1歳児はどんなことができるのか知りたい保育学生さんもいるでしょう。
好奇心が旺盛で、自我が芽生える時期なので、援助の仕方などを知ることができれば、実習に役立てるかもしれません。
今回は、1歳児ができることを遊び編、言葉編、生活編に分けて紹介します。あわせて、特徴や接し方のポイントもまとめました。
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■目次
1歳児はどんな時期?見られる姿や特徴
1歳になると、伝い歩きや大人の手に捕まって歩く姿が見られるころのようです。テレビや音楽に合わせて自発的に体を動かしたり、指先で小さなものをつまんだり、喃語を話したりする子などさまざまでしょう。
さらに、言葉の意味を理解し始める頃でもあるので、身近な大人とのコミュニケーションを通じて、ものの名前を覚えるなど、子どもと意思の疎通が取りやすくなるかもしれません。
保育園では集団で過ごすため、友だちからの刺激を受け、いっしょに遊んだり生活をしたりするなかでさまざまなことを吸収していくでしょう。
今回は1歳児ができるようになっていくことに着目して、紹介します。
1歳児ができること:遊び編
1歳児が遊びのなかでできるようになっていくことをみていきましょう。
音楽に合わせて身体を動かす
知っている曲が流れると、音楽に合わせて踊ったり歌ったりすることができるようになる時期でしょう。0歳児頃のずりばいやハイハイなどを経て歩ける頃になると、行動範囲も広がり、さまざまなことにも興味を持ち始めるかもしれません。
また、テレビに合わせて同じ体操を真似することもあるでしょう。 身体を動かしたり、歌ったりする楽しさがわかると、自発的の行動する姿も見られる頃といえそうです。
保育学生さんは子ども番組で流れている曲や振り付けを覚えておくと子どもたちといっしょに楽しめるかもしれませんね。
おもちゃを積み上げる・崩す
ブロックや積み木などのおもちゃを手や全身を使って、いろいろな高さや形に積み上げられるようになったり、崩したりして遊ぶ時期とも言えるでしょう。
手先を器用に使えるようになってくることで、積み上げり崩したりする楽しさを味わえたり、形の違いも発見したりするかもしれません。また、繰り返し遊ぶことで、1人遊びもじょうずになってくる時期とも言えそうですね。
その際の援助のポイントとして、1歳児の子が集中して遊んでいるときは見守り、なかなか思い通りできないときには保育学生さんが「こうするとよいね」といった、伝えながら実際に見せるなどのフォローができるとよいかもしれません。
お絵かきに興味を持ち始める
1歳児になると、クレヨンなどを持って紙に絵を描くことに興味が出てくる頃でもあるようです。
初めてクレヨンで描いてみると「こんなに描けるんだ」「楽しい」など子どもたちが感じるかもしれません。周りで見ている子のなかには「何で描けるんだろう」と疑問に感じたり、「早くやりたい」と意欲を持ったりする子もいるでしょう。
その際、力が弱く色が出にくい場合も考えられるので、少しの力で描けるようなクレヨンを用意しておくとよいかもしれませんね。
また、クレヨンなどを持つ、紙に描くといった2つの動作があるので難しく感じる子も出てくるでしょう。そんなときは、いっしょにクレヨンを持って絵を描いたり、紙を押さえたりして、その子がやりたいことを達成できるような援助をするとよさそうです。
1歳児ができること:言葉のやり取り編
1歳児が周りの人との言葉のやり取りを通して、できるようになっていくことを見ていきましょう。
語彙が増える
友だちや保育士さんの言葉を聞くことで、語彙が増え、伝えられるようになる時期のようです。子どものなかには、単語の量が増えて2語文で話せるようになる子どももいるかもしれません。覚えたての単語を使ったり、言い間違えが見られたりするのも、この時期ならではのかわいい姿といえるでしょう。
大人からの言葉がけをする中でも単語をたくさん吸収していくようです。短い言葉やオノマトペなどを繰り返していくと、子どもが覚えて同じ言葉を真似する姿もみられるかもしれませんね。
言葉を理解する
