12月の月案作成に悩んでいる新卒保育士さんもいるでしょう。風邪が流行る時期であるため、子どもたちの健康を守りながら冬らしい遊びを提供できるとよいですよね。今回は、2歳児クラスで使える12月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、食育や衛生に関する配慮と反省の書き方などもまとめました。
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■目次
12月の2歳児クラスの特徴とは?
本格的な冬が到来する12月。保育園でもクリスマスやお正月などの行事に向けて、飾りつけの準備をしている頃かもしれません。
そんな12月、2歳児クラスの子どもたちには以下のような特徴が見られるでしょう。
- クリスマスやお正月に期待感を持って過ごす。
- 冬の気候や自然に関心を持つ。
- 感染症にかかったり発熱したりと、体調を崩す子どももいる。
年末が近づく12月は、子どもたちが1年間を振り返って楽しかったことを思い出せるような機会を設けるのもよいですね。
このような特徴をおさえて、12月の2歳児クラスの月案に活かしていきましょう。
【12月】2歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
まずは、12月の月案に記入する前月の子どもの様子の文例をまとめました。
- 好きな友だちといっしょに同じ遊びを楽しむ姿が増えた。
- 手洗い、うがいの習慣が身についてきて、自発的に行っていた。
- 秋の自然を観察したり、絵本で読んだりして親しむ様子があった。
2歳児クラスでは、人間関係の広がりが見られたり、自然への関心が深まったりする様子があったかもしれません。
前月のクラスの状況をもとに、12月の月案計画に活かしていきましょう。
【12月】2歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
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12月の2歳児の月案に活用できる、ねらいや活動内容の文例をまとめました。
今月のねらい
ねらいの文例は、養護と教育の2つの視点に分けて紹介します。
養護のねらい
- 身体を清潔に保つ習慣を身につけ、心地よさを味わいながら過ごす。
- 排泄の感覚を掴み、尿意を感じたタイミングでトイレに行こうとする。
教育のねらい
- 友だちとかかわりながら、十分に身体を動かして遊ぶ。
- 保育者や友だちと12月の行事について話し、期待感を膨らませながら過ごす。
活動内容
ねらいをもとに、2歳児の子どもたちに経験してほしい、くわしい活動内容を考えていきます。
養護
<生命>
- 衣類を調整しながら健康に過ごす。
- 鼻水がでたらティッシュで拭いたり、排泄のあとに手を洗ったりして自発的に清潔を保とうとする。
<情緒>
- 葛藤や寂しさを感じるときは、保育者に受け止めてもらいながら気持ちに折り合いをつける。
- 疲れや体調、気分に応じて適度に休息を取りながら過ごす。
教育
<健康>
- 風邪を予防するための習慣について知り、自ら対策しようと意欲を持つ。
- 戸外に出て友だちとともに鬼ごっこやかけっこをして、身体を温めながら遊ぶ。
<人間関係>
- 異年齢での交流を通して、自分より小さな友だちへの思いやりを持つ。
- 集団遊びをするなかで、友だちを助けようとしたり、上手にできることをよろこんだりする。
<環境>
- とけ残った雪や氷などを発見して、観察したりふれてみたりしながら自然現象の不思議さを味わう。
- クリスマスやお正月の絵本を通して、行事や風習について関心を深める。
<言葉>
- 話を聞くときには静かにする必要があることに気づき、保育者に促されて自分の話を止めようとする。
- 保育者や友だちとの会話を楽しみ、相手の話にも耳を傾けようとする。
<表現>
- 絵の具や油性ペンを使い、のびのびと描画する心地よさを味わう。
- 鈴やカスタネットなど簡単な楽器を使い、クリスマスの曲に合わせて演奏することを楽しむ。
冬らしい気候になる12月、地域によっては雪や氷を使った遊びを楽しめるでしょう。
2歳児の子どもたちが季節の自然や行事に関心を深めながら過ごせるよう、月案の内容を工夫してみましょう。
【12月】2歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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ねらいや活動内容をふまえ、12月の2歳児の月案に記入する環境構成・保育者の配慮の文例を紹介します。
養護
生命
- 戸外に出るときは上着を着る、室内で寒ければ暖かい衣類に着替えるなど、気温に合わせた衣類の選び方を言葉にして伝える。
- 子どもの顔色や様子などをしっかり確認し、体調不良のサインを見逃さないよう心がける。
情緒
- 子どもの気持ちや葛藤を代弁しながらゆったりとかかわり、情緒の安定に努める。
- 午睡の時間には個々の体調や様子に合わせて十分に休息を取れるよう、食事を早めに切り上げたり、少し時間を伸ばしたりなど調整する。
教育
健康
- 風邪についてペープサートや絵本で紹介し、清潔にすることの意味を知れるようにする。
- 戸外で運動遊びを取り入れるときは、準備運動として簡単な体操やダンスを行い、身体を温めてから始める。
人間関係
