初めての保育実習は誰でも不安になり、緊張するものです。
しかし、保育実習は保育現場を知る大事な機会になります。
保育実習中にたくさん学び、保育士になるための準備をしたいですよね。
そこで今回は、保育実習で押さえておくと良いポイント、気を付けるべきポイントなどをご紹介したいと思います。
◆保育実習で気を付けておくと良いポイント
実際に保育実習をするにあたり、押さえておくべきことは何でしょうか。
以下に挙げてみますので、確認しておきましょう。
〇身だしなみ、持ち物
保育士は子どもと関わる仕事です。
子どもと関わるふさわしい身だしなみをしましょう。
例えば、派手な化粧、派手な柄の服、明るい髪は子どもを怖がらせるポイントとなってしまう恐れがあります。
極力爽やかな印象になるよう、身だしなみには気を付けましょう。
また、アクセサリーを身につけたり、爪が長いと子どもたちに怪我をさせてしまう恐れがあります。
アクセサリーは外し、爪は短く切っておきましょう。
持ち物に関しては、保育実習中に大切なことを書きとめられるように、メモ帳、ボールペンをポケットに入れておくことがポイントです。
メモ帳、ボールペンと一緒にティッシュ、ハンカチも持ち歩きましょう。
また、出勤簿用の認め印も必要となるので、準備をしましょう。
更に、実習記録を記入する時に便利なのは国語辞典です。
分からないことをすぐに調べられるよう用意をしておくと良いです。
〇把握をする
保育実習を有意義なものにするために、各クラスのデイリープログラム、配属されたクラスの日課、実習実施計画を把握しておくことがポイントです。
これらを把握することにより、見通しが持て、積極的に担当保育士の手伝いができたり、子どもたちと関わりを持てます。
例えば、配属されたクラスの日課が分かっていれば、次は何をするべきかが分かり、子どもたちに言葉かけをしやすいです。
また、把握しておくことにより、「次に何をしたら良いのか」と戸惑うこともありません。
担当保育士や園長に、積極性をアピールできます。
〇実践をする
実習目標に向かって、日々のねらいを立てて実践をする、報告・連絡・相談を実践することがポイントです。
実習目標に向かって日々のねらいを立てることにより、今日の学びたいポイント、頑張るポイントが明確になり、保育技術の向上に繋がります。
また、保育実習で最も大切なのは報告・連絡・相談です。
自分で勝手に判断をするのではなく、些細なことでも報告・連絡・相談をしましょう。
更に、積極的に子どもたちと関わりを持つこともポイントです。
実習生と関わりを持たない子どもたちにも積極的に声をかけ、関わりを持つようにしましょう。
子どもの活動に合わせた適切な援助、障害を持った子どもの活動に合わせた適切な援助についても、担当保育士の関わりを学び、援助をしていきます。
そして、言葉遣いや立ち振る舞いもポイントになります。
園長、担当保育士にはもちろん、子どもたちにも丁寧な言葉遣いや適切な立ち振る舞いを心がけましょう。
〇全身を通して学ぶ
保育士も幼稚園教諭も、子どもの命を預かり、保護者の子育てを支えながら子どもの健やかな育ちを援助する仕事になります。
とても専門性の高い、重要な仕事になり、その専門性は日常生活という、普段は意識されにくい状況で発揮しなければならないのです。
そのため、保育の専門職になるためには、子どもと触れ合える職場に行き、共に生活をしていく中で、自分の全身を通して学ぶことが必要となります。
10人10色な子どもたちなので、教科書には書いていないことが起こります。
日常生活での子どもたちとの関わりを、実習を通して、更に学んでいくのです。
〇限られた中で学ぼうとする気持ち
保育士資格を取得するためには「保育所と保育所以外の児童福祉施設での実習が20日以上」必要となります。
こんなにたくさん実習期間があるのかと思われる方もいると思いますが、たった、この期間でしか保育実習で子どもの生活を学べないのです。
学校を卒業し、保育士となれば、新人保育士であっても「先生」として子どもや保護者から頼られる存在です。
保育士は働きながらその専門性を高めていくという特徴もあるのですが、新人保育士であっても目の前にいる子どもを預かり、豊かな生活を送れるように援助することが求められます。
そのように考えると、この限られた期間の中で、いかに実りのある保育実習ができるかが大切になってきます。
保育実習では前向きに取り組んでいくことがポイントとなるでしょう。
〇自発性
保育は子どもの自発性を大切にして、その自発性がより良く発揮できるような環境を整えたり、援助をしていくものです。
それと同時に、保育士自身も自発性が重要とされています。
保育士は子どもとの直接的な関わりを通して、自ら考え、創意工夫しながら保育をします。
保育とはマニュアル通りにできないものです。
その場その場で状況も違うので、対応も様々です。
そして、実習生にも、この自発性が求められています。
自分がやりたいことを勝手にやっても良いという意味ではなく、保育実習は子どもたちや保育士が実際に生活をしている場所にお邪魔させて頂いているので、子どもや保育士の生活を壊さないことが何より大切です。
そのことをふまえ、積極的に子どもと関わり、保育士の手伝いをさせて頂き、その中で疑問点を質問し、自分なりに考えていくことがポイントとなります。
◆保育士就職試験でも実習が必要な時がある!?
