保育園で楽しめる、縄跳び遊びのアイデアを知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。
跳ぶだけでなく縄の使い方を変えればさまざまな遊びに展開するため、やり方を知って実習などで役立てられるとよいですね。
今回は、乳児・幼児別に縄跳び遊びのアイデアを紹介します。あわせて縄の選び方や遊ぶときに気をつけるポイントもまとめました。
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■目次
保育園で楽しめる縄跳び遊びとは?
縄跳び遊びとは、縄を飛んだり、くぐったりする遊びです。1人でも十分に遊べますが、大人数でも遊べるといったよさが特徴と言えるでしょう。
また、縄を1本用意すればすぐに遊び始められます。縄をまたぐ、歩く、ジャンプするなどの姿が見られるようになる、だいたい2歳児頃から取り入れるとよさそうです。
しかし、両足ジャンプまでできる子、できない子とさまざまかもしれません。年齢に合わせてはじめは、縄の上を歩いたり足でまたいだりする遊び方から始めるとよいでしょう。
一方で、幼児クラスの場合は、両足で前飛びができる子どもも増えてくるかもしれません。集団生活に慣れてくるころでもあるので、縄の使い方を変えたり、遊び方を工夫したりしても楽しめそうですね。
遊ぶ前の縄跳びを選ぶときのポイント
まず、縄跳び遊びをする前に使用する縄跳びの選び方をみていきましょう。
縄の長さ
子ども用の縄跳びを選ぶときのポイントに、ひもの長さが挙げられます。一般的には「身長+55cm」の長さがよいとされていますが、保育園の子どもの場合は「身長+50cm」が理想のようです。
ちょうどよい長さを選ぶのは大変かもしれないので、長さを調節できる縄跳びを選ぶとよいでしょう。そうすることで、子どもの身長が大きくなっても、その縄跳びのまま使い続けることができますね。
ひもの素材
ひもの素材も選ぶポイントの一つになります。
具体的には、綿ロープとナイロンロープがあります。
綿ロープは縄が太いため、回していても縄が上にあるのか、下にあるのかなどがわかりやすいようです。また、縄ロープには重みがあるので、子どもが回し手になっても、縄を回す感覚をつかみやすいといえるでしょう。
一方、ナイロンロープは軽いので子どもでも回しやすいようです。縄跳びが上手に飛べるようになったときに使用すれば飛び続けやすくなるかもしれません。
保育園では、子どもが縄跳びに慣れて跳べるようになるまでは綿ロープを使い、長く跳べるようになったらナイロンロープに切り替えるなどするとよさそうです。
持ち手
縄跳びの持ち手の素材は、プラスチック製と木製があります。木製の持ち手がある縄跳びは、にぎりやすく手になじみやすいため、初めて縄跳びをする子どもも使いやすいかもしれません。
一方プラスチック製は、軽くて回しやすいのが特徴です。カラーバリエーションが豊富なため、好きな色を選ぶことができ、滑り止めが付いているものが多いようです。
乳児クラスが楽しめる縄跳び遊び
乳児クラスが楽しめる縄跳び遊びをみていきましょう。
ヘビさん
ヘビのように縄をくねくね動かしながら遊んでみましょう。
遊び方
1.縄の端を保育学生さんと保育士さんが持ちます。
2.子どもたちは縄を踏まないように、またいだりジャンプしたりします。
3.行ったり来たりしながら繰り返し遊びます。
ポイント
始める前に、実際に見本を見せると子どもたちもわかりやすいでしょう。ジャンプしたりまたいだり、個人個人でも遊べるので2歳児クラスでも十分に楽しめるかもしれませんね。
電車ごっこ
縄跳びを使って電車ごっこをして遊んでみましょう。
遊び方
1.縄で子どもたちが入れるぐらいの楕円形を作り、床に置きます。
2.子どもたちが縄跳びのなかで1列になります。
3.先頭の子どもから順番に縄跳びを両手で持ちます。
4.保育学生さんと保育士さんが先頭と最後尾について、みんなで動きます。
遊ぶときのポイント
保育士さんや保育学生さんが電車の中に入ると、安全に電車ごっこが楽しめるかもしれません。子どもだけで行なう場合、走って転んでしまうことも考えられるので、慣れきてから子どもたちだけで遊んでもらうよいですね。
つなわたり
縄跳びを使ってつなわたりをしてみましょう。
遊び方
1.縄跳びを曲げたり、直線にしたり変化を持たせてから床の上に置きます。
2.縄跳びの上を子どもが落ちないようにそっと歩きます。
3.最後まで行ったら、スタートに戻って繰り返して遊びます。
遊ぶときのポイント
保育学生さんがワニ役になり、ロープから落ちたら「ワニに食べられちゃうよ」とセリフを言っても面白いかもしれません。また、縄の長さを長くすれば、難易度も上がってより楽しめそうですね。
電車ごっこ(再生時間:0:31~)・つなわたり(再生時間:0:13~)のくわしい遊び方は以下の動画にまとめられています。再生時間まで進んで確認してみてくださいね。
幼児クラスで楽しめる縄跳び遊び
