新卒保育士の就活で内定辞退したいとき。タイミングや連絡の仕方、例文

新卒保育士の就活において内定辞退したい場合、承諾後でもできるのか、いつまでにすればよいのかなど気になる保育学生さんもいるかもしれません。
メールや電話においての伝え方として、マナーを意識した例文も知っておきたいですよね。
今回は、内定辞退のタイミングやできない場合の対処法、理由の述べ方などをくわしく紹介します。

悩んでいる就活生の写真

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新卒保育士は内定辞退できるのか

新卒保育士の就活において、複数の園から内定をいただいたものの、内定辞退をしたいというケースがあるかもしれません。

保育学生さんの中には、そもそも内定辞退はできるのか、「せっかく内定をいただいたのに、断るなんてできない」 「辞退したいなんて言ったら、怒られるのではないだろうか」といった不安を抱える人もいることでしょう。

結論から言うと、保育園の内定を辞退することは問題ないとされています。

一般企業の就活生さんにおいても起こりうることであり、自分自身が本当に働きたい場所で働くことは悪いことではありません。

中には内定承諾書という、「〇〇年〇月から入職します」という契約書のようなものの提出を求める園もあるようですが、そのような書類には基本的に法的な拘束力はないので、承諾後に内定辞退しても問題はないといわれています。

保育士の内定辞退はいつまで?

では、内定辞退をしたいとき、園や企業にはいつまでに連絡をすればよいのでしょうか。

内定辞退のタイミングと期限について紹介します。

タイミング

内定辞退の意志が固まり次第、できるだけ早く連絡しましょう。

学生さんの内定辞退後、園は代わりの保育士を探さなくてはならず、辞退が遅くなればそれだけ採用担当者や園に負担をかけることになります。

辞退したいときは、内定をいただいてから2~3日以内、遅くとも1週間以内には連絡しましょう。

ただし学校や人材紹介会社など、他者を通じて応募した園の場合は先にそちらへ連絡するのが一般的なようです。

仲介者が園と連絡を取ったときに、トラブルになる可能性があるため、自分から直接、内定先へ辞退の意思を伝えるのは避けたほうがよいでしょう。

期限

法的な内定辞退の期限は、民法627条により雇用契約開始日の2週間前までとされています。

つまり就業を開始する2週間前までに申し出れば、内定辞退をすることができるといえるでしょう。

しかし、実際に2週間前に辞退しては園に多大な迷惑が掛かります。
辞退したい気持ちがある場合はできるだけ早めに伝えることが大切です。

出典:民法627条/法務省

新卒保育士が内定辞退するときの注意点

次に、実際に内定辞退をするときの注意すべきポイントを紹介します。

連絡は基本的に電話で行なう

内定辞退の連絡をするときは、電話で行なうのがマナーとされているようです。電話で直接、採用担当者の方や園長先生に対して誠実に気持ちを伝えましょう。

電話する際も「本来なら直接お会いしてお話すべき内容ですが」と付け加えるとより丁寧な印象となるかもしれません。

一方、メールのみで内定辞退の旨を伝えるのは避けた方がよいでしょう。

何らかのトラブルで相手に届かない・相手が見落とすなどの可能性もあるため、電話にて確実に内定辞退の意思と謝罪の言葉を伝えるとよさそうです。

ただし、人材紹介会社など仲介者を通しての内定連絡がメールで来た場合には、内定辞退の意思を伝えるのはメールのみでもよいかもしれません。

園が忙しくない時間に連絡をする

園の迷惑にならない時間を選んで電話をかけることが大切なポイントになります。
登園や降園、昼食時などの忙しい時間帯は避けましょう。

一般的な保育園において電話に適した時間は、10:00~11:30頃・13:30~16:00頃となります。

先方の都合を第一に考えて連絡することを意識するようにしましょう。

理由を準備しておく

内定辞退の理由については、聞かれなければ話す必要はありませんが、聞かれた場合に備えて事前に準備しておくとよいでしょう。

急に理由を聞かれて戸惑ってしまい、「それならこの条件で」などと引き留められ、その場の雰囲気に流されて辞退ができないということにもなりかねません。

辞退する理由が伝えにくい内容の場合は、本当の理由をそのまま話す必要はありません。
園を立てる気持ちで、オブラートに包んで伝えるようにしましょう。

<理由を聞かれたときの返答例>

とても魅力的な園なので悩みましたが、さまざまな面から慎重に検討させていただいた結果、自分の適性を考え辞退させていただきたいと思います。

このように、「保育士としての自分の適性を踏まえた結果」「自分がやりたいことと異なっていた」など、あくまで自分の都合での辞退とし、相手の失礼にならないように注意して伝えることが重要といえそうです。

新卒保育士における内定辞退の伝え方と例文

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実際に電話・メール・手紙にて内定辞退を伝えるときの例文をそれぞれ紹介します。

電話での伝え方

まずは電話での伝え方の例文です。

緊張してしまいそうなときは、あらかじめ用意したメモを読みながら話すとよいかもしれません。

<電話での伝え方の例文>

「〇〇学校の〇〇と申します。
お忙しいところ恐縮ですが、園長先生の〇〇様(もしくは「採用担当の〇〇様」)をお願いできますでしょうか?」

(園長先生に代わって、再度自己紹介)

「〇〇様、ただいまお時間よろしいでしょうか?
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

せっかく内定をいただきながら身勝手なお願いで申し訳ないのですが、本日は内定を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました」

(辞退の理由を聞かれる)

「内定のご連絡を頂いてから、改めて私なりに熟考致しました。

〇〇や〇〇(園の方針や特色)など、私の成長につながる職場環境であることは、大変魅力的ではあったのですが、しっかり適応できるかどうか、という不安がぬぐい切れませんでした。

