保育士の勤務時間について知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。公立・私立など園の形態や働き方によって異なるようなので、それぞれどれくらいなのか平均勤務時間数などをきちんと理解しておくとよいかもしれません。今回は、保育士の勤務時間の実態や、平均勤務時間、就活で気をつけるポイントを紹介します。
milatas/shutterstock.com
■目次
保育士の勤務時間の現状
保育士の勤務時間がどれくらいなのか気になる保育学生さんもいるのではないでしょうか。
現状として、サービス残業や持ち帰り残業をしているケースも少なくないようです。
また、保育士不足もあり、1人が抱える仕事量も必然的に多くなってしまうこともあるでしょう。
園によって違いはあるものの、時間内に仕事を終えることができず、長時間労働につながることもあるかもしれません。
ただこのような状況を改善しようと、定時に帰ることに取り組む園や完成品などを購入して保育士の仕事を簡素化し、通常の勤務時間を超える労働を減らす対策を実施している園も増えているようです。
まずは、保育士の勤務時間の平均時間数と時間外労働時間数の実態を見ていきましょう。
保育士の平均勤務時間数と時間外労働の実態
保育士の平均勤務時間数
保育士の平均勤務時間は、正規・常勤職員と非正規職員とで多少異なりますが、正規職員の場合は1週間当たり40時間~50時間未満となっています。
また、令和1年賃金構造基本統計調査によると、保育士の1カ月あたりの所定労働時間は、163時間と示されています。
1カ月当たりの稼働日数が22日と想定した場合、1日当たりの平均勤務時間は7時間40分程度といえるでしょう。
保育士の時間外労働時間数の実態
2019年の厚生労働省のデータでは、1カ月あたりの時間外労働時間数の平均は約4時間となっており、20日勤務した場合1日あたり約12分程度であることがわかりました。
しかしながら、保育士の仕事は子どもと関わる以外にも、事務作業や行事に向けた準備など多くの仕事を抱えているため、実際はもう少し残業が多いのが現状かもしれません。
出典:賃金構造基本統計調査/厚生労働省
形態パターン別の保育士の勤務時間
保育士の勤務形態によって勤務時間には違いがあるのでしょうか。
形態別に紹介します。
シフト制
シフトは、早番、中番、遅番の3つに分けていることが多いようです。
シフトの大体の時間は次の通りです。
- 早番:7:00~16:00
- 中番:8:30~17:30
- 遅番:9:30~18:30
ただし、園によっては4つ~7つのシフトに分かれている場合もあるでしょう。
全ての保育園が上記の時間帯ではなく、園の運営時間によってシフトや勤務時間が異なるので、目安として考えるとよいですね。
公立の保育園では、早朝保育と延長保育を実施せず、保育時間が比較的短いため2交代制(早番・遅番)をしている園があるそうです。
固定時間制
固定時間制は、「〇時~〇時」と時間帯を決めて勤務する働き方です。
特に朝夕の園児の登降園時にあわせて出勤する場合が多いでしょう。
主な勤務時間は下記のようになります。
- 7:00~10:00
- 15:30~18:30
- 16:00~19:00
このように決められた時間に出勤し、夕方出勤をするという流れになります。
この働き方は、正規職員というよりも非正規職員のパートやアルバイトの雇用形態で働く保育士さんが多いそうです。
保育士は勤務時間内に休憩は取れる?
労働基準法によると、1日の労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を取ることが義務付けられています。
ただし、実際の保育現場では連絡帳の記入や保育日誌の作成など、事務作業の対応に追われることが多くきちんと休憩時間を確保できていない園もあるようです。
出典:労働基準法/厚生労働省
保育士の勤務時間において留意すべきポイント
保育士の勤務時間を考えたうえで、就活に向けて理解しておきたいポイントを紹介します。
勤務形態ごとの勤務時間を把握する
保育士として働く前に、勤務先の園はシフト制か固定時間制なのか、勤務時間はどれくらいなのかをきちんと把握しておきましょう。
そうすることで、生活リズムを整えることができたり、入職前にシミュレーションしたりできるかもしれません。
残業の有無を確認する
保育士として働くうえで、残業時間の有無は大切になるでしょう。
残業があるか、ないかによってプライベートの時間の使い方も変わってきます。また、長時間労働が続くと、心身に負担がかかることもあるかもしれません。
求人検索をするときに、「残業なし」と書かれているかどうかなどを確認しておくとよいですね。
履歴書の希望欄の書き方に注意する
履歴書の本人希望記入欄には、勤務時間の希望など自由に書けるスペースがありますよね。
ただし新卒で働く場合は「貴園の規定に従います」と書くことを基本とし、やむを得ない事情がある場合は面接などの口頭で伝えるようにしましょう。
保育士の勤務時間を知り、就職活動のポイントにしよう
今回は、保育士の勤務時間について、働き方別や設置・主体別の平均勤務時間数などを紹介しました。
公私などによって勤務時間が異なっていたり、シフト制を採用している園でも早番や遅番などのパターンがあったりするため、それぞれどれくらいなのかを把握しておくことが大切です。
希望勤務園の勤務形態や勤務時間をきちんと確認したうえで、就職活動を行なえるとよいですね。