電車ごっこの指導案の書き方。ねらいや導入、援助のやり方や工夫するポイント

電車ごっこの指導案の書き方について知りたい保育学生さんもいるでしょう。
ねらいや予想される子どもの姿、環境構成など項目ごとの記入の仕方がわかれば保育実習や入職後に役立てられるかもしれません。
今回は、電車ごっこの指導案の書き方を紹介します。あわせて保育に取り入れるときの注意点もまとめました。

おもちゃの電車で遊ぶ様子

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電車ごっこの指導案の書き方を知ろう!

段ボールや縄跳びなどを使って簡単に電車になりきれる電車ごっこ。
1人で遊べるだけでなく、友だち同士でも楽しめるので子どもたち人気かもしれません。

電車ごっこの基本的な遊び方は以下となります。

1.前の人の肩に手を置いて友だちと連結をします。

2.連結したまま、部屋のなかを1周します。

3.1周したら停まって先頭を交代します。

4.先頭を交代して(2)~(4)を繰り返して遊びます。

道具などを用意すれば、実習などで簡単に取り入れられそうな電車ごっこですが、安全かつ子どもたちが楽しむためにも指導案をきちんと作成しましょう。スムーズに活動ができるようにするには、どのようにねらいなどを立てるとよいのでしょうか。

今回は、電車ごっこを保育に取り入れるうえでの指導案の書き方を紹介します。
まずはポイントから見ていきましょう。

電車ごっこの指導案を書くときのポイント

電車ごっこの指導案作成では、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。
ここでは、指導案を書くときのポイントを紹介します。

ねらい

指導案に記入するねらいとは、活動を通して経験してほしいことなどの目標です。普段の子どもたちの様子を見たうえで、電車ごっこを行なう意味や目的などを考えてねらいを決められるとよいですね。

環境構成

環境構成とは、保育学生さんが事前に行なう準備や導入の仕方、活動の進め方などのことです。電車ごっこの指導案を書くときは、発車場所、停車場所、説明の仕方などを具体的に記入することが大切です。

予想される子どもの姿

予想される子どもの姿とは、活動のなかで子どもたちへの対応を行なうために、子どもがどのような動きをするのかを予想することです。項目欄には、担当クラスの子どもたちの普段の様子から考えられる動きを予想して記入します。

走る、ぶつかる、友だちと協力し合うなどさまざまな動きを考えておくと、活動に入った際に対応しやすくなるでしょう。

保育者の援助留意点

保育者の援助と配慮は、子どもの動きに対応するための援助の仕方や配慮をする点のことです。予想される子どもの姿をもとに対応を考えておくと、それに合った援助がしやすくなるでしょう。

指導案を作成するときには、保育学生さんが活動全体をシミュレーションして、気をつけることを記載しておくとよいですね。

電車ごっこの指導案の記入例

書き方のポイントを抑えたところで、詳しい記入例について見ていきましょう。

ねらい

電車ごっこのねらいは以下のように挙げられます。

  • 簡単なルールを理解する
  • 友だちといっしょに楽しく電車ごっこをする

電車ごっこは、1周か2周したら運転手さんを交代するという簡単なルールがあります。もし、遊び方が理解できない子どもがいた場合は、保育学生さんがいっしょに遊んで声がけなどをすれば、少しずつルールを理解するようになるでしょう。

電車ごっこを通して友だちといっしょに遊びながら話し合ったり、少し違った遊びに展開したりと子どもたち同士で遊ぶ楽しさを味わえるでしょう。友だちとつながって遊ぶ楽しさや、自分とは異なる意見を取り入れたりすることで友だちとの関係も深まるかもしれません。

環境構成

まずは電車が出てくる手遊びをしたり、紙芝居、絵本などを読み聞かせたりなどの「導入」をして電車に対する子どもたちの想像を膨らませましょう。
加えて、以下の準備などをするとよいかもしれません。

  • どこを通るのか子どもたちに線路と駅を決めてもらう
  • 電車ごっこのルールを確認できるように時間を作る
  • 練習をしてから、実際に手作りした段ボール電車を付ける
  • 運転手さんを子どもたち同士で決める
  • 子どもたちの様子を見ながら、踏切や切符などを用意して遊ぶ

