保育実習の日誌や反省会では、実習の「反省」をまとめる必要があるでしょう。慣れない実習でできなかったことばかりが思い浮かび、うまく文章にできないと悩む方もいるかもしれません。今回は、保育実習日誌における反省の書き方を解説します。反省点や考察を踏まえた質問のしかたや、0歳児から5歳児までの例文もまとめました。
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■目次
保育実習の「反省」とは
保育実習における「反省」とは、保育実習を通して感じたことを振り返り、反省点や改善点を述べるものです。
保育実習の反省には、以下の2種類が挙げられます。
- 日誌や記録などで1日の振り返りをするもの
- 実習終盤に行われる反省会で話すもの
基本的には、どちらも実習を通しての感想や反省して次に活かしたいこと、疑問に思ったことなどを、素直に伝えるとよいでしょう。
それでは、保育実習の反省と感想のくわしい書き方を紹介します。
保育実習の反省の書き方
保育実習の反省会や日誌で伝える反省と感想は、以下の書き方を踏まえることでスムーズにまとめることができそうです。
①印象に残ったエピソードを洗い出す
②なぜ印象に残ったのかを考える
③明日からの実習に活かせるポイントをまとめる
こちらの流れに沿って、反省を考えてみましょう。
①印象に残ったエピソードを洗い出す
実習中の出来事で、特に印象に残っているエピソードを思い出してみましょう。
<例>
- 子どもと関わるなかで気づいたこと
- 保育士さんの働きかけやアドバイスから学んだこと
- 課題に対してうまくいかなかったこと
- 疑問や不安に感じたこと
小さなことでもよいので、自分の心に残ったことや感想を書き出してみてくださいね。
このとき、複数のエピソードを挙げると文章がまとまりづらくなるため、1~2個程度にエピソードを絞ることがポイントです。
②なぜ印象に残ったのか理由を伝える
次に、なぜそのエピソードが印象に残っているのかを考えてみましょう。
例えば、
- 「子どもの言葉から、友だちを思いやる気持ちが伝わったから」
- 「保育士さんの援助に、思いもよらない意図があったから」
- 「うまくできなくて悔しい思いをしたから」
といった理由が挙げられるのではないでしょうか。
実習生さん自身の気づきや発見を言葉にすることで、実体験を活かした反省や感想にまとまるかもしれません。
疑問点や不明点はその日の反省として記録しておき、翌日保育士さんに質問してみるとよいですね。
③明日からの実習に活かせるポイントをまとめる
反省で得られた気づきをもとに、今後に活かせるポイントを目標としてまとめてみましょう。
保育実習の中ですぐに実践に移せるよう「子どもとの関わり」や「観察したいこと」などを踏まえた具体的な目標にするとよいかもしれません。
きちんと目標を立てておけば、反省会での振り返りにもつながりますね。
【年齢別】保育実習日誌における反省の例文
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ここでは、保育実習日誌や記録における反省と感想の例文を紹介します。0歳児から5歳児まで年齢別にまとめました。
0歳児クラスの反省・感想の例文
初日は子どもたちとうまく関われなかったことを反省し、本日は0歳児の子どもたちと積極的にスキンシップを取りながら遊ぶことを意識していました。
わらべうたを歌いながらふれ合い遊びをすると、ニコッと笑ったりうれしそうに声を上げたりする様子があり、私自身もうれしく感じました。
また保育士さんの様子を見ていると、子どもの名前を呼び、いろいろな言葉をかけながら関わっていることに気づきました。
明日は歌だけでなく、保育士さんのように子どもに話しかけながら遊ぶことに取り組みたいと思います。
1歳児クラスの反省・感想の例文
実習初日は1歳児クラスに入らせていただきました。
まだ言葉で表現できない子どもたちとのやり取りの難しさを感じましたが、思いが通じたときのよろこびはひとしおでした。
保育士さんから「しぐさや表情の変化から気持ちを読み取る」ことをお昼にアドバイスいただき、午後には子どもたちそれぞれの思いの伝え方を少し掴むことができたと思います。