結果的に、園長先生のお時間を無駄にすることになり申し訳ございませんが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

本来ならば直接お詫びに伺わなくてはならないところ、電話でのご連絡となり、心苦しく思っております。
貴重なお時間をいただきながら、大変ご迷惑をおかけしました」

このように、丁寧な言葉遣いで、簡潔に話すとよいでしょう。

ただし、電話での連絡は形跡が残りませんので、話が通じたか不安な場合や「言った、言わない」といったことでトラブルになるのを防ぎたい場合は、電話のあとに手紙かメールを送るのが望ましいでしょう。

メールでの伝え方

電話での内定辞退の連絡をした後に送る場合の、メールの例文を紹介します。

<メールの例文>

(件名)
面接辞退のご連絡 大学:〇〇大学 氏名:〇〇〇〇

(本文)
社会福祉法人〇〇保育園
採用担当 〇〇様

こんにちは。
私は先日内定をいただきました〇〇大学〇〇学部〇〇です。

先日は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。

この度は貴園からの内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。

ご担当の〇〇様には園見学の際からお世話になり、大変心苦しく思っております。

ご迷惑をおかけし申し訳ありません。

末筆ながら、貴園益々のご発展をお祈り致します。

————————————————————
〇〇大学 〇〇学部
〇〇〇〇(氏名)
住所:
電話:
E-mail:
————————————————————

メールの件名には、差出人と要件を簡潔に記載すると他のメールに埋もれにくくなるでしょう。

内容には挨拶の後に内定辞退に対する謝罪と、就活においてお世話になったことに対する感謝の意を簡潔に示すことがポイントになります。

手紙での伝え方

次に、電話での連絡の後に送る手紙の例文を紹介します。

<手紙の例文>

拝啓

貴園ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

お電話でもお伝えいたしましたが、今回は誠に勝手ながら、内定を辞退させていただきたく存じます。

最後まで悩みましたが、自分自身の適性を考えた結果、このような決断に至りました。

貴重なお時間を割いて選考をしていただいたにも関わらず、お話を辞退させていただくのは心苦しい限りですが、何卒ご容赦ください。

就職活動を通して、大変お世話になりましたことを心から感謝申し上げます。

末筆ではございますが、貴園のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

令和〇〇年〇月〇日
(学校名)
(氏名)

お詫びの気持ちを伝える手紙の場合は、基本的に手書き・縦書きがマナーといわれています。

書いている途中で間違えてしまったとしても修正液などは使わずに最初から書き直すことが大切です。

最後に誤字脱字がないかや正しい言葉遣いで書けているかをよく確認するとよさそうです。

手紙に使う便箋や封筒は、白無地のものを選びましょう。

新卒保育士の内定辞退によるトラブルを避けるための対策

最後に、内定辞退の意思を伝える際のトラブルを避けるために、知っておきたい対処法を紹介します。

誠意をもって謝罪する

相手によっては、学生さんからの内定辞退を撤回するよう求めるため呼び出したり、怒られるような場面もあったりするかもしれません。

しかし、そのような場合でもめげることなく自分の意思を伝えましょう。

反論などはせず、「申し訳ありませんでした」ときちんと謝る気持ちが大切になります。

内定を辞退する場合は、そのような園の思いを心に受け止め、感謝の気持ちとともに誠実な謝罪をするよう心掛けましょう。

内定辞退の意思を貫く

就活生さんの中には、採用担当者の方から怒られることを恐れて、内定辞退の意思が揺らいでしまう方もいるようです。

園や企業の方も、学生さんの内定辞退を撤回してもらうために引き留めてくる可能性があります。

しかし本当に働きたい園があるのであれば、どのようなことを言われたとしても挫けず、内定辞退の意思を貫く姿勢が大事でしょう。

猶予がほしいときは期限を決める

園の内定を保留にしたい場合は、「家族と相談させてください」などの角が立たない理由を園に伝えて、猶予をもらいましょう。

猶予期間をもらうときは、必ず「〇日まで」と期限を設定し、期限内には正式な返答をすることが大切です。

自己都合で待っていただくことをよく認識したうえで、先方に失礼のないよう十分な配慮をするのが相手の方へのマナーとなります。

内定辞退の取り消しはできないことを心得ておく

内定辞退後、他の園から内定がもらえた場合でも、辞退した園より条件が悪いとそのまま就職したほうがよかったと後悔することもあるかもしれません。

しかし一度内定辞退を申し出てしまうと、基本的に取り消しはできません。

企業では採用予定人数が決められており、内定辞退者が出れば減った分を補充するために結果の通知を保留にしている学生を繰り上げて内定にすることが多いからです。

そのような後悔をしないためにも、内定辞退をしたら取り消しができないことを心得てから慎重に行なうとよいでしょう。

新卒保育士の内定辞退では謝罪の気持ちを誠実に伝えよう

今回は、新卒保育士の内定辞退のタイミングや注意点、電話・メールの例文、トラブルを避けるための対策について紹介しました。

マナーをきちんと守ることができれば、新卒保育士の内定辞退も問題ないでしょう。

辞退の意思を伝えるときは、先方へ電話したうえでメールや手紙を封筒に入れて送るなど相手への謝罪と感謝の気持ちが伝わるよう誠実に対応することが大切です。

内定辞退はなかなか言い出しにくいことかもしれませんが、次のステップに進むための大切な一歩です。

園からの採用内定をいただいた気持ちに少しでも報いるよう、丁寧な態度を心がけながら内定辞退の意思を伝えましょう。

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