2歳児の子どもも秋晴れのなか思い切り遊べるようになる10月。月案をどのように計画すれば、子どもたちの成長を促せるのでしょうか。今回は、新卒保育士さん向けに、2歳児クラスで使える10月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮、月反省の書き方などもまとめました。
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■目次
10月の2歳児クラスの特徴とは?
涼しい秋風が頬を撫で、気持ちのよい気候になる10月。子どもたちにとっても、いろいろな遊びに熱中できるよい季節かもしれません。
そんな10月は、2歳児クラスの子どもたちに以下のような特徴が見られるでしょう。
- 簡単な身の回りの支度を自分で行えるようになり、意欲を持って過ごす
- 好きな遊びを通して、友だち同士でいっしょに過ごす楽しさを味わう
- 秋の自然に親しみ、遊びのなかで発見を楽しんだり観察したりする
進級して半年間が過ぎる頃、成長した部分が見えたり、子どもの意外な一面が顔を出したりするのではないでしょうか。
保育士さんはそうした特徴をおさえて、10月の月案作成に活かしていきましょう。
【10月】2歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
まずは、10月の月案に記入する前月の子どもの様子の文例を紹介します。
- 秋の昆虫に興味を持ち、友だちといっしょに園庭や公園で発見を楽しむ姿がある。
- 子ども同士で誘い合ったり、玩具のやり取りをしたりする場面が見られる。
- 運動会の練習に意欲的に参加して、身体を動かすことを楽しんでいる。
10月の月案では、秋の戸外遊びの様子や、行事に参加したときの姿に着目して記載するとよいかもしれません。
2歳児の子どもたちの生活面の取り組みや自立心の育みについても書いておくと、ねらいや援助を書くときに役立ちそうですね。
【10月】2歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
10月の2歳児の月案に活用できる、ねらいや活動内容の文例をまとめました。
今月のねらい
ねらいの文例は、養護と教育の2つの視点に分けて見ていきましょう。
養護のねらい
- 健康や衛生に関する習慣を意識しながら生活する。
- 身支度を自ら行い、自信を持って意欲的に過ごす。
教育のねらい
- 友だちといっしょに遊ぶ充実感を味わう。
- 心地よい気候のなか、十分に身体を動かして遊ぶ。
活動内容
ねらいをもとに、2歳児の子どもたちに経験してほしい、くわしい活動内容を考えていきます。
養護
<生命>
- うがいの大切さを知り、戸外から戻ったら手洗いとともにうがいも行う習慣を身につける。
- 気温に合わせて衣類を調節し、心地よく過ごす。
<情緒>
- 丁寧に身の回りのことを行い、自信を深める。
- 友だちとのトラブルの際には保育者に気持ちを受け止めてもらい、落ち着きを取り戻す。
教育
<健康>
- 寒くなってきたら、保育者に促されて長袖に着替えるなど衣類を調節しようとする。
- 保育者や友だちといっしょに身体を動かして遊ぶことを楽しむ。
<人間関係>
- ケンカのあとは仲直りをすれば、また友だちと楽しく遊べることに気づく。
- 気の合う友だちと好きな遊びを心ゆくまで楽しみ、満足感を得る。
<環境>
- 製作遊びを通してのりの使い方を知る。
- 夕暮れの時間にはテラスに出て、夕焼けを見たりトンボを探したりして秋らしさを感じながらゆったり過ごす。
<言葉>
- 絵本などを通して簡単な言葉遊びを楽しむ。
- 遊びに必要な言葉を身につけ、「かして」「いいよ」などのやり取りをしながら友だちとかかわる。
<表現>
- 自然に親しみ、遊びのなかで生き物の真似をしたり、歌を歌ったりしながら表現する。
- 運動会で行ったダンスを日常のなかでも楽しむ。
2歳児の子どもたちが秋らしい気候や自然物に気がつけるよう、さまざまな活動を計画しておくとよいですね。
文例をもとに、子どもたちがどのような反応をするか予想しながら記載することがポイントになります。
【10月】2歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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ねらいや活動内容をふまえ、10月の2歳児の月案に記入する環境構成・保育者の配慮の文例を紹介します。
養護
生命
- 気温が下がる朝夕や雨の日には室温を調整し、過ごしやすいよう配慮する。
- 手洗い・うがいを行い、清潔への意識を身につけられるよう声をかけたり、子どもといっしょにきれいになったかを確認したりする。
情緒
- 自分で身の回りのことができた姿を十分に褒め、意欲につなげていく。
- 保護者と離れて寂しい思いや、甘えたい気持ちをしっかり受け止め、スキンシップを取るようにする。
教育
健康
- 着替えをしたあとは裏返しになった衣類を直す、排泄のあとはシャツをズボンにしまうことなどを個別に伝えていく。
- 簡単な集団遊びを取り入れ、友だちといっしょに身体を動かす楽しさを味わえるようにする。
人間関係
- 友だちとのトラブルでは手が出る前に仲裁に入り、お互いの思いを汲み取りながら仲を取り持つ。
