3歳児の子どもたちが自然にふれてのびのび過ごせる11月。新卒保育士さんのなかには、月案作成に悩む方もいるかもしれません。今回は、保育園の3歳児クラスで使える11月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方もまとめたので、計画の参考にしてみてくださいね。
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■目次
11月の3歳児クラスの特徴とは?
秋の深まりが感じられる11月は、木の実拾いや落ち葉のじゅうたんなど、3歳児の子どもたちが自然のよさを味わいながら過ごせる時期となります。
そんな11月の3歳児クラスでは、以下のような特徴が見られるでしょう。
- 秋の自然の観察を楽しみ、遊びに取り入れようとする。
- 作品展に向けて共同制作などの取り組みを始める。
- 友だち同士のかかわりが深まり、いっしょに遊ぼうとする姿がある。
子どもたちが秋の自然にふれながら行事に向けて取り組み、のびのび楽しく過ごせるような月案を計画できるとよいですよね。
今回は、3歳児クラスで使える11月の月案の文例を紹介します。
【11月】3歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
まずは、11月の月案に記入する前月の子どもの様子の文例をまとめました。
- 運動会の経験を経て、自信を深めた様子が見られる。
- 秋の自然に興味を持ち、園庭で探索活動を楽しんでいる。
- 言葉で思いを表す姿が増える一方、気持ちをうまく表現できずにいる子どももいる。
大きな行事を終えて達成感を味わい、以前よりも自信を持って過ごしている姿があるかもしれません。
3歳児の子どもたちの関心をもとに、実態に合わせた月案を計画していきましょう。
【11月】3歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
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3歳児の11月の月案に活用できるねらいや活動内容の文例を紹介します。
今月のねらい
養護と教育、2つの視点からねらいの文例をまとめました。
養護のねらい
- 体調に配慮してもらい、季節の変わり目を健康に過ごす。
- 自分でできることをすすんで行い、充実感を味わう。
教育のねらい
- 自由に造形遊びを楽しみ、自分なりにのびのびと表現する。
- 戸外で自然にふれながら身体を動かして遊ぶ。
活動内容
月案のねらいや子どもの姿をふまえ、活動内容を考えていきましょう。
養護
<生命>
- 気温の変化に合わせて衣類を調整し、健康に過ごす。
- 手洗い・うがいを積極的に行い、清潔を保つ。
<情緒>
- 身の回りのことを自発的に行い、褒められることをよろこぶ。
- 友だちとのかかわりのなかで、自己を発揮しながら過ごす。
教育
<健康>
- 鼻水が出たことに気づき、自ら拭き取ろうとする。
- 少し遠い公園まで散歩をして、開放感を味わいながら身体を動かす。
<人間関係>
- 友だちと身近なイメージを共有して遊び、充実感を味わう。
- 公共の道路でのルールがわかり、決まりやマナーを守りながら散歩をする。
<環境>
- 秋の気候や自然の変化に気づき、友だちや保育者と分かち合う。
- 遊びに必要な道具がわかり、自発的に用意しようとする。
<言葉>
- 自分の考えや思いを自ら言葉にして伝えるよろこびを味わう。
- 絵本や言葉遊びを通して新しい表現にふれることをよろこぶ。
<表現>
- 秋の自然に親しみながら製作を行い、自分なりの表現を楽しむ。
- イメージしたものを身近な画材を使って表現しようとする。
11月には作品展を予定している保育園も多いかもしれません。3歳児の子どもたちが自分らしい表現を楽しみながら製作できるよう、月案で活動を考えていきましょう。
【11月】3歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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11月のねらいや活動内容に合わせて、保育者の援助と配慮の文例を紹介します。
養護
生命
- うがいの習慣が身についていくよう、戸外遊びのあとや食事の前などに声をかける。
- 寒そうにしている子どもには声をかけ、衣類の調整ができるよう促す。
情緒
- 身の回りのことを意欲的に行う姿をしっかりと褒め、クラス全体に知らせていく。
- 消極的な子どもには、友だちに思いを伝えられるよう励ましたりいっしょに声をかけたりと配慮する。
教育
健康
- 子どもの手が届くところにティッシュを用意し、鼻水が出たら1枚だけ取って鼻をかむことを伝える。
- 保育園の近隣の公園の下見を行い、子どもが安全に遊べる場所か確認する。
人間関係
- 散歩に行く前には、道路を歩くときのルールやマナーを伝え、決まりを守って参加できるようにする。
- 友だちとイメージを共有しながら活動できるよう、具体的な玩具を用意して遊びのモデルとしてかかわる。
環境