一方で保育士さんの様子を見ていると、トラブルが起きたらすぐに「いけない」と伝えるとともに、子ども同士の気持ちを受け止めて気持ちの橋渡しをしていました。
私も同じように対応したかったのですが、子どもたちの気持ちをうまく代弁できずもどかしく思いました。
1歳児の子どもたちにいけないことを教える際には、行動の裏にある思いを汲み取り、受け止めながら伝えていきたいです。
2歳児クラスの反省・感想の例文
本日の2歳児クラスの実習で最も印象に残っているのは、子どもたちのイヤイヤに対する対応の難しさです。
イヤイヤ期については学校で学んでいたものの、実際に向き合ってみるとどう関わればいいかわからず戸惑ってしまいました。
特に着替えの場面では、「できない」と困っている様子の子どもを手伝ったところ「やめて!」と言われてしまい、間違った対応だったと反省しています。
保育士さんに質問してみたところ、「2歳児のこの時期は何でも自分でやりたいと意欲を持つ子が多い」と伺いました。今度は自分でできるところまで見守るなど工夫して関わっていきたいと思います。
3歳児クラスの反省・感想の例文
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本日の部分実習では、3歳児の〇〇組でフルーツバスケットを実践しました。
先生に指導案を何度も直していただき、これだけ準備したのだから大丈夫という思いがあったのですが、結果としては反省点ばかりの部分実習でした。
初めてこの遊びをする〇〇組ではルールの理解にばらつきがあり、何度もオニになってしまう子や、自分のグループが呼ばれたときに移動できなかった子もいます。
遊びの途中で何度かルールを確認したり、私が手を引きながらいっしょに逃げたりするうちに徐々にできるようになりましたが、全員が理解して楽しめるようにするには時間が足りませんでした。
保育士さんのアドバイスから、3歳児では椅子取りなど簡単なルールから始めるとよいことや、まず保育者がオニをやってみせることなど、段階的に実施することの大切さを学びました。
次回の責任実習では、みんなが遊びを楽しめるよう活動の内容や教え方を工夫したいと思います。
4歳児クラスの反省・感想の例文
本日は、4歳児クラスで読み聞かせを行いました。
緊張していたものの、保育士さんのアドバイス通り早口にならずにはっきりした声で読むことができたと思います。
面白い場面では笑ったり気づいたことを話したりしてくれる子どももいて、楽しんでもらえてよかったと感じる一方、「これって〇〇でしょ?」と質問する子どもに対してどこまで反応するべきか迷いました。
今回は一つひとつ答えたのですが、読み聞かせが中断して子どもたちの集中力がそがれてしまったため、今後は保育士さんの読み聞かせの様子をしっかり観察して対応方法を学びたいです。
5歳児クラスの反省・感想の例文
本日の実習で特に印象深いのは、製作遊びでの子どもたちの様子です。
5歳児の子どもたちは全員同じくらい工作が上手にできると思っていましたが、実際は得意な子と苦手な子で差が大きいことを目の当たりにしました。
特に画用紙を好きな形に切る工程では、細かい形や曲線を切れる子と、切りたい形があるもののうまく切れない子に分かれていて、個別の対応が必要なことに気づきました。
今後、自由遊びの時間などを使ってクラスの子ども一人ひとりの様子を観察し、〇日の責任実習に向けて計画を練りたいと思います。
反省会で保育実習の振り返りをするときの例文
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次に、反省会において保育実習全体を振り返るときの反省と感想の例文を見ていきましょう。
例文1:子どもとの関わり方の反省や感想
今回の4歳児クラスの実習では、子どもたちそれぞれの思いの表現方法を知り、気持ちに寄り添うことを意識しました。
なかでも印象に残っているのが、Sちゃんの「先生、これ(絵本)読んで」という言葉です。
最初は言葉通り絵本を読み聞かせていたのですが、Sちゃんは読み終えないうちに次々と絵本を持ってきます。
「もしかしたら絵本を見るよりも1対1で相手をしてほしいのかな」と思い、Sちゃんの得意な折り紙に誘ってみたところ、とても楽しそうにしていました。
