就活の一環で、園見学を予定している保育学生さんもいるでしょう。あらかじめ見るポイントをしっかりとおさえることで、自分に合った園なのかをより具体的に見極めることができそうです。今回のコラムでは、就活の園見学で見るべきポイントをまとめました。項目ごとの詳しい注意点もあわせて紹介します。
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■目次
そもそも就活における園見学とは?
就活で行う園見学とは、就職を希望する保育園に実際に見学しに行き、施設の中や保育の様子を見せてもらうことです。
求人票やホームページだけではわからない園の雰囲気や保育内容を見ることができるので貴重な機会と言えるでしょう。
また、自分がその園で働くときのイメージができるため、面接の際に園見学でのエピソードを織り交ぜて話せば、効果的なアピールにもつながるなどのメリットも得られそうです。
園見学の機会を就活に活かせるよう、当日までに見ておくといいポイントをおさえておきましょう。
就活の園見学で見るべきポイント:保育方針や雰囲気、人間関係等
ここでは、見学先の園の保育方針や雰囲気、人間関係といった視点から、見ておくべきポイントを紹介します。
保育方針・保育内容
保育園では、それぞれ目指している保育のあり方を保育指針として定めています。
園のホームページなどでも調べることができますが、実際の保育にどのように活かされているかを見ておくとよさそうですね。
また、園によって活動内容や保育士さんのかかわり方もさまざまです。
そういった保育内容についてしっかり観察し、自分の保育観に合っているかも見るポイントとなるでしょう。
新卒保育士として働く学生さんにとって、初めて入職する園の保育方針や保育内容は、その後の自分の保育観を形づくる大切なものとなります。
この園で自分のやりたい保育ができるか、ここで働くことで保育士として成長できそうかをしっかり見極められるとよいですね。
子どもの様子
子どもの姿は、保育士さんの普段のかかわりが表れる大きなポイントと言えるでしょう。
クラス全体を見まわして、保育士さんのことを怖がっている子や、1人で寂しそうな子はいないかなどを確認するとよさそうです。
子どもがいきいきと楽しそうに過ごしている園は、保育士さんが子どもに寄り添った保育を行っていると言えるかもしれません。
職員の雰囲気
自分がその園で働く可能性を踏まえて、職員同士の雰囲気もチェックしておきましょう。
見るポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 保育中でも職員同士連携が取れているか
- 指示を出すときにきつい言葉使いをしていないか
- 笑顔でコミュニケーションを取っているか
また、保育士さんの人数や年齢層なども、職場の雰囲気が伺える要素のひとつとなるでしょう。
若手の保育士さんばかりだったり、ベテランの保育士さんしかいなかったりなど、人数が偏っている園もあるようです。
そうした園では、職員の入れ替わりが激しく、長く働き続けられない可能性もあるかもしれません。
園見学をした日のシフト状況によって、そうした偏りが生じている場合もあるため、気になった場合は、保育士さんの年齢層を質問してみるとよいですね。
ほかにも、育休の取得状況について聞けば、ライフステージに変化があった場合でも職員が定着しやすい職場であるかを見極めるポイントとなりそうです。
園長先生・主任保育士さんの人柄
入職するうえで、管理職となる園長先生や主任保育士さんの人柄も、働きやすさに直結しそうなポイントです。
話しやすそうな人や、現場と意思疎通ができている人であれば、自分が入職しても仕事のことを相談しやすいかもしれませんね。
就活の園見学で見るべきポイント:設備、安全対策など職場環境
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次に、保育園の設備や安全対策など、職場環境におけるポイントをみていきましょう。
設備の清潔感
保育園の建物や園庭など、設備なども園見学で見るポイントとなりそうです。
たとえ古い建物であっても、掃除が行き届いて清潔感があれば、子どもも職員も気持ちよく過ごせますよね。
ホコリなどが溜まっていたり汚れがそのままになっていたりする園は、掃除に手が回らないほど業務が大変なのかもしれません。
加えて、狭い廊下などに物がたくさん置かれていないか、職員室のデスクの数に余裕があるかなど自分が働くうえで不便そうな設備ではないかもチェックしておきましょう。
おもちゃの充実度
子どもが遊ぶためのおもちゃの種類や数などの充実度も、保育の質を支える重要な要素と言えるでしょう。
壊れたり汚れたりしていないかはもちろん、年齢に合ったおもちゃが用意されているかも見るポイントとなるようです。
また、絵本やおもちゃの収納方法を見て、子どもが片付け場所がわかるようラベルなどで工夫されているかなども確認しておくとよいかもしれません。
手作りおもちゃが使われている園では、保育士さんが作っているのか、園でパートさんなどが空いた時間に作っているのかもさりげなく確認すれば、実際の業務内容をイメージできそうですね。
製作物・壁面
保育室の壁や、玄関、廊下などに飾られている製作物や壁面構成なども見るポイントになるようです。
壁面構成に力を入れている園の場合、工作が得意な保育学生さんにとっては作る楽しみが感じられるでしょう。
一方、製作物を作ることが苦手な場合は、入職後に苦労するかもしれません。
ラミネート加工して使い回したり、子どもの製作物を使って壁面を装飾したり工夫している園であれば、そうした保育学生さんにとっては負担が少なく済みそうですね。
また、子どもの製作物からは、普段どんな風に製作活動をしているかを読み取ることができるでしょう。
のびのびと子どもの個性が表れているかや、保育士さんの手直しが入りすぎていないかを見ておくとよいですね。
安全対策
子どもの命を預かる保育園は、安全に過ごすための対策がとても大切になります。
棚の角などにクッションテープが貼られていたり、たんすなどには耐震対策が行われていたりと、さまざまな工夫がされているはずなので見ておくとよいですね。
また、見落としがちな、子どもの目の高さにフックなどのとがったものがないか、棚の上にたくさんの荷物が置かれて落ちそうになっていないかなども大切なポイントとなるでしょう。
園見学で見るポイントをおさえて、就職したときの自分をイメージしよう
今回は、就活における園見学で見るべきポイントと注意点について紹介しました。
園見学は、実際に園の様子や保育内容を見ることができるよい機会です。
保育士さんのかかわり方や子どもの様子を見ておくことで、保育方針や雰囲気などが自分に合っているかを確認できるとよいでしょう。
また、おもちゃや壁面から普段の遊びの内容をイメージすることができたり、清潔感や安全対策からは子どもが気持ちよく安心して過ごせるかを判断できたりと、設備面にも見るポイントがたくさんあるのでチェックできるとよさそうです。
園見学を通して、しっかりと入職後のイメージができるとよいですね。