- 手遊びや絵本などを通して、秋の自然について伝えていく。
- 自然物を使った遊びを楽しめるよう、必要な物品や材料を用意しておく。
言葉
- 改まった場面で言葉が出てこない子どもには、場所を変えて個別に話を聞き、安心して思いを出せるようにする。
- 音の響きや韻を楽しめるような言葉遊びを取り入れる。
表現
- 自然物を使った製作を行い、秋らしい季節感を味わいながら楽しめるよう声をかける。
- 質問のやり取りなどを通して子どものイメージを引き出してから、描画に取り組むようにする。
11月頃の3歳児の子どもたちは、少しずつ友だちとの関係が深まり、思いを出し合いながら過ごしているかもしれません。
伝え合いを支え、友だち同士のつながりを仲介するような援助ができるよう、月案に記載しておきましょう。
【11月】3歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
3歳児の月案に記入する、11月の家庭連絡・安全・食育の文例をまとめました。
家庭連絡
- 衣替えに際して、子どもが自力で着替えられるよう、サイズの合った着脱のしやすい衣類を用意してもらう。
- 作品展に向けた活動の様子を、送迎時の申し送りやドキュメンテーションなどで伝える。
健康・安全・衛生
- 部屋の温度、湿度に配慮し、風邪をひきにくい環境を整えて健康に過ごせるよう配慮する。
- 冬季の感染症について子どもに知らせ、手洗いうがいを丁寧に行うよう声をかけていく。
食育
- 秋の食材を畑で収穫したり、本物の野菜にふれたりして、関心を深める。
- 箸の正しい持ち方を意識し、子ども同士で確認しあいながらきれいに持とうとする。
行事への取り組みを始める11月の月案では、作品展に向けた製作活動や、生活発表会の練習の様子などを保護者に伝えることがポイントです。子どもの成長を共有し、ともによろこべるとよいですね。
【11月】3歳児の月案の文例:反省・自己評価
3歳児の11月の月案の振り返りに役立つ、反省や自己評価の文例を見ていきましょう。
養護
- 寒暖差が激しいなか、厚着をしすぎて汗をかいたり、半袖の衣類にこだわったりと、気温に合わせた調整ができない場面があった。まだ自分で気温の変化に気づくことが難しいので、こまめに観察して声をかけるようにする。
- 自発的に行動する姿を褒めることで、意欲を持って身の回りのことを行う姿が増えてきた。
教育
- 気の合う子ども同士で遊ぶことが増えた一方、言い合いになることも多かった。相手の思いに気づけるよう、丁寧に汲み取って繰り返し伝えていく。
- 表現遊びや経験画を取り入れながら造形活動を行うことで、豊かなイメージを持って作品を作ることができた。
11月の月案で力を入れていた点について振り返ってみましょう。
保育士さん自身のかかわりや子どもの反応をもとに反省点を記述することで、来月の計画に活かせるとよいですね。
月案に活用できる11月の3歳児保育のポイント
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最後に、月案にも活かせる11月の3歳児クラスの保育のポイントをまとめました。
子どもがのびのびと楽しめるような造形活動を
11月は、作品展に向けて共同制作や個人の作品を作るクラスもあるでしょう。
作品を作るときは、3歳児の子どもの関心やできることをもとに、のびのびと楽しめるような製作を選ぶことが大切と言えます。
子どもたち一人ひとりの個性や表現を発揮できるように自由な造形活動ができるよう、月案で計画立てていきましょう。
道具の正しい使い方を伝えていく
工作や描画などの活動が増えるに伴い、子どもたちがペンやテープ、折り紙などの道具を使おうとする姿も見られるかもしれません。
保育士さんは、子どもたちが道具を丁寧に扱えるように、正しい使い方や約束ごとをしっかり説明しておくとよいでしょう。
ペンのふたをきちんと閉めることや、テープは貼る位置を工夫すれば少ない量でくっつくことなど、個別のケースにあわせて繰り返し伝えることが重要です。
公共のマナーを守りながら散歩ができるように
心地よい気候であるとともに、運動会を終えて活動に余裕が生まれる11月。3歳児の子どもたちといっしょに散歩に行く機会も多いかもしれません。
その際は、子どもたちの安全を守るためにも、公共の道路を使うときのルールを改めて確認することがポイントです。
横断歩道では右手を挙げる、白い線の内側を歩くなどの決まりを、3歳児の子どもたちが理解できる言葉で伝えていきましょう。
文例を知って11月の3歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、11月の3歳児クラスの月案に使える養護・教育のねらいや内容の文例を紹介しました。
11月には、3歳児の子どもが秋の深まりや季節の変化を味わえるよう、伝え方や遊びの内容を検討しておくとよさそうです。
また、この時期に作品展に向けて活動する保育園も多いかもしれません。子どもがのびのびと造形活動を楽しめるように月案で計画していきましょう。
月案の文例を参考に、11月の3歳児クラスの保育に活かしてみてくださいね。