0歳児の赤ちゃんのできることの目安を知って、製作をしてみましょう。絵の具を使って手形や指スタンプなど、五感を育みながら楽しめるアイデアがさまざまあるため、実習や入職後に役立てられるとよいですね。今回は、0歳児が楽しんでできる製作について、やり方やねらい、配慮する点をまとめました。
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■目次
0歳児はどんな時期?
0歳児の赤ちゃんは、保育士さんの言葉がけに対して「アー」「ウー」などと声を出しておしゃべりしたり、手を握ったり、パーやグーにしてみたりと少しずつ手先を動かす姿も見られるかもしれません。一方で、月齢の違いがとても大きい頃でもあるようです。
毎日少しずつ成長するこの時期の特徴を生かして、手形や足形、指スタンプなどの製作をしてみましょう。
0歳児の製作には以下のようなねらいが挙げられます。
- 製作遊びを通して、見る、聞く、触れるなどのさまざまな感覚を味わう
- クレヨンや絵の具に触れたり描いたりして楽しむ
製作遊びを通して、五感を使ったり楽しんだりしながら表現することをねらいとしているようです。
0歳児のできることの目安をきちんと把握したうえで、活動を進めていきましょう。
0歳児の製作で配慮する点
0歳児の製作で配慮する点をまとめました。
月齢に合わせた援助をする
製作遊びを通して、初めて見るものに興味を持ったり、手形や指スタンプを押したりするのが楽しいと感じるかもしれません。
しかし、月齢の差が見られる時期でもあるので、一人ひとり余裕を持って行えるように環境作りや時間に配慮するとよいでしょう。
子どもの状況にあわせて態勢を整えるなど、臨機応変に対応することが求められそうです。
色の選び方を工夫する
画用紙や絵の具を用意するときは、子どもたちが興味を持てるような明るい色(赤、黄色、青、緑など)を選ぶようにしましょう。そうすると製作に期待が持てるかもしれません。
保育学生さんは、実際に画用紙や絵の具を見せながら「こんな色もあるよ」と教えてもよいかもしれません。
安全に配慮する
用意しておく材料は子どもたちの手が届かない場所に置いておきましょう。製作中も、口に入れないようにそばについて見守ったり、事前に数を把握したりしておくとよいかもしれません。
子どもの様子を見守りつつ、一人ひとりに合った援助や配慮をすることが大切です。
0歳児向けの製作:手形、足形スタンプ
0歳児の子どもたちが楽しめる製作アイデアを紹介します。
こいのぼり製作
手形スタンプをつけるこいのぼりの製作を見ていきましょう。
用意するもの
- 画用紙(白、赤、青、黄色など)
- 絵の具
- 絵の具の筆
- のり
- はさみ
作り方
1.こいのぼりの形に画用紙を切っておきます。
2.手に絵の具をつけて白い画用紙に手形を押して切ります。
3.(1)の画用紙に模様や目をのりで貼り付けます。
4.(2)をこいのぼりにのりで貼り付ければできあがりです。
製作のポイント
手形を取る前に名前を画用紙の裏面に記入しておくと、紛失や混乱を防ぐことができます。模様は保育士さんや保育学生さんが折り紙などで貼り付けたり、絵の具でかいたりするとよいでしょう。
手形のおばけ
かわいい手形がついているおばけの作り方を見ていきましょう。
用意するもの
- 画用紙(白、灰色)
- 絵の具
- 手を拭くタオル
- 新聞紙
作り方
1.灰色の画用紙をおばけの形に切っておきます。
2.子どもの手に絵の具を塗ります。
3.白い画用紙に子どもの手形を押します。
4.(3)を手の形にはさみで切ります。
5.(1)に(4)と目や口をのりで貼りつけるとできあがりです。
製作のポイント
画用紙で作るおばけや絵の具はいろいろな色を用意しておいてもよいかもしれません。
目や口は「ここでよいかな」と子どもに聞きながら、おばけの顔を作ってもよいかもしれません。
手形のトナカイ
手をトナカイの角に見立てた製作のアイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- はさみ
- のり
作り方
1.茶色の画用紙でトナカイの顔と鼻などのパーツを作ります。
2.白い画用紙に茶色の絵の具をつけた手を押して、手形をはさみで切ります。
3.(1)に(2)の角とトナカイの目や鼻などをつければできあがりです。
製作のポイント
机には汚れ防止のため新聞紙を敷いておきましょう。
子どもが手を動かしてしまうと、手形がズレてしまうことも考えられるので、保育学生さんが子どもの手を少しだけ押さえて動かないようにするとよいかもしれません。
ひな人形製作
足形を着物に見立てた雛人形の製作アイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- 折り紙
- はさみ
- のり
作り方
1.お雛様とお内裏様の顔や人形を貼る台などを画用紙で作ります。
2.白い画用紙に、絵の具を付けた手形を押してはさみで切ります。
3.台紙に(2)と(1)を貼り付ければできあがりです。
製作のポイント
