さわり心地やきれいな色を楽しめる寒天遊び。基本の寒天の作り方や火を使わない方法、食紅の代わりになるものなどを知り、子どもたちと寒天遊びを楽しみましょう。今回は、保育に取り入れる際のねらいも紹介するので、子どもの遊びの幅を広げたい新卒保育士さんや保育学生さんは参考にしてみてくださいね。
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寒天遊びの概要と保育のねらい
寒天は海藻を原料としており、プルプルとした触感が特徴的な食べ物です。透けた色合いをしているため、着色料で色を付ければきれいな見た目に仕上がることも特徴の一つですよね。
そんな寒天の性質を活用して、さまざまな感触遊びを楽しむことができます。
ここでは、寒天遊びの概要やねらいについて、くわしく見ていきましょう。
寒天遊びとは
寒天遊びとは、食紅で色付けした寒天をさわって遊ぶ感触遊びの一つです。
寒天は光が当たると透き通ったりキラキラして輝いたりするので、「このきれいなものはなんだろう?」と子どもの興味を引きやすい素材と言えるでしょう。
また、寒天は食材であるため、万が一子どもの口に入ってしまっても比較的安全と言えます。つついたりにぎったりするような遊び方であれば、0歳児や1歳児から取り入れることができそうですね。
寒天は保育園で簡単に作れるものなので、保育に取り入れやすいでしょう。
なお、寒天よりも少し柔らかいゼラチンを使用することもあるかもしれません。さまざまな寒天の作り方を覚え、保育に役立てていきましょう。
寒天遊びのねらい
次は、寒天遊びのねらいについて解説します。
寒天の感触や色合いを充分に味わって楽しむ
寒天のひんやりとしたさわり心地を味わったり、食紅によるカラフルな色合いを見たりすることで、触覚や視覚などの五感を刺激できるでしょう。
夏場であれば、汚れてもよい洋服に着替えてから寒天の冷たい感触を全身で感じてみてもよいですね。
寒天の感触を確かめながら手先の感覚を育む
寒天をにぎったりつぶしたりすることで、手先のこまかな動作を自然と促せるでしょう。
手先の動きや感覚を育めば、子どもの脳の働きを高めることにもつながるかもしれません。
さまざまなものに見立てて遊ぶ
お皿やフォーク、グラスのようにさまざまな容器や食器を用意すれば、寒天をグラスに入れてジュースに見立てるなどの見立て遊びも行なえそうです。
保育士さんは「なににみえるかな?」など声かけをすることで、子どもの想像力を養うことができるかもしれません。
基本の寒天の作り方。食紅の代わりになるものや火を使わない方法も紹介!
ここでは、寒天の基本的な作り方を見ていきましょう。
用意するもの
- 粉末寒天4g
- 水500ml
- 好きな色の食紅
- タッパーやバット
- 鍋
タッパーやバットが用意できない場合は、牛乳パックなどを使っても問題ありません。
また、食紅の代わりになるものは「絵の具」「色つきのジュース」などが挙げられます。
粉末寒天や水の量も、作りたい分量に合わせながら調整していきましょう。
作り方
1.水500mlに粉末寒天4gと食紅を入れ、よくかき混ぜます。
2.1を鍋に入れて中火で熱しながら溶かし、沸騰したら弱火に変え、2分間くらい熱し続けます。
3.火を止めて粗熱が取れたら、タッパーやバットに移します。
4.常温で1時間ほど置いて固まったらできあがりです!(冷やしたいときは、固まった後冷蔵庫に入れます。)
【火を使わない寒天の作り方】
保育園にガスコンロなど火を使える環境がない場合は、電子レンジを活かした火を使わずに寒天を作ることができます。
耐熱容器に(1)を入れてから600Wで5分温め、よく混ぜてから再度600Wで5分温めれば、3とほぼ同じ状態に仕上がるでしょう。
電子レンジの種類や作る量によって、温める時間に誤差が出る可能性がありますが、液が沸騰してから10秒ほど経っていれば加熱を止めても問題ありません。
また、火を使わないのでずっと見守る必要がなく、洗い物も少なくなるため準備の手間が減りそうです。
保育で行なう寒天遊びのアイデア
ここからは、寒天遊びのアイデアについて具体的にまとめました。
感触遊び
寒天をつついて弾力のあるさわり心地を楽しむ、さわってプルプルとした感触を味わうなどして遊びましょう。保育士さんが「つめたくてきもちいいよ」と声かけしたり、子どもの手にやさしく乗せたりするという援助があれば、0歳児や1歳児からも取り入れられる遊びです。