やり取りを重ねるうちに、4歳児の子どもと接するには、表面的な言葉だけではなく行動や表情から推察して気持ちを汲み取ることが大切だとわかりました。
この気づきを活かし、今後とも子どもたちの思いに寄り添いながら関わっていきたいです。
例文2:責任実習の反省や感想
今回の実習での一番の学びは、5歳児クラスでの責任実習での経験です。
当日は1日クラスの指導をしたのですが、クラス全体の様子を把握しながら指示を出すことの難しさを痛感しました。
特に活動と活動の合間にあたる、片付けや準備などの時間の使い方には苦戦してしまい、早く終わった子、何をしてよいかわからない子などに個別にかわっていると、時間通りに進めることができませんでした。
ただ、そのなかでもお手伝いをしてくれたり、子ども同士で教え合いをしたり、私の言葉を聞こうとしてくれたりと、子どもたちにはたくさん助けられました。
子どもの思いやりに救われると同時に、子どもたちともっと有意義な時間を過ごせるよう、残りの実習期間でたくさん学びたいと感じています。
帰りの会の前の集まりの時間をいただけたため、次回は段取りよく進めて、楽しい時間となるよう工夫して指導したいです。
例文3:施設実習での反省や感想
今回の実習での学びは、0歳児や1歳児の子どもとの関係性の作り方を知れたことです。
実習初日では、乳児院での生活の流れに慣れることに必死で、子どもとの関係作りがおざなりになってしまっていました。
ミルクの時間には子どもの目を見ながら声をかけたり、子どもを膝に乗せてふれ合い遊びをしたりと、先生方が大切にされている関わりを真似るうちに、子どもたちが笑顔を見せてくれることも増えました。
この経験から、愛情表現を積み重ねていくことで、子どもとの信頼関係や深い愛着が築かれていくのではないかと感じました。
信頼関係があるからこそ、子どもたちがのびのびと自分の思いを表現できるということに、保育士さんたちを見て気づかされました。
保育実習の反省をするときのポイント
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最後に、保育実習の日誌や反省会において、反省と感想を伝えるときのポイントをまとめました。
理由や今後の目標とあわせて書く
反省や感想をまとめるときは、ただ思ったことを書くのではなく、なぜそれが心に残ったかを考察することが大切です。
そのためには、自分の言葉で理由や考えを表現するようにしましょう。
また、この経験を踏まえて今後どのように行動するのかという目標を立て、次の日や次回の保育実習に活かせるとよいですね。
実習に対する後ろ向きな感想や批判は控える
反省や感想では、「よくわからなかった」「難しかった」とマイナスな表現で終えるのでなく、「次は~をしてみようと思った」と前向きな言葉で締めくくるとよさそうです。
また、実習生として教えていただいている立場を踏まえ、園の方針や保育士さんに対して批判的な表現はしないよう注意しましょう。
自分の反省点や改善すべきところを質問しておく
保育実習中はなかなか自分の行動を客観視できず、何がいけないのか、どこを直したらよいかがわからないこともあるでしょう。
反省点が思い浮かばない場合、どうすればもっとよくなるかを先生に質問してみるのもよいかもしれません。
保育士さんに反省点を挙げていただいたら、すぐに行動に反映することでさらなる評価にもつながりそうです。
誤字や言葉遣いに注意して丁寧に記録する
反省と感想は、実習日誌の最後に書く項目に位置づけられています。
急いで書き上げたい気持ちもあるかもしれませんが、最後まで丁寧に書きましょう。
まとめ終えたら、不自然な言葉遣いをしていないか、誤字脱字はないかを確認するとよいですね。
保育実習の反省を今後の学びに活かそう
今回は、保育実習の反省会や日誌でまとめる反省と感想の書き方を紹介しました。
反省では、印象に残っているエピソードを考察したり、自分の関わり方の改善点を挙げたりすることが大切です。
日誌や記録では反省と感想をしっかりと整理して書くとともに、わからないことは反省会で質問をすることで新たな学びや成長につながりそうですね。
例文を参考に、保育実習の振り返りに活かしていきましょう。
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