生時代に力を注いだことは、テニスサークルの活動です。
テニスサークルに入った理由は、高校時代に文系の部活に入っていたので体育会系の部活に憧れていたからです。しかし、始めた当初は毎日のように筋肉痛になり、経験者も多かったので、未経験の私は模擬戦をしても勝つことができませんでした。
そのため毎日走り込みや素振りを行い、ボレーやサーブといった様々な種類の打ち方ができるように練習しました。練習を続けることで少しずつ模擬戦でも勝てるようになり、活動を始めてから1年後には大会に出場できるまでになりました。
このようなサークル活動において、諦めずに努力することは自分の自信になることを学んだので、そのことを保育士として子ども達にも伝えていきたいです。
アルバイトについて書くときの例文
私が学生時代に力を入れたことは、レストランでの接客のアルバイトです。
レストランで働こうと思った理由は、家族連れがよく訪れるお店で、コミュニケーション力や応対力を身につけられれば、将来保育士として働く際に活かせるかもしれないと思ったからです。
アルバイトを始めた頃は覚えることが多かったため、なかなか笑顔で接客をすることができず、注意されることもありました。しかし、仕事に慣れてくると段々と笑顔も増えていき、店長や同僚にもほめられるようになりました。
また、小さな子どもを持つファミリー層が多いお店だったので、時には子どもが泣いてしまう場面もありましたが、私が笑顔で話しかけると泣き止んでくれたことがあります。
会計が終わってお店から出るとき、男の子が「また来るね!」と笑顔で言ってくれたとき私は自然と笑顔になっていました。些細なことではありますが、このアルバイト経験から笑顔で接することの大切さを学びました。貴園で保育士として働く際は、どんなときも子ども達と笑顔で接したいと考えております。
このように、学生時代に力を注いだことを履歴書やエントリーシートに書くときは、できるだけ具体的にエピソードやそのとき感じたことを記載します。そして、入職後に保育で活かせることを併せて書くといいでしょう。
書き方や伝え方のポイントを抑えて、学生時代に力を注いだことをまとめよう
今回は、学生時代に力を注いだことについて伝えるときのポイントや書き方、例文を紹介しました。
ガクチカと呼ばれるこのテーマでは、珍しい経験や華やかな結果よりも、頑張った過程やどのようにして課題を解決したかが重要視されるようです。
そのため、サークル活動や高校時代に頑張った勉強、スポーツなどに焦点を当てて、そこで何を得たのか、何を学んだのかをきちんと伝えることが大切といえるでしょう。
履歴書や面接で伝えるときは、具体的な内容や自身が行った課題解決のための工夫、保育士として活かせることなどを盛り込むと、採用担当者の印象に残りやすくなるかもしれませんね。