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【日案の書き方】ねらいの例文と作成例。新卒保育士がスムーズに書くためのポイント

子どもたちの成長や興味に合った保育を考えるうえで欠かせない日案。新卒保育士さんや保育学生さんのなかには、指導案の書き方がわからず戸惑っている方も多いかもしれません。ねらいや援助の例文、年齢に合った作成例があるとわかりやすいですよね。今回は、日案とはどういうものか、年齢別に書き方のポイントや例文を紹介します。

保育士の写真

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日案とは

責任実習や入職後などには、「日案」という保育書類を作成する場面があるかもしれません。
日案とは、一日単位で保育の流れを時系列に沿って計画していく指導計画のことを指します。


初めて日案を作成する場合、何を書けばよいかわからず悩んでしまいますよね。


そもそも、日案をはじめとする指導計画(指導案)とはどのようなものなのか、厚生労働省の「保育所保育指針解説」をもとにくわしく解説します。



そもそも保育の指導計画とは


保育指導案や指導計画とは、これから行う保育の方向性や内容を示すために、以下のような項目を記述する書類です。


  • 保育のねらい
  • 内容
  • 環境構成
  • 予想される子どもの活動
  • 保育士さんの援助

指導計画には、子どもの生活や育ちを見通した”長期的な計画”と、それをベースにより具体的に日々の生活に即した”短期的な計画”があります。


長期的な計画と短期的な計画には、それぞれ以下のような書類が挙げられます。


  • 長期的な計画…年間計画、月案など
  • 短期的な計画…週案、日案など

園によって形式や作成時期などは異なりますが、保育施設では、おおむねこれらの指導計画をもとに保育が進められることとなっています。



なぜ指導計画が必要なの?


保育所保育指針では、保育園において子どもの育ちを保障するには、子どもの発達を見通しながら、計画性のある保育を実践することが必要になると示されています。


そのためには、子どもの育ちを見通して作成する長期の指導計画と、よりきめ細やかに子どもの実態に合わせた短期の指導計画が必要になると言えるでしょう。


また、指導案などの計画に基づいて保育を実践し、そのあとに保育の記録をとって振り返りを行い、また次の指導計画に活かすという循環も大切になります。


すなわち、以下のポイントを実現するために、長期から短期まで幅広く指導計画を作成し、反省や自己評価を通して振り返りを行う必要性があると言えそうですね。


  • 子どもの成長および生活の連続性に配慮する
  • 子どもたちの今後の成長に見通しを持つ
  • 一人ひとりの実態に合わせて適切に援助する

新卒保育士さんや保育学生さんは上記のことを念頭においておけば、子どもの育ちという目的意識を持って指導案を計画していけるかもしれません。



日案では具体的に何を書くの?


1日のねらいを立てて、活動内容や予想される姿、保育者の援助などを時系列に沿って詳細に書いていく場合が多いでしょう。


テンプレートは園によってさまざまで、週案と日案を組み合わせた書式を採用している園もあるようです。


日案を書く際には、まずは1日のねらいを立てたあとに、主活動・自由遊びの内容を考えていくとスムーズ。
日案を立てるには1日の生活の流れを把握しておくことが大切になるので、普段の活動時間をメモしておくとよさそうですね。


出典:保育所保育指針解説/厚生労働省



日案のポイント

日案を作成する保育士の写真

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日案とはどんなものか、指導計画を作成する意味がわかったところで、日案を書くときのポイントを紹介します。



子どもの興味・関心や遊びの連続性を意識する


日案を含む指導計画では、クラスの子どもが興味を持っていること、関心のあることなどをもとに、意欲を持って楽しめる活動を考えてみましょう。


そのためには、子どもの発達に合っているかや、現在楽しんでいる遊びと地続きの活動であるかを観察するとよいですね。


例えば、数日間ままごとが盛り上がっていたら、レストランでご飯を食べられるようテーブルやお店の看板を用意しておくといった援助が考えられるでしょう。


まだ子どもたちの興味・関心がどこにあるかや、どんな遊びを経験してきたかがわからない実習序盤などには、指導担当の保育士さんに尋ねてみるのもよいかもしれません。



時間の見通しを持って保育内容や環境構成を細かく設定する


日案は、年間計画や月案とは異なり、1日の活動内容を時系列で詳しく設定するという特徴があります。


この点を活かして、子どもがどんな動きをするかや、保育学生さんがどう声かけをするかといった保育内容、おもちゃや道具の配置といった環境設定をきめ細かく考えていきましょう。


