「就職先の保育園をどう選べばいいの?」と悩む保育学生さんは多いのではないでしょうか。全国には約4万もの保育施設があり、種類や保育方針、給料や福利厚生など確認すべき点はさまざまです。なかにはいわゆる“ブラック園”もあるため、就職後に後悔しないための情報収集が欠かせません。今回は、保育園の選び方のポイントやブラック園を見極める方法を紹介!園見学・説明会で使えるチェックリストもまとめたので、就活にお役立てくださいね。
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就職先の保育園の選び方がわからない…
就活が始まるなかで、就職先の保育園の選び方に悩む保育学生さんはいませんか?
全国には約4万もの保育施設があります。通える範囲で探そうとしても、住んでいる街の中だけで多くの保育施設がある場合もあるでしょう。
そのなかで就職先を決めるのは難しいことです。
しかし、仕事は人生のなかで大きな割合を占めるもの。だからこそ、自分にぴったりの後悔しない園を見つけたいですよね。
今回は、保育学生さんに向けて、就職先の保育施設を選ぶポイントやブラック園を見極めるポイントを詳しく紹介します。
保育園の種類と特徴
保育施設には、認可保育園・認可外保育園などさまざまな形態があります。まずは、それぞれの特徴を知り、どの施設を選ぶべきか考えてみましょう。
認可保育園(公立・私立)
国や自治体の基準を満たして設置・運営されている保育園です。定員や職員配置、施設基準などが厳しく定められており、保護者の利用料も所得に応じて決まるのが特徴です。
認可保育園を、公立と私立に分けて紹介します。
公立
公立の場合、自治体の職員となるため、地方公務員採用試験の合格が必要となります。
試験は難易度が高いですが、その分、給料や福利厚生が安定しており、経験年数が上がると徐々に給料も昇給します。
自治体内であれば転勤があるので、同じ園で長く働きたいと考えている場合は、その点を考慮する必要があるでしょう。
私立
私立保育園は、公立と比べて運営主体が社会福祉法人や学校法人、株式会社など多様です。
そのため園ごとに保育方針や取り組みに違いがあり、特色がはっきりしているのが特徴です。自分が思い描いた保育を実践できる職場を見つけやすいかもしれません。
認可外保育園
認可外保育園は、国の認可基準を満たさずに運営されている園で、独自の方針や特色をもつ場合が多いでしょう。
夜間保育や長時間保育に対応するなど、家庭の多様なニーズに応えているのが特徴です。
保育時間や設備などは園ごとに異なり、商業施設内やビルの一室など、コンパクトな空間を活かして運営されているケースもあります。
小規模保育園
小規模保育園は、認可保育園の一種で0〜2歳児を対象としています。子ども一人ひとりに丁寧に関われる環境が整っており、アットホームな雰囲気のなかで保育できるでしょう。
マンションやビルの一室などで運営されていることが多く、クラスを分けずに0〜2歳児が同じ空間で過ごすスタイルが一般的です。
企業主導型保育園
企業主導型保育園は、従業員の子どもや地域の子どもを対象に運営される保育園です。
企業の勤務形態に合わせて設けられているため、早朝や夜間など柔軟な時間帯に対応している園もあります。
行事は必要最低限に抑えられているケースが多く、小規模保育園同様、少人数で一人ひとりの子どもと丁寧に関わることができるでしょう。
後悔しないために!保育園を選ぶ4つのポイント(保育方針・給料・勤務時間・福利厚生)
保育施設の種類がわかったところで、次は就職先を選ぶ段階ですね。
「とにかく内定がほしい」と焦るあまり、まずは興味のある園に申し込むという方も多いかもしれません。
しかし、働き方の選択肢が広がっている今だからこそ、自分に合っているかどうかを見極めることも大切です。
働き始めてから「思っていた働き方と違う…」と後悔しないために、チェックしておきたい4つのポイントを紹介します。
保育方針
各保育園は、それぞれ異なる保育方針や理念のもとで運営を行っています。
保育方針によって、子どもとの関わり方や教育観は大きく変わります。
自分の思い描く保育のスタイルや価値観に合っているかを確認しましょう。
なかには「実習先は2園だけ…その園の保育方針しかわからない」という学生さんも多いかもしれません。
そこで、代表的な保育方針を以下にまとめました。※あくまでも一例です。園によって特色は異なります。
保育方針 | 特徴 |
---|---|
ヨコミネ式 | 読み・書き・計算・体操で「できる」を増やし、自信を育てる |
モンテッソーリ | 自主性を尊重し、専用教具で「自分でできること」を増やす支援 |
英語教育 | 歌や会話を通じ自然に英語を身につけ、異文化に触れる |
自然保育 | 四季や自然に親しみ、感性や生きる力を育む |
縦割り保育 | 異年齢で過ごし、思いやりや協調性を養う |
音楽・リトミック | 音楽やリズム遊びで表現力・集中力を伸ばす |
レッジョ・エミリア | 子どもの探究心を尊重し、多様な表現を大切にする |
食育重視 | 野菜栽培や調理体験で食文化への興味を育む |
スポーツ・体操 | 体操や遊びを通して体力づくりと挑戦心を育てる |
ICT保育 | タブレットなどを活用し、時代に合った学びを広げる |
学校で自分の学んできたことや「こんな先生になりたい」という思いと照らし合わせながら、保育方針がマッチするかを考えてみましょう。
給料
