構成遊びとは、積み木や粘土、折り紙などの形を作ったり組み合わせたりして楽しむ遊びのことをいいます。具体的には、おもちゃを使ったり製作したりと遊び方はさまざまあるようです。今回は、構成遊びについて遊びの種類やねらい、遊び方例を紹介します。あわせて子どもに期待できる効果もまとめました。
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構成遊びとは
構成遊びとは、バラバラに分かれたパーツを使って一つのものを作ったり、壊したりする遊びです。具体的に、粘土や積み木、折り紙、お絵描きなどを指します。
一見、パズルも構成遊びに思えますが、パズルの場合、決まった型にパーツをはめたり、完成を目指したりするものなので構成遊びには含まれないようです。
構成遊びは、「造形遊び」に近く、子どもたちが自由な発想で組み立てていく遊びと考えるとよいでしょう。
保育園での構成遊びには、以下のようなねらいが挙げられます。
- 集中して構成遊びを楽しむ
- 興味のある遊びを友だちや保育士と関わりながら遊ぶ
このようなねらいをもとに保育活動に取り入れたり、指導案を書いたりしていけるとよいですね。
構成遊びによって育まれること
一から作り上げる構成遊びを保育に取り入れることは、子どもにとってどんな効果が期待できるのでしょうか。
集中力を身に着ける
構成遊びでは、集中力を身に着けられるようです。
積み木や折り紙などでは、完成に向けて一から作り上げるという体験をすることができますよね。パーツを組み合わせたり工程を進めたりするなかで、自分のなかで試行錯誤したり、形が崩れないようにと慎重になったりするため、集中力が身に着けられるのかもしれません。
数や図形への理解力を深める
構成遊びを通して、数や図形の理解力が育まれていくようです。
子どもたちはブロックや積み木を数えたり、子ども自身が想像した形を作るために試行錯誤したりして作るでしょう。そのため、「このブロックを使ったら四角になる」など図形に興味を持つことにつながるのかもしれません。
また、完成した作品に何個パーツが使われているかなどを数えると、数への理解を深めることもできるでしょう。
想像力を育む
構成遊びを通して、予測する力が育まれるようです。
その理由として、「持っているブロックをどのように積み上げたらどんな形になるんだろう」「この積み木を重ねると崩れるかもしれない」など、自分なりに考える姿が見られるかもしれません。
そして、うまくいったこと、失敗したことがわかるようになり、別の作品を作るときにも活かせるようになるでしょう。
おもちゃを使った構成遊び
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ここからは、ジャンルごとに構成遊びを紹介します。
まずは、おもちゃを使った構成遊びから見ていきましょう。
積み木遊び
やり方
1.子どもたちが自由に積み木遊びをします。
2.しばらく遊んでから、何人かのグループを作って「グループごとに一つのものを作ろう」と伝えます。
3.グループごとに積み木を作り上げたり、大きくしたりして遊びます。
ポイント
大きいものを作るときは慎重に積み上げる必要があります。
子どもたちが集中して遊んでいる間は見守り、困ったときだけ「こうするといいかもしれない」などうまくできるように促すとよいかもしれません。
積み木遊びは乳児クラスの子どもたちにも取り入れやすいので、活動に入れてみると楽しめそうです。口に入れないように積み木の大きさや素材にも気をつけるとよいでしょう。
ブロック遊び
ブロック遊びをしてみましょう。
やり方
子どもたちは思い思いの形をブロックで作ります。
ポイント
ブロック遊びをするとき、「この形を作りたいからこのブロックを使おう」とブロック同士の組み合わせ方を考えて作る子どもたちが多いでしょう。
ときには思い通りに作れない子どももいるかもしれません。
そういった場面では、保育学生さんがどんな形が作りたいのか聞いてみたり、子どもといっしょに考えてみたりするとよさそうです。
ある程度遊んだあとは、保育学生さんがテーマを決めてそれに沿ったものを作ってみても楽しめるかもしれません。
粘土
粘土遊びをしてみましょう。
やり方
1.粘土板と粘土を配ります。
2.子どもたちは自由に粘土遊びをします。
ポイント
一人ひとりが好きなものを作ってもよいでしょう。また、お題を決めて作るのもよいかもしれません。
全く何もないところから作ってみると、一から作る楽しさを感じられそうですね。
保育学生さんは、子どもたちを見守り、自由に発想している姿を大切にするとよいでしょう。
作り始められない子どもがいたら、そばについて丸など簡単な形や粘土を細長くするなど作り方のアドバイスをしてもよさそうです。
製作を活かした構成遊び
製作を活かした構成遊びをみていきましょう。
絵を描く
用意するもの
- 画用紙
- クレヨン
- ペン
やり方
1.「運動会の絵を描きましょう」と伝えます。
2.子どもたちに「かけっこやリズムもしたね」などと言葉をかけて、運動会の情景が思い出せるようにしましょう。
3.子どもたちがクレヨンやペンを使って絵を描くとできあがりです。
ポイント
書き出せない子どももいるかもしれません。
そのときは、子どもの気持ちに寄り添い「何が楽しかったかな」など言葉がけをして個別に対応するとよいかもしれません。
折り紙(楽しめる目安:3歳児くらいから)
折り紙を使った製作遊びを見ましょう。
用意するもの
- 折り紙
- はさみ
- 画用紙
- のり
- 新聞紙(机に敷く)
やり方
1.折り紙に三角や丸、四角が切れる線を書いておきます。
2.折り紙を子どもたちに配ります。
3.折り紙の線に沿ってはさみで切ります。
4.切った折り紙を画用紙に貼り付けます。
5.クレヨンで自由に絵を描くとできあがりです。
ポイント
子どもたちが好きな色を使えるように折り紙を多めに用意しておきましょう。
はさみを使うときには「刃先を友だちに向けない」と約束をしてから切り始めるようにしましょう。
カットした折り紙は、位置を決めず自由に貼れるようにすると個性豊かな作品になりそうです。作った作品から子どもが題を考えても楽しいかもしれません。
参考動画:折り紙動画まとめ/保育士バンク!
構成遊びのねらいや遊び方を知って保育実習に役立てよう
構成遊びは、普段から慣れ親しんでいる積み木やブロックなどのおもちゃを使ったものや、製作遊びのことをいいます。
集中力の向上や数や図形への理解、予測する力などさまざまなよさがあるので積極的に取り入れていくとよいかもしれません。
構成遊びの遊び方を知って、実習や入職時に役立ててみてくださいね。