【保育学生向け】施設保育士とは。給料や仕事内容、必要な資格など

施設保育士とは何か知りたい保育学生さんもいるかもしれません。くわしい仕事内容などを理解し、実習や入職先の候補にするなど、就職活動に活かせたらよいですね。今回は、施設保育士の役割や仕事内容、なるために必要な資格などを紹介します。あわせて、給料事情ややりがい、求人状況なども具体的にまとめました。

子どもと関係を築こうとする保育士

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施設保育士とは

施設保育士とは、児童発達支援センターや児童養護施設といった保育所以外の児童福祉施設で働く保育士のことを指します。

保育所を除く児童福祉施設は以下のような施設です。

  • 助産施設
  • 乳児院
  • 母子生活支援施設
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童厚生施設
  • 児童養護施設
  • 障害児入所施設
  • 児童発達支援センター
  • 児童心理治療施設
  • 児童自立支援施設
  • 児童家庭支援センター

児童福祉施設は厚生労働省「児童福祉法」の第七条に明記されています。施設によって受け入れる子どもの年齢や障がいの程度は異なりますが、施設保育士として働ける場所の選択肢は広いといえるでしょう。

出典:児童福祉法/厚生労働省

施設保育士の役割

まずは、施設保育士の役割について見ていきましょう。

子どもたちと家族のような関係を築く

施設保育士は子どもと密接にかかわり、家族のような関係を築くこともあるでしょう。

さまざまな理由から家庭で暮らすことができない子どもたちを預かり、寝起きを共にする児童養護施設の場合は、家族のような役割を求められるかもしれません。

また、児童発達支援センターのように障がいのある子どもたちを預かる施設では、一人ひとりに適した支援を行う役割もあるようです。

幅広い年齢の子どもを支援する

施設保育士が働く施設の利用対象者は、おもに0歳児から18歳未満の子どもたちでしょう。

保育園では0歳児から小学校就学前の子どもたちとかかわりますが、施設保育士として働ける施設では幅広い年齢の子どもたちを支援することになります。

そのため、年齢ごとに適した指導やサポートをすることも重要な役割と言えるでしょう。

施設保育士の仕事内容

ここでは、施設保育士の具体的な仕事内容について紹介します。

生活習慣のサポート

施設保育士として働くうえで大切なこととして、生活習慣のサポートが挙げられます。

保育園や幼稚園と同じように食事や排せつ、衣服の着脱など生活するうえで基本的なことができるように、子どもたちの援助や指導を行うようです。

児童発達支援センターのように障がいをもつ子どもがいる施設では、障がいに寄り添ったサポートを担う場合もあるでしょう。

また、児童養護施設で働く場合、掃除や入浴の方法など生活で必要なことを知ってもらうために、生活指導を行うこともあるようです。

子どもたちが社会に出たときに自立できるよう支援することは、施設保育士の大事な仕事の一つと言えるかもしれません。

学習指導

施設保育士は学習指導を行うこともあるようです。

施設によって対象となる子どもの年齢は異なりますが、小学生や中高生と接するときは勉強について教えたり、聞かれたりすることもあるかもしれません。

子どもたちの学習状況を確認して指導することも、施設保育士の大切な仕事と言えそうです。

けがの手当や検診の援助

けがの手当や検診の援助を行う場合もあるかもしれません。

日々保育を行うなかで、けがをした子どもの手当をしたり、場合によっては健康診断に付き添ったりすることも仕事内容の一つのようです。

施設保育士のやりがいや大変と思われやすいこと

子どもと本を読む保育士

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ここからは、施設保育士のやりがいや大変と思われやすいポイントについて見ていきます。