保育士の給料は、園によって差があることも多いもの。
初任給の平均は、18〜22万円前後が一般的ですが、賞与や昇給の仕組み、住宅手当の有無などを含めて比較してみましょう。
一人暮らしの生活費の例(目安:合計 約20万円)
家賃:8万円
光熱費:2万円
食費:5万円
通勤交通費:1万円
携帯・インターネット代:1万5,000万円
雑費(衣類・日用品など):2万円
娯楽・交際費:5,000円〜1万円
合計:約20万円
さらに、奨学金などの返済をする方は、+1〜2万円ほどかかる場合もあるでしょう。
「働きがい」も重要ですが、長く安心して続けるためには、給料面の条件を冷静に見ておきましょう。
現実的にどのくらいの給料なら生活ができるのか、しっかり考えることが大切です。
勤務時間
勤務時間も働くうえで重要な要素のひとつ。
勤務時間が同じでも、「固定労働時間制」か「シフト制」かなど、勤務体系によって何時から何時まで働くかは変わってきます。
固定労働時間制
一定の時間帯で勤務する仕組みです。たとえば「8時30分〜17時30分」のように始業・終業時間が決まっており、生活リズムを整えやすいという特徴があります。
シフト制
早番・中番・遅番など複数の勤務パターンがあり、その日の担当によって出勤・退勤時間が変わります。
【シフト制時間例】
早番:7時00分〜16時00分
中番:9時00分〜18時00分
遅番:10時30分〜19時30分
園の体制や職員数によっても勤務パターンに違いがあるため、しっかり確認しておくとよいですね。
福利厚生
給料だけでなく、働きやすさを左右するのが福利厚生です。
各園で福利厚生の内容は異なるため、求人票や園見学でチェックしておくとよいですね。
【保育園でよくある福利厚生例】
福利厚生の種類 | 内容例 |
---|---|
住宅手当・社宅制度 | 借り上げ社宅制度では上限月75,000円の家賃補助が出る場合も |
職員の子どもの優先入園 | 自分の子どもを園に預けられる。保育料割引(3〜5割引)がある園も |
研修制度 | 新任研修(入職後1〜3カ月)、海外研修(1〜2週間)を設ける園も |
健康診断・メンタルケア | 年1回の定期健診(費用5,000〜10,000円を園が負担)、カウンセリング無料利用 |
ライフイベント支援 | 結婚祝い金1〜3万円、出産祝い金1〜5万円、育休は最長2年取得可能 |
制服貸与・業務サポート | エプロン貸与、クリーニング費用を月2,000〜3,000円ほど園が負担する例も |
福利厚生が充実している園では、安心感をもって長く働くことができるでしょう。
誕生日休暇が取れたり、給食が無料になったりとさまざまな福利厚生が用意されている園があるため、要チェックです!
福利厚生が充実した園を知りたい就活でブラック園を見極める方法
就職先を選ぶときは、給料や福利厚生などの他、安心して働ける環境かどうかも見極めることが大切です。
いわゆる「ブラック園」に就職してしまうと、長く働き続けることが難しくなってしまいます。
以下の点に注意して、確認しましょう。
・残業や持ち帰り仕事の有無
行事前日など忙しい時期は多少の残業が発生しますが、常に持ち帰り作業がある園は要注意です。
求人票で残業時間が平均〇時間など具体的に記入している園だと安心して働けますね。
・職員の定着率
退職者が多い園は、人間関係や業務量に問題がある場合があります。
面接などで聞きづらい内容なので、園見学などで職員や保育の雰囲気を確認してみましょう。
・休暇の取りやすさ
有給休暇や休日出勤の扱いが明確になっているかも重要です。
休みを取りにくい園では、長期的に心身の負担が大きくなってしまいます。
行事の際の代休があるのかも確認してみるとよいですね。
・給料や手当の透明性
求人票に基本給・手当・賞与の支給基準が明確に記載されていない場合は注意が必要です。
「一律手当」や「みなし残業代」の有無もチェックしておくと安心です。
ブラック園かどうかを見極めるのは、求人票の情報だけでは難しいケースが多いでしょう。
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保育士バンク!新卒に無料相談園見学・説明会で使えるチェックリスト
興味のある園が見つかっても、園見学や説明会で「自分に合うかどうか」を判断する基準がわからず、悩んでしまう方もいるでしょう。
働くイメージを具体的に持ちながら、以下のチェックリストを活用してみてくださいね。
見学や説明会は、園をよく知ることができるチャンスです!
求人票だけではわからない雰囲気や働き方を確かめてみましょう。
なお、「見学したい園があるけれど、電話などでお願いしづらい…。」という悩みがある方は、保育士バンク!新卒にご相談ください。
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インタビューでは、「入社前後でギャップはありましたか?」など、少し踏み込んだ質問にも応えていただいています!
この他にもさまざまな園の保育風景・職員の雰囲気などを紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
保育園の就職先の選び方を知り、自分に合う園を見つけよう
保育園の就職先を選ぶときは、求人票だけでなく、園見学や説明会を通して、実際の雰囲気を知ることが大切です。
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