採用側としては、雇用のミスマッチを防ぎ、自分の園の教育方針に合う学生を雇いたいという思いから、就職試験の際に実習を課す場合があるようです。
実習をするタイミングは、採用決定後の場合もありますが、採用を正式決定する前に行う場合が多く、書類選考→面接を通過した学生に対し、最後の関門として用意されているのが就職試験における実習となります。
その実習のでき如何によって、採用の可否が決まるのです。
就職試験で実習がある園を受ける場合の注意ポイントをまとめます。
参考にしてください。
〇保育士就職試験の実習=授業での実習と同じ?
保育士就職試験における実習は、今まで授業の一環で受けてきた実習と同じと考えていいのでしょうか?
答えは、NOです。
例えば、実習では不可欠だった日誌ですが、実習の目的如何によっては書かない可能性もあります。
更に、設定保育も状況によって、課されたり課されなかったりすることを考えておかなければなりません。
何歳児クラスに配属されるかも、当日、知らされたり、事前に知らされていたのとは違うクラスに配属されたりといったこともあり得ます。
要するに、保育士就職試験の際の実習は、単位を取るためにお膳立てされた実習とは違うのです。
学生自身の素の能力を見るためのもの、と考えましょう。
〇保育士就職試験で実習する際の注意ポイントは?
実習=試験の一環である、保育士就職試験での実習ですが、一体、どういう点に気を付ければ、及第点をもらえるのでしょうか。
まず、第一に心がけたいのは、笑顔です。
誰に対しても明るく笑顔で挨拶しましょう。
先生方はもちろん、子どもたちや保護者に対して、大きな声で明るくハキハキと対応してください。
第二に、クラスの子どもたち全員への心配りができることが大切です。
特定の懐いてくる子どもたちだけに偏って接していないか、見られていますよ。
第三に、掃除や雑用などにも全力で取り組むことです。
新人としてその園に就職した場合、最初に待っている仕事は雑用です。
それらに嫌な顔をせず、真面目に取り組めるかどうかが大切です。
〇保育士就職試験の実習に臨むにあたり、準備していくことは?
設定保育を行うように指示された時のことを考えて、全ての月齢の園児を想定した設定保育内容を用意していきましょう。
その際、その園の教育方針を調べ、どういう遊びが好まれるかを想定して設定保育を組めればより良いでしょう。
◆有意義な保育実習を送るために
保育実習前に気を付けておきたいポイントについてはいかがでしたか。
保育実習も最初からうまく行くことばかりではありません。
失敗したり、注意を受けたりする中で学んでいくのです。
実習先の保育士からの助言を素直に受け入れることが何よりのポイントとなります。
また、保育実習前に不安になっている方や緊張している方もいるかもしれませんが、大丈夫ですよ。
保育実習は、大変なことばかりではなく、楽しいことも多々あります。
様々な子どもたちと関わり、そして先輩保育士からたくさん学び、実りある保育実習になることを願っています。