- 年下の子どもにも思いやりを持てるよう、名前を伝えて紹介したり、簡単なお手伝いをお願いしたりする。
- 「○○ちゃんがあそこにいるよ」「いっしょに遊ぼう」と声をかけ、友だち同士のかかわりを仲立ちする。
環境
- バケツやカップなどで氷を作り、自然の不思議さを味わえる活動を取り入れる。
- ツリーやリースを保育室内に飾り、日常のなかで親しめるようにする。
言葉
- 読み聞かせや集まりの時間などに、聞くときの約束ごとを確認する機会を設ける。
- 子どもの質問や語りかけにはしっかりと目を見ながら聞くようにして、話すよろこびから相手の話を聞く態度につなげていく。
表現
- 十分な数の筆や紙などを用意して、心ゆくまで描画を楽しめるようにする。
- 楽器を使うときは持ち方や演奏の仕方を正しく伝え、丁寧に扱えるようにする。
お話が上手になる2歳児の子どもたちは、おしゃべりが盛んになる時期かもしれません。しっかりと相槌をしながら話を聞くことで、話す楽しさを味わえるようにしていきましょう。
また、クリスマスや冬の自然に親しめるような環境設定について、12月の月案で書いておくこともポイントですね。
【12月】2歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
ここでは、12月の月案に記入する家庭連絡や安全、食育に関する注意点の文例をまとめました。
家庭連絡
- 厚着になりすぎないよう、衣服の選び方の目安を説明する。
- 年末年始の過ごし方について伝え、イベントを楽しみながらも安定的な生活リズムで過ごせるようお願いする。
健康・安全・衛生
- うがいができないときはこまめに水分を補給し、喉をうるおせるように配慮する。
- 玩具といっしょにドアノブや手すりなどの消毒を行い、感染症を予防していく。
食育
- おかずと白米をバランスよく食べるよう声をかけ、様子を見ながら個別に促す。
- クリスマスや年末保育の行事食では、意味を簡単に説明したうえで楽しい雰囲気作りをする。
12月の朝は特に冷え込むため、必要以上に重ね着をして登園する子どももいるかもしれません。
家庭連絡事項として、適切な衣類の枚数や素材について周知することを月案に書いておくとよいですね。
【12月】2歳児の月案の文例:反省・自己評価
12月の2歳児クラスの月案における、反省と自己評価の観点となる文例を紹介します。
養護
- 寒くなるため一斉にトイレに行く機会を増やしたが、子どもによっては排尿のタイミングとずれるため行くのを嫌がる姿も見られた。個々のタイミングで行けるように配慮していく。
- 手洗いといっしょにうがいをするよう促すことで、風邪や感染症を予防していった。
教育
- 落ち葉や木の実、氷など、冬の自然を遊びに使って子どもたちの関心を育んでいけた。
- 集団遊びを取り入れると、子ども同士のトラブルや、やり方がわからずにいる姿も見られたが、個別に援助することでいっしょに遊ぶ楽しさを伝えていけた。
12月に見られた姿のなかで、次月につながりそうなエピソードや子どもの様子をピックアップして月案に記載しましょう。
行事への導入や自然遊びなど、2歳児クラスで力を入れた遊びについて振り返るのもよいかもしれません。
月案に活用できる12月の2歳児保育のポイント
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最後に、12月の2歳児クラスの月案や保育で活かせるポイントをまとめました。
厚着・重ね着はしすぎないよう注意
朝夕は特に冷え込むようになる12月、登園時にかなり厚着をしてくる子どももいるでしょう。
ただ、子どもはもともと体温が高めであるうえ、保育室内は一定の温度を保っているので、運動遊びをすると汗をかいてしまったり動きづらく感じたりすることが考えられます。
なるべく重ね着はせず、動きやすい薄手の衣類と上着で調整できるように、保護者に周知しておくとよいですね。
冬の感染症対策を念入りに
一般的な風邪だけでなく、インフルエンザやアデノウイルスなど感染力の強い病気も流行り出す12月。
集団生活を行う保育園では、子どもの健康を守るためにいっそう感染対策に力を入れる必要がありますよね。
こまめな手洗い・うがいはもちろん、定期的な換気や加湿、室内の消毒などを行っていきましょう。また、しっかりと休息を取れるよう午睡の環境を整えることも重要ですね。
クリスマス・年末に向けて期待感を持てる活動を
クリスマスやお正月は、2歳児クラスの子どもたちも楽しみにしているイベントかもしれません。
いっそう期待感を高めるとともに、行事についてくわしく知って親しみを深められるように、活動のなかに取り入れてみましょう。
クリスマスのモチーフを使った簡単なゲームや、お正月の手遊びなど、12月にぴったりな遊びを月案で計画しておくとよいですね。
文例を知って12月の2歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、12月の2歳児クラスの月案に使える、ねらいや反省などの文例を紹介しました。
12月頃になると2歳児さん同士でかかわる姿も増えてくるようなので、人間関係を育む集団遊びを取り入れてみましょう。
また、年末が近づくこの季節は、クリスマスやお正月といった行事に子どもたちが親しめる活動を考えることもポイントです。
12月の月案の文例を参考に、2歳児クラスの保育計画に役立ててみてくださいね。
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