また、1日の生活に見通しを持つためにも、活動の開始時間や終了時間などまで詳細に設定しておくことで、スムーズに保育が進められそうです。



実践する際には計画にとらわれすぎない


日案に沿って1日の保育を実践することが前提となりますが、活動内容や時間を細かく決めたからと言って、計画にとらわれすぎないことも重要になります。


計画にない遊びであっても、子どもたちが遊びに集中していたら楽しめる時間を多めに取るなど、子どもの様子に合わせて臨機応変にかかわりましょう。


計画にとらわれすぎて一斉に「させる」保育になるよりも、子どもの姿に合わせて柔軟に対応することが大切と言えそうですね。



日案の作成例

ここでは、3歳児クラスを想定して、日案の例を作成してみました。


実習先や入職先の園によって書類の形式や活動の流れはさまざまですが、書き方の参考にしてみてくださいね。


日案の作成例

上記の例のように、大きな活動の流れを「〇」などの記号で示し、予想される子どもの動きを「・」や「→」などで記述していくと見やすくなるかもしれません。


また、子どもの姿と保育士さんの援助が対応するように、行を整えながら書くことも大切になるでしょう。


子どもの姿をしっかりと予想するとともに、保育士さんにはどのような声かけや援助が必要になるのかを考えておくことが重要な点と言えますね。



【年齢別】日案の書き方

日案を作成する保育士の写真

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最後に、0歳児から5歳児までの年齢別に、日案を作成するときのポイントをまとめました。



0歳児


0歳児の赤ちゃんたちは、睡眠や授乳など、一人ひとり生活リズムに個人差がある時期かもしれません。


例えば、午前中や夕方など眠くなったタイミングで睡眠を取ったり、登園が早い子や月齢が低い子はミルクの回数が多かったりするようです。


日案はクラス単位で作成するものですが「眠くなる子どもは個別に午前睡をする」など記入をして、一人ひとりのリズムに沿って過ごせるよう配慮をしていきましょう。



1歳児、2歳児


1歳児や2歳児になると、みんなそろっての朝の会や読み聞かせなど、集団で何かをする場面も増えてくるでしょう。


ただ、月齢やその子の性格によっては、集中して座っていられる時間が短かったり、大人に手伝ってもらう必要があったりと個人差も大きい時期と言えそうです。


そのため、全体の流れを意識しながらも、個々に合わせて援助していけるよう、日案ではしっかりと子どもの姿を予想しておくことが大切ですね。



3歳児、4歳児、5歳児


幼児クラスにあたる3歳児、4歳児、5歳児クラスは、朝の会の内容やトイレに行くタイミング、片付けの時間など、園生活の流れがしっかりとできている園が多いかもしれません。


実習や入職後に日案を作成する際には、先輩保育士さんが行う保育の流れをしっかりと覚えておき、なるべく同じペースで過ごせるようにタイムスケジュールを考えておきましょう。


また、自分である程度身の回りのことをできるようになるため、大人が援助しすぎないことも大切かもしれません。



書き方や例文を知って、日案作成に役立てよう

今回は、保育計画の一つである日案とは何かや、年齢別の書き方のポイントを紹介しました。


保育園での1日の活動の流れやねらいを計画する日案。月案や週案よりも細かく設定できるため、活動内容やかかわり方、時間配分を詳細に計画できることが特徴と言えます。


日案の書き方例を参考に、実習や入職後の保育書類の作成に活かしてみてくださいね。


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