保育実習日誌を記入するにあたって、感想の書き方が分からない保育学生さんもいるでしょう。記載方法が分かればレポートを作るうえで役立ったり、就活面接の受け答えの参考になったりするかもしれません。今回は、保育実習日誌の感想の例文を紹介します。保育園実習や幼稚園実習などのシーンや、担当クラス別にまとめました。
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保育実習日誌の感想とは
保育実習日誌の感想とは、実習を通して感じたことや学んだことを記載する項目です。
内容としては、子どもの姿や保育士さんの行動から学んだこと、立てた目標に対する自己評価などを記載するとよいかもしれません。
特に、以下の順番でまとめると、伝わりやすい文章に仕上がるでしょう。
自分で立てた目標→目標の達成度・感じたこと→今後に活かすこと・自分の目指す保育
また、園長や担当の保育士さんなどに読んでもらうものであるため、誤字脱字に注意して丁寧に書くことが大切です。
スムーズに書くためには、実習中に起こった印象的な出来事をメモ帳に記録しておくこともポイントと言えますね。
ここで紹介する例文を参考に、保育実習日誌の感想を作成してみましょう。
【シーン別】保育園実習日誌の感想の例文
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ここからは、日誌の感想の例文を保育園実習や幼稚園実習、施設実習のケースに分けて紹介します。
保育園実習
まずは、保育園実習に参加したときの例文です。
1回目、2回目の場合に分けて1日ごとの感想をまとめました。
1回目
今回、「保育園の1日のスケジュールを知る」という目標を立てて実習に臨みました。
保育園では決められたスケジュールに基づき、規則正しい生活を送っているものと思っていました。
しかし、実際は子どもの様子に合わせ、柔軟に1日の流れを作っているということに気づきました。
例えば、登園直後にお母さんのことが恋しく、○○ちゃんが泣いてしまった場面がありました。
本来は登園後に製作を行う予定だったのですが、保育士さんは○○ちゃんに無理強いせず、落ち着くまで手遊びをしたり絵本を読んだりしていました。
この様子から、1日のスケジュール通りに過ごすことよりも、子どもの気持ちに寄り添うことを大切にしているのだと感じました。
私も、どのような場面でも子どものことを第一に考えた保育を行っていきたいです。
1回目の保育園実習に参加した場合の例文です。
「子どもの様子に合わせ、柔軟に1日の流れを作っていることに気づいた」というエピソードを具体的に記載しています。
「子どものことを第一に考えた保育を行っていきたい」と目指す姿もまとめることで、自身の保育観を形作るきっかけとなるかもしれませんね。
2回目
今回は、2回目の保育実習に参加しました。
「年齢による保育の違いを知る」という目標を立て、前回よりさらに理解を深めようと実習に臨みました。
年齢に適した保育内容については勉強をしていましたが、実際は教科書通りにいかないことがたくさんありました。
例えば、同じ年齢でもはさみを上手に使える子どももいれば難しそうな場合もあるなど、子どもによってできることはさまざまでした。
そのため、担当の保育士さんは子どもの様子によって援助内容を変え、スムーズに製作を進められるようサポートしていました。
私はその姿を見ながら、「教科書だけに頼らず、子どもに適した保育内容を自分で考えることが必要だ」と感じました。
責任実習では年齢だけではなく子どもの様子も踏まえ、遊びや援助内容を考えたいと思います。
2回目の保育園実習に参加した場合の例文です。
「『年齢による保育の違いを知る』と目標を立てたものの、子どもに適した保育内容は自分で考えることが必要」と気づいたエピソードを挙げています。
責任実習で意識すべきポイントもまとめれば、後に日案などを作成するときに参考となるでしょう。
幼稚園実習
続いて、幼稚園実習に参加したときの1日ごとの例文を紹介します。
今回の幼稚園実習では、「子どもの興味・関心を伸ばす方法を知る」ことを目標に掲げました。
私が保育に入った5歳児クラスでは、りんごやブドウなどがかかれたカードとひらがなの形をしたブロックをいくつか置き、並び変えてそれぞれの名前を完成させるゲームを行っていました。
うまくできない子どももいたのですが、担当の保育士さんは笑顔でやさしく教えるとともに、できたときはしっかりと褒めていました。
また、ゲームが終わった後は果物が登場する紙芝居を読み、知識の定着を目指しているようでした。
本日の実習を通して、遊びの連続性を意識したり子どもと丁寧に接したりすることが興味や関心の向上につながるのではと感じました。
