保育園や幼稚園で使われる言葉には、現場特有の言い回しや難しい専門用語がたくさんあります。保育士として働き始める前に、保育用語をマスターしておきましょう!今回は、さ行の用語を解説していきます。
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よく使う保育用語【さ】
産休明け保育
産前・産後休業明けである出産後8週間経過直後から子どもを預かることです。
保護者が産前・産後休業の後に育児休業を取らず復帰するケースなどでは、産休明け保育を実施することになります。
3歳児健診
3歳児健診とは、満3歳児になる子どもを対象に行う公的な乳幼児健診の一つです。
身長・体重測定、診察、歯科健診、尿検査、視力・聴力検査などと合わせて、子育て相談を実施する場となります。
3年保育
年少・年中・年長の3年間を、保育園や幼稚園で預かることです。
4月時点で満3歳である子どもが年少クラスとして入園します。主に幼稚園では3年保育を行うことが一般的です。
よく使う保育用語【し】
自我意識の芽生え
周囲や他者とは異なる自分自身の存在に気づき、自己主張を始めること。
家族や保育者など周囲の人の存在に気づき、相対的に「自分」の存在を意識し始めることで、自我が芽生えるとされます。
自分と他者は違うという思いから、「自分でやりたい」と主張したり、誰かにやってもらうことを「イヤイヤ」と拒否したりすると言われています。
自己評価
保育の質向上・改善を目的として、保育者および保育施設が自ら行う評価のことです。
保育所保育指針によって、実施に努めなければならないと示されています。
また、保育の質向上・改善のために第三者機関によって行われる「第三者評価」も存在します。
視診
登園時に行う子どもの健康観察と、その対応のこと。子どもの健康状態を目で見て観察します。
本来は医者が患者を見て診察をする医療行為を指すため、保育現場では「健康観察」と呼ばれることもあります。
SIDS(シッズ/乳幼児突然死症候群)
元気だった赤ちゃんが、予兆や前触れがないまま眠っている間に突然死亡してしまう原因不明の病気です。
うつぶせ寝をしているときの発症率が高いため、保育施設での午睡中は、あおむけ寝に直したり、呼吸のチェックを行ったりといった対応をしています。
指導計画
クラスの子どもの様子や成長に基づいて、最適な関わりができるように立てる計画の総称です。
指導計画には、年間指導計画や月案、週案、日案などが挙げられます。
児童相談所
すべての子どもが心身ともに健やかに育つよう、本人や家族などを援助し、問題を解決していく相談機関です。児童福祉法に基づいて設置される行政機関の一つ。
子ども本人や家族、周囲の大人、教育・保育施設からの相談や通告を受け付けています。
子どもが抱える問題について、保育施設やその他の機関と連携して援助していくこともあります。
10の姿
「10の姿」とは「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を10個の項目で示したもので、小学校入学前までに養っておきたい姿を具体的な視点から捉えた内容です。
保育所保育指針などの2017年の改定によって新しく設けられ、幼稚園、保育所、認定こども園の3施設で共通の指針が設けられています。
自由保育
子どもたちが好きな活動や環境を選びながら過ごせる自由な雰囲気の保育です。
保育者が自由保育を実践するうえでは、子どもの興味・関心を最大限に受け止めて関わることが大切になります。
対義語に近い表現として「設定保育」が挙げられます。
障がい児保育
心身に障がいを持つ子どもに対して行う保育のことです。
障がい児保育を専門とした児童発達支援施設などのほかに、一般の保育園でも障がい児を受け入れることがあります。
情緒の安定
子どもたちが気持ちを受け止めてもらいながら安心して過ごしたり、くつろいで心身の疲れを癒したりできる状態を指します。子どもの自己肯定感や安心感の基盤となるものです。
保育所保育方針では養護に関するねらいとして「生命の保持」と「情緒の安定」の2項目が設けられています。
食育
生きる上での基本となる「食」について、正しい知識と望ましい食習慣を身につけられるようにすることです。
保育現場では、食材を栽培・収穫したり、クッキング活動を行ったりといった形で取り入れられることが多いようです。
よく使う保育用語【す】
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STEAM教育
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学・ものづくり)、Art(芸術・リベラルアーツ)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせた教育理念です。
理系・文系といった枠組みに囚われず、各教科での学習を社会での問題解決に活かす資質・能力の育成を目的に推進されています。
保育現場においては、子どもたちの関心をもとに探求を深め、自然やものづくり、芸術、数字や図形などにふれる機会を増やす形で、STEAM教育の素地作りに取り組んでいるようです。
素話
絵本や紙芝居といった道具を一切使わず、保育者の語りかけのみで行う素朴なお話のことです。
子どもの想像力や語彙力を育むとともに、温かみや安心感を与えられると言われています。
ずりばい
赤ちゃんがお腹を床につけたまま、足や腕を使ってずりずりと移動する動作を指します。
赤ちゃんの首が座るようになり、うつぶせや寝返りに慣れた生後6カ月~8カ月頃に見られることが多いようです。
よく使う保育用語【せ】
責任実習
実習生が1日の保育の流れを計画立てて、それに沿ってクラスを主導する実習形式のこと。
日案を計画して臨むこととなるため、事前にねらいや活動内容、声かけを考えたうえで臨みます。
設定保育
保育者がねらいをもとに活動内容をあらかじめ決めておき、クラス全体で同じ活動をする保育の進め方です。
一斉保育と呼ばれることもあります。対義語に近い概念として、自由保育が挙げられます。
潜在保育士
保育士資格を持っていながらも、保育士として働いていない人のことです。
一度保育士を経験して辞めた人のほか、最初から保育士として働いていない人も含まれます。
よく使う保育用語【そ】
咀嚼(そしゃく)
よく噛んで食べること。
しっかり咀嚼することで、食べ物の味がよくわかるようになったり、唾液が出て消化の手助けになったり、満腹中枢が刺激されて食べすぎ予防になったりといった効果が得られます。
ゾーニング保育
ジャンルごとに用意されたゾーンのなかから、子どもたちが自由に遊びを選択して過ごす保育の進め方です。
コーナー保育とも呼ばれます。