やりがい

社会に貢献できる

施設保育士は児童養護施設や乳児院など、社会問題とかかわるような場所でも活躍しているようです。

児童虐待のような社会問題について学んだり、社会に貢献できる仕事に就いたりしたい保育学生さんには向いている仕事かもしれませんね。

保護者の役割を担える

児童養護施設など、施設によっては子どもの進学をサポートしたり相談に乗ったりと、保護者のような役割を担うこともあるようです。

子どもが自立していく姿を間近で見ることができるので、やりがいを感じられるかもしれません。

他の職種の人と連携できる

児童指導員や心理士が在籍しているなど、さまざまな職種の職員が揃っていることも多いようです。

多様な職員と連携しながら子どもをサポートしたい保育学生さんにはぴったりでしょう。

さまざまな年齢の子どもとかかわれる

施設にもよりますが、施設保育士は0歳~18歳の子どもとかかわることが多いようです。

乳児や幼児だけでなく、さまざまな年齢の子どもと関係を築きたい保育学生さんはやりがいを感じられるでしょう。

大変と思われやすいこと

責任が重くなりやすい

児童福祉施設には、虐待で心や身体に傷を負ったり、人とのかかわり方が分からなかったりする子どもも多いようです。

施設保育士はそのような子どもと直接かかわる場面が多いため、言葉かけや行動一つが子どもの人生に大きく影響するなど、責任が重くなってしまうこともあるかもしれません。

子どもとのかかわり方が難しい可能性がある

親から虐待を受けたなどのトラウマを持っていることから、うまく人とコミュニケーションを取れない子どももいるようです。

時にはどのように対応をすればよいか分からず、悩んでしまうこともあるかもしれません。

施設保育士は子どもの気持ちにしっかり寄り添うなど、少しずつ信頼関係を築く必要があるでしょう。

夜勤があるかもしれない

児童養護施設や乳児院などは子どもが生活を送っている施設であるため、夜勤の業務があることも多いようです。

場合によっては生活リズムが崩れたり、体力的に大変であったりすることもあるかもしれません。

夜勤を希望しない学生さんは採用担当者へ話しておくなど、事前に働き方について相談するとよいでしょう。

施設保育士になるために必要な資格や活かせる知識

続いて、施設保育士として働くために必要な資格や、活かせそうな知識を紹介します。

保育士資格

施設保育士になるには、基本的に保育士資格が必要となるようです。

保育学生さんは日々の授業や実習に励み、保育士の知識やスキルをしっかり身につけるのも大切なことでしょう。  

専門性のある資格や知識

保育士資格のほかにも発達障害に関する資格など、働きたい施設に特化した専門性のある資格を取ってみてもよいかもしれません。

また、子どもの心のケアが必要な職場に入職したい場合は、児童心理学やカウンセリングに関するスキルがあると役立てられそうですね。

施設保育士になるためにやっておくとよいこと

子どもと笑顔で話す保育士

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施設保育士になるには、入職前にどのようなことをやっておくとよいのかを具体的に説明します。

ボランティアに参加する

障害を持つ子どもとふれ合えるようなボランティアに参加すると、実際に働いたときをイメージしやすくなりそうです。

一般的に、ボランティア募集では参加条件として「障がいについて興味がある方」「子どもが好きな方」などと書かれており、特別な資格を求められることは少ないようなので、保育学生さんも気軽に参加できるでしょう。

また、施設の職員さんに質問できる機会があれば、働くうえで不安に思っていることなどを解消できるチャンスかもしれません。

専門的な本を読む

働くうえで役立つ知識をつけられるように、専門的な本を読むのも大切なことです。

特に働きたいと考えている施設に関するものや、その施設に通所、もしくは入所している子どもについての知識を深められる本を読むことが大切でしょう。

セミナーに参加して知識を深める

入職後に役立つ知識を身につけるために、障がいや心理学などを学べるセミナーに参加してみるのもよさそうです。

インターネット上や地域の施設などで開催されることもあるようなので、気になる保育学生さんは調べてみるとよいでしょう。

施設保育士の求人状況と給料・待遇

最後は、施設保育士の求人状況と給料・待遇についてまとめました。

求人状況

保育所を除く児童福祉施設は、2019年10月時点で約4万4,000カ所あります。

2019年度の認可保育園数は約3万6,000カ所、認可外保育園数は約1万2,000カ所なので保育園数よりも施設数はやや少ないようです。

そのため、施設保育士の求人数は保育園で働く保育士の求人数より若干少ないかもしれません。

給料・待遇

児童福祉施設の給料は施設にもよりますが、月給は20万円程度のようです。

福利厚生は比較的充実しており、夜勤手当や通勤手当などが支給される施設は多いでしょう。

もし、自分に合う児童福祉施設が見つからない保育学生さんは、就活支援サービスを使ってみるとよさそうです。

給料や待遇をこまかく調べてくれたり、履歴書を添削してくれたりするので、就活が不安な保育学生さんは登録してみるとよいかもしれませんね。

出典:結果の概要/厚生労働省

出典:平成30年度認可外保育施設の現況取りまとめ/厚生労働省

出典:②保育所等関連状況取りまとめ/厚生労働省

施設保育士の役割や専門性を理解して就職活動に活かそう

今回は、施設保育士とは何かについて説明しました。

施設保育士は、保育所以外の児童福祉施設で働く保育士のことです。幅広い年齢の子どもとかかわったり、時には家族のような関係を築いたりする役割を担っています。

仕事内容としては、生活習慣のサポートや学習指導、けがの手当などさまざまな業務が挙げられるでしょう。

また、施設保育士になるには入職前にボランティア活動に参加したり、専門的な本を読んだりして知識を深めておくと、入職した際に役立つかもしれません。

児童福祉施設で働きたい保育学生さんは、施設保育士の仕事内容や、保護者に近い存在として大切な役割を担っていることなどを理解して、就職活動に活かしてみてくださいね。

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