私も子どもが学びやすい環境を整え、意欲を引き出せるような保育を行っていきたいです。
幼稚園実習に参加した場合の例文です。
「担当の保育士さんが笑顔で教えていた」「ゲームが終わった後は果物が登場する紙芝居を読んでいた」という場面から、気づきを得た内容をまとめています。
「遊びの連続性を意識したり、子どもと丁寧に接したりすることが興味や関心の向上につながる」と学んだことを具体的に記載すれば、入職後や就活にあたって日誌を読み返したときに役立つかもしれませんね。
施設実習
ここでは、施設実習に行ったときの1日ごとの例文をまとめました。
今回は入所型障がい児施設へ施設実習に行きました。
「障がいを持った子どもとの接し方を知る」という目標を掲げ、実習に臨みました。
最初はどのようにかかわればよいか分からず戸惑うこともありましたが、実習を通じて自信を持つことができました。
本日は、コミュニケーションを取ったり生活の援助をしたりすることが多かったのですが、時には子どもが暴れてしまうこともありました。
私はどのように声をかければよいか分からず困ってしまい、その場では担当職員の方が止めてくださいました。
「ダメなことはダメと言っていい。顔を見てゆっくりと話すことが大切。」とアドバイスをくださいました。
そして、「自立を目指すためにも、いけないことはしっかりと教えたい」とおっしゃっており、子どもへの愛情の深さを感じました。
それからは頂いたアドバイス通りにコミュニケーションを取ることで、最後は子どもと会話を楽しむこともできました。
この経験を活かし、次の実習では「子ども1人ひとりに合った援助を行う」ことを目標にサポートを行っていきます。
入所型障がい児施設で実習を行ったときの例文です。
「暴れてしまったときに声のかけ方が分からず困った」と自身が感じた問題点や、「顔を見てゆっくりと話す」など頂いたアドバイスの内容を挙げています。
「子ども1人ひとりに合った援助を行う」と目標もまとめれば、次回の実習に臨むときに意識すべきポイントが分かりやすくなるでしょう。
【担当年齢別】保育園実習日誌の感想の例文
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ここでは、日誌の感想の例文を担当年齢別に紹介します。
0歳児
今回は、0歳児クラスの保育園実習に参加しました。
「離乳食のあげ方を知る」ことを目標に掲げ、実習に臨みました。
実際に離乳食をあげてみると口を開かなかったり、口に入れても吐き出してしまったりなど戸惑うことが多くありました。
担当の保育士さんは上手に離乳食をあげており、「もぐもぐ」「あーん」などの声かけを行っていました。
担当の保育士さんを真似て声かけをする、自分も口を動かして促すなどの工夫をした結果、なんとか食事を終えることができました。
これからも子どもが楽しく食事をできるように、さまざまな工夫をしながら保育を行っていきます。
0歳児クラスの保育園実習に参加したときの例文です。
担当の保育士さんを観察し、「『もくもぐ』『あーん』など声かけを行っていた」と気づいた点をまとめています。
成功体験を通して「これからも子どもが楽しく食事をできるようにしたい」など思ったことを記載すれば、園長や担当の保育士さんに前向きなイメージを与えられるでしょう。
1歳児
今回は、1歳児クラスの保育園実習を行いました。
「笑顔でやさしい声かけを心がける」ことを目標に参加しましたが、実際は戸惑うことの多い保育実習となりました。
クラスに入っていっしょに手遊びをしようとしたところ、泣いてしまう子どもが何人かいました。
笑顔で声をかけ続けましたがなかなか泣き止まず、担当の保育士さんに「一回離れよう」と言われ、代わりに子どもをあやしてくださいました。
後に「この時期は人見知りの子どももいるから、様子を見ながらかかわったほうがよい」とアドバイスを頂き、しばらくは見守るようにしました。
そして、午後には最初泣いていた○○ちゃんが近寄ってきてくれ、いっしょに手遊びを楽しむことができました。
子どもとかかわるときは、子どものペースを考えることが大切だと痛感した実習でした。
1歳児クラスに入ったときの例文です。
「笑顔でやさしい声かけを心がける」を目標にしたものの、子どもが泣いてしまったというエピソードを挙げています。
「子どものペースを考えることが大切」と実習を通してわかった点も書けば、自身の保育観に気づくことにつながるかもしれませんね。
2歳児
今回は「子どもに適切な援助を行う」という目標を立て、2歳児クラスの実習を行いました。
午睡前に○○ちゃんがパジャマに着替える場面で、うまく着られずに困っている場面がありました。
