【12月の月案】4歳児クラスの文例集。ねらいや配慮、援助や反省の書き方

クリスマスやお正月など楽しい行事が盛りだくさんの12月。4歳児を担任する新卒保育士さんのなかには、月案作成に悩む方もいるかもしれません。今回は、4歳児クラスで使える12月の月案の文例を紹介します。冬にぴったりな養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方などもまとめました。

12月の4歳児の写真

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12月の4歳児クラスの特徴とは?

年末が近づく12月。4歳児の子どもたちは、クリスマスやお正月といった行事を楽しみに待ちながら過ごしているのではないでしょうか。

そんな12月の4歳児クラスには、以下のような特徴が見られるでしょう。

  • 音楽会に向けて合奏や歌の練習に意欲的に取り組む
  • 季節の自然を遊びに取り入れ、友だちといっしょに遊ぶことを楽しんでいる
  • 風邪や感染症などが流行し始め、体調を崩してしまう子どももいる

12月に音楽会やクリスマスコンサートなどを予定している保育園では、練習に取り組む時期かもしれません。

このような4歳児クラスの特徴をもとに、12月の月案の文例を紹介します。

【12月】4歳児の月案の文例:前月の子どもの様子

月案では、前月の子どもの様子をもとに12月の計画をしていきます。くわしい文例を見てみましょう。

  • 秋の自然物に親しみ、図鑑や絵本で調べたり遊びのなかに取り入れたりする姿があった。
  • 作品展を通して、自分なりに工夫して描画したり、友だちの表現のよさに気づいたりする様子があった。
  • 子ども同士で思いや考えを出し合いながら過ごすものの、イメージがうまく形にならず遊びが収束してしまう場面も多く見られた。

季節の遊びや行事への取り組みなどをもとに4歳児クラスの様子を振り返ってみましょう。子どもの様子をふまえたうえで、12月の月案に活かしてみてくださいね。

【12月】4歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容

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ここでは、12月の4歳児クラスの月案に使えるねらいや活動内容の文例を紹介します。

今月のねらい

ねらいは、養護と教育の2つの視点から文例をまとめました。

養護のねらい

  • 過ごし方に応じて衣類を調整し、快適に生活する。
  • 自信を持ってのびのびと過ごす。

教育のねらい

  • 冬の自然や行事に親しみを持ち、自ら探索や調べものをして関心を深める。
  • 楽器の使い方を知り、好きな音楽に合わせて演奏することを楽しむ。

活動内容

ねらいをもとに、4歳児に経験してほしい具体的な活動を書いていきます。

養護

<生命>

  • 風邪を予防するための習慣が身につき、うがいや手洗いを丁寧に行おうとする。
  • 自ら気づいたり保育者に促されたりして衣類を調整し、気温に合わせて行動しようとする。

<情緒>

  • 音楽会の練習を頑張る時間、好きな遊びを思い切り楽しむ時間など、メリハリをつけて生活することで充実感を味わう。
  • 思い通りにならないことを受け止め、折り合いをつけながら過ごそうとする。

教育

<健康>

  • 過ごしやすいよう衣類を調整し、戸外でのびのびと身体を動かしながら遊ぶ。
  • 走りながら、跳ぶ・蹴るなどのいくつかの動作が複合した動きを遊びのなかで経験していく。

<人間関係>

  • 当番活動やお手伝いを通して、感謝されたり誰かの役に立ったりすることをよろこぶ。
  • 友だち同士で思いを出し合いながらいっしょに遊び、仲間意識を育む。

<環境>

  • さまざまな素材を使いながら、イメージしたものを形にすることを楽しむ。
  • 友だちとともに冬の自然を発見し、遊びに取り入れるなかで関心を深める。

<言葉>

  • 他人の話を聞くときの姿勢を意識し、集まりなどでは正しい姿勢で集中して話を聞く。
  • イメージを言葉で共有し、自分の考えを友だちにわかってもらうよろこびを味わう。

<表現>

  • クリスマスリースやオーナメントの製作を楽しみ、工作を通して行事の意味を知り、親しみを深める。
  • 好きな音楽に合わせてカスタネットや鈴、タンバリンなどの楽器を演奏することを楽しむ。

4歳児の子どもたちが、クリスマスや年末年始といった12月の行事に親しめるような活動を考えてみましょう。

また、音楽会などを予定している園では、関心を育めるような導入も月案で計画しておくとよさそうです。

【12月】4歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮

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12月のねらいや活動内容をもとに、月案に記入する環境構成や援助、配慮の文例をまとめました。

養護

生命

  • 手洗いをする意味を伝え、子どもたちが自発的に行えるよう意欲を育む。
  • 気温の変化に気づけるよう、朝の会で今日の天気や寒さについて話題に挙げるようにする。

情緒

  • 一日の活動のなかで動と静を意識して時間配分を行い、子どもたちが落ち着いて過ごせるよう配慮する。
  • 子どもの抱える葛藤や要求を受け止め、代弁しながら受容的にかかわることで子どもが気持ちを整理できるようにする。

教育

健康

  • 戸外遊びでは、身体が温まってきたら上着を脱ぐように適宜声をかける。
  • サッカーや大縄跳びなどに誘い、遊びを通して多様な運動をする機会を保障していく。

人間関係

  • 当番表を作成して、子どもたちが意欲的に当番活動に参加できるような環境を整える。
  • 気の合う友だちばかりでなく、いろいろな子どもとかかわれるよう、保育者が率先して誘ったり一斉活動で集団遊びを取り入れたりする。