- 友だち同士で遊べるように玩具の数や場所といった環境を整えておく。
環境
- 製作でのりを使うときは少人数ずつ実施し、丁寧に使い方を教えられるようにする。
- 秋の気候のよさを感じられるよう、オノマトペを使った簡単な言葉で子どもたちに伝えていく。
言葉
- 言葉の響きを楽しめる絵本を選定し、読み聞かせていく。
- 玩具のやり取りなどを仲介しながら、遊びに必要な語彙が身につくよう代弁していく。
表現
- 秋の自然をモチーフにした壁面や製作を取り入れ、季節感を味わえるようにする。
- 子どもの好きな歌や音楽を日常保育で楽しめるように環境を整える。
2歳児の子どもたちが、遊びを通して秋の風物詩に親しんだり、身体を十分に動かしたりできるよう配慮しましょう。
また、10月は園生活の流れに慣れてくる時期のため、保育士さんのお手伝いをお願いしてみるのも効果的かもしれません。
【10月】2歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
ここでは、10月の月案に記入する家庭連絡や安全、食育に関する注意点の文例をまとめました。
家庭連絡
- 衣替えの時期であるため、子どもが着脱しやすいよう服のサイズの確認と、記名のチェックをお願いする。
- 参観・懇談会の日程やお願い事項は早めに伝え、準備をしてもらえるよう配慮する。
健康・安全・衛生
- うがいをするコップは個人のものを利用し、取り違えのないよう注意する。
- 食事のあとにはしっかりうがい・歯磨きを行い、保育者がきれいになったかチェックするよう心がける。
食育
- 食具の正しい持ち方や使い方を繰り返し伝えていく。
- 芋掘りを通して食材に親しみを持ち、作物への感謝の気持ちを養う。
朝夕で気温の上下が激しい時期のため、衣替えの際は衣類を多めに用意してもらうとよいですね。
また、10月には各家庭との面談や、懇談会を予定している保育園もあるでしょう。
子どもたちの様子や園から伝えたいことを計画的にまとめられるよう、月案に記載しておくことがポイントです。
【10月】2歳児の月案の文例:反省・自己評価
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10月の2歳児クラスの月案における、反省と自己評価の観点となる文例を紹介します。
養護
- ケンカやトラブルで気持ちが高ぶっている子には、遊ぶスペースではなく部屋の隅や廊下などで話を聞くようにして、クラス全体が落ち着いて過ごせるように配慮できた。
- 鼻水が出たら自ら始末したり、手洗いのあとはきれいに水気を拭き取ったりするようこまめに声をかけ、清潔への意識を育んでいくことができた。
教育
- 秋の草花や落ち葉を使って見立て遊びに誘い、自然にふれる機会を作っていけた。
- 栄養士と連携を取り、食材にふれて遊べる野菜スタンプ遊びを実施した。子どもたちも集中して楽しみ、給食に出る秋野菜に関心を強めていた。
月案で立てたねらいや活動、配慮などを通して保育を振り返り、やってみてどうだったか、子どもにどんな力が育ったかを反省しましょう。
食育や秋の自然遊びなど、10月に特に力を入れた点をもとにチェックしてみるとよいですね。
月案に活用できる10月の2歳児保育のポイント
最後に、10月の2歳児クラスの月案や保育で活かせるポイントをまとめました。
秋の自然に親しみながら身体を動かす機会を
過ごしやすい気候になる10月は、戸外で思い切り身体を動かして遊べるようになる頃です。
戸外遊びや散歩の機会を確保し、2歳児の子どもたちがのびのびと遊べるよう配慮するとよいかもしれません。
秋の植物や生き物を見つけたら、いっしょに観察してみるのも楽しそうですよ。
友だちと楽しく遊べるよう援助していく
2歳児の10月頃になると、友だちのやっている遊びに関心を持ち、いっしょにやりたがる姿が増えてくるかもしれません。
いっしょに遊ぶ楽しさを味わえるよう、先月に引き続いて十分な玩具の数やスペースなどを確保して、かかわりを見守っていきましょう。
また、友だちが気になるぶん、取り合いになったり手が出たりとトラブルも出てくるようです。安心して遊べるよう見守り、ケガや大きなケンカになる前に保育者が仲介に入るようにするとよいかもしれませんね。
冬に向けて手洗い・うがいの習慣を
冬の到来はもう少し先ですが、前もって手洗い・うがいの習慣をしっかりと身につけておくことも大切です。
2歳児の子どもたちに向けて、指の間や手首まで洗うことや、うがいのやり方などを伝えましょう。
子どもによっては、まだ喉を使ったガラガラうがいができない場合もあるかもしれません。クラスの様子に合わせてできる範囲で取り入れてみてくださいね。
文例を知って10月の2歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、10月の2歳児クラスの月案に使えるねらいや反省などの文例を紹介しました。
秋らしさを味わえるようになる10月は、歌や製作、戸外遊びなどで子どもたちといっしょに季節のよさを楽しんでいきましょう。
また、冬に向けて手洗い・うがいの習慣を身につけられるよう、こまめに声をかけたり、上手にできた姿を認めたりといった配慮も大切になりそうです。
10月の月案の文例を参考に、2歳児クラスの保育計画に役立ててみてくださいね。