面接で聞かれるキャリアプランとは何か知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。言葉の意味や質問される意図がわからないと、適切な答え方が浮かびませんよね。今回は、キャリアプランとは何か、面接で聞かれる理由をふまえて、答え方のポイントを紹介します。また、新卒に役立つ回答例もまとめました。
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■目次
面接で聞かれるキャリアプランとは?
キャリアプランとは、社会人として今後どのように経歴を積み上げていくかという計画のことを指します。
具体的なキャリアプランの一例として、一般的な社会人の場合は管理職を目指したり、営業成績を上げたりなどが挙げられるでしょう。
保育士の場合は、園長や主任などの管理職を目指す方もいるかもしれませんが、新卒など経験が浅いうちは、ゆくゆく職務分野別リーダーとしてキャリアアップすることや、行事の運営に携わりたいといった目標をキャリアプランとして考えるとよいかもしれません。
プランを立てるスパンとしては、2年~5年程度の中長期的な目標であれば、実現に向けて行動しやすいと言われています。
自分の将来像や理想のキャリアを明確にしておくことで、目標達成に向けて計画的にキャリアを積むことにつながり自身の成長にも役立ちそうですね。
面接でキャリアプランを聞かれる理由
では、なぜ面接ではキャリアプランを聞かれるのでしょうか。
質問者の意図を知り、適切に対処できるようにしましょう。
入職後をイメージするため
採用担当者はキャリアプランを通して、保育学生さんが入職後にどのような働きをしてくれるのかを具体的に知りたいと考えているようです。
例えば、障がい児のケアをできるようになりたいという希望を持った保育学生さんがいた場合、障がいに関する勉強会に参加してもらったり加配についてもらったりできそうだと採用側は考えるでしょう。
これは、入職後にその人がどんな風に活躍するかをイメージするだけでなく、採用のミスマッチを防ぐことにもつながります。
また、入職後の姿がイメージできれば園が求めている保育士像と一致しているかどうかも明確になるため、キャリアプランを聞いて人材を判断していると言えるでしょう。
園への理解度や志望度を知るため
採用担当者はキャリアプランを聞いて、園への理解度や志望度を知ろうと考えているようです。
キャリアプランでは、将来この園でどんなことを実現したいのか、そのためにどんなことを頑張っているのかなどをアピールするでしょう。
そのなかで、事前に情報収集できてなかったり、ほかの園でもできることを述べていたりすると「ほかの園でもできる」「ほんとうにうちの園で働きたいのか」と採用基準に満たない可能性があります。
なぜ自園がいいのか、前向きにこの園で頑張ろうと考えているのか熱量を量るためにもキャリアプランは重要視されていると言えるでしょう。
【面接対策】キャリアプランの答え方
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新卒の面接でキャリアプランを答えるときは、以下の順序で回答を組み立てていくとスムーズかもしれません。
- 目標(自分がなりたい姿)
- 計画(園でやりたいこと)
- 現在の努力(就職に向けた準備)
また、その園に入職して働いている姿をイメージしてもらうためにも、園の環境や特色にふさわしい計画であるかという点についても意識して話すとよさそうです。
回答例として、「5年後には保育を引っ張っていく立場になりたい」というキャリアプランをもとに、答え方を考えてみましょう。
目標:自分がなりたい姿を伝える
自分が将来やってみたいことや、こんな風になりたいという希望を伝えましょう。
「私は5年後には、園の保育を引っ張っていける保育士になりたいです。」
自分が保育士として働いて、2年~5年が経過したときの姿を想定します。
なりたい姿が浮かばない場合、憧れの先生のことや、自分が好きな物事、両親や兄弟について遡れば、理想とする目標が見つかるかもしれません。
計画:園でやりたいことを挙げる
「目標」で挙げたなりたい姿を実現するために、就職後にやりたい具体的なことを伝えましょう。
「まずは新卒保育士として先輩の保育からしっかりと勉強させていただきながら、自分なりに遊びの内容やかかわり方を身につけていきたいと思います。
2年目以降はさまざまな年齢の担任として経験を積み、先輩から受け継いだ保育のノウハウを後輩にも還元できる保育士になりたいです。
」
このとき、保育園の方針や環境とマッチした目標になっていることが大切です。
面接を受ける園の保育方針や特色をしっかりと下調べして、自分がその園で働いているイメージをしておくと答えやすくなるでしょう。
現在の努力:目標に向けて学ぶ姿勢を伝える
目標や計画を実現するために、現在努力していることを伝えましょう。
「現在は、保育園でアルバイトをして経験を積みながら、子どもの発達に関する勉強をしています。
何歳の担任となっても子どもに寄り添った保育ができるよう、まずは幅広い知識を身につけたいと考えています。
」
就職の準備として学んでいることを付け加えれば、目標に対する意思の強さを印象づけられそうです。
アルバイトなど実際に子どもとかかわる活動でなくとも、「ペープサートを製作している」「ピアノを練習している」「毎週1冊絵本をチェックしている」など、実際に自分ができることを考えてみてくださいね。
このような順序でキャリアプランについて答えれば、説得力のある回答ができるかもしれません。
【面接対策】キャリアプランを聞かれたときの回答例
実際に面接で答えるときの例文を見ていきましょう。
例文1
私は、5年後には乳児保育の専門リーダーを目指せる保育士になりたいと考えています。
貴園では、乳幼児別に専門リーダーという枠組みを設けているほか、乳児の担当保育制や乳児研修を導入するなど、乳児保育において多くの試みを取り入れていると知りました。
そのため、乳児保育についてしっかり学べる貴園の環境で、先輩からの学びを自身の保育に活かしつつ、研修制度を利用して自己研鑽していきたいと思います。
現在は、小規模保育園でボランティアに参加して、乳児の子どもたちとの関わりを学んでいる最中です。
子どもとの関わりが入職後にも活かせるよう、子どもの様子や活動内容を日々記録しています。
例文2
私は、貴園が開催している地域との交流行事に携わりたいという思いがあります。
歴史が長く、地域に密着した保育を実践されている貴園では、季節ごとの交流行事をさかんに行なっているとお聞きしました。
入職後は、より地域の人との関わりが深いものとなるよう積極的に行事を盛り上げ、ゆくゆくは行事担当として運営する側を経験できるようになりたいと考えています。
現在は、子ども体験教室にボランティアとして参加し、クッキングやクラフトなどさまざまな活動をお手伝いしています。
みんながいきいきと過ごせるよう、保育士として地域を支えていきたいと思います。
例文3
私は、障がい児保育について学びを深め、インクルーシブ保育を実践していきたいです。
そのため、研修内容が充実しており、発達支援事業にも力を入れている貴園で、保育現場での経験を積みつつ障がい児保育の勉強をしていきたいと考えています。
保育士としてスキルを磨きながら、障がいを持つ子どもが保育という集団の場でも自分らしく過ごす方法を模索していきたいです。
現在は、障がいについて理解を深めるために勉強を進めています。
障がいを正しく理解し、その子に寄り添ったかかわりができるように幅広い知識を身につけたいと思います。
キャリアプランを考えて、新卒保育士の面接に活かそう
今回は、面接で聞かれるキャリアプランとは何か、答え方や回答例を紹介しました。
キャリアプランでは、社会人としての経歴において2~5年程度の中長期的な計画を立てることで、仕事の方針や目標を定めるのに役立てられるでしょう。
保育士としてキャリアプランを考えるには、自分のなりたい姿、入職後にやりたいこと、入職に向けてがんばっていることという3つの観点から答えればうまく伝わりそうです。
新卒保育士のキャリアプラン回答例を参考に、面接対策に活かしてみてくださいね。