環境

  • 絵本を通じてクリスマスの由来を簡単に伝え、外国の文化にふれるきっかけを作る。
  • クリスマスについて話題に挙げ、知っていることや楽しみにしていることについて子どもたちが話せるよう促す。

言葉

  • 話を聞くときの約束ごとを確認するとともに、気がそれがちな子どもには繰り返し声をかけたり、保育者が側についたりして個別に援助していく。
  • 集団の場で自分の考えや経験したことを発表してもらう機会を設ける。

表現

  • 子どもたちが製作した作品は保育室のよく見えるところに飾り、互いによさを認めたり、表現方法に関心を持ったりできるようにする。
  • ステージや客席となる椅子を用意して、子どもたちがコンサートごっこにより入り込めるような環境を作る。

楽器遊びや造形遊びを取り入れるときは、4歳児の子どもたちが自然と興味を持って楽しめるような環境構成を月案で考えてみましょう。

12月頃には、当番活動や発表の場作りなど、進級を見越した活動を徐々に取り入れていってもよいかもしれません。


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【12月】4歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育

12月の4歳児の月案の作成に活かせる、家庭連絡・安全・食育の文例をまとめました。

家庭連絡

  • 風邪の予防策についておたよりなどで伝え、家庭でも注意してもらえるようにする。
  • 年末年始の登園予定について確認するとともに、家庭での過ごし方について伝える。

健康・安全・衛生

  • 天候や活動量に合わせて衣類を調整できるよう、こまめに声をかける。
  • 子どもがはさみを使用するときは側で見守り、危険がないように配慮する。

食育

  • 食器に米粒やおかずを残さず、きれいに食べるよう声をかける。
  • 行事食を通して、季節の食材や伝統料理に親しみを持つ。

多くの保育園で風邪や感染症が流行し始める12月は、家庭と連携してしっかり予防できるように声をかけることが大切です。

また、衣類の調整や年末年始の登園状況なども確認しておくとよいかもしれません。

【12月】4歳児の月案の文例:反省・自己評価

12月の4歳児クラスの月案に記入する、反省や自己評価の文例を紹介します。

養護

  • 子ども一人ひとりの体調をこまめに確認し、小さな変化にも適切に対処できた。
  • 手洗いを丁寧に行えるように歌や掲示を取り入れたところ、自発的に行う姿が見られた。

教育

  • 楽器遊びを行えるようコーナーの一つとして用意したが、遊ぶ子どもと遊ばない子どもが決まっており、クラス全体に浸透するのに時間がかかった。
  • クリスマスの由来を伝えることで、子ども一人ひとりが願いを込めてリースの製作に取り組むことができた。

月案のねらいや活動内容として設定していたことをもとに、12月の保育を振り返ってみましょう。

用意しておいた活動や環境に対する4歳児さんたちの反応などをしっかり記載しておくと、来月の月案作成に役立つかもしれません。

月案に活用できる12月の4歳児保育のポイント

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最後に、4歳児クラスの12月の月案に活用できる保育のポイントをまとめました。

音楽会などに向けた練習に楽しく意欲を持って取り組める配慮を

12月には音楽会などを予定している保育園が多いようです。

4歳児クラスの合奏練習では、子どもが「もっと上手になりたい」と意欲を持てるように援助していきましょう。

年長児の様子を見せてもらったり、きれいな音を出せている子どもをみんなの前で褒めるようにしたりするとよいかもしれませんね。

感染症の予防や対策はしっかりと

保育園でも熱を出す子や、インフルエンザにかかる子が増えてくる12月。しっかりと予防対策を行うことが大切です。

4歳児の子どもたちは、手洗い・うがいが一通りできるようになる頃のようですが、慣れてきて雑に終わらせてしまう子どもも出てくるでしょう。

指の間や手首までしっかりと丁寧に洗えるよう、保育士さんが手本となって説明することが大切です。手洗いの歌などを取り入れてみるのもよいですね。

話す・聞く力を伸ばせる援助を

12月頃の4歳児さんは、言葉で自分の思いを伝えたり、保育士さんの話を聞いて行動したりすることが上手になってくるようです。

ただ、子どもによってはまだイメージをうまく言葉にできなかったり、話の内容を理解できず周囲の友だちを見て行動していたりする子もいるでしょう。

一人ひとりの様子をよく見て、保育士さんが言葉を補う、個別に声をかけて「次は何をするんだっけ?」と聞いてみるなど、状況に合わせた援助をしていけるとよいですね。

文例を知って12月の4歳児クラスの月案を作成しよう

今回は、12月の4歳児クラスで活用できる月案のねらいや反省の文例を紹介しました。

クリスマスや音楽会などイベントが豊富な12月は、4歳児の子どもがそれぞれの行事に関心を持ち、意欲的に参加できるように月案を計画していきましょう。

また、感染症が流行したり寒さから上着が必要になったりする時期なので、養護・衛生面での配慮もしっかり記載しておくとよさそうです。

月案の文例を参考に、12月の4歳児クラスの保育に役立ててみてくださいね。

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