電車好きな子どもの中には、保育園で電車ごっこをして遊ぶ姿が見られるかもしれません。友だちとのかかわりを楽しんだり、社会のルールを知れたりとさまざまな効果があるようなので遊び方を知って実習などで役立てられるとよいですね。今回は電車ごっこの年齢別のやり方やねらいをまとめました。線路や電車などダンボールを使った手作りおもちゃも紹介します。
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保育園で遊ぶ電車ごっことは
電車ごっことは、電車に乗っているイメージを膨らませて遊ぶ、再現遊びのひとつです。
フープを電車のハンドルに見立てて運転したり、友だちと列になって歩き回ったりと遊び方はさまざまでしょう。
電車ごっこには以下のようなねらいが挙げられそうです。
- 友だちとイメージを共有しながら遊ぶ
- 電車に乗ったときのことを思い出して表現する
- 信号や標識などに親しみ、それらの意味を知ろうとする
保育学生さんは、「車掌さん、切符を切ってくださいな」「かんかんかん、踏切です」などイメージの広がる声かけをしたり、図鑑や絵本をいっしょに見て本物の電車の様子を教えたりできるとよいですね。
次からは年齢別に、電車ごっこの具体的なやり方をみていきましょう。
保育園での電車ごっこのやり方【乳児向け】
ここでは、乳児の子どもたち(0歳児、1歳児、2歳児)が楽しめる、電車ごっこのやり方を3つ紹介します。
1人乗りの電車ごっこ
1人乗りの電車ごっこをして遊んでみましょう。
用意するもの
- ダンボール電車
空き箱の底を抜き、紐をつけて、肩からかけて遊べる電車を作りましょう。
フープなどで代用してもよいですね。
遊び方
1.手作りのダンボール電車を身につけます。
2.運転手になったつもりで遊びましょう。
ポイント
乳児クラスでは、引っ張り合いなどのトラブルにつながらない1人乗りの電車ごっこを行うとよいでしょう。
保育学生さんが「がったんごっとん」「ききー」などオノマトペを使って遊べば、子どもたちも真似して楽しんでくれるかもしれません。
肩紐で首を絞めないよう、必ず側について見守ることが大切です。
人形のお客さんをのせる電車ごっこ
ダンボールの電車に人形のお客さんをのせて遊んでみましょう。
用意するもの
- 人形
- 引っ張り電車
空き箱に穴を開け、紐で取っ手をつけて、子どもが引っ張れるようにします。
遊び方
1.子どもたちに引っ張り電車を渡します。
2.電車に人形を入れて、引いて歩くことを楽しみます。
ポイント
電車の取っ手は、子どもが引っ張りやすいように持ち手を作るとよいかもしれません。
「どこに行くのかな」「いってらっしゃい」と子どもとのやり取りを楽しめるとよいですね。
遊ぶ前に、歩き回るためのスペースをしっかりと確保して、安全に遊べるように配慮しましょう。
みんなで乗り合わせる電車ごっこ
ソフト積み木を電車に見立てて、みんなで楽しめる電車ごっこをしてみましょう。
用意するもの
- ソフト積み木(角柱)3~4個
- ハンドル
ハンドルは小さいフープを使うほか、新聞紙を丸めて手作りする方法もあります。
遊び方
1.ソフト積み木を長椅子のように並べて、そこに座ってもらいます。
2.子どもたちにハンドルを渡します。
3.運転手になりきって、電車の歌を歌いながら楽しみます。
ポイント
しっかりと椅子に座れるようになった、1歳児後半くらいから取り入れられそうな遊びです。
ソフト積み木の高さを確認し、子どもが安全に座れるかを前もって見ておきましょう。
雰囲気を盛り上げるため「線路は続くよどこまでも」など乗り物に関する歌を歌ってもよいですね。
関連動画:リズムに乗って電車旅行の気分に「線路は続くよどこまでも」/保育士バンク!