子どもたちのなかには、電車ごっこで遊んだことのある子どももいるかもしれません。ルールを理解している子どもがいることも想定しておくとよいでしょう。

そうすることで、子ども同士でルールを確認したり、電車別のグループを決めたりする姿が見られるかもしれません。

予想される子どもの姿

電車ごっこでは次のような子どもの姿が予想されるかもしれません。

  • 友だちと楽しんで遊んでいる
  • 楽しくなって走ってしまう
  • 運転手さんを続けてやりたい子がいる
  • 順番を抜かしてしまう子が出る可能性がある
  • 歌を歌ったり「シュッシュッ」「ガタンガタン」など言ったりしながら遊ぶ子もいる

予想される子どもの姿は、楽しんで遊べる子となかなか遊びに参加できない子など、パターンを想定して記入しましょう。これはあくまで記入例なので、保育実習の際はまた違った子どもの姿も見られるかもしれません。ここでのポイントは、クラスの子どもたちを想定することが前提になりますので、実際のクラスの様子をよく確認しながら書くことが大切です。

援助の仕方

電車ごっこの援助の仕方として、以下のようなことが挙げられます。

  • 走って転んでしまったり、順番を抜かしてしまうなどトラブルが起きた場合、子どもたちの話を聞いたり年齢によっては子どもたち同士で解決方法を考えたりする
  • いくつかの電車が分かれて走るとき、線路の順路を一方通行にするなどルールを提案する
  • 電車同士の感覚があまり開いていないときは、駅での停車時間を長めにしたりぶつからないようしたりと、遊びが楽しめるような声がけをする

電車ごっこを通して友だちといっしょに遊ぶ楽しさを感じたり、子ども同士で話し合えたりするように援助をしましょう。電車ごっこをしている中で起こりうるトラブルを想定しておき、どう援助すると楽しく遊びができるかなどを具体的に考えておくことが大切です。

子どもたちから「こうしたい」など考えが出たら、クラス全体で話し合い遊びを発展させるのもよいかもしれません。

電車ごっこ遊びをするときの注意点

積み木の電車で遊ぶ子ども

MIA Studio/shutterstock.com

電車ごっこ遊びをするときの注意点をまとめました。

危険がないように約束を決めておく

電車ごっこは基本一列になって遊ぶので、先頭の子どもが走ってしまうと後ろについている子が転んでしまう危険があります。そのため、事前に走らず歩いて動くことを約束しましょう。

指導案には、具体的に「走ると友だちとぶつかってしまうかもしれないので、歩いて遊ぼうね」など保育学生さんが実際に子どもたちに伝える言葉を記入しておくと活動もスムーズに進められるかもしれません。

楽しめるように工夫をする

電車ごっこの指導案作成の段階で、ただ遊ぶだけではなく子どもたちが楽しむためにはどうすればいいのかを考えておくことが大切です。

たとえば、人数が多い場合はいくつかのグループに分かれたり、事前に段ボールなどで車体、切符、踏切などを手作りして遊びを盛り上げられる工夫したりするなどが挙げられます。

工夫の仕方を具体的に記載できるとさまざまな想定ができ、電車ごっこ遊びを楽しめるでしょう。

電車ごっこの指導案の書き方を知って実習や入職に活用しよう

今回は、電車ごっこの指導案の書き方を紹介しました。

指導案を作成するときは、導入、ねらい、子どもの姿、環境構成、保育士の援助のやり方などをきちんと考えて記入することが大切です。ねらいをきちんと考えることで、どのように保育活動をしていくのかがわかりやすくなり、子どもたちにとって楽しめる活動になるでしょう。

また、事前に電車ごっこの歌を歌ったり切符や電車の車体を手作りしたりと、環境を整えておくだけでも遊びが盛り上がりそうです。

指導案を作成する際はそのときの保育活動だけでなく、日頃の子どもの姿に基づいたうえで、子どもたちがより楽しめるような準備ができるとよいですね。

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