就職活動で必要となる履歴書ですが、学歴欄の書き方に悩む保育学生さんもいるかもしれません。初めて就活をする新卒の場合、「以上」や「卒業見込み」など用語の使い方がわからず不安ですよね。今回は、履歴書の学歴の書き方といつから記入するかなどポイントを紹介します。中高一貫校の場合や、浪人、留学などケース別の記入方法もまとめました。
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■目次
新卒の履歴書に学歴を記入するのはなぜ?
新卒の履歴書できちんと学歴を記入することがなぜ大切とされているのでしょうか。
人事担当者は学歴欄を見ることで、応募者がどんな環境で過ごしてきたか、何を学んできたかを知ることができます。 また、学歴はいつから記入するかなど、基本的なルールに沿って記入できる最低限の知識や丁寧さがある人なのかを見ているかもしれません。
履歴書の学歴欄では、記入のルールに則って正しく学校名を書くことが大切となりそうです。
注意点として、事実とは異なる学歴を書くことは、発覚すると経歴詐称と見なされます。
内定取り消しなどの処分を受ける可能性があるため控えるようにしましょう。
【新卒の履歴書】学歴の書き方
それでは、新卒の履歴書での学歴欄の書き方を紹介します。
まずは以下の記入例をみてみましょう。
文字は丁寧に書き、学校名は必ず正しい名称で記入することが大切となります。
書き終えたら年度や名称に間違いがないか、今一度確認するとよさそうですね。
それぞれの項目における、書き方のポイントをみていきましょう。
学歴は中学校卒業から記入する
新卒の履歴書では、義務教育の終了時点である中学校の卒業から記入するのが一般的なようです。
中学卒業よりあとの学歴では、入学と卒業、両方をしっかり記入することが大切になります。
また、書き始めるときは履歴書の1行目の真ん中に「学歴」と記入し、次の行から年代順に学歴を書き込んでいきましょう。
年号は西暦・和暦どちらかで統一する
入学年度・卒業年度を示す年号は、「2021」などの西暦か、「令和3年」などの和暦、どちらかの形式で統一するようにしましょう。
年度の計算は、在学期間がいつからいつまでだったかなどわかりづらく、間違えやすいポイントであるようです。
不安な場合は卒業証書などを見て確認するとよいかもしれません。
大学名の頭には「国立」「私立」をつけない
大学は、公立と私立の区分を分ける必要がないため、「国立」や「私立」という表記はつけなくてかまいません。
ただし、高校や中学では「県立」「私立」といった表記をする必要があります。
また、「○○高校」という略称ではなく「○○高等学校」と正式名称で書くこともポイントとなりそうです。
在学している場合は「卒業見込み」を記入する
短大や大学に在学中の場合は、「○○短期大学 卒業見込み」と書くことで現在在学していることを表すことができます。
このとき、年号の欄には履歴書を書いているときの年ではなく、卒業時の年号と月を書くようにしましょう。
また、大学院の場合は卒業見込みでなく「修了見込み」と書くので注意してくださいね。
職歴にアルバイトは含まない
学歴欄を書き終えたら、一行の間を空けて、行の真ん中に「職歴」と書きます。
職歴欄には、正社員や契約社員での職歴は記入できますが、アルバイトやインターンシップの経験は含まないことが一般的です。
正社員などの職歴がない保育学生さんは、「なし」と書き込み、記入漏れではないことを示しておくとよいですね。
もしアルバイトやインターンの経験をアピールしたいときは、自己PR欄など他のスペースで記入するようにしましょう。
最後に必ず「以上」をつける
学歴と職歴をすべて書き終えたら、職歴欄の1行下の右端あたりに「以上」と記入しましょう。
「以上」には「私の経歴はこれで終わりです」という意味があるため、必ず入れ込むことが大切となります。
【新卒の履歴書】中高一貫校、浪人などケース別記入例
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ここでは、特殊なケースごとに学歴の記入例とポイントを紹介します。
中高一貫校の場合
中高一貫校(中等教育学校)を卒業した場合は、「前期課程」と「後期課程」に分けて書くのが一般的であるようです。
<例>
私立○○中等教育学校 前期課程卒業
私立○○中等教育学校 後期課程入学
私立○○中等教育学校 後期課程卒業
中学校にあたる前期課程の卒業から、後期課程入学、後期課程卒業と記入していくと流れがわかりやすそうですね。
また、中等学校ではなく、エスカレーター式で付属高校に内部進学した場合は、それぞれの学校の正式名称で記入するようにしましょう。
<例>
私立○○学院中等部 卒業
私立○○学院高等部 入学
私立○○学院高等部 卒業
いずれのケースも、学校の正式名称に則って正しく記入することが大切です。
転校した場合
途中で転校した場合は、その学校の入学の下の欄に記入します。
「私立○○高等学校○○科 転入学」など、学校名とあわせて「転入学」と記載しましょう。
学部や学科を変更した場合
学部や学科を替えた場合は、その学校の入学の下の欄に記入します。
「○○大学○○学部○○学科 編入学」など、学部名やコース名とともに「編入学」と記載するのが一般的です。
留学した場合
留学には以下の3つの種類があります。
- 正規留学:海外の高校・大学などに在籍し、卒業や学士・修士の習得を目指す
- 交換留学:日本の高校・大学に在籍したまま、海外のパートナー校に通学する
- 語学留学:海外の語学学校等に通って語学習得を目指すもので、正式には留学ではなく「語学研修」にあたる
学歴欄には、一般的に1年以上の正規留学や交換留学の経験から記入できます。
正規留学や交換留学の場合は以下のように記載しましょう。
正規留学の例
○○高等学校 卒業
アメリカ合衆国○○大学○○学部○○学科 入学
アメリカ合衆国○○大学○○学部○○学科 卒業
交換留学の例
○○高等学校 卒業
○○大学○○学部○○学科 入学
○○年○月までイギリス○○大学○○学部に交換留学
○○大学○○学部○○学科 卒業
語学留学や短期間の留学の場合は、学歴欄ではなく自己PR欄に書いてアピールするようにしましょう。
学歴欄に留学の経歴を書くときは、いつからいつまでが留学期間かわかるようにすることや、正しい年号であるか確認することが大切となりそうですね。
浪人や留年をした場合
浪人や留年は入学年度・卒業年度を見れば判明するので、特に学歴欄に記入する必要はないようです。
もし、病気や家庭の事情などやむを得ない理由で浪人や留年を選択した場合は、履歴書の備考欄などに記入しておくと、人事担当者にもそのことが伝わるでしょう。
休学、中退した場合
中途退学や休学は、その学校の入学より1つ下の欄に記入します。
年次や理由とともに、学歴欄に記入すると人事担当者にも事情がわかりやすくなるでしょう。
病気や体調不良での休学は、「現在は完治」などの文言を添えると業務に支障がないことが伝えられますよ。
また、中退すると正式な学歴にはならず、その1つ前の学歴が最終学歴となることに注意するようにしましょう。
新卒の履歴書は学歴欄をしっかりと記入することが大切
今回は、新卒の保育学生さん向けに履歴書の学歴欄の書き方とポイントを紹介しました。
履歴書に学歴を記入するのは、応募者がどのような環境で過ごしてきたか、何を学んできたかを知るという目的があります。
また、きちんとルールに沿って記入できる常識や丁寧さがある人物であるかを見ている人事担当者もいるでしょう。
「卒業見込み」や「以上」など用語の使い方や、年号の書き方など、ポイントをおさえれば学歴欄は正しく記入することができそうです。
新卒向けの記入例を参考に、履歴書の学歴欄を作成してみてくださいね。