おひな様を貼る台紙は赤や黄色などの色選ぶとよいでしょう。桃の花やひしもちなどを作って貼るとよりひな祭の雰囲気が出るかもしれません。
0歳児向けの製作:指スタンプ編
0歳児の子どもたちが楽しめる製作のアイデアを紹介します。
キノコ
カラフルなキノコの作り方を見ていきましょう。
用意するもの
- 画用紙(ピンク、黄色)
- 絵の具
- のり
- はさみ
製作のポイント
好きな色を押せるようにいろいろな色の絵の具を用意しておきましょう。
指スタンプを押しすぎてしまうと色が混ざってしまうことも考えられるので、ある程度できたら「たくさん押せたね」など言葉をかけながら、新しい画用紙を用紙するとよいかもしれません(詳しい説明はこちら)
花火
黒い画用紙に指スタンプでカラフルな花火を表現し、夏にぴったりな製作を作りましょう。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- 手を拭くタオル
製作のポイント
1本の指を使ってスタンプを押すのが難しい場合は、片手5本に絵の具をつけて押してみるとよいかもしれません。
色はなるべく明るい色を選ぶと、本物の花火のようにカラフルに表現できそうですね。
クリスマスツリー
指スタンプでカラフルなクリスマスツリーの製作です。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- 指を拭くタオル
- 新聞紙(机に敷く)
作り方
1.クリスマスツリーの形に画用紙を切っておきます。
2.指に絵の具を付けて(1)の画用紙に押します。
3.事前に作っておいた星や飾りを貼り付ければできあがりです。
製作のポイント
A4サイズくらいの画用紙を使ってクリスマスツリーを切り取ると、スタンプしやすいでしょう。
押すのが苦手な子がいた場合は無理に製作を進めず、他の子からはじめて、様子を見せるようにするとよいかもしれません。
0歳児向けの製作:道具や素材を使ったもの編
0歳児後半ぐらいを目安に楽しめる、道具を使った製作のアイデアを紹介します。
かたつむり
クレヨンでなぐり書きをして楽しめるカタツムリを作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙
- クレヨン
- はさみ
- のり
作り方
1.画用紙でカタツムリの甲羅と身体を作ります。
2.甲羅にクレヨンでなぐり書きをします。
3.(1)と(2)と目などを貼り付ければできあがりです。
製作のポイント
クレヨンを持ちにくそうにしている子どもがいたら、いっしょに持ってかくようにするとよいかもしれません。
好きな色を選べるよう、何色かクレヨンを用意しておきましょう。
雪だるま
指に絵の具をつけて、雪だるまに雪を降らせてみましょう。
用意するもの
- 絵の具(白)
- 画用紙(紺色)
- 画用紙(白色)
- のり
- はさみ
- 水性マーカー
作り方
1.紺色の画用紙に白い絵の具を指に付けて雪をかきます。
2.あらかじめ作っておいた雪だるまを(1)の画用紙に貼り付けます。
3.水性マーカーで顔をかき、あらかじめ作っておいた帽子を貼り付ければできあがりです。
製作のポイント
自分で画用紙に雪だるまを貼りつけたい子もいるかもしれないので、保育士さんや保育学生さんがのりをつけ、子ども自身で貼れるようにしてもよいでしょう。
指スタンプが苦手な子は、保育学生さんが実際に製作の見本を見せたり、他の子どもから進めたりするとよいかもしれません。
デカルコマニーでお絵かき
デカルコマニーとは、紙の半分に絵の具をつけ、半分に折って左右対称な模様を作ることを言います。転写で楽しめる製作をしてみましょう。
用意するもの
- 画用紙
- 食品トレー
- 鉛筆
- 乳酸菌飲料の容器
- スタンプ台
- 両面テープ
- マスキングテープ
- はさみ
製作をするときのポイント
乳酸菌飲料の容器のスタンプは、保育学生さんが事前に作っておきましょう。子どもの中にはスタンプをたくさん押したい子もいるかもしれないので、台紙や絵の具などを多めに用意しておきましょう。
トイレットペーパーの芯でスタンプ
トイレットペーパーの芯を使ってスタンプ遊びをしましょう。
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 数個
- 画用紙
- 絵の具
- はさみ
- クレヨン
作り方
1.トイレットペーパーの芯の端に切り込みを入れ、広げます。
2.広げた切り込みに絵の具を付けて画用紙に押せばできあがりです。
製作のポイント
いろいろな色を用意しておくと、子どもたちが好きな色を選んで製作を楽しめるかもしれません。
アレンジとしてスタンプを押した後に、保育学生さんが目や口を付ければライオンを作ることができそうですね。
0歳児のできることの目安を知って、製作を楽しもう
今回は、0歳児ができる製作アイデアを紹介しました。
この時期には、絵の具を使って手形や足形スタンプをしたり、0歳児後半くらいからは素材などを使ったりしてさまざまな製作を楽しむことができそうです。
月齢の差が大きく援助の仕方もさまざま違うので、その子に合った対応をしながら活動を進めていきましょう。