私は援助をしようと思って近づきましたが「自分でやるの!」と言われ、どうすればよいか困ってしまいました。
そこで担当の保育士さんが「自分でやりたいんだね、じゃあやってごらん!」と言うと、○○ちゃんは笑顔で着替えを始めました。
しかし、どうしても難しいところは担当の保育士さんが「いっしょにやろうか」と声をかけ、すべてを手伝わないようにしていました。
子どもの挑戦したい気持ちを尊重しつつ、上手に着替えられるように工夫していることが伝わってきました。
今回のことから「すべてを手伝うことが優しさではない」と実感したので、次回からは子どもの様子を見ながら適切な援助を行っていきたいです。
2歳児クラスに入ったときの例文を挙げています。
「保育士さんが○○ちゃんの挑戦したい気持ちを尊重していた」のように印象的なエピソードをまとめれば、後にレポートなどを書く場面で役立つかもしれません。
また、「子どもの様子を見ながら適切な援助を行いたい」と目標も添えることで、次の実習に活かすことができるでしょう。
3歳児
今回は3歳児クラスで保育実習を行いました。
「子どもの感情をしっかり受け止める」ことを目標にして保育を行い、結果的に目標を達成することができました。
外遊びをしているときに、子ども同士がシャベルを取り合ってしまう場面がありました。
ケンカになってしまいハラハラと見守っていたのですが、解決に至らなそうなので仲裁することに決めました。
前回、保育士さんが仲裁していた方法を思い出し、「○○くんはシャベルが欲しかったんだよね。」のように気持ちを受け止めることを意識しました。
結果的に2人は仲直りをして、シャベルを貸し借りしながら仲よく遊べるようになりました。
担当の保育士さんからもお褒めの言葉を頂いたので、これからも子どもの気持ちを大切にしながら保育を行っていきます。
3歳児クラスで保育実習を行ったときの例文です。
「子ども同士がケンカをしてしまった場面で、気持ちを受け止めることができた」と、印象的なエピソードをまとめています。
反省点だけではなくこのような成功体験も記載することで、自信を持つことにつながるかもしれませんね。
4歳児
今回は4歳児クラスの保育実習に参加しました。
「遊びの場面で、保育士がどのような援助を行っているかを知る」ことを目標に掲げ、実習に取り組みました。
本日はのびのびと身体を動かすことをねらいに、スキップリレーで遊びました。
スキップがうまくできない子どもも少しいましたが、そのようなときは保育士さんがいっしょに走るなどの援助を行っていました。
スキップができない子どもも楽しく遊べるように、工夫をしていることが伝わってきました。
今回のことを踏まえ、責任実習ではすべての子どもが楽しめることを目指し、必要な援助や配慮を考えていきます。
4歳児クラスの保育実習に参加したときの例文です。
「スキップがうまくできない子どもに対して、保育士さんがいっしょに走るなどの援助を行っていた」と気づいた点を述べています。
責任実習で意識すべきポイントもまとめれば、指導案などを作成するときの参考となるでしょう。
5歳児
今回は5歳児クラスの保育実習に参加しました。
「子どもの表現力を養えるような声かけをする」を目標に、保育実習へ臨みました。
本日はどんぐりと牛乳パックを使ったケーキを製作しました。
丁寧に分かりやすく手順を伝えたため、ケーキの形にするところまではスムーズに進めることができました。
しかし、最後に「好きなように飾ってみよう」と声かけをしたときに、どのように飾ればよいか分からず悩んでいる子どもがいました。
保育士さんは「○○ちゃんはどんなケーキが好きなの?」「イチゴ味のケーキもおいしいよね」のように声かけをし、子どもの想像がふくらむように援助を行っていました。
私も保育士さんの姿を見習い、今後は子どもが自分らしい作品を作れるように工夫をした声かけを行っていきたいと思いました。
5歳児クラスで製作を行ったときの例文です。
「『子どもの表現力を養えるような声かけをする』を目標にしたものの、上手に声かけできなかった」というエピソードを紹介しています。
参考になった保育士さんの声かけ内容を記載しておけば、次回の実習で活かすことができるかもしれません。
感想の例文を参考に、保育実習日誌をスムーズに書こう!
今回は保育実習日誌の感想の例文を紹介しました。
日誌における感想とは、感じたことや学んだことなどを記載する項目を指します。
立てた目標に対する自己評価や印象的なエピソード、次回の目標などをまとめると分かりやすくなるでしょう。
保育学生さんはここで紹介した例文を参考に、保育実習日誌をスムーズに書けるとよいですね。
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