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幼児クラスで楽しめる縄跳び遊びを紹介します。
へのへのもへじ
縄跳びを2本使ってへのへのもへじをしてみましょう。
遊び方
1.2本の縄跳びを保育士さんと保育学生さんがそれぞれ(左右に1本ずつ)持ちます。
2.子どもたちは縄跳びに背を向けます。
3.縄跳びを持っている人は、「へーのーへーのーもーへーじ」と言いながら両手で縄跳びを動かして高さを調整します。
4.子どもたちは、縄跳びを見ないままそれぞれが「上」「下」「真ん中」のどれかを言って振り向きます。
5.「上」といった人は縄跳びの上を、「下」といった人は縄跳びの下を、「真ん中」といった人は2本の間を通って反対側に行きます。
6.通るときに縄跳びに触れたらアウトになります。
7.アウトになった子どもは縄跳びを持っている人と交代します。
8.(2)から(5)を繰り返して遊びます。
遊ぶときのポイント
慣れてきたら子どもだけでも遊べるゲームですが、縄跳びが身体に引っかかってしまうことも考えられます。はじめは保育学生さんや保育士さんが目を離さず、見守るようにするとよいでしょう。
リンボーダンス
縄跳びを使ってリンボーダンスで遊びましょう。
遊び方
1.保育学生さんと保育士さんで縄跳びの両端を持ちます。
2.縄跳びの高さを子どもの背よりやや低めに設定します。
子どもたちは縄跳びに触れないよう、くぐり抜けます。
3.縄跳びに触れてしまった子は、アウトとなり縄跳びから離れたところで座って応援します。
遊ぶときのポイント
初めは全員が通れる高さにしておきましょう。徐々に高さを下げていき、難易度を上げていくと楽しめそうです。
郵便屋さんの落とし物
縄跳びを使って歌に合わせて遊びましょう。
遊び方
1.縄跳びの両端を持って、1人の子どもが真ん中に入ります。
2.縄が止まっているところからスタートし、「せーの」の掛け声とともに縄を揺らします。
3.歌に合わせて縄を回し、中に入っている子どもはタイミングを合わせて跳びます。
遊ぶときのポイント
歌に合わせて縄を飛ぶのが難しい子どもの場合は、回さず大波小波のように足元を行ったり来たりするところをジャンプしながら遊びましょう。楽しむことが大切なので、個人個人に合った対応ができるとよいですね。
綱引き
綱引きをして遊んでみましょう。
遊び方
1.クラスのなかでいくつかのグループを作ります。
2.縄を床に置きます。
3.2つのグループで、縄の左右にわかれます。
4.つなひきのルールと同じように、引いたグループが勝ちになります。
5.何回か同じように遊びます。
遊ぶときのポイント
力の差がでないように、遊ぶ前に人数を分けてグループを作っておきましょう。引っ張ったときに密集するも考えられるので、周囲に危険なものがないか事前に確認しておくことが大切です。
リンボーダンス(再生時間:0:38~)・つなひき(再生時間:0:45~)のくわしい遊び方は以下の動画にまとめられています。再生時間まで進んで確認してみてくださいね。
縄跳び遊びをするときに気をつけるポイント
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縄跳び遊びをするときに気をつけるポイントを3つ紹介します。
子どもたちの服装・履物を確認する
フードやヒラヒラした洋服は、縄に引っかかってしまうことがあります。そのため、動きやすい服装にするとともに上着のファスナーを閉めるなどを事前に確認しておきましょう。
サイズが合っていない靴やサンダルなどは、縄に引っかかって脱げてしまうこともあります。そのため、はきなれているか、脱げにくい靴をはいているのかをきちんと確認しておくとよいでしょう。
広い場所で遊ぶ
縄跳びで遊ぶ場合、広い場所を選び、周囲に人がいないことを確認してから遊びましょう。周囲に人がいた場合は、場所を変えたり、遊び方を変えたりなどの工夫をするとよいかもしれません。
危険につながる遊び方を伝える
縄跳びは遊び方を間違えてしまうと危険なものになってしまいます。子どもたちには「絶対首には巻かないこと」を約束しておくとよいでしょう。そのあとで、保育学生さんは子どもたちから目を離さないように見守りつつ、様子を見てフォローすることが大切です。
縄跳び遊びのアイデアを知って子どもたちと楽しもう
今回は、縄跳び遊びのアイデアや縄の選び方などを紹介しました。
縄跳び遊びには、縄を跳ぶだけでなく、歩いたりまたいだりといったさまざまな遊び方があります。両足でジャンプしたり、縄跳びに興味を持ち始めたりする2歳児くらいから取り入れるとよいかもしれません。その際は、子どもの様子を見ながら遊び方を変えるなどしてみるとよいでしょう。
幼児クラスの場合は、友だちといっしょに遊べる「へのへのもへじ」や「ゆうびんやさん」など、歌ったりリズムに合わせたりしながら楽しめるものに挑戦してみてもよいですね。
縄の選び方や注意事項などを把握したうえで、保育で縄跳び遊びを取り入れてみましょう。