保育園での電車ごっこのやり方【幼児向け】
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次に、幼児クラス(3歳児、4歳児、5歳児)が楽しめそうな電車ごっこのやり方を2種類紹介します。
ロープで連結する電車ごっこ
ロープで輪を作ってその中に入って遊ぶ、定番の電車ごっこを遊びましょう。
用意するもの
- ロープ
遊び方
1.ロープを使い、子ども数人が入れる大きさのわっかを作ります。
2.保育学生さんが運転手となり、子どもを誘います。
3.子どもたちと電車に乗っているイメージで遊びましょう。
ポイント
ロープを使った電車ごっこは、準備いらずで簡単にできるため、戸外での自由遊びなどに取り入れるとよさそうです。
地面に線を引いて線路に見立てるのもよいですね。
室内の場合は、ダンボールをカットして線路を作ったり、ビニールテープを貼ったりと工夫してみましょう。
子どもたちが手作りして楽しむ電車ごっこ
ダンボールをつなげて電車を作ったり、駅を作ったり、子どもたちの発想をもとに電車ごっこをしてみましょう。
用意するもの
- ダンボール
- 画用紙
- 水性ペン
- のり
- ガムテープ
子どもの発想を形にできるよう、随時必要な材料を用意するとよいでしょう。
遊び方
1.まずは、子どもたちといっしょにロープなどを使って簡単な電車ごっこを楽しみます。
2.子どもの「駅を作りたい」「ダンボールの電車があると面白そう」という言葉をもとに、遊びに必要な道具を増やしていきます。
3.見ている子どもを誘いながら、いっしょに遊びましょう。
ポイント
電車や線路のほかにも、切符や踏切などの小道具も手作りしてみても楽しそうです。
年長クラスなど、自分たちの考えをもとに工夫して遊ぶ姿が見られる頃に、このような働きかけを取り入れるとよいかもしれません。
保育学生さんは、電車の絵本を読んだり、電車に乗ったときのことを子どもに聞いたりして、子どものイメージを引き出していきましょう。
子どもの「もっとこうしたい」という気持ちを実現できるよう、いっしょに遊び方や作り方を考えていけるとよいですね。
関連動画:電車好きの子どもは大喜び!段ボールで作る車掌さんの帽子/保育士バンク!
保育園で電車ごっこをするときのポイント
保育園で電車ごっこをするときに意識するポイントをまとめました。
電車のイメージが広がるよう働きかける
電車に乗ったときのイメージを子ども同士で共有することで、遊びが盛り上がるでしょう。
保育学生さんは、「私も乗せてください」「駅はどこかな?看板があったらすぐわかるのにな」のように、イメージを広げるきっかけとなるようなかかわりができるとよさそうです。
子どものイメージが膨らめば、「運転手役とお客さん役に分かれよう」「駅の看板を作ろう」など遊びの内容もさらに展開していくかもしれません。
帽子やハンドルなどの道具を活用する
車掌さんの帽子やハンドルといった道具を使って遊ぶことで、より遊びが盛り上がりそうです。
乳児クラスの子どもたちには、あらかじめ用意しておいたおもちゃを渡すとスムーズでしょう。
取り合いにならないように、きちんと人数分作っておくことが大切です。
幼児クラスであれば、保育学生さんが材料を用意して、子どもたちといっしょに手作りしてもよいかもしれませんね。
安全に遊べるよう注意する
電車ごっこでは、子どもが列になって部屋を歩き回って遊びます。
ときには、興奮してしまって走りだしたり、友だちにぶつかったりすることもあるかもしれません。
保育学生さんは、歩き回っても大丈夫な広いスペースを用意し、事前に電車ごっこでは走らないことを約束しておきましょう。
特に、足元に物を置いていないか、動線状に机や棚などぶつかるものはないかなどに気をつけてみておくとよさそうです。
保育園で電車ごっこをして遊ぼう
今回は、保育園で楽しむ電車ごっこのやり方や手作りおもちゃについて紹介しました。
電車ごっこには、友だちとイメージを共有することや、踏切や信号など標識への親しみを持つなどのねらいがあるでしょう。
ダンボール製の電車に乗ったり、子どもたちが線路や駅を手作りしたりなど、年齢に合った遊び方ができるのも電車ごっこの魅力と言えそうです。
電車ごっこのやり方を知って、保育園で子どもたちと遊んでみてくださいね。