使っている言葉を理解し始める頃のようです。家庭や保育園で「おいしいね」「おくちあーんして」などよく使う言葉の意味がわかってくる子も増えてくるでしょう。また、「まんま」「ブーブ」など片言の言葉を盛んに使う子も出てくるかもしれません。
また、話しかけると返事をするようになってくる時期でもあるようです。「はい」「いいよ」「やや」など、大人が質問したことに対して答えてくれるようになると、意思疎通がスムーズになりそうですね。
1歳児ができること:日常生活での行動編
日常生活のなかで、1歳児ができるようになってくることを見ていきましょう。
スプーンやフォークを使う
1歳になると、手づかみ食べからスプーンやフォークなど食事の道具を徐々に使うようになるようです。使い続けることによって、使い方も上手になってくる時期でしょう。
一方で、まだ慣れず食事が思い通りに食べられなかったり、落としてしまったりすることも考えられます。スプーンやフォークをそのまま使いたい子は様子を見つつ、使いたくない子は手づかみでもよいと伝えたり、いっしょに持ったりなどの対応ができるとよいでしょう。
大人の真似をする
大人の仕草を真似し始める頃のようです。普段何気なくしていることの、テレビのリモコンを押したり、電話をかけたりなど大人の様子を見ているのでしょう。
子どもから見ると何をしているんだろうと興味津々なのかもしれません。自分も同じようにやりたい、やってみたいという気持ちがより一層強くなる時期といえそうですね。
衣服や靴の着脱をしようとする
今までは、保育士さんに着脱をしてもらっていたことでも、自分から脱ごうとしたり、靴を履こうとしたりする姿が見られるようになってくる時期です。
子ども自身、身体の使い方が上手になると、自分でやりたいと思うことが増えてくることでしょう。それにより、子どもが自分から衣服の着脱や靴の脱ぎ履きをしようとする意欲につながるかもしれません。
そういった姿が見られた時には、洋服を頭から被せるだけ、などにすると自分から手を出せたという達成感につながるでしょう。子どもの様子を見ながら、援助の加減を調整していけるとよいですね。
1歳児の子どもたちと接するときのポイント
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自我が芽生え、何に対しても好奇心がいっぱいの1歳児の子どもたちと接するときのポイントをまとめました。
子どもが挑戦しやすい状況を作る
先述してきたように、1歳児は何ごとも自分でやってみたいことが増えていき、自我が芽生える始める頃です。子どもが自分の力で達成感を味わえるようにするためにも、子どもが自ら挑戦したいと思えるような環境や状況を作ることが大切だと言えるでしょう。
たとえば、靴を1人で履けるように、かかと部分にひもを付けるなどして、靴を履きやすいようにします。日常の生活習慣のなかで、子どもの達成感につながることは多くあるためいくつか探しておくとよいかもしれません。
何をしてよいかわからない場合は、現場にいる保育士さんに聞いたり、子どもの発達に合わせた対応ができたりするとよいですね。
子どもの気持ちを理解して共感する
子どものやりたい気持ちを優先して、まずは手を出さず見守ることが大切です。大人が行なうと時間もかからずできますが、それでは子どもの気持ちを否定してしまったり、子どものやりたい意欲を損なわせたりすることにもつながります。
そのためにも、時間に余裕を持って活動するようにしておくとよいかもしれません。そうすることで自分にも余裕ができ、子どもの姿をきちんと見守れる環境を作れるかもしれませんね。
1歳児の特徴やできるようになることを把握して、活動の援助をしよう
今回は、1歳児の特徴やできることを紹介しました。
自我が芽生えてくる頃でもある一方で、好奇心旺盛な子どもたちは「やりたいこと」と「できること」が異なっている場合もあるかもしれません。そのため、子ども一人ひとりの状況をきちんと見極めながら対応することが求められるでしょう。
遊びや生活、言葉など、援助の仕方を工夫したり、加減を調整することで子どもだけで達成できたりするかもしれません。 1歳児の子どもたちのできるようになることを把握して、実習や入職後では適切な対応ができるとよいですね。