また、水の分量を減らすと硬い寒天を、水の分量を増やすとやわらかい寒天を作ることができるため、さまざまな硬さの寒天を用意して感触の違いを楽しむのもよいでしょう。
牛乳パックに寒天を入れたり、容器の厚さや形、大きさなど工夫し、多様な寒天を用意してみたりすると面白いかもしれません。
寒天ボール
球体の製氷皿を使って液を固めれば、寒天のボールを作ることができます。転がしたり、ほっぺに当てて冷たさを味わったりするなど、さまざまな遊びを楽しめそうです。
他にもプリン容器や卵パックなど、さまざまな形の型で固めると、子どもによろこばれるかもしれません。
しかし寒天ができるまでの時間がそれぞれ変わってしまうため、固まっているか確認してから取り出したり、固める時間を長めに確保したりしましょう。
おままごと
フォークやスプーン、お皿などの食器を準備すれば、おままごとで遊ぶことができます。
小さなグラスに入れて寒天をゼリーに見立てたり、野菜に見立てておもちゃの包丁で切ったりするなど、お料理ごっこが盛り上がるかもしれません。
型抜き
花の形やハートの形など、市販の型抜きを使って寒天を好きな形に切り取るのも面白いでしょう。
寒天が厚いと抜きづらいため、薄めのバットで寒天を作ったほうが遊びやすくなりそうです。
しかし、型抜きの中には先端がとがっているものもあるので、先端がなめらかになっており、子どもも安心して使える型抜きを用意しましょう。
おもちゃの救出ゲーム
容器や牛乳パックに寒天を入れて固めるときに、プラスチックや防水のおもちゃを入れておくことで、寒天の中からおもちゃを救出するゲームも楽しめるでしょう。
また野菜やフルーツなど、色鮮やかな食材を入れれば子どもの興味を引くことができ、加えて寒天とは異なるシャキシャキとした手ざわりも味わえそうです。
寒天以外の感触遊びについて知りたい保育士さんは、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
保育で寒天遊びを行なうときの注意点
最後は、保育に寒天遊びを取り入れるときの注意点を解説します。
誤飲に気をつける
寒天は食材ですが、素手でさわったりにぎったりして遊んだものを食べてしまうのは衛生上よくありません。特に0歳児や1歳児は、気になった物を口に入れやすい時期なので注意が必要です。
あらかじめ保育士さんは「おくちにいれるのはバツだよ」などの声かけを行ない、遊んでいるときも口に入れてしまわないように見守りましょう。
ゼラチンを代わりに使うときは着替えを準備する
ゼラチンも寒天とほぼ同じ見た目と手触りですが、寒天よりも溶けやすいという特徴があります。
寒天のように遊びに使ってプルプルとした感触を楽しんだり、遊び続けるうちに体温で溶けてベタベタとした手ざわりになる様子を味わったりできそうです。
ただし、溶けた液で洋服が汚れることも考えられるので、事前に保護者へ遊びの内容を説明し、汚れてもよい服装を準備してもらいましょう。
また、暑い季節にはゼラチンが室温で溶けてしまう可能性もあるため、できるだけ涼しい時期に行なうとよさそうです。
片付けのためにシートを敷いておく
にぎったりつぶしたりして遊んだあとの寒天は、足で踏みつけてしまうと滑って転んでしまう恐れがあります。子どものケガを防ぐためにも、できるだけ机の上でさわったりにぎったりしましょう。
また、寒天遊びを行なっている途中でかけらが落ち、机や床が汚れてしまう可能性があります。
後の片付けをスムーズに行なうためにも、あらかじめ床にシートを置く、机にラップや牛乳パックの開いたものを敷くなどの対策をしておきましょう。
寒天遊びで使う寒天の作り方を覚え、日々の保育に取り入れよう
今回は、寒天遊びのねらいや遊びのアイデア、片付けの方法などを紹介しました。 寒天遊びでは、寒天の冷たさを味わったり、プルプルとした手ざわりを楽しんだりすることができます。
保育士さんの援助があれば0歳児や1歳児からでも遊べるので、子どもの様子を見ながら行なってみましょう。
また、電子レンジを使えば火を使わないで寒天を作れるため、比較的取り入れやすい遊びと言えそうです。寒天遊びのアイデアを参考に保育に活かしてみてくださいね。
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