短所と言うと、ネガティブなイメージをもつ保育学生さんもいるかもしれません。しかし、ポジティブな言葉に言い換えることで長所につなげることができます。言い換える方法を知れば、保育士の就職面接に役立つでしょう。今回は、短所から長所へ言い換え例の一覧や具体的な例文とともに、伝えるときのポイントを紹介します。
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■目次
保育士の就職面接で長所や短所を尋ねられるのはなぜ?
保育士の履歴書や面接において、学生さんの長所や短所を問われることがあります。その意味は、学生さんが客観的に自己分析できているかや、求める人物像と合致しているかなどを園の方が確認するためとされています。
「長所は強みとして伝えられるけど、短所を伝えると評価がマイナスになるのではないか」と心配するあまりに「短所はありません」と答える学生さんもいるかもしれません。
しかし面接官は、短所とされる点から「物事のネガティブな側面にきちんと向き合い、それを克服する努力ができる人か」を見ているとされています。そのため、長所とあわせて短所もしっかりと認識し、答える内容を考えましょう。
ただし、短所をそのまま伝えるだけでは、面接官にはネガティブなイメージを強く残してしまうかもしれません。そのため、長所と結びつけてアピールしたり、克服しようと努力している姿勢を見せたりと、ポジティブな印象を与える伝え方を意識しましょう。
短所から長所への言い換え例一覧
保育士の就職面接で役立つ、短所から長所への言い換え例を一覧にまとめてみました。
短所と長所は表裏一体とも言われているため、「短所を裏返して長所に言い換える」と考えるとわかりやすいかもしれません。
では、言い換え例を参考に、保育士の自己PRに活用するときの例文を見ていきましょう。
短所を長所に言い換えた保育士の自己PRの例文
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ここでは、実際に保育士の面接で自己PRとして役立つ、短所を長所に言い換えた例文を紹介します。
心配性
私の短所は心配性なところです。たとえば、新しいことに挑戦するときなど、事前に細かく計画を立てないと不安になってしまう傾向があります。
周りの友人からは「心配しすぎだよ」と言われることもありますが、しっかり計画を立てられることを評価されることも多いです。計画の段階でさまざまなことに配慮するので、保育園で不測の事態が起きても、冷静に対処することができると考えています。
頑固
私は、目標や課題を達成するためには妥協しない性格です。そのため、周囲からは頑固と言われることがあります。
しかし、いつも心がけているのは、個人で身勝手な動きをして周囲に迷惑をかけることはしないことと、他者の意見もしっかりと聞くことです。
保育の仕事はチームワークが重要だと認識していますので、頑固という短所をカバーするためにも、周りの先生方の意見もしっかりと聞きながら適切な行動をとっていきたいと思ています。
人見知り
私の短所は人見知りな性格で、特に初対面の人と話すことを苦手としています。
それを少しでも変えるために、初対面で緊張している相手でも、普段から付き合いのある人でも、必ず笑顔で明るい挨拶をするように心がけています。まずは気持ちのよい挨拶を自分からすることで、相手と打ち解けるきっかけや信頼関係につながっていくと考えているからです。
人見知りという性格をカバーするためにも、率先して明るい挨拶をしてコミュニケーションをとり、保育園の子どもたちや先生方、保護者の方とよい関係を築いていきたいと考えています。
優柔不断
私の短所は優柔不断なところです。物事に取り組むとき、慎重になりすぎてしまい、何事も判断するのに時間がかかってしまいます。
それを克服するために、物事を決めるときにまず優先順位と期限を設けてから考えるようにしたり、ただ悩むのではなく周りの人に相談して意見をもらいながら決めるようにしたりして改善に努めました。その結果、以前より決断までに時間がかからなくなり、多角的に物事を見つめられるようになったと感じています。
貴園への内定をいただいた暁には、同僚や先輩の意見を参考にしながらも、優先すべきことを自分で見極めていけるよう心がけたいと思います。
マイペース
私の短所はマイペースなところです。
物事に夢中になると周りが見えなくなる傾向があり、大学での美術の時間において、一つの作業に多くの時間を費やしてしまい、仕上げをする前に予定時間が終わってしまったことがありました。
そういった点を自身の課題だと感じたため、あらかじめ作業ごとに割ける時間を決めたり、取りかかる前にスケジュールを確認したりするようにしました。その結果、時間内に全工程を終えられるようになり、目の前のことに集中して作業できるようになりました。
保育の業務においても、マイペースになりすぎないことを意識しながら、自分でスケジュールを管理するなどの工夫を続けていきたいと考えています。
せっかち
私の短所はせっかちなところです。最後までよく確認せずに行動してしまうことがあります。
以前、飲食店のアルバイト先で注文の最終確認を怠ったことでミスにつながった経験がありました。その経験から、時間がかかっても最後まできちんと確認をすることを徹底するようにし、結果的に注文ミスの回数を減らすことにつながりました。
保育の現場においても、しっかりと確認を行なったうえで行動することを心がけ、常に落ち着いて対応することを意識していきたいです。
自信がない
私の短所は、自信がないところです。大学の講義の課題で指導案を作成した際に、「本当にこれでよいのかな。よい評価を受けられないかもしれない」と心配になり、なかなか自信をもって進められないことがありました。
しかし、積極的に先生にアドバイスを求めたり、それまで講義で習ってきた内容を見返したりして丁寧に作成した結果、「細かいところまで配慮された、大変よい指導案ですね」と評価をいただくことができました。
そのことから、アドバイスを素直に聞けることや、さまざまなことに配慮することができるなど、自信がない性格がプラスに働くこともあるのだと気づけました。この経験をもとに、保育の業務にも前向きに取り組んでいきたいと思います。
短所を長所に言い換えて伝えるときのポイント
最後に、短所を長所に言い換えて伝えるときのポイントを紹介します。
リスクにつながる短所を伝えるのは避ける
損害やトラブルにつながりそうな短所は、企業や園からの信用を失ってしまう恐れがあるため、伝えないようにしましょう。
たとえば「時間にルーズ」「うそをつく」などの短所は長所への言い換えも難しく、面接官から「採用することにリスクがある」と見なされる可能性があるので、避けることが大切です。
ポジティブな伝え方を意識する
短所を回答するときは、弱みをカバーするために心がけていることや、それを克服しようとしている姿勢を長所として言い換えるのも一つの方法です。 そうすることで、自身に短所を自覚する自己分析力があることや、課題に対し逃げずにポジティブに取り組んでいける向上心があることなどを、アピールするチャンスになるかもしれません。
入職後にどう活かせるのかを伝える
短所を長所に言い換えるときは、入職後における改善点や園に貢献できることを伝えるのもポイントといえるでしょう。
短所を改善するために行っていることや保育の現場で活かせることを交えて話すことで、ネガティブな印象をポジティブに変換できそうです。
面接官に「短所を自覚しつつ、前向きに仕事に取り組める人なのだな」という印象を与えることもでき、自己PRにもつながるかもしれません。
短所を長所に言い換えて、保育士の面接でアピールしよう
今回は、短所を長所に言い換える例の一覧や、伝えるときのポイントなどを紹介しました。
心配性、優柔不断、自信がないといった短所と思える点も、長所に言い換えたり、克服しようとしている姿勢を伝えたりすれば、自己PRにつながるかもしれません。さらに入職後どのように活かしていくかを説明すれば、面接官に好印象を与えることもできそうです。
自己分析を通して短所や弱みと思う点を一覧に挙げたうえで、どのように伝えればポジティブな印象になるか考えて、保育士の面接で自